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大そうじへの備え
note.com/akhysh
先般、情報システム学会から『「マイナンバー制度の問題点 と解決策」に関する提言』(以下、提言とよびます)が公表された。ちょっと違うんじゃないかなと思うところがいくつかあったのでまとめてみた。 同意する点も多々あるが、短くまとめるために(それでも十分長いが)指摘点だけ書いている。結果、なんだか文句だけつけてるみたいなエントリーになってしまったが、学会 vs 個人ということで、悪しからずご了承願いたい。 マイナンバーカード保険証問題は名寄せ問題ではない詳しいことは先のエントリー(これとか、これ)で書いたので省略するけれど、話題になったマイナンバーカードの保険証利用で他人に紐づいてしまっていた件は、マイナンバー収集方法の問題であり、名寄せ問題ではない。 実際、「マイナンバー情報総点検本部」でも本件を「マイナンバーの誤紐付け事案」と整理している。 しかし、「提言」では「2.1.1. 誤った名寄せの
マイナンバー情報総点検本部が開催され、大体の原因がはっきりした。報道以上の情報を持たぬので、この評価の是非はわからない。しかし、原因は原因として、国に、あるいはマイナンバー制度自体に問題はなかったのか。反省すべきはなんなのか。 問題の原因は結局、個人番号利用事務実施者において正しくマイナンバーが取得できていなかったことが原因とされている。これは以前「マイナ保険証問題とか公金受取口座問題とかは個人番号利用事務実施者問題ですから」で書いた通りだ。 マイナンバカードに問題はないし、データ連携を行う情報提供ネットワークも正常に動作していた。ところがマイナンバー制度を支える根本である「マイナンバーを用いて正しく情報が管理されている」という大前提が狂っていた。 マイナンバーを用いた情報の管理は個人番号利用事務実施者の責務であり、その点では今回のトラブルの責任は個人番号利用事務実施者にある。 では、国や
嘘か誠かマイナンバー関連の諸問題でマイナンバーカード返納する人がいると聞いたので。まったく無意味だし、そもそもマイナンバーカードに何の問題も起きてないし。 マイナンバーの諸問題はマイナンバーカード関係ないマイナンバー関連の諸問題はここでまとめたけど、基本的に個人番号利用事務実施者が間違ったマイナンバーと紐づけてしまったこと。 マイナ保険証で他人に紐付いてた問題は健康保険組合が間違ったマイナンバーを登録したのが原因。マイナンバーカードを持っていようといまいと、マイナ保険証を利用しようとしまいと、間違って登録されていたら間違ってる。もし今間違ってるとしたら、カード返納したっておかしなままで何も変わらない。 マイナンバーカードがあればマイナポータルで状況確認できるが、カードがないと確認が難しくなってしまう。 公金受取口座は自分で登録する際に、間違って他の人のアカウントに登録してしまったり、家族と
相変わらず混乱した議論が多いので、キソのキソを整理する。マイナンバーについて、これがベストかどうかという議論はさておき、とにかく今はこうだということ。厳密に説明し出すと長くなるので、あえてざっくりだけど マイナンバーは個人を特定する識別子あたりまえだけどマイナンバーは個人を特定する識別子だ。住民票を元に付番されている。 重要な性質として、唯一無二悉皆不変がある。 唯一無二とは一人に必ず一つということ。重複はない。だからマイナンバーが指定されれば一人が確実に定まる。悉皆とは全員にということ。全ての国民に(一部外国人も含まれるけど)マイナンバーがついている。不変とは文字通り変わらないということ。例外的な場合を除いて一生涯変わらない。 つまり、マイナンバーを使えば全ての国民のなかから特定の一人を一生涯追跡できるということ。 この性質は極めてプライバシーインパクトが強い。だからこの後説明する様々な
今、世間を騒がしているマイナ保険証が他人に紐づけられてしまってた問題とか、公金受取口座が間違って登録されてた問題とかは、個人番号利用事務実施者における本人確認義務不履行問題であって、マイナンバーが分散管理だからとか、ましてや情報提供ネットワークがどうのとかって話とは全く無関係なんでという話。 マイナンバー制度を危ぶむ諸課題マイナンバー制度の否定にも繋がりかねない問題が頻発している。世間を騒がすのは コンビニ交付で他人に証明書が出てしまった問題 マイナ保険証が他人に紐づいていて、情報が漏れてしまった問題 公金受取口座が間違って他人の口座になってしまっていた問題 の三つ。 この中でコンビニ交付問題はマイナンバーとは全然関係ないので混ぜないように。これは言ってみればネットワークプリンターの制御ソフトがタコだったようなもの。交付の要求もとでちゃんと印刷すべきところを雑な制御してたせいで、間違って他
「地方公共団体情報システムの標準化に関する法律」の法案について、かってに口語訳してみた(しゃれですよ、しゃれ) 第一章 総則 (目的) 第一条 いいかげん行政手続きでもデジタル使いこなさないと国民も不便でしかたないし、そもそも自治体も持たない。だから、自治体システム標準化する。これ、国と自治体の責任な。機能標準とそれの進め方とか決めるんで。 (定義) 第二条 「地方公共団体情報システム」自治体システムな。ラインナップは政令で定めるから。対象の事務は「標準化対象事務」と呼ぶんで。 2 「機能等」標準化する対象な。機能、DBの画面出力、帳票出力、項目とかコードそれとセキュリティ要件とか決めるからね。あとクラウドについても決める。保守・管理も対象な。 3 「地方公共団体情報システムの標準化」標準化されたシステムを自治体が使うこと自体ね。 (基本理念) 第三条 マイナンバー法とかデジ庁とかいろいろ
自治体システムを国で一元化すべきという意見があります。別にダメとは言わないのです。ただ、ナイーブに一元化すれば安くつくとか効率化されるとか、ましてや住民サービスが向上するとか、そう思っているのだとすれば、ちょっと待ってほしいなという話。 今はバラバラのシステムシステムという言葉は守備範囲が広いので、ここではコンピュータで処理される情報システムのことだと思ってください。 現状、1700ほどある自治体は基本的にそれぞれにシステムを導入しています。共同利用は徐々に進んでいますし、SaaSとして自己保有ではなくサービスとして利用する動きも出てきています。しかし、所管としては個々個別です。 ここで問題なのが地方自治とはいえ、1700余りの自治体がやっている仕事は大体同じだということ。どこの団体も住民票は発行されるし納税証明ももらえます。微妙にデザインとか違うけど、基本同じような証明書が出てきます。
総務省より「住民記録システム標準仕様書 第1.0版」がとうとうリリースされた。ちょっと大切じゃないかと思える部分について整理してみたい。 なお、標準仕様に完成とか正解とかはない。一度世に出たからは、ひたすら改善・改訂を続ける宿命を背負う。初版であり、これで十分とはもちろん思わない。だが、やみくもに否定しても意味はない。これから具体的実装が進むに従い、どれだけブラシュアップされていくかが本当の闘いだろう。 標準仕様が出たということとにかくシステムについての標準仕様が出たという事実は大きい。それも法定事務とはいえ、自治事務である住民記録事務をつかさどるシステムの標準化である。地方自治の自由度を制限することになっても標準化しなければならない、デジタル社会に対応するとはそおいうことだ。 しかも、この標準仕様はホワイトリスト方式をとっている。すなわち、標準仕様で実装すべきとされた機能は実装しなければ
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