サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
2024年ランキング
nostos.jp
山田です。写真が好きで好きで仕方ありません。 特にアラーキー。世間的にヌードのイメージが強いようですが、スナップや風景なども素晴らしく、その多面性にも惹かれます。世界的に評価される一方で、「あのエロカメラマンのどこがすごいの?」と疑問に思う人もいるようで……。そこで今回は、作品を見ながらそれらの写真が生まれるに至った彼の人生も辿ってみたいと思います。 下駄屋を営み、アマチュア写真家でもあった父の影響を受け、写真を撮り始めたアラーキー。千葉大学在学中、雑誌『太陽』が主催する太陽賞に『さっちん』でエントリーし、見事に受賞します。 この作品について、インタビューでは次のように話しています。 この日常に犯されつづけてきたアパートの情景と、汗だらだらでとびはねるさっちんたちは、完全に私をとりこにしてしまった。(中略)一年間、いっしょにとんだりはねたりして遊んだ結果、日常のなんでもないことの中にすばら
中野です。 ビートニクやビート・ジェネレーションという言葉を聞いたことがあるかもしれません。なんだかカッコイイ響きですよね。今から50年も昔の出来事ですが、詳しく調べていくとその後のロックやヒッピー文化といったカウンターカルチャーの大きな流れを少し理解できるかも? 今回は当時のファッションやカフェの雰囲気、街の様子といった貴重な写真の数々を眺めながらご紹介してみようと思います。 1950年代のアメリカは第二次世界大戦を終え、豊かな経済発展を謳歌していた黄金時代。そんな初めから与えられていた人生に反発し、自分で自分の人生を決めることを求めた若者たちがいました。 中心人物は、「オン・ザ・ロード(路上)」を書いたジャック・ケルアック、詩集「吠える」を発表したアレン・ギンズバーグ、小説「裸のランチ」のジャンキー作家ウィリアム・バロウズの3人。 保守的な当時のアメリカの体制に異を唱え、言葉を武器に個
中野です。こんにちは。 前回「タイポグラフィを知る 」というテーマでデザインの基本は文字。デザイナーなら知っておきたいタイポグラフィ参考書 5選 という内容の記事を書きました。 文字に興味を持つことを入口をするならば、次のステップとして「見る目を養う 」というのはどうでしょうか? コンピューター上で膨大な数の書体を簡単に扱えるようになった反面、文字や字形そのものを見る目を持っていなければ、読みやすく美しいタイポグラフィを作るのは不可能です。 今回は文字を見る目を養うために役立つタイポグラフィの参考書籍をご紹介してみます。 文字のデザイン=組版というタイポグラフィの基本 を学ぶには、文字だけで成立するクオリティの高い印刷物を見ることでも養えます。名刺、レターヘッド、封筒、招待状のような社交用印刷物や、フォーマルなディプロマなどの厳密なルールに基づいた欧文活版印刷の第一人者である嘉瑞工房の高岡
こんにちは、石井です。 新刊書店や古書店に並ぶ様々な表情の書籍。本の顔である装幀=ブックデザイン は、販売促進の手段のひとつであり、読みやすさ、コスト、保存面においても重要な意味と役割を持っています。また、時代背景や技術の進歩とともに本の纏う雰囲気も大きく変化してきました。時代を遡って、ブックデザインから見えてきたもの。それは芸術とデザインの共存でした。 今回は、大正から昭和にかけての近代日本の装幀を振り返ってみましょう。 大正末期より昭和初期にかけて起こった大衆文学ブームにより、本は庶民にとって身近な存在になり、出版社は次々と個性的かつ内容にふさわしいデザインの書籍を作りました。まずはそんな時代に活躍した、ひとりの装幀家に着目してみたいと思います。 恩地孝四郎は明治24年に東京に生まれ、その生涯を通し、版画、詩、書籍の装幀、写真などの分野ですぐれた作品を遺しました。本書「装本の業」は、恩
こんにちは、石井です。 詩人であり童話作家である宮沢賢治。「風の又三郎」「注文の多い料理店」「セロ弾きのゴーシュ」など、その著作はどなたも一度は手にとったことがあるのではないでしょうか。 そして代表作といえば「銀河鉄道の夜 」。夢と現実が交差する世界観、独特に響く美しいことば、断片的にあらわれる死の暗喩。幻想的で謎めいた世界観は人々を魅了し、様々なかたちの絵本や評論、考察を産みました。本日は、3冊の「銀河鉄道の夜」とともに、宮沢賢治にまつわる書籍をご紹介します。 「銀河鉄道の夜」のストーリーは、孤独な少年ジョバンニが、星祭の夜に銀河鉄道に乗車し、親友カムパネルラとともに旅をするというもの。はくちょう座から、わし座、さそり座、みなみじゅうじ座まで、天上を走る汽車の中、ジョバンニは様々な出会いと別れを経験します。そして、カムパネルラとの永遠の別離。死後の世界とも夢ともつかぬ幻想的な物語は、悲し
こんにちは、石井です。 書店やコンビニに並ぶ華やかなファッション誌の数々。ハイファッション、ストリートファッション、ライフスタイル...etc。特集内容もエディトリアルデザインも色とりどりです。時代に寄り添いながら進化し、現代では多種多様な展開をみせるファッション誌ですが、そのルーツはなんとたったの2種類。1800年代後半にアメリカで創刊された「ハーパーズバザー」と「ヴォーグ」です。 本日は、「ハーパーズバザー 」のエディトリアルデザインに革命を起こし、ファッション誌におけるページ構成の基礎を築いたアートディレクター、アレクセイ・ブロドヴィッチ の仕事を取り上げたいと思います。 ハーパーズバザーは、女性向けファッション雑誌として1867年にアメリカで創刊されました。長い歴史のなかでいくつもの栄光を手にしてはいるものの、エディトリアルデザイン面で大幅な飛躍を遂げたのは1940年〜1950年代
こんにちは、石井です。 本日は、尊敬と畏怖を込めて、個人的に強く憬れるデザイナーを追いかけてみたいと思います。 日本におけるDTP(デスクトップパブリッシング)の先駆者として変革をもたらし、今も多くのデザイナーに影響を与え続けているグラフィック/エディトリアルデザイナー、戸田ツトム 。1970年代の写植時代からスタートし、パソコンによる組版のデザインに移行した1990年代までの氏の膨大な仕事をまとめた作品集「D-ZONE エディトリアルデザイン 1975-1999」を軸に、関連書籍をご紹介します。 本書「D-ZONE エディトリアルデザイン 1975-1999」のページをめくると、おびただしい量の本、本、本。装丁やエディトリアルデザインを担当した書籍と、戸田氏本人によるコメントやインタビューがぎっしりと掲載されており、その設計思想やデザイン哲学を余すことなく読み解くことができます。さらには
山田です。 2016年ももうすぐ終わり……。あっという間に2020年がやってくることでしょう。来る東京オリンピックに胸が高鳴ります。 13年競泳に打ち込み続け、現役時代はオリンピックの競技中継を録画してはフォーム改善の参考にと見直したものです。鍛えすぎで磨きのかかったいかり肩を「冷蔵庫みたい」なんて言われたこともありました。でも、それも勲章だと思ってた。 そんなわけで競技も楽しみなのですが、国の先進技術を披露する場でもあるオリンピック。これだけ多くのデザイン本に囲まれていると、デザインにも興味を持たずにはいられません。 今回は、いまなお輝く不朽の名作を作り上げた2人のデザイナーの仕事から、オリンピックでの中で展開されるデザインを見てみたいと思います。 亀倉雄策:1964年 東京オリンピック(日本) 象徴を形にするロゴマーク オリンピックで一番頻繁に使われるのが、このロゴマーク。一時期話題に
中野です。 女の人って強いですよね。母は強しと言いますが、母じゃなくても強いのに母になったらそりゃ強いです。自立した女性は強く、そして美しい。 女性に対する偏見もまだ多かった60年代初頭から広告という世界に飛びこみ、のちに映画や舞台の衣装デザインで世界的に評価された石岡瑛子は、そんな強く美しい女性の代表です。73歳で亡くなるまでスーパーウーマンであり続けました。 本日は石岡瑛子の広告アートディレクター時代をご紹介します。 「もし私を採用していただけるとしたら、グラフィックデザイナーとして採用していただきたい。お茶を汲んだり、掃除をしたりするような役目としてではなく。それからお給料は、男性の大学卒の採用者と同じだけいただきたい。」 資生堂の面接でこういってのけた石岡瑛子のパワフルな活動はここからスタートします。 資生堂から独立した1970年以降、パルコのイメージ戦略におけるトータルディレクシ
こんにちは、石井です。 中野の書いたブログ「女性であることを強みにかえて。戦う女・石岡瑛子の広告アートディレクション術 」に続き、昭和のデザインを追って、一気に戦前・戦中まで遡ってみようと思います。 時は1942年、東方社という出版社のもとで、プロパガンダを目的とするグラフ誌「FRONT」は創刊されました。激動の国際情勢を反映した内容と、その卓越した表現力・技術力から、戦前・戦中を代表する対外宣伝グラフ誌としてデザイン史に今も名を刻んでいます。 この他に類のない宣伝誌を生み出したのは、原弘や木村伊兵衛をはじめとするデザイナーや写真家たち。 本日は「FRONT」を軸に、制作に関わった人びととその関連書籍をご紹介します。 1942年から1945年までに出版された「FRONT」は全9冊(終戦直前まで制作されていた「戦時東京号」は東京大空襲で消失したため、未刊)。戦後、オリジナル版はそのほとんどが
小田急線 「成城学園前駅」で下車 → 【渋24 渋谷駅行き】のバスに乗車 → 「成育医療研究センター前」で下車、徒歩2分 渋谷駅、三軒茶屋駅、用賀駅、二子玉川駅などからもバスをご利用いただけます。
山田です。 雑誌が好きで、本屋に行くとついつい何冊も買ってしまいます。時代のトレンドをキャッチしたり、コラムやレビューから知らない音楽や本に興味を持ったり。数年後に改めて手に取り、懐かしむのも楽しいものです。 ファッション、カルチャー、音楽、映画、アートなどなど、ジャンルを超えて1冊にまとめ上げるエディトリアルデザイン。書籍とは違い、限られたスペースで情報を伝えなければいけない大変さはありますが、「こんなパズルの正解があるのか!」とその切り口や見せ方に魅了されます。 今回は、そんなエディトリアルデザインのなかでも、雑誌黄金時代を築き上げたアートディレクターやデザイナーの仕事をご紹介します。 女性誌をテキスト中心からヴィジュアル中心に変えた堀内誠一。アン・アンの他にも、ブルータス、ポパイなど人気雑誌を手がけた名アートディレクターです。 思わず手に取って、うきうきと眺めてしまう表紙や誌面。今で
こんにちは、石井です。 今日は本にまつわる本をご紹介したいと思います。読書を楽しむことはもちろん、本という物質的な存在自体を愛する人々、すなわちビブロフィリア。愛書狂、書物崇拝狂などとも称されます。そんな彼らによる読書論や集書論、書評などの「本の本」または「書物の楽園」へのガイドブックを、リスペクトを込めてまとめてみました。 それではまいりましょう。 本書はフランス文学者・生田耕作が、愛書狂という不治の奇病におかされた人々を描いた短編作品を編纂。ギュスターヴ・フローベール「愛書狂」、アレクサンドル・デュマ「稀覯本余話」、シャルル・ノディエ「ビブリオマニア」、フランソワ・アスリノー「愛書家地獄」、アンドルー・ラング「愛書家煉獄」の5篇が収録されています。本の魅力にとり憑かれてしまった書物狂いの顛末やいかに。
中野です。 最近、現代詩面白いなと感じはじめています。何本か記事を書きましたが、デザインの歴史を調べるとダダやシュルレアリスムも詩人が先導していたことがわかり、ますます興味が広がってきました。 明治に生まれた北園克衛は詩人でありながら、すぐれたデザイナー・編集者でもあり、装幀やイラストレーション、写真といったあらゆる表現方法にも際立った力を発揮しました。 しかし、本人はあくまで詩人であることを生涯貫き通しました。 本日はそんな孤高のモダニズム詩人・北園克衛についてご紹介してみようと思います。 大正末期から昭和初期頃、いわゆるモボモガ(1920年代)時代に北園克衛は詩を書きはじめます。この時代は、全世界的に見ても芸術家たちの大いなる実験合戦が繰り広げられた時代です。 北園克衛もその渦中で詩を選びましたが、書くだけではなく、それがどのように印刷されて人の目に映るべきか、というデザインの目をこの
こんにちは、石井です。 本日は資生堂が展開してきた広告表現に着目してみたいと思います。 明治維新から間もない1872年(明治5年)、西洋医学を学んだ創業者・福原有信は民間では日本初の洋風調剤薬局として、東京・銀座に資生堂を開業しました。薬の製造販売からスタートし、人をより美しくする化粧品販売、さらに美しく心地よい価値を模索する新たな事業へと、資生堂は「美」の追求を創業の時代から今日まで続けている稀有な企業といえます。 そういった長い歴史を踏まえたうえで「資生堂宣伝史」「異端の資生堂広告」の2冊を中心にデザインの変遷を振り返りつつ、関連書籍をご紹介いたします。 本書「資生堂宣伝史」は、創業から1979年当時までに展開されたCI、パッケージデザイン、CM、広告デザインなどの膨大な情報を編纂した資料集です。 明治・大正・昭和を通し、資生堂が化粧品事業を発展させていく理念は、一貫して「より美しいも
「いまは無用の知識でもいつか必ず役に立つ!」というコピーの通り、素晴らしきムダ知識が満載の本書ですが、実は写研・モリサワの写植文字を駆使した書体見本帳でもあります。 一つのトリビアに使用した書体名とQ数、長体や斜体をかけている場合はその数値まで記載されています。なーるほど。 カウトゥーシュ(象形文字で書かれた王名を囲む長円形のわく)を見れば、それが誰だかわかるらしい。意外とタメになる? 「ファラオの見分け方」「油田を掘る方法」「水上スキーをはいて、立ち上がるには」など、数百の雑学が書体とともに掲載されています。役に立つのかたたないのか全く不明ですが、小ネタとして一つ二つ覚えておいても損はないかもしれません。 「赤鼻の直し方」。これは知らなかった。意外と役立つかも? 何気なくパラパラとページをめくりながら気になった書体を調べてみる、という流れから、個人的には写研書体に興味を持つきっかけになり
山田です。 遅ればせながら、都築響一の『圏外編集者』を読みました。読み込みました。本屋の傍ら編集業もやっているので、学ぶところが多かった。 都築響一は編集者でありながら、本を作るために写真も撮るようになったという変わった肩書の持ち主。写真家としてご存知の方も多いのではないでしょうか?本から溢れ出る、伝えようとするエネルギーは他に類を見ません。彼こそ山田かつてない、いや、いまだかつてない編集者。 アカデミックな編集を学ばずに、与えられた機会を経験値に換え、己の感性に従って本を生み出していく。そんな都築響一の著作は、まさに独学編集者のためのバイブル。『圏外編集者』を読みながらこれまでの著書を手に取ってみると、3つの編集の極意が浮かび上がってきました。
こんにちは、中野です。 レコードといえばジャケット。 LP12インチだと約30cmもあります。中身がわからなくてもジャケットデザインだけで選ぶ楽しみがあるのもレコードの魅力です。 ポスターのようにお気に入りの一枚を飾ったりするのも良いですよね。 今となっては時代的になかなか難しいかもしれませんが、デザイナーなら一度は手掛けたいという方も多いのではないでしょうか? レコード復活の兆しもあるようですし、もしかしたら可能性があるかもしれません。 というわけで、今回はデザインのアイデアソースとして「ジャズのレコードジャケット」を集めた書籍をご紹介します。
こんにちは、中野です。 「バウハウス」というと、グラフィックデザイナーであれば一度は耳にしたことがあるかと思いますが、実は具体的にあまりよくわかっていない、という方も多いのでは? 僕もさっぱり知りませんでした。 「バウハウスっぽい」「バウハウスの影響が〜」などと聞いて、「ほうほう。ふむふむ」などと知ったかぶりしてはいけません。 知らないときは、歴史を調べてみよう、ということで、本日はバウハウス。 特集:デザイン史に残る芸術学校「バウハウス」の歩み でも展開しているバウハウス関連書籍はノストスブックスでも安定した人気があります。 バウハウスとは、1919年にドイツに設立された、工芸・写真・デザイン・美術・建築の総合的な教育機関のこと。すべての芸術の総合を目指した教育理念こそが後の現代美術に大きな影響を与えたと言われています。美大のようなイメージなのでしょうか?日本でもバウハウスをモデルにして
こんにちは、石井です。 本日は久しぶりに音楽棚に手を伸ばしてみました。 みなさまは戸川純をご存じですか? 戸川純は1981年のライブ・デビュー以来、カルト的な人気をほこる歌手であり、女優でもあります。戦前歌謡曲と電子音楽を融合させたゲルニカや、ニューウェーヴとロックを行き来したヤプーズなどのバンド活動。ソロ活動では巫女・ランドセルの小学生・パンクファッションなどの七変化をみせたり、右腕からレーザー光線を放射したりと、その活動は枚挙にいとまがありません。そんな彼女の楽曲やパフォーマンスから受けた衝撃は数知れず。ひと言でいえば、大好きなのです。 よって今回は、可愛さと真面目さと狂気の集合体・戸川純の魅力をさらに掘り下げられる書籍を、動画をまじえながらご紹介したいと思います。
15世紀のヨハネス・グーテンベルクから始まったタイポグラフィの歴史は、コミュニケーションの歴史とも言えるのではないでしょうか?伝えるべき内容を、より明確に、より効果的に。長い年月をかけて進化と変化を重ねてきたタイプフェイス、レタリング、ロゴタイプなど、タイポグラフィにまつわる書籍をあつめました。今回は欧文編。
ノストスブックスをオープンして以来、海外書店のトートバッグをお土産でもらうことが増えてきました。老舗書店から地域密着型の小さなお店まで、デザインや素材にもさまざまなバリエーションがあるんですよね。「いつか海外書店巡りしてみたいなぁ」という思いを馳せながら、その日の気分でトートバッグを選ぶのは楽しいものです。 以前から店舗で海外書店トートバッグを販売していましたが、とっても好評なのでウェブストアでも取り扱いをスタート! 現在取り扱っているトートバッグをご紹介します。 Adobe Books 1989年にサンフランシスコのミッション地区でオープン、現在はアートコミュニティとして機能し若いアーティスト達が集まるアドビ・ブックス。真っ赤なボディにシンプルなロゴがプリントされたトートバッグ。コンパクトに折りたため、エコバッグとしてもお使いいただけます。 オンラインストアで詳しく見る Powerhou
こんにちは、石井です。 今回のブログでは誠文堂新光社発行のグラフィック情報誌「アイデア」のバックナンバーから、海外のタイポグラフィやグラフィックを特集した号をピックアップしてご紹介します。 「アイデア」は1953年に創刊されて以来、国内外の良質なデザインを紹介し続けている雑誌です。デザインにまつわる仕事に就かれている方ならば必ず一度は手にとったことがあるのでは。デザインに煮詰まった。参考資料を探したい。そんなときは過去のデザインアーカイブを活用してみましょう。それでは、どうぞ。
こんにちは、中野です。 本日はダダ、シュルリアリスムに続いてロシア・アヴァンギャルド 。 ロシア・アヴァンギャルド というと、特徴的な色使いとシンプルな幾何学図形、タイポグラフィを組み合わせた力強いエネルギーに溢れたビジュアル。このような説明がもっともシンプルでしょう。 ではいつ、どのような思想を持ち、芸術家たちは何を目指していたのかという視点を加えてみるとどうでしょうか? 本日はそんな目線でロシア・アヴァンギャルドをご紹介してみます。 ロシア・アヴァンギャルドは、1917年に起きたロシア革命のさなかに生まれた芸術運動です。 第一次世界大戦の長期化によって、ロシア経済の混乱と疲弊は次第に国内の不満を抑えきれなくなります。これを起因として起こったロシア革命は、300年あまり続いたロマノフ王朝を倒し、世界初の社会主義国家を樹立させました。 ロシア革命の混乱の中で生まれた前衛芸術表現は、政治と結
山田です。 「本好き」と一口に言っても、好きなポイントはさまざま。それは、読む本のジャンルによっても変わるでしょう。 個人的には、装丁まで楽しめる本が好き。そもそも「装丁」とは本を構成する全てを決めることであり、表紙のデザイン、どんな紙を使うか、フォントはどうするか、スペースはどう取るか……などなど、内容の世界観を本という形に仕立てるのがブックデザイナー。なぜなら紙の厚みや感触、フォント、行間で印象が全く違うから。 本のおもしろさが伝わるのは、装丁家がちゃんと作者の気持ちを汲みとって形にしているから。そこで、名著の立役者であるブックデザイナーたちの仕事から、装丁の見どころをご紹介しましょう。 谷川俊太郎の詩集のイラストを見たことがある方は多いのではないでしょうか。このイラストを描いた装丁家が和田誠です。 「和田誠 装幀の本」本文より。イラストレーターとしても活躍しており、「お楽しみはこれか
ランボオ全作品集 著者 アルチュール・ランボー 装丁 駒井哲郎 出版社 思潮社 発行年 1969年 製本 函・ハードカバー 頁数 572ページ サイズ 単行本 人間の仕事!これが、おれのいる奈落の底を時おり照らし出す爆発だ。「なにひとつ、空しくはない。科学へ進め!前進!」と近代の伝道者が叫ぶ、つまり世間みんなだ。(中略)ああ!いそげ、も少しいそげ、夜を超えた向こうには、未来の、永遠の報いがある。おれたちはあれを取り逃がしてしまうのか? ー「地獄の季節/閃光」 より 早熟な少年のように反抗的で情熱的な詩人といえばアルチュール・ランボー。日本の詩人にも広く影響を及ぼし、愛されたことでも知られています。本書「ランボオ全作品集」の翻訳はフランス文学者であり詩人でもある粟津則雄によるもの。早熟の天才、アルチュール・ランボーの象徴的な詩とビジョンが、粟津則雄の平明かつ現代的な言葉で蘇ります。
こんにちは、石井です。 今回は風景写真、とりわけ「ニューカラー 」と呼ばれる表現を取り上げてみようと思います。 カラー写真の技術は1940年代にほぼ実用化され報道や広告で積極的に使用されていましたが、アート表現としてのカラー写真が登場するのはしばらく後のこと。1960年代から1970年代、色調の安定性などの問題が解決されると、カラー写真を取り入れた新しい世代の写真家たちが次々と登場します。彼らの試みた独特の美しい発色のカラー写真表現は「ニューカラー」と呼ばれるようになりました。 そんなニューカラー派を代表する写真家、ウィリアム・エグルストン、スティーブン・ショア、ジョエル・マイロウィッツのほか、あらたな風景写真の表現を試みた2名の作品集をご紹介します。
こんにちは、中野です。 「ダダイズム 」という芸術運動を知ってますか?ダダともダダイスムとも呼ばれます。ノストスブックスにもたくさんの関連書籍があるのですが、シュルレアリスムとダダイスムって何が違うの?仲間?別物?ということは、正直ほとんど理解していませんでした。個人的にコラージュを作っていたので、コラージュ=シュルレアリスムという認識でいましたが、詳しく調べてみると、思想として面白いのは断然ダダだ!という結論に至りました。 ダダイスムは、第一次世界大戦中の1916年、スイス・チューリッヒで起こります。フランスの詩人・トリスタン・ツァラの「ダダ宣言」は世界中の芸術家の賛同を得て、チューリッヒ・ダダ、ベルリン・ダダ、ニューヨーク・ダダなど世界中に同時多発的に飛び火し、多くの影響を与えました。日本にもダダは飛び火しています。 調べれば調べるほど、歴史好きの血が騒ぐ1910年代〜20年代の芸術史
こんにちは、石井です。 薔薇十字社という出版社をご存知ですか?薔薇十字社は1969年に設立され、1973年に倒産するまでの4年間に外国文学、日本文学、評論集などを次々に刊行した出版社です。小規模な出版社であるにもかかわらず、個性豊かな執筆陣、美しいブックデザインを施された書籍にファンも多いのではないでしょうか。ノストスブックスの文学棚でも、ひときわ異彩を放っています。 もともとは、堀内誠一や野中ユリによる装丁に惹かれて集め始めた薔薇十字社本。ですが次第に、澁澤龍彦や種村季弘、巖谷國士など、同時代に活躍した文学者たちの交流が網の目のように広がる様子、博学多識な彼らが活き活きと語る論考、そしてすぐれた文芸家たちのあやつる言葉に魅せられて、いつのまにかお気に入りの出版社になってしまった次第であります。 今日はそんな薔薇十字社の書籍から15冊をご紹介します。
次のページ
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『デザイン書買取販売 nostos books ノストスブックス』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く