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大そうじへの備え
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約2年前、就活をしていてよくされる質問があった。 「あなたはなぜジェンダーを専攻したのですか?何かきっかけがあったんですか?」 就活生の考えやきっかけから紡ぎ出される言葉を聞くため、どんな分野を選んでいようと、尋ねることになっているのだろう。しかし、この質問に対する最適な答えは持ち合わせていない。毎度戸惑ってしまい、ネットで見た適当な言葉を並べる。 太っていた私を見下した彼女たちは、変わった私を「ビッチ」と噂した 勉強している「理由」って話さなくちゃいけないの? ジェンダーやセクシュアリティの勉強をしていることを語る時、自分の過去の経験やセクシュアリティを半強制的にカミングアウトさせられているような、そんな少し傷ついたような気持ちになる。 自分が当事者であることが、専攻を決めた大きなきっかけになっている人もいるだろう。また、過去に傷ついた経験があったり、自分が違和感を感じたり理不尽な経験を
私は日本を愛している、なんて書くと右翼の急進派の人間だと思われるかもしれないが、私はとても純粋な気持ちでこの国のことが好きだ。 太古の昔から自然災害はつきもので、何度も倒れ、立ち上がり、国が開けてからは外国からもたびたび攻撃され、そのたび倒れ立ち上がってきたひたむきな強さがあるからだ。 まさに日本の強さはこの七転び八起きの精神にあり、それゆえ日本人は粘り強くよく働き、その真面目さから生まれる日本の製品は緻密で性能が良く、世界を魅了し、経済大国となりえたのではないか。 社長の抱擁を拒否できなかった私。自分を傷つけた私を絶対忘れない ◎ ◎ しかし、とかく現代は、「日本は終わりだ、外へ出ろ」という声が至る所で聞こえてくる。大学時代に国際関係の学部にいた私は、そのような声に影響された海外志向?の学生に囲まれて居心地の悪さを感じていた。日本なんて出て外で働きたい、外に住みたいとい
私の父は、2年前に交通事故で亡くなった。 伝えたいことがたくさんあった。だけど、もう会えない。後悔しかない。だから見てほしい、私のクレイジー父の生き様。 父が無職になり、家が大ピンチに。知らない男の咥えた煙草に、私は何本も何本も火を点けた 多趣味な性格で、5人家族の私たちを支えるために日々奮闘していた父 私の父は警察官だった。後々聞いた話だけど、それは父の母(私の祖母)が無理やり敷いたレールだった。毎日色んなことがある警察官は本当に大変だったと思うけど、5人家族の私たちを支えるために日々奮闘していた。弟が怪我をして流血したときも顔色変えずに、さっと対応している冷静な場面を見ることもあり、尊敬していた。 だけど、父は変わった人だった。多趣味な性格で、休みの日はトランペットを吹いたり、ギターを弾いたり、ヨガをしたり、走ったり、サプリを飲んだり、極め付けには家に筋トレ道具一式も購入していて身体の
AKB48の最後の一期生で、アイドル歴14年の峯岸みなみさん。新型コロナの影響で卒業が延期となり、アイドル“留年”中のいま「かがみよかがみ」でコラムニストデビュー!「他人に褒められることをモチベーションに生きてきた」というアイドル時代を振り返りながら “宿題”に向き合います。 何年も前からずっと頭を離れない言葉がある。 忘れていたとか、思い出さないようにしていたとも違う。いつでも取り出せる場所で静かに身を潜めていたその言葉たちが、大人になってふと会いにきてくれることがある。子供の私では意味をちゃんと理解できず会話の邪魔にならないぐらいの相槌を打っていたけど、ようやく再会を果たした時、改めて心に刻み込まれたりする。 14年ぐらい前。まだAKBの活動がほとんど劇場公演だけだった頃。 当時の秋元先生の運転手である岩崎夏海さんから、その日の公演の感想ついでに言われた言葉。それは、私のコンプレックス
「ライトノベルファンです」とは全く言えないし、大声では恥ずかしい 私には17年間追いかけている作家さんがいる。彼の名前は西尾維新。今ではライトノベル作家として広く知られている。ドラマ化・アニメ化・漫画化の原作者として、小説を読んだことはないが名前は聞いたことがある、本屋さんでポスターや新刊を見たことがあるという人も多いのではないだろうか。 しかし私は「ライトノベルファンです」とは全く言えない(他の作家のライトノベルは現状1冊も持っていない)。また、「ライトノベルが好きです」と大声で言うのは、ちょっと恥ずかしいみたいな感覚が私の中にあることを、否定できない。電車の中で読む時は、カバーを外さないと落ち着かなかったりする(本当は布教したいのに)。しかし事実、西尾維新作品のファン歴は長いし、私の人格の何%かは間違いなく、彼の作品群から形成されている。 こちらもおすすめ:【厳選】これを読めばわかる!
AKB48の最後の一期生で、アイドル歴14年の峯岸みなみさん。新型コロナの影響で卒業が延期となり、アイドル“留年”中のいま「かがみよかがみ」でコラムニストデビュー!「他人に褒められることをモチベーションに生きてきた」というアイドル時代を振り返りながら “宿題”に向き合います。 先週の土曜日、私の中の意識が大きく変わる出来事がありました。フジテレビ『まっちゃんねる』という番組内の1コーナー「女子メンタル」という、女性タレント同士が笑わせ合う企画にて、まさかまさかの優勝を果たしたのです。 峯岸みなみさん前回コラム:「禁酒300日を超えた私が思う、禁酒を始めて良かった7のこと」 普段、出演番組の放送後にエゴサをしてみても、やれ“嫌い”だ、やれ“整形”だと辛辣な言葉が並ぶツイッターが、その日だけは称賛の嵐。友達からも、しばらく会っていない人からも労いの連絡をもらい、翌日には新しい仕事のお話が何個も
AKB48の最後の一期生で、アイドル歴14年の峯岸みなみさん。新型コロナの影響で卒業が延期となり、アイドル“留年”中のいま「かがみよかがみ」でコラムニストデビュー!「他人に褒められることをモチベーションに生きてきた」というアイドル時代を振り返りながら “宿題”に向き合います。 去年の12月、卒業発表をした私は卒業コンサートのその日までなに一つ後悔することなく過ごそうという決意のもと、禁酒を始めました。 最近、友達やツイッターのリプライでも「どうしたらお酒をやめられますか?」なんて聞かれることがありますが、正直、絶対に辞められる簡単な方法なんてものはなく“自分の意志次第”としか言いようがありません。 峯岸さんの前回のコラムはこちら:「茶髪も恋愛も許される?私が思う韓国と日本のアイドルの違い」 禁酒のやり方を教えることはできない代わりに、私が禁酒をしてよかったことを伝えたら、もしかしたら誰かの
たくさんの想いの詰まった、かがみよかがみのエッセイ。「あの人」は、このエッセイをどんな風に読むのだろう。「あの人が読んだら」では、各分野で活躍されている方にエッセイを読んでいただき、その感想を綴ってもらいます。 第3回は、1000万ツイートを超えたオンラインデモ#検察庁法改正案に抗議します のハッシュタグの発起者であり、政治やフェミニズムについてTwitterで発信している笛美さんです。 人生でいちばん生き辛かった20代 まだ30数年しか生きていない私ですが、人生で最も生き辛かったのは20代でした。 誰にも相談できない悩みを抱え、毎日のようにネットでその答えを探していました。でも検索で出会う情報は、次のようなものばかり。彼にプロポーズさせる方法、バリキャリでも男に引かれない方法、卵子の老化、20代からのアンチエイジング、脱毛しなきゃ彼に嫌われる、残業の疲れを見せないメイク術。 もっとディー
インティマシー・コーディネーターという仕事をご存じでしょうか。映画やテレビなどのセックスシーンやヌードシーンで、制作と俳優の間に立って調整する仕事です。ハリウッドでの#MeToo運動を契機に、米国では積極的にインティマシー・コーディネーターの起用がすすめられています。日本で初めてこの資格を取得した、西山ももこさんに、仕事の内容、日本での必要性についてうかがいました。 ――インティマシー・コーディネーターの仕事内容を教えていただけますか。 インティマシー・シーン(セックスやヌードシーン)で、制作と俳優との間を取り持つコーディネーターの仕事です。制作側の期待を理解したうえで、俳優を精神的・身体的に守ってサポートしていく役割になります。 例えば、過去に若い女性の俳優さんが、初めてのキスをカメラの前でした。その経験が後にトラウマになり演技ができなくなったという話しを聞きました。若い俳優さんだと、な
今年、上智大学はミスコンを廃止するなど、「ルッキズム(容姿至上主義)」への批判やジェンダー問題への意識の高まりもあり、各大学も従来の「容姿を競うだけ」のミスコンからは変わりはじめているようです。実際に、ミスコンに挑戦する女性たちはどうした思いで出場を決めているのでしょうか。特集「私がミスコンに挑む理由」で聞いていきたいと思います。 ●ミス千葉大出場 當眞清良さん ――ツイッターの固定ツイートで、スッパーと煙草を吸っているのが印象的でした。 リムられたりフォローされたりラジバンダリーグレるよ? pic.twitter.com/ykCwWybnzg — ミス千葉大No.2 きよたろ(當眞清良) (@chiba2020_msNo2) August 5, 2020 ミスコンに出ようと思った理由のひとつに「ミスコンの固定概念をぶち壊したい」というのがあったので、あえて煙草もお酒も「私の武器」として使
AKB48の最後の一期生で、アイドル歴14年の峯岸みなみさん。新型コロナの影響で卒業が延期となり、アイドル“留年”中のいま「かがみよかがみ」でコラムニストデビュー!「他人に褒められることをモチベーションに生きてきた」というアイドル時代を振り返りながら “宿題”に向き合います。 努力、葛藤するNiziUを見て思った。「あ、これ見れないやつだ」 今、世間を虜にしているアイドルグループNiziU。 私が最初に目にしたのは自粛期間。生活リズムが狂いに狂い、起きっぱなしでぼんやり眺めていた朝の情報番組でした。 私がデビューした年とさほど変わらない、15歳のミイヒちゃんという女の子が圧倒的な歌唱力でバラードを歌い上げている回で、番組ではその素晴らしいパフォーマンスに至るまでの努力や葛藤も映し出されていました。 ぼーっとする意識の中、心は確実に動きながらも、直感的に思ったんです。 「あ、これ見れないやつ
今注目のピン芸人ヒコロヒーが、かがみよかがみにコラムニストデビュー! 疲れた女たちが、途中下車する場所がここ「ヒコロジカルステーション」。 切れ味抜群の独特な世界観が、あなたの新たな扉を開く、はず。さあ、瓶ビール片手にお楽しみください。 前回のコラムでは、私が女性芸人として感じてきたジェンダーバイアスをテーマにした男女漫才について各所から様々な反響を頂いた事について書いたのだが、今回はその反響のいくつかにあった、私を「フェミニスト芸人」と称する反響について述べてみたい。 前回のヒコロヒーさんの連載はこちら:「女性芸人」と呼ばれ10年。ジェンダーバイアスについて考えないほうが嘘」 色んな○○芸人があるけど、まさか自分が… 「フェミニスト芸人」とはなんたる不思議な言葉だろうか、「家電芸人」とか「アイス芸人」とかが日々誕生し続けているお笑い界において、私もいつか「麻雀芸人」とか「ビールおいしそう
AKB48の最後の一期生で、アイドル歴14年の峯岸みなみさん。新型コロナの影響で卒業が延期となり、アイドル“留年”中のいま「かがみよかがみ」でコラムニストデビュー!「他人に褒められることをモチベーションに生きてきた」というアイドル時代を振り返りながら “宿題”に向き合います。 27歳の独身で、アイドル歴14年。 今年の春、そのアイドル人生に華々しく幕を閉じる予定が、世界を震撼させる新型コロナの影響でコンサートが延期、図らずもアイドル留年生をやっています。 AKB48最後の一期生として、大きな決意を持ってした卒業発表。 「コロナめ。。。」という思いに駆られているかと思いきや、意外にもこの期間が自分を見つめ直すきっかけになっていたりします。 27歳、お年頃の女性であり、現役アイドルである私の、あまり大きな声では言えない過去といま思うことについてお話させてください。 デビュー後のめまぐるしさが落
今注目のピン芸人ヒコロヒーが、かがみよかがみにコラムニストデビュー! 疲れた女たちが、途中下車する場所がここ「ヒコロジカルステーション」。 切れ味抜群の独特な世界観が、あなたの新たな扉を開く、はず。さあ、瓶ビール片手にお楽しみください。 女性ピン芸人、と呼ばれる暮らしをし始めてもう10年くらいになる。 平均的な女性よりちょっぴり多めに暗転板付をする日々の中で、アアお笑いなんかよりケイトスペードとかをマンキンで好きになれる女に生まれたかったなあと自分を情けなく思う日もない事はなかったが、喫茶店に通い詰めてばかすかたばこを吸いながらノートに向かってコントを作り、帰り道に自分の髪からとんでもなくたばこの匂いがしてくるこの人生も、まあ別に悪くないかと今は思い始めている。 普段はピンで活動しているのだが、昨年、みなみかわさんというぬらりひょんのような男性芸人の先輩に誘われ、漫才を作る事になった。 い
「フェミニストなのに、私はどうして男に守られたいと思ってしまうんだろう」「私はフェミニストだけど結婚したいし夫からは守られたい」――。そんな思いをつづったMAYさんのエッセイ「フェミニストでも、守られたい。フェミニストだから、守りたい」が、6月に掲載されました。 このエッセイのなかで取り上げられた「ジェンダーについて大学生が真剣に考えてみた ―あなたがあなたらしくいられるための29問」の執筆者たち3人とMAYさんがオンラインで集まり、エッセイが書かれた背景やフェミニズムなどについて意見を交わしました。 ジェンダーについて大学生が真剣に考えてみた ―あなたがあなたらしくいられるための29問(明石書店) 恋人に言われた「自分が養うから、がんばって」にもやもや この本は、ジェンダー研究を専門としている一橋大学社会学部の佐藤文香教授のゼミ生らが作成。「どうしてフェミニストはミスコンに反対するの?」
ひ、引き受けなければよかった…。インタビュー中、幾度となく頭を巡ったこの後悔。もちろんインタビューは刺激的で、上野先生の発言に救われたような気持ちになったこともあった。しかし、同時にかなりのもやもやを新たに抱いてしまったのも事実である。それは、上野先生の様々な発言と、その言い方に起因する。 「私は結婚してるフェミニストは好きじゃないね」「女に性欲があるって認められなくて、何が現代のフェミニズムだよ」 なるほど。2時間にもわたるインタビューを通して、上野先生の中には理想のフェミニスト像があるのが垣間見えた。それは、性に主体的で、オープンに話し、かつ結婚をしていないフェミニストである。まるでそうでない女性は皆社会に抑圧されている、とでも言いたげのように感じた。声音がとにかく批判的な色を帯びているように感じて、わたしはあの場にいるのがとても苦しかった。 「フェミニストを名乗る資格ない」と宣告され
小野美由紀さん(以下小野):あれ?みんな緊張してる?私は上野千鶴子先生みたいに、いきなり「マスターべーションしてる?」とか聞かないから安心してね。 上野千鶴子さん「マスターベーションはセックスの基本のき」 一同:(笑) 編集部:小野さんの小説集『ピュア』では、4篇の短編を通じて、自分らしく生きたいと願う女性たちが、社会的抑圧を跳ね返して自立する姿を描いていますよね。 小野:みんなは社会から「女らしさ・男らしさ」を押しつけられてるなって感じたことはある? 玉舘さん:「女は子ども産むべき」と言うやんわりとした圧を家族や親族から感じることはありますね。私自身は子どもを産みたいって願望がないし、怖いなって気持ちもある。だけど、産みたいのが当たり前でしょって言われたら、流される気もする。 みのりさん(以下みのり):女子大に通っているので、大学ではあまり感じないのですが、高校時代はありました。英文学科
私はフェミニズムを学ぶ大学生です。いまはモラトリアムの真っ只中にいて、どう社会に出るか大いに悩んでいます。私は大学院に行ってアカデミックな道に進みたいと思っています。もっとフェミニズムを学び、社会の構造を変えて女性の地位を向上させる一助となりたい。そしてフェミニズムを学ぶ学生の手助けをしたい。 こちらもおすすめ:女性の権利を主張するのに、奢られるのってズルい? しかしご存知かと思いますが、大学院は期間が長いですし、通ってもお金をもらえるわけではありません。周りの友人は大学4年間を終えたら就職して自立していくのに、私は一体どうなるんだろう。大学院に行きながらバイトをしている人は大勢いる。社会人として働きながら大学院に通ってる人もいる。それは重々承知なのですが、私は周りと足並みを揃えられないことが本当に怖いです。モラトリアムが長くなるほど、社会に出る一歩が重くなるだろうとも思っています。 男性
日本での#MeTooの火付け役となった伊藤詩織さん、#KuTooの発起人である石川優実さん。SNSの声を追い風にムーブメントを起こしてきた二人。一方で、その大きな影響力の裏で、いわれのない誹謗中傷も多く受けてきました。木村花さんの訃報を受け、オンライン・ハラスメントにどう対応していくべきか、伊藤さんが自身の体験を交えながら、石川さんにテレビ電話でインタビューをしました。 伊藤詩織さん(以下伊藤):木村花さんの訃報を聞いたときは、起き上がれないくらいショックでした。自分もSNSでの誹謗中傷でつらい思いをしてきたし、何ができるかを考えている最中だったので、もっとスピード感をもって対応していれば……と思いました。なので私の場合は、訴訟をして、そのノウハウを伝えていくことを考えています。優実さんはどうですか。 こちらもおすすめ:伊藤詩織さん×石川優実さん「批判してくる人との対話を諦めたくない」 テ
5日投開票の徳島市長選挙で、史上最年少女性市長に当選した内藤佐和子さん(36)。実は、編集長の伊藤(33)は徳島勤務の記者時代、佐和子さんに取材して何度か記事を書いています。2013年に選挙権が18歳に下げられた際、若者に投票を呼びかける活動をしていた佐和子さんに話をうかがったのがきっかけで、友人としてのお付き合いが続いています。「若い」「女性」という、候補者としてはマイノリティーの戦いのなかで、苦労したこと、今後の政治で変えたいことなどを、友人として選挙戦をウォッチしていた伊藤が聞きました! ――まず、なぜ立候補されたのでしょう? このままでは、私の大好きな徳島がめちゃくちゃになるかもしれないと思ったからです。いま徳島市の財政はとても厳しく、このままだといずれ市は財政破綻するかもしれないと感じました。それから、県の人口が70万人くらいしかいないのに、その県と県庁所在地の徳島市が対立状況に
たくさんの人に助けてもらって生きている。人間不信気味な私にとって、一定の距離を保ちながらも寄り添ってくれる友人たちには本当に頭が上がらない。彼らは側でニコニコしながら待っていて、私が手を出したときだけ、そっとやさしさをくれる。自分自身に使う分を含めて限りがあるはずのやさしさを、綿菓子のようにちぎって手渡してくれるたびに、乾ききった心の隙間から水が湧き出るような気持ちになる。 けれど中には、善意から助けてくれているはずなのに、どこか違和感のある接し方をしてくる人がいる。もっといえば、かえって何かを奪われるような感覚に陥ることがある。 ”助けてくれている”のに、どうして嫌な感じがするのだろう。奪われる気がするのだろう。 長年感じてきた違和感をひも解いていった先で、私はひとつの鉱脈に突き刺さった。 断っても否定しても「君は弱い」と引かない”白馬の医師” たとえば、5年ほど前のこと。心の調子を崩し
日本での#MeTooの火付け役となった伊藤詩織さん、#KuTooの発起人である石川優実さん。「かがみよかがみ」の裏テーマでもある「私は変わらない。社会を変える」を実践するお二人。今回、朝日新聞夕刊「女子組」で初の対談が実現。特に印象的だったのは「対話を諦めない」という言葉でした。お二人が言う「対話」とは、そして後輩世代に送る言葉を聞いてきました。 朝日新聞夕刊「女子組」イベントでの対談はこちら ――伊藤さんがご経験されたという、講演中の質疑応答での話が印象に残っています。「伊藤さんの発言は虚偽なのではないか」と意見する男性がいて、会場がブーイングに包まれたと。それに対し、伊藤さんは「その男性と対話をしたかった」と言っていたのに驚きました。 伊藤詩織さん(以下伊藤):私の中にある真実をきちんと伝えても、批判してくる人は当然います。それはある意味仕方のないことだと思っています。ただ、お互いに否
この記事では、DVや虐待といったテーマを扱っています。激しい描写はないように努めましたが、サバイバーの方はスキップされたほうが良い可能性があります。あらかじめご了承ください。 ・ ・ ・ ・ ・ 昔、DVの要素を多分に含む男性と付き合っていたことがある。具体的には目の前でモノを壊されたり、外出や仕事の邪魔をされたり、寝ている間に挿入されて驚いて拒絶しようとすると「愛されていない」と落ち込まれたり、お金を無心されたりなどなどということがあった。 これだけ聞くと「ひどい男だ」と言われるだろうと思うけれど、そこに「DVの要素を多分に含む男性」と、わざわざ回りくどい言い方をしている理由がある。これから話す話は、DVや虐待などを受け、ケアが必要な人たちに対する寄り添い方についての話だ。 彼を悪く言われたくなくて誰にも話せなかった 先の男性と付き合っていたとき、私はそのことについてほとんど誰にも話して
11月20日から始まった「上野千鶴子さん×かがみすと」企画の「上野千鶴子さんに質問『ベッドの上では男が求める女を演じてしまう』」記事について、いくつかお問い合わせ・ご意見をいただきました。ちょっと長くなりますが、かがみよかがみ編集長の私の考えを聞いていただければと思います。 ご指摘いただいたのは、上野さんの下記の発言です。 セックスの基本の「き」はね、欲望っていうものが自分の中にあることを認識して、その欲望の主体になれるかどうか。男は欲望をあからさまに出してくるから、主体性を持っていないと女は「やらせてあげる」になっちゃう。だから、「やらせてあげた」自分に満足することになってしまうのよね。欲望の客体となって「やらせてあげた」セックスよりも、欲望の主体になるセックスの方が、クオリティは上がる。上げるためには、お互いのシナリオのすりあわせをしないといけないけど、そのすりあわせは1回や2回のカジ
結婚していた人を除いてはもう5年ほど、お日様の下で手を繋いで歩ける関係の人がいない。付き合うという形式は窮屈なので、どの箱にも仕分けられず曖昧なままでふらふらしているほうが居心地が良いとも思っている。本当にそう思っている。ただ、それとは別で、過去の記憶がふと落ちてきて、耐えがたい不安と苦しみに襲われる夜がある。それは、“公の存在”にまつわる記憶だ。 祝福の拍手で透明人間になった日 いつも嘘みたいなエピソードばかりで恐縮だけれど、今回も嘘みたいな本当の話をする。 数年前、当時付き合っていた風の劇作家の男の子がいた。付き合っていた風の、というのは、彼には別に同棲している恋人がいたからだ。彼は私に「俺たち付き合ってるよね」などと言っていたけれど、同時に恋人の話を私にもしていた。彼がなんだかんだ言っても彼女のことが好きで、別れないのも知っていて、全く寂しくなかったと言えば、嘘になる。でも、私との時
【07】上野千鶴子さん×かがみすと「マスターベーションについて」 かがみよかがみでは、「5年後の女の子たちへ」をテーマにエッセイを募集しました。投稿していただいた方のなかから、20代のライター・翻訳家・大学生の4人のかがみすとが社会学者で東京大学名誉教授の上野千鶴子さんとの座談会へ。日々感じるモヤモヤを、日本のフェミニズムの第一人者である上野先生へぶつける時間となりました。 【前回のインタビューはこちら】上野千鶴子さん「ミソジニーに対処するのは私たちの責任?」 滝薫さん(以下薫): 私はセックスについてオープンに話せるタイプなのですが、日本の女性はまだまだ性欲をタブー視する傾向が根強くあると思います。上野さんは、「セックスの基本は、欲望の主体になること」と仰っていましたが、女性が欲望の主体になるには、どのような社会的な条件が必要だと思いますか? 上野千鶴子さん(以下上野):社会的な条件、な
【04】上野千鶴子さん×かがみすと「フェミニズム批判との向き合い方」 かがみよかがみでは、「5年後の女の子たちへ」をテーマにエッセイを募集しました。投稿していただいた方のなかから、20代のライター・翻訳家・大学生の4人のかがみすとが社会学者で東京大学名誉教授の上野千鶴子さんとの座談会へ。日々感じるモヤモヤを、日本のフェミニズムの第一人者である上野先生へぶつける時間となりました。 【インタビュー前回はこちら】上野千鶴子さん「野蛮な靴と思って何が悪い?フェミも多様なの」 フェミニズム批判にはどう対応すればいいの? 沙波:Twitterでフェミニズムについてつぶやいたら、男の子から批判を受けたり、匿名でちくっとすること言われることがありました。フェミニズムという言葉に対して彼らが悪いイメージを持ってると感じます。悪いイメージを持たれないためには、私たちは最低限どんなことができるのでしょうか? 上
ムーブメントは空気を変える 滝薫さん(以下薫):フェミニズムのムーブメントは一時的なものとして終わっちゃうんじゃないかと思うことがあります。 上野千鶴子さん(以下上野):どういうこと? 薫:SNS上の動きで、フェミニズムに興味がない人の冷めた目線がわかるんですよね。 上野:いいじゃない、ムーブメントに流行りすたりがあっても。ムーブメントってピークが去っても、空気が変わるのよ。空気が変わったら、かつて当たり前だったものがそうじゃなくなる。オヤジの腹の中は変わらないかもしれない。でも少なくともセクハラ発言などは「表で言うなよ」ってなる。ムーブメントは世の中を変える。少なくとも空気を変えるよ。 例えば最近、夫が妻に「育児に協力する」って言う表現がアウトになった。それが理解できる人と、「え、なんでダメなの」って理解できない人がいる。文化が違うのね。空気が変わるって、文化が変わっていくってことなのよ
【01】上野千鶴子さん×かがみすと_セックスについて語った座談会はこちら 過剰な性欲を持て余す私が、若い時は色々やったという先輩の上野千鶴子先生に疑問をぶつけてきた。「なかなか性のベテランだね、あなたの年齢でそこに達するのは。身体の開発のレベルが高いです」との評価をいただいて、セックスについて格闘したレポートがこれである。 聞きたかったテーマはカジュアルセックスだ。ここでいうカジュアルセックスとは、愛がないセックスのことと、不特定多数と関係を結ぶことの二通りの意味があると私は認識している。その状態で対等な性関係が成り立つのかどうかを聞きたかった。 先生の著作を読んで当日に臨んだ しかし、いくら私ができあがっていると言っても、赤面してしまいそうな話題であることは確かだ。上野先生も『快楽上等! 3.11以降を生きる』(上野千鶴子・湯山玲子/幻冬舎)などの著作でセックスについて語っているが、面と
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