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michealh.hatenablog.com
巽 孝之 『「白鯨」 アメリカン・スタディーズ』(みすず書房、2005) 知的冒険の書。19-21世紀のアメリカ史、アメリカ文学、SF、核の時代の(文学的)想像力、ゴジラ等々に関心があれば知的興奮を覚える書。 三回の講義形式で、アメリカ文学乃至世界文学の金字塔のひとつ、ハーマン・メルヴィルの小説『白鯨』(1851)を論じたもので、非常に読みやすい。現代的な問題意識が論考の隅々に横溢しており、無味乾燥な講義からは最も遠いものと謂える。既に同小説を知悉している人にとっても新たな発見があるだろう。 さまざまの知的刺激が鏤められているが、中でも最大のポイントは 'jealousy' の解釈にある。極論すれば、本書のすべての議論の根本はこの語の解釈から発していると言ってもよい。 え、そんな馬鹿な。「ジェラシー」なんて誰でも知ってる単語では、との声が上がるだろう。確かに、『広辞苑』は「ジェラシー」につ
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