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インタビュー
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よくある話やる夫「やる夫は4月から数学科1年生!大学数学を極めるお!今日は意識高く本屋にやって来たんだお!」 やらない夫「……お前、数学が好きなのはいいけども、二次試験の数学散々だったんだろ?無理すんなよ。」 やる夫「やらない夫は黙ってろお!やる夫は本気出せば天才だお!」 やる夫「おっ、ここが専門書の棚かお。あった、杉浦光夫『解析入門Ⅰ』。これが欲しかったんだお!」 やらない夫「いや、それは『解析門前払い』として有名な本で……」 やる夫「杉浦解析は名著だお!即レジだお!」 やる夫「さぁ、始めるお!最初は実数のことが書いてあるお!こんなの知ってるお!」 やる夫「2ページでもう加群とか可換群、可換環みたいな言葉が出てきたお。なんのことか分からないお」 『問1 $\mathbb{R}$(一般に体$K$)において次のことが成り立つことを示せ.(i) (R3)を満たす$0$は唯一つ.』 やる夫「(R
ストリング図とよばれる図式を用いて圏論の基礎を説明します。
複素数の虚数単位を増やして拡張することから、テンソル積を導入します。 虚数単位を増やす複素数の虚数単位$i$について$i^2=-1$が成り立ちます。ここに、同じ性質$j^2=-1$を満たす新しい虚数単位$j$を導入します。ただし、$i \ne \pm j$で、$i$と$j$は可換$ij=ji$とします。 積を計算します。($a,b,c,d,e,f$は実数) $$ \begin{aligned} &(a+bi+cj)(d+ei+fj) \\ &= a(d+ei+fj) + bi(d+ei+fj) + cj(d+ei+fj) \\ &= ad + aei + afj + bdi + bei^2 + bfij + cdj + ceij + cfj^2 \\ &= ad + aei + afj + bdi - be + bfij + cdj + ceij - cf \\ &= (ad-be-cf)
楕円曲線の集合を考えると,その集合自体もまた楕円曲線とみなせる,という話について書きます.基本的にこの記事は三枝洋一先生の『数論幾何入門』1を参考にしています.この本は易しく,数論幾何に入門するのにとても良い本だと思うのでその方面に興味のある人はぜひ読んでみてください. 準備楕円曲線とはこの記事で楕円曲線とは,ある$a_0,a_1,a_2\in \mathbb{C}$を用いて$y^2=x^3+a_2x^2+a_1x+a_0$という形の式で定義される$\mathbb{C}^2$の部分集合 $E=\{(x,y)\in \mathbb{C}^2 \mid y^2=x^3+a_2x^2+a_1x+a_0\}$ のこととします. ただし,$y=0$として得られる$x$の方程式 $0=x^3+a_2x^2+a_1x+a_0$ が$\mathbb{C}$の範囲で重根を持たないという条件を課すことにします
$1.$記事の概要$2$つの線形空間が与えられ,それらの間に線形同型写像があれば,それらの線形空間を同一視することができます. では,「$2$つの線形写像が」与えられたときに,どのような条件が満たされれば,それらの線形写像を同一視できるでしょうか?実はこの疑問に対する答えが,線形代数でよく見かける$P^{-1}AP$であり,四角い可換図式なのです. この記事では,$2$つの線形写像,あるいは群準同型や環準同型などを同一視できるための条件について,例を交えて解説します.この記事の内容は,数学のあらゆる分野に現れる重要なものですから,あなたの興味がどの分野にあるかによらず,きっと役に立つことでしょう.ぜひ読んでみてください! みなさんきっとお忙しいでしょうから,最後まで読まなくてもいいように重要な内容ほど最初の方に載せています.冒頭の少しだけでも目を通してみてください. 定義$\to$色々な分
$$\newcommand{a}[0]{\alpha} \newcommand{Aut}[0]{\operatorname{Aut}} \newcommand{b}[0]{\beta} \newcommand{C}[0]{\mathbb{C}} \newcommand{d}[0]{\delta} \newcommand{dis}[0]{\displaystyle} \newcommand{e}[0]{\varepsilon} \newcommand{F}[4]{{}_2F_1\left(\begin{matrix}#1,#2\\#3\end{matrix};#4\right)} \newcommand{farc}[2]{\frac{#1}{#2}} \newcommand{G}[0]{\Gamma} \newcommand{g}[0]{\gamma} \newcommand{Gal}[0]
はじめにお前は誰やねん解析学を研究している博士課程の2年生。 この記事の目的もし大学1年生の自分に会えたら数学の勉強についてアドバイスしたいことがいくつかあるので、それを簡単にまとめたい。現在進行形で学部生をやっている人の参考になれば嬉しい。ただし、あくまで個人的な考えであり、視点が偏っているので、鵜呑みにはしない方が良い。 最初にやるべきことできる限り早い段階で集合と写像の言葉を覚えよう。微分積分や線形代数より先にこちらをやった方が良い。そもそも集合と写像の言葉は大学数学をやっていくうえで必要不可欠であり、微分積分や線形代数さえこれらの知識がなければ十分には理解できない。それから、定義に従って厳密に議論できるようにならなければ、そもそも大学数学のスタートラインにさえ立てない。集合と写像の勉強はその習得に適していると思う。 ちなみに、僕がこの「スタートライン」に立てたのは学部1年後期だった
$$\newcommand{all}[1]{\left\langle#1\right\rangle} \newcommand{blr}[1]{\left[#1\right]} \newcommand{car}[1]{\left\{#1\right\}} \newcommand{di}[0]{\displaystyle} \newcommand{fr}[2]{\frac{#1}{#2}} \newcommand{lr}[1]{\left(#1\right)} \newcommand{ma}[1]{\(\di{#1}\)} $$ 【更新履歴】はここをクリック 31Oct.2022: referenceを追加しました R.Arouca, A.Cappelli and T.H.Hansson, "Quantum field theory anomalies in condensed matter
Introduction裳華房から出版されている 「手を動かしてまなぶシリーズ」 が人気を集めているようです。今年の秋頃、私も 藤岡敦「手を動かしてまなぶ 線形代数」 を読みました。 挫折しにくい工夫がなされていて、高校~大学の良い架け橋になっている本だと感じました。初めて線形代数を学ぶ方におすすめです。 そこで今回は、主に「手を動かしてまなぶ 線形代数」を読んでいる人や、線形代数を学び始めている人に向けた記事を書いてみたいと思います。 内容としては「3項間漸化式の一般項を線形代数で求める」という、定番すぎるものです。しかし、高校~大学の架け橋となる上、線形代数の練習になる良いトピックだと思ったので、取り上げてみたくなりました。 線形代数を使うことで、小高い丘から見下ろすような感じで3項間漸化式を眺められるのではないかと思います。 また、対角化まで勉強していなくとも「これから線形代数を学ぼ
はじめにこんにちは,ロダンです.今回は数学の話ではなく,数学の研究の方法について記事を書きたいと思います. 私は現在いわゆるポスドクという立場ではありますが,未だに学部生や修士学生の自主ゼミ,あるいは自分の所属する研究室の学部生ゼミに混ざって,一緒に勉強をさせていただく機会が結構あります.そうしたゼミにおける雑談タイムの中で,まだ論文を書いたことがない学生さんから「数学の研究課題ってどうやって見つけるんですか?」と聞かれることが時々あります. それを聞いたとき,私は「うんうん,それはすごく知りたいことだよね」と深く頷きます.この疑問は私はもちろんのこと,ほとんどの研究者が研究を始める前の時期に少なからず抱いたことがある疑問,そして不安であろうと思います.今回はこの「数学の研究課題の探し方」について,私なりの考え方を書いてみたいと思います. ちなみに,「この記事を書いているお前は実際どれくら
はじめにこの記事は、第 $24$ 回日曜数学会(2022.6.19)で発表した内容の完全版になります。 今回は、確率に関する難問「眠り姫問題」に挑戦しました。 Wikipediaでは「内容はシンプルでありながら、専門家同士でも答えが分かれるパラドックスでもある。」などと紹介されていて、いかにも手ごわそうです。 実際、この問題について「解けた!」と主張する人はこれまでも何人もいましたが、多数の同意を得ることには失敗しているようです。 自分としても今回の記事はかなりヤバいのではないかと感じていますが、しばらくお付き合いいただきたいと思います。 「眠り姫問題」とはWikipediaで紹介されているオリジナルの眠り姫問題は次のようなものです。 実験の参加者である眠り姫は、実験の内容を全て説明され、一日経過後、薬を投与され日曜日に眠りにつく。 眠り姫が眠っている間に一度だけコインが投げられる。 ・コ
漫画版「お嬢様はグレブナー基底がお好き!」 小説版(漫画の続き)慎一郎「ハァッ……ハァッ……」 ポン酢が気管に詰まったようで、ひどくむせる慎一郎。 慎一郎「お嬢様ひどいですよ!いきなりポン酢を飲ませるなんて!」 リサ「し、慎一郎が悪いんですのよ…!わ、私の名前をつけたいなんて……変なこというから…」 頬を赤らめてぶつぶつと文句をいうリサ。 慎一郎「変なこと……?はっ!まさか僕、お嬢様に何か失礼なことを……!?」 リサ「な、なんでもないですわ!」 慎一郎「遠慮せずなんでも言ってください!僕はリサお嬢様の執事なんですから!」 リサをじっと見つめる慎一郎。 その純粋無垢な瞳に彼女はドキッとする。 リサ「慎一郎は……その……どう思ってるの?」 慎一郎「はい?」 リサ「その……好きとか、嫌いとか……」 慎一郎「えーと……すごく気になってますね」 リサ「え!気になるって、どういうこと?」 慎一郎「どう
古典命題/述語論理の証明論・モデル論や、健全性・完全性定理に多少触れたことがないと理解できない可能性が高いです。 また、哲学に関する前提知識は必要ありません(おそらく)。 分かっている人向けの説明 「金子先生や大西先生の文献を追いながら、ダメットの反実在論に関する議論をざっくり整理してスッキリしたい」という気持ちに突き動かされて書いた個人的なメモを、他人に見せられるように整形・拡張したものです。今年言語哲学について学んだことのメモにもなっています。 直観主義論理とはまず、今回のテーマである直観主義論理についての説明をしておきたいと思います(すでにご存じの方は次章に移ってくださって構いません)。いわゆる普通の論理学の体系、古典論理(classical logic)についての知識は前提としているので、知らない方は色々調べて見てください。 さて、直観主義論理を非常に簡単に説明するなら、古典論理の
数学好きのための音楽理論入門!!音楽は数学だ!? お久しぶりです! 練乳愛飲家 兼 セカンドスリーパーの みゆ🌹ฅ^•ω•^ฅ でございます。 今回のテーマは「音楽の世界にひそむ数学」。数学がお好きな方は音楽もお好き(!?)というウワサを風の便りで耳にしたのですが、確かに音楽理論のコアな部分ってだいぶ数学よりなんですよね。理系っぽくいうなら、 『音楽つまり音というのは空気振動を人間の耳が感知した結果認識されるものであり、究極的には物理学や生理学などの理系学問で説明がつくはずである。従ってそこに数学が用いられるのはむしろ必然といえる。』 $\cdots$かな? 本記事は数学よりな理系クラスタさんの知的好奇心を満たすことに主眼をおいています。音楽のことはよくわからんけど数学が絡むお話には興味あるぞっていうリケメン&リケジョさんもたくさんおられることでしょうから、実践的なことよりも数学アプロー
Introduction龍孫江さんの動画で紹介されている命題に関する内容を、実際にプログラミングして、具体的に求めてみようという記事です。 参照動画(必見です!) 環論:有限環の単元群4 動画内の命題$p$を奇素数とする。 $$ R = \mathbb{F}_p[T]/(T^2+1) $$ とし、$R$の単元群を$R^{\times}$とする。 このとき、以下が成り立つ。 $R^{\times}$の位数は $p \equiv 1 \pmod4$のとき$(p-1)^2$ $p \equiv 3 \pmod4$のとき$p^2-1$ 今回の目標具体的な奇素数$p$に対して $R^{\times}$の元を全て求める $R \setminus R^{\times}$の元を全て求める$p \equiv 1 \pmod4$のとき、$\mathbb{F}_p[T]$で$T^2+1$を分解する$p \equ
はじめにCoqで解析入門の1章にある命題を全て証明してみたので記事を書いてみます。 Coqでの証明大学で記号論理学の授業を受けたことはありますか?記号論理学では数学の命題を証明木を用いて形式的証明をしていましたがCoqでも形式的証明をします。流れは以下です。 数学の命題を論理記号で書きますゴールが表示されるので適切にCoqのTacticを使いますするとゴールが変わるので未証明のゴールがなくなるまで繰り返しTacticを使います Coqでの証明の魅力は 証明が正しいことをCoqが保証してくれること(Coqにバグがあるかもしれませんが多分)証明した定理が他の定理の証明に使えて楽しいところ などです。 やろうと思った背景大学1年生の頃、解析入門を前から読んで途中で理解できなくなって読み直すというのを繰り返していました。 いつか理解したいなと思っていたときに記号論理学の授業を受けて解析入門の証明も
$$\newcommand{beku}[1]{\displaystyle\overrightarrow{\vphantom{b}\mbox{$#1$}}} \newcommand{bekutoru}[1]{\displaystyle\overrightarrow{\vphantom{b}\mbox{#1}}} \newcommand{bm}[1]{\boldsymbol{#1}} \newcommand{bunsuu}[2]{\dfrac{\,#1\,}{\,#2\,}} \newcommand{Deg}[0]{^{\circ}} \newcommand{dsqrt}[1]{\displaystyle\sqrt{\,#1\,}} \newcommand{gauss}[1]{\left[\mkern1mu {#1}\mkern1mu\right]} \newcommand{kaku}[1]{
こちらは「 日曜数学 Advent Calendar 2020 」の記事です。 素敵な力作がたくさん集まってますので、ぜひ読んでみてください。 Introduction以前、Mathlogさんに 3日前に群を知ったねこ という記事を書き、円周群を取り上げました。 集合$C$を以下とする。 $$ C=\{(x,y)|x,y \in \mathbb{R},\ x^2+y^2=1\} $$ $C$の任意の元$(x_1,y_1),(x_2,y_2)$に対して、ある実数$\theta_1,\theta_2$が存在して $$ (x_1,y_1)=(\cos\theta_1,\sin\theta_1)\\ (x_2,y_2)=(\cos\theta_2,\sin\theta_2)\\ $$ と表せる。 演算$\cdot$を以下のように定義する。 $$ (x_1,y_1)\cdot(x_2,y_2)=(\
$$\newcommand{bbC}[0]{\mathbb C} \newcommand{bbN}[0]{\mathbb N} \newcommand{bbR}[0]{\mathbb R} \newcommand{bbZ}[0]{\mathbb Z} \newcommand{cO}[0]{\mathcal O} \newcommand{Coker}[0]{\operatorname{Coker}} \newcommand{End}[0]{\operatorname{End}} \newcommand{Ext}[0]{\operatorname{Ext}} \newcommand{Hom}[0]{\operatorname{Hom}} \newcommand{Image}[0]{\operatorname{Im}} \newcommand{Ker}[0]{\operatorname{Ker}
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