これまで偏見や差別が生まれてくる過程について,(1)偏見や差別は学習や経験によってのみ身に付くものではないこと,(2)集団に分かれることだけで偏見や差別が生まれること,を紹介しました. 差別や偏見にこのような特性がある以上,人間は基本的には他人に対し偏見を持つことを避けられません.なぜ,このような特性があるのでしょうか?それをかえることはできるのでしょうか?今回はこの2つの疑問に答える実験をご紹介いたします.論文はこれ. Kurzban, R., Tooby, J., & Cosmides, L. (2001). Can race be erased? Coalition computation and social categorization, Proceeding of National Academy of Science U. S. A., 98, 15387-15392 (*1