サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
CES 2025
kimuramoriyo.blogspot.com
以下の文は、2013年6月26日発刊、『WILL』8月号に掲載された、「子宮頸がんワクチンの闇」に加筆したものです。 私が、HPV(Human papillomavirus:ヒトパピロマウイルス)ワクチンに関する問題を取り上げてから、3年が過ぎようとしています。 現在、このワクチンの重篤な有害事象などがメディアなどで取り上げられています。 私は、このワクチンの導入が非常に不自然な形で行われたことに対して違和感があり、今一度の議論が必要だと感じています。それと同時に、ワクチンの健康被害に関して、ワクチン推進派とアンチワクチン派という対立構図は、両者にとって良くない方向に進んでいると、大いなる懸念をもっています。 なぜ私がそう考えるのか、これから論じてゆこうと思います。 なお、HPVワクチンについては、諸外国では男女の生殖器周囲がんの予防のために接種が承認されていますが、我が国ではその適応が子
子宮頸癌ワクチン(以下HPVV)で、歩行困難などの重篤な報告がされました。3月12日のTV報道でもとりあげられたので、御存じの方も多いのではないでしょうか。 子宮頸がんワクチン重い副反応 中学生、長期通学不能に 朝日新聞デジタル 3月8日(金)9時28分配信 【斎藤智子】子宮頸(けい)がんワクチン「サーバリックス」を接種した東京都杉並区の女子中学生(14)が、歩行障害などの重い症状が出て、1年3カ月にわたり通学できない状況だったことが、7日の区議会で明らかになった。無料接種を行った区は「接種の副反応」と認め、補償する方針だ。補償額は未定。 サーバリックスは3回の接種が必要。母親によると、女子中学生は12歳だった2011年10月に区内の医療機関で2回目の接種をした。その直後、接種した左腕がしびれ、腫れて痛む症状が出た。症状は脚や背中にも広がり入院。今年1月には通学できる状態になったが、割り算
~阿呆はいつも彼以外のものを阿呆であると信じている~芥川龍之介 桜の季節も過ぎ、初夏を感じさせるこの頃です。 久しぶりにブログ更新します。 今回は、今年の医師国家試験問題を引用し、 そこから、今の厚生行政のおかしさを指摘したいと思います。 その問題とは、これです。 52歳の男性。糖尿病治療目的で外来通院中である。 体重を減量する必要性を本人も理解しているが、 これまでの5回の受診で体重が漸増している。 身長165 cm、体重82 kg。HbA1c 7.6 %(基準4.3~5.8)。 医師の発言として適切なのはどれか。 a 「何度説明しても無駄ですね」 b 「減量では何がつらいですか」 c 「体重が増えて透析になっても知りませんよ」 d 「次回までに体重が減らないと私は責任が持てません」 e 「今回できなかった分も加えて次回までに減量しましょう」 HbA1cというのは、糖尿病のコン
―「国を建てるには千年の歳月でも足りない。だが、それを地に倒すのは一瞬で充分である」 by George Gordon Byron― ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ すでに3月30日に、放射能の危険に関する欧州委員会( the European Committee on Radiation Risk, ECRR )の学術部局長、スウェーデンのクリス・バズビー博士が発表した福島原発事故の影響に関する報告書では、以下のような結論と勧告が示されている。 1.ECRR の危険評価モデル(危険率モデル)を、福島原発惨事から半径100キロメートルの範囲に住む300万人に適用した。これらのひとびとが1年間同じところに留まると仮定した場合、予測される癌増加数は今後50年で約20万人、そのうち10万人は今後10年以内に診断されることとなる。即座にこの地区から退
福島原発の状況は、今なお予断を許すものではありません。 今回は、放射性物質の人体への影響について書いてみます。 というのも、現在の政府対応は、妊婦や乳幼児に対してあまりにも「甘い」と感じるからです。 http://www.nsc.go.jp/bousai/page3/houkoku02.pdf http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001558e-img/2r9852000001559v.pdf 人が放射線にさらされる事を「被ばく」と言います。 被ばくは、体の外側に受ける外部被ばくと、 体内に放射性物質がとりこまれる、内部被ばくに分かれます。 外部被ばくは、衣類を脱ぐ、あるいは洗う等により、影響を取り除く事ができますが、 体の中に入ってしまったものは、 放射性物質が自分で少なくなる(崩壊と言います)のを待つか、 尿や、汗、あるいは便から体外に排
原子力安全委員会は1978年に原子力の安全体制を充実させるためできた、 専門家集団です。 現在の、原子力行政は、経済産業省原子力安全・保安院、文部科学省と共に、 原子力安全委員会が関わっています。 経産省、文科省には、原子力に関わる審議会があり、 所謂「専門家」と呼ばれる人たちで構成されています。 既に、専門家の集まりがあるにも関わらず、 なぜ、もう一つの専門家集団が必要かと言えば、 行政から独立した中立的な立場で原子力行政をチェックする、 という意味合いを持っています。 原子力安全委員会だけでなく、食品の安全について政府に意見を言うための 「食品安全委員会」というものもあります。 果たして、このような委員会は必要なのでしょうか。 本来の目的である「行政と一線を画し中立的な立場での専門家」 というのは必要な事です。 しかし、現実はといえば以下のような状態です。 原子力安全委員会。定例会議は
さらに1~2件発生の可能性=口蹄疫で山田農水相 山田正彦農林水産相は5日、宮崎市で口蹄(こうてい)疫に感染した疑いのある家畜が約半月ぶりに見つかったことについて「人と物の流れは阻止できない。(新たな発生は)やむを得ない」との認識を示した。その上で「まだウイルスが家畜の排せつ物などにいる。どこで起きてもおかしくない。終息までに(さらに)1~2件の発生も考えられ、決して気を緩めてはいけない」と強調した。省内で記者団の質問に答えた。 一方、ワクチン接種に同意していない農家に対して、口蹄疫特別措置法に基づいた強制的な殺処分を検討していることに関し「考えなければいけないという見解は変わらない」と述べ、引き続き検討する姿勢を示した。 7月5日17時57分配信 時事通信 宮崎でFMDの牛が見つかり、 再び移動制限等が行われる事となりました。 今まで、FMDに関しての記事を書いてきましたが、 FMDとはど
清浄国(FMD free)のお墨付きは意味があるのか。 国際的に、FMD freeであることが 貿易の面で重要とされていますが、 今回はFMD Freeとはどういうことか、 果たしてそれ自体、達成可能なものなのか、 という事について書いてみます。 現在の清浄国の定義は、OIE(国際獣疫事務局)の定義に基づき、 我が国では農林水産省が規定しています。(http://www.maff.go.jp/j/syouan/kijun/wto-sps/oie6.html http://www.maff.go.jp/j/syouan/kijun/wto-sps/oie/pdf/rm5fmd.pdf) これを見る限り、 ある一定期間FMDの発生が抑えられているというのが 「清浄国」という条件のようです。 しかしながら、本当にdisease freeというのであれば、 この世界からFMDウイルスがなくなる事が
止まらぬ感染拡大、10年前の成功で油断 宮崎県で口蹄疫(こうていえき)の感染拡大が止まらない。10日には日本トップクラスの畜産基地、都城市で感染が確認されたほか、日向市や宮崎市でも新たな感染の疑いが浮上した。戦後最大の家畜被害を生んだ背景には何があるのか。 畜舎の床一面に剥(は)がれた豚の爪が無数に散らばっていた。蹄(ひづめ)を傷めた親豚が何度も立とうとしては崩れ、横には息絶えた子豚たちが折り重なっている。 「こんな状態で生かしておいてもつらいだけ。いっそ早く殺してやりたいが、埋める場所もなく身動きがとれない」。宮崎県川南(かわみなみ)町で30年以上養豚業を営む男性(52)は涙ぐんだ。 止まらない被害を前に、男性は「これほど広がるなんて。これは人災ではないのか」と憤った。 ◆ 「これじゃ無理だ。感染は防げない」 同県都農町で感染第1例が発表された4月20日。都農町から川南町、宮崎市と県東部
菅直人新総裁のもとで新しい体制が始まりました。 そこで、今回は民主党の掲げる、 「脱官僚依存」に関連して、 政治家と官僚の関係について書いてみようと思います。 官僚とは国家公務員で、 技官などの例外を除いては、 国家公務員試験に合格した人たちです。 これに対して政治家は、 国民による選挙の結果選ばれた人たちです。 官僚は公僕で、ある特定の企業ではなく、 国家国民に対しての仕事をすることが責務です。 ですから、官僚は国民の代表である 政治家のために働きます。 この関係は、官僚がPCで政治家がOSとでも 例えれば分かりやすいかもしれません。 OSがMacからWindowsに変わったのが 昨年の政権交代だ、とも言えるでしょう。 脱依存というからには、 今まで依存してきたという実態があるからです。 これは旧自民党政権の負の遺産であることは否めません。 長らく続いた政権の中で政と官のなれ合いが生じ、
<米映画>「ザ・コーヴ」都内上映館ゼロに イルカ漁批判 和歌山県太地町のイルカ漁を批判的に取り上げた米ドキュメンタリー映画「ザ・コーヴ」(ルイ・シホヨス監督)の上映中止問題で4日、東京と大阪の2館も中止を決め、東京都内での上映館はなくなった。2年前にドキュメンタリー映画「靖国 YASUKUNI」の上映中止が相次いだ際は、街宣活動実施後に中止が決定されたが、今回は抗議活動の予告だけで中止の動きが広がり、表現の自由の萎縮(いしゅく)を懸念する声が上がっている。 「反日映画の上映は許せない。中止を求める」。今年3月、ザ・コーヴの配給会社「アンプラグド」(東京都目黒区)に、ある団体から電話が入った。この団体は、首相の靖国神社参拝を求める活動などをしている。電話は、米アカデミー賞で長編ドキュメンタリー賞を受賞した時期に重なる。 4月になると、社長の自宅前や事務所の周辺でマイクを使った抗議活動が早朝か
誤解招く表示やめて=口蹄疫で食品業界に要望-消費者庁 宮崎県で家畜への口蹄(こうてい)疫感染が拡大している問題で、消費者庁は17日、食品業界や流通業界などに対し、販売の際に非感染を売り文句にするなど、消費者に誤解を与える不適切な表示を慎むよう要請した。 同庁などによると、口蹄疫にかかった家畜の肉や牛乳は市場に出回っておらず、また摂取しても人体に影響はない。しかし問題発生後、量販店やインターネット上で、「宮崎県産は使用していません」「口蹄疫の恐れのない産地の肉です」などの表現で食肉や加工品を販売している例が数例確認されたという。(2010/05/18-01:50) 時事ドットコム この記事をみて皆さん、どう思われますか。 明らかに、宮崎県と言うだけで避けられる、 というstigmatizationが生じています。 これは当初から私が恐れていた事態です。 なぜこんなことが起こるのでしょうか?
今回は、FMD対策の中心をなす殺処分について書くことにします。 FMDの発生が小規模でごく初期における、 感染している可能性ある家畜含めての殺処分は、 危機管理上意味があることだと思います。 1997年香港でトリH5N1インフルエンザ発生において、 WHO事務局長のMargaret Chan氏が 遅れることなくトリを処分したことは、 高く評価されています。 それでは、ある程度の広がりを見せてからの 多数殺処分は意味があるのでしょうか。 もっとも酷いFMD大流行は2001年英国で起こったものですが、 病気に罹った家畜が2000頭以上見つかり、 700万頭以上の牛と羊を処分しました。 この大流行によって生じたものは、 約160億ドル(1兆6千億円)の経費と、 精神的、肉体的、経済的ダメージなどの社会的損失でした。 この時のイギリス政府の方針は、 FMDが見つかった農場にいる家畜のうち、 FMD
蹄が2つに分かれている動物が罹る口蹄疫(FMD Foot-and-Mouth disease)が、 宮崎県の牛を中心に流行しています。 大手メディアだけでなく、 個人のブログやtwitterなどでも取り上げる人が多いことから、 皆さんの関心が高いことがわかります。 今回は、そのFMDの何が問題なのか、 そして今後何をしていったら良いのか ということについて書いてみたいと思います。 口蹄疫という名前の由来は、 口の中や蹄の付け根などの部分に水疱が出来るところから来ています。 「疫」というのは疫病、すなわちうつる病気だということです。 症状としてはよだれが出て元気がなくなる等の症状があります。 人間で言えば原因ウイルスは違いますが、手足口病のような症状でしょうか。 感染力が強く、罹った動物は肉質が落ちる、 乳の出が悪くなるなどの理由で、 経済価値が下がることが大きな問題です。 成体では死に至る
ヒトと感染症の歴史は長く、紀元前エジプト時代にさかのぼる。その時代のミイラから、脊椎カリエスに特徴的な背骨の屈曲を示すものが複数発見された。脊椎カリエスは、結核菌によっておこる骨病変であり、その当時すでに結核が人々の間に流行していたことがわかる。結核は最も人類と付き合いが長ため、病因解明、治療法の確立(化学療法、ワクチン)、予防といった、現代医学の基礎となった疾患である。結核の他、天然痘ウイルスも長い間人類を苦しめた感染症であるが、有効なワクチンの開発により、地球上から根絶された。このように、衛生状態などの改善に加え、ワクチン、薬剤の開発などにより、感染症は少なくなり、先進諸国にとって、すでに「過去の病気」と言われるようになった。 ところが、既に制圧された感染症は、新たな脅威となって私たちの前に立ちはだかるようになった。それは、HIV/AIDS、MERS, SERSといった新しい感染症の出
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『木村盛世のメディカル・ジオポリティクス カフェ』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く