よい組織、よいチームには掛け算の組織力学がある。つまり、自分より優秀な人物を(別け隔てなく)歓迎し、時には引き上げ、巻き込む事で、互いにレバレッジをかけて共通の目的を達成しようという風土があり、それは事業推進においても強力な動力として作用する。 一方で、悪い組織、悪いチームには得てして引き算の組織力学が働いている。そこでは限られたパイを奪い合う弱肉強食的な風土が蔓延し、次第に共通の目的よりも個々の保身、政治的な仕草が蔓延るようになる。 一般に大企業、と言われる企業ほど、ここで言う引き算的な組織力学が強くなりやすいようにも見える。人材の流動性に乏しいからだ(しかも往々にして年功序列であり)。とりわけ、その市場成長性が頭打ちという場合においては、組織のピラミッド構造を所与とすればその内部でパイの奪い合いというのは起こるべくして起こる。 他方、スタートアップ・ベンチャー企業というのは市場、或いは