寒々なんてあたりまえよ、寒いときは寒い、暑いときは暑い、たとえばマイナス気温の夕暮れ、暖房のなかの暖房であったまった体なんて、よほどヒートテックじゃない限り、どうてことないわね。 むろん重篤な病人は別よ、でも、そうでないのなら、ざるそばが食べたい。 っていうのもね、わたし、今日、酔っ払っているのよ、久々に飲み会に行ったのね、飲み会といってもひとり酒、楽しかったって、そんな、野暮はやめて、ああ、そんなこと。 でも、やけにぬくかった、ええ、春先の気温ですって、そうですか、だと、冷たいざるそばはもっともね、と、いうわけで、いつもの深めのフライパンで湯を沸かす、沸かす。なかなか沸かない。 そうね、待つのも人生、だから、わたしは買い置きの、割引の、なぜって首をかしげながら手にした野菜の、値引き加減がいい加減な、季節はずれのきゅうりとトマトを千切りならびに細かく切るの。 さらにカイワレは常備だから、安