概要渡辺澄夫の『ベイズ統計の理論と方法』 (以下, 渡辺本) は, 私のように統計学は多少知ってるものの, 統計力学を知らない人間にとっては, 「自由エネルギー」だの「分配関数」だのが何を意図して定義された統計量 (物理量?) なのかよくわからず, はじめは数式を目で追うことしかできなかった. 加えて, 渡辺本は, 実務に役に立つテクニックなどといった趣旨の本ではなく, 統計学的なモデリングや機械学習*1の理論を統一的に説明することを目的としている. そのため, 統計モデルを抽象的に一般化してその性質を説明する一方で, 混合分布モデルとか, ニューラルネットとか具体的な手法についての言及は控えめであることも, 人によっては理解が進まない原因になっていそうである. しかし, 難解であっても, 渡辺本に書かれている内容は非常に価値がある. 例えば, 以前私が [教材] 今更だが, ベイズ統計と