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2015-07-09 ポスト昭和/デフレーション/ネットワーク ポスト昭和の特質とは何か。すなわち昭和と平成を分かつものは何か。もちろんそれはまず単純には天皇が変わったことによる元号の変化である。もちろんそれは単なる名称の変化だ。昭和から平成になって様々な技術的進展により社会はずいぶん便利になった。しかし、ここで疑問が生じる。果たして日本社会はその本質のレベルで変容しただろうか。敗戦後、象徴天皇という欺瞞のもと、安保体制によって去勢され充分に近代化していない日本国。丸山真男言う所の「作為の契機の不在」。それは近代的主体の反省、ないしは理性の欠如である。また、明治期に「輸入」された付け焼き刃の近代。日本の問題はそれに起因する連綿たる幼児性にある。現人神たる天皇からあっさりとアメリカに鞍替えし、原発記念碑には「過ちは繰り返しませぬから」などと書かれ、反省対象を曖昧化して真に事態を改善ないしは分
2015-05-18 ドゥルーズ=ガタリにおける器官なき身体と麻薬の問題について 以前ドゥルーズの麻薬固有の因果性についてのエッセイに関しエントリーを書いたが、同種のテーマについて、『千のプラトー』の十章においても、それが展開されている。引用しよう。 「麻薬の騎士たちは主張する。麻薬は、慎重さと実験という必要条件を満たしている限り、平面の展開と不可分の関係にある、と。そしてこの平面上では女性への生成変化、動物への生成変化、分子状態への生成変化、知覚し得ないものへの生成変化変化など、さまざまな生成変化が結び合うだけでなく。知覚しえないものですら必然的に知覚されるし、同時に知覚は必然的に分子状を呈するのだ。つまりさまざまな物質と色彩と音のはざまに位置する穴やミクロの間隙に達するということだが、そこに逃走線世界の線、透明と切断の線が流れ込んでくるのである。知覚を変化させること。[中略]麻薬という
2015-05-06 情報社会における多神論的キャラクターと坂口安吾における天皇の問題 現今の社会構造は、いわゆる再帰的近代やポストモダンと呼ばれ、それ以前の社会構造からは区分される。その特質としてリオタールが述べたのは、大きな物語の凋落である。すなわち象徴的にはフランス革命以後の西欧を牽引していた理念が弱体化し、人々が分断された小さな言語ゲームのセカイ=島宇宙へと引きこもる時代である。 かくのごとき社会はまた情報社会の特質でもある。マクルーハンが夢想したようなデジタルな世界的統一すなわちグローバル・ヴィレッジなるロマン的表象とは程遠く、現今の社会は小さなコミュニティが遍在している。 哲学者のニーチェは近代化の過程において「神の死」の進行を指摘した。彼は近代は聖なるものが失われていく時代だとし、社会学者のマックス・ウェーバーはそれを「近代の脱魔術化」と呼んでいる。 ハイデガーもまた現今の技
2015-04-15 五月四日 添い寝同人誌『SOINEX』頒布 文学フリマ オ-61 前日にDJイベントも! 5月4日の文学フリマ、オ-61にて添い寝系文芸同人誌『SOINEX』を頒布します。 また前日の5/3には高円寺グリーンアップルにてDJイベント「SOINEX NIGHT」開催。こちらはギガンデクト、モイラ、tomad、吉川よしの、yamazumaといった人気DJが多数参加。 『SOINEX』の文学フリマでの頒布価格は2000円となります。 DJイベントは入場料2500円ですが、SOINEXを無料プレゼント致します。こぞってご参加ください。 同人誌の寄稿者は以下。 ・四流色夜空 ・K坂ひえき ・鈴木慎吾 ・木野誠太郎 ・今野ぽた ・kihirohito ・深井一 ・お湯 ・複素数太郎 ・杉田俊介 ・真由子 ・帝国水素 ・かなみとも ・梅ラボ ・小林銅蟲 ・位置原光Z ・はるしにゃん
2015-04-08 ポストモダニズム入門――現代の知のマッピング ポストモダンとは近代以後ないしは脱近代を意味します。これは近代という「啓蒙」「人間」といった「理念」の終焉を意味します。こうしたことを述べたのがリオタールです。 このような理念の消失において、政治的には、人々を規律によって統治するよりも、情報技術等を駆使して統御する管理型の社会へと移行します。これは『記号と事件』に掲載されているドゥルーズによるフーコー解釈です。ちなみにインタビューアーはネグリです。 消費社会の文脈においては、すべてがスペクタクル=見世物になり、オリジナルなきコピーたるシミュラークルとなります。これらの問題系を論じたのがギィ・ドゥボールやボードリヤールです。 文学の領域においては、近代的な小説から、それを解体するようなポストモダン文学といったものが現れてきます。これは近代的な明晰な秩序を解体するような作品群
2015-04-08 至道流星『大日本サムライガール』に見る現代的ポリティクスの戦略 私が現代のラノベ作家として最も注目している作家が至道流星である。彼の処女作たる『雷撃☆SSガール』は、世界征服を成し遂げようと少女が奮闘しフリーメーソン的な存在が現れる痛快な娯楽小説であり、また高い強度を持った政治経済への考察を包含した社会派小説でもある。 零細DM発送代行会社を継いだ若き経営者・ジンは、彼女にフラれたその夜、キャバクラで「世界征服(SS)」を宣言する絶世の美女・リンと出会う。翌日、ジンの会社に押しかけて来たリンは、瞬く間に業界のルールと経営状況を把握し、誰も考えつかなかった斬新なビジネスプランをぶち上げる。だがそれは、リンのほんの第一歩に過ぎなかった…!第7回講談社BOX新人賞“流水大賞”受賞作品 雷撃☆SSガール (講談社BOX) 雷撃☆SSガール (講談社BOX) 作者: 至道流星,
2015-04-07 批評における大衆性と性愛の意義――ハイカル系メイド喫茶設立のステートメントとして 5月から人文社会科学や自然科学のトークイベントや講演会を行うイベントスペース兼メイド喫茶でもあるという店を始めます。初期費用がかかりすぎており厳しいのですが、それはさておき、そこまで金をかけて主体的にアンガージュマンするのはなぜなのか、そのステートメントをしておきたいと思います。 吉本隆明を参照するまでもなく、大衆性から遊離した批評は、単なるスノビズム、ないしは高踏的で閉鎖していく傾向にある。吉本隆明はその著作『情況への発言』において、ニューアカデミズムが流行している当時から、そうした観点のもと批評空間派を先行的に批判していた。 そのことにより批評空間派は凋落し、現今の批評にあっては、宮台真司にせよ宇野常寛にせよ、あるいは濱野智史を入れても構わないだろうが、そうした幾人もが吉本隆明におけ
2015-03-23 ドゥルーズ=ガタリ入門のためのブックガイド 私はドゥルーズ=ガタリとジャック・ラカンを極めて愛好しているのですけれど、以前公開したラカン入門ブックガイドが好評だったため、今回はドゥルーズ=ガタリ編を公開したいと思います。 まずドゥルーズ=ガタリ自身の著作から。そののちに入門書を紹介していきます。よろしくお願い致します。 ニーチェ (ちくま学芸文庫) 作者: ジルドゥルーズ,Gilles Deleuze,湯浅博雄 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 1998/05 メディア: 文庫 購入: 9人 クリック: 18回 この商品を含むブログ (28件) を見る ニーチェと哲学 (河出文庫) 作者: ジルドゥルーズ,江川隆男 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2008/08/04 メディア: 文庫 購入: 2人 クリック: 107回 この商品を含むブログ (25
2015-03-12 ハイカルチャー系シェアハウス「ジュイサンス」5月始動 ハイカル系のシェハウスを、人文学、社会科学、自然科学、文学、批評に詳しい人達の交流スペースとして立ち上げます。4月末から入居可能です。見学や一週間までの宿泊は無料です。入居条件はクリエイティヴであることのみです。勉強したい、情報を得たい、良い知り合いがほしいといった方、ご気軽に相談ください。 家賃は私物なし三万円、私物ありが五万円となります。部屋は50平米あります。プロジェクター設置予定で映画見放題ですし、また私の教えられることはなんでも教えます。そして私の数千冊の蔵書を読み放題です。 連絡先 LINE yuichi1462 なにとぞよろしくお願い致します。 hallucina 2015-03-12 04:40 ハイカルチャー系シェアハウス「ジュイサンス」5月始動 Tweet 広告を非表示にする はるしにゃん同人誌
2015-03-11 はるしにゃん同人誌 電子書籍版お得パック販売開始 いままで出した同人誌の電子書籍版お買い得パックが購入可能になりました。よろしくお願い致します。 はるしにゃんお得パック - カラフネ - BOOTH(同人誌通販・ダウンロード) はるしにゃんお得パック - カラフネ - BOOTH(同人誌通販・ダウンロード) hallucina 2015-03-11 11:23 はるしにゃん同人誌 電子書籍版お得パック販売開始 Tweet 広告を非表示にする エロゲシナリオ原案『新生のウィルヘルム』 »
2015-03-09 人文社会科学のシェアハウスを立ち上げます シェアハウスについては以前論じました。すなわちこれは経済的下部構造の問題において若者が疎外されており、ソリューションとして協同が生じているわけです。 かといってすべて下部構造の問題かというとそうではなく、上部構造は相対的自律性を持ちますし、また逃走線を引くことも可能でしょう。 そしてIT界隈にはギークハウスが、アート界隈には渋家があります。私は両方に住んだことがあり、とても刺激を受けたのですが、そこには批評と思想が少々欠如していました。 そこで私は批評や思想の好きな方のシェアハウスを作りたいと思っております。詳細はリプライやDM、LINEやメールにてお問い合わせください。LINE yuichi1462 Mail [email protected] また、シェアハウスの慣例として、一週間は寝泊無料です。 なにとぞよろしく
2015-03-07 岡田斗司夫とはなんだったのかーー洗脳とマネタイズ 岡田斗司夫とはなんだったのか。あるいはそもそもなんと呼ぶべきだったのだろう。実業家だろうか。およそクリエイターとは呼ぶべきではないだろう。私が適切だと思う呼称は、詐欺師である。あるいは宗教の教祖、すなわちグルである。 そもそも彼がいままで何をしてきたのか。GAINAXにおいても「人を動かす」以外のことをやったようにも思えない。『オタク学入門』などの一連のオタク擁護もまた「あえてやった」と公言している。「オタクはこの情報社会におけるニュータイプであり同時に江戸の粋の正統継承者である」というアレである。 『オタク学入門』ではオタクに媚び、『評価経済社会』ではギークに媚び、『フロン』では女性に、『プチクリ』ではクリエイター志望に、『いつまでもデブだと思うなよ』では一般大衆に媚びた彼は、そもそも何がしたかったのか。 簡単である
2015-03-05 批評誌『ディセミナ』創刊します 批評誌『ディセミナ(仮)』企画書 概要:現代における批評の弱体化はいまさら論じるまでもなく明白であるが、しかし私はそれはまず第一に文化的シーンを形成できるパフォーマーの少なさとその環境設計の貧困にすぎないと考える。テクストもコンテクストも無限に生成可能である。そしてそれはネットワーク化した現代社会にあってはエンパワーされることが可能だ。そうした認識のもと、アフォーダンスとしての批評誌の創刊を試みよう。 内容:第一号の内容は「ネットワーク」を特集し、そのサブカテゴリとして「インターネットとサブカルチャー」「ネットーワークの原理論」の二つを柱とし編集する。また、編集=キュレーションもキーワードの一つとなるだろう。具体的にはニコニコ動画上のMADやn次創作もまた対象となる。他にいまトレンドであるところの思弁的実在論の相関主義批判の検討や、ミシ
2015-03-04 アニメーションとオタク的主体の欲望の問題系――魔法少女まどか☆マギカ劇場版 叛逆の物語について まどマギ劇場版の『叛逆の物語』というのは、その物語構造やモチーフにおいて、極めて宗教的です。そのことは、冒頭のほむらのモノローグにおいて「輪廻」「解脱」といった言葉が出てくることや、彼女が悪魔化する際に曼珠沙華=彼岸花が使用されていることなどからも用意に理解できます。 本作のキャラクター配置がどのようになっているかと言えば、神としてのまどか、悪魔としてのほむら、天使としてのさやかがいる、という構造です。神まどか、これを便宜的にメタレベルまどかと呼ぶことにしますが、このメタレベルまどかは、自身の使徒としてさやかを、魔女化して自らの結界に内閉しているほむらのもとへと派遣します。同時に自身の化身として記憶を失ったオブジェクトレベルまどかもほむらの夢の中に入っています。 ほむらの夢
2015-03-03 デフレ不況とヒッピー文化――贈与とシェアを要請する下部構造について ちょっとしたエッセイというかメモというか。 私いまシェアハウスに住んでいて、以前はギークハウスの系列のところ、いまはアート系の渋家に住んでいるのだけれど、こうしたシェアハウスブームって、言うまでもなくデフレカルチャーなんですよね。phaさんの『ニートの歩き方』にしたって「就職難だしそもそも働きたくないしネットやりながらたまにお金や物をもらって自由に生きよう」って主張は、この失われた二十年ないしはロストジェネレーションにおいて醸成されてきた感受性そのものであり、いわばデフレ不況の申し子だと言っていい。 あるいは物書きの坂口恭平や岡田斗司夫、さらには論客の中沢新一や柄谷行人が「贈与と返礼」「交換様式D」なんてことを言い出してるのは、この資本制下において疎外された労働者が賃金と労働力の売り買いとはことなるオ
2015-02-26 ケン・ウィルバーの思想とトランスパーソナル心理学ーー別の仕方で生きることを別の仕方で 「トランスパーソナル心理学」という、「第四の心理学」とも呼称される心理学があります。 これはウィリアム・ジェイムズやカール・グスタフ・ユング、アブラハム・マズローなどの影響のもと立ち上がった「自己超克」のための心理学です。「自己超克」と「トランスパーソナル」は可換とお考えください。 マズローの欲求階層説はご存知かと思います。こちらにおいて一番レイヤーの高い欲求となるのが「自己実現」です。しかし晩年のマズローは、それを「含みつつ超える」概念として「自己超克」の欲求を考えました。こうした「含みつつ超える」という弁証法的な仕方における発展を正統的にヘーゲル的なアスペクトの問題として整理した論客がケン・ウィルバーです。 おおざっぱに「トランスパーソナルとはなにか」を概説致します。 まず人間に
2015-02-21 『素晴らしき日々』とセカイ系的独我論からの脱出 ウィトゲンシュタインの草稿における「ただ一つ世界霊魂だけが存在する」というセンテンス、すごく良いですね。というわけで、『素晴らしき日々』というヴィジュアルのベルゲームについて、ウィトゲンシュタインを軸に論じて行きたいと思います。ーー『素晴らしき日々』はセカイ系から日常系へという涼宮ハルヒ的なゼマンティックの遷移をウィトゲンシュタインの論考から探求への遷移と重ね合わせることによって成立している。しかし、ラストにおいては言語ゲームが独我論の超克としての遍在転生へと一元的に回収され、その単線構造が再びセカイ系的にループ化される。 先述の『素晴らしき日々』のいわば宙吊り的な構造化を、面白いと見るか、単なるポストモダン的な意匠と見るかで意見が分かれると思うのだけれど、私は単にあれはウィトゲンシュタインへの誤解に加え、更にストーリー
2015-02-21 フロイト=ラカンに入門するために 精神分析入門のためのレビューエントリーです。 臨床家のための精神分析入門―今日の理論と実践 作者: アンソニーベイトマン,ジェレミーホームズ,館直彦,増尾徳行 出版社/メーカー: 岩崎学術出版社 発売日: 2010/10/01 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 極めて網羅的。精神分析学について知りたい場合は本書と藤山さんの著書をまずおすすめです。 集中講義・精神分析〈上〉精神分析とは何か/フロイトの仕事 作者: 藤山直樹 出版社/メーカー: 岩崎学術出版社 発売日: 2008/11/01 メディア: 単行本 クリック: 18回 この商品を含むブログ (9件) を見る 上巻はフロイト中心。 集中講義・精神分析 下 フロイト以後 作者: 藤山直樹 出版社/メーカー: 岩崎学術出版社 発売日: 2010/06/01 メディア
2015-02-18 脳神経倫理学とニューロエンハンスメント――知性増強剤について 古来から人間はその知能を活用しそのことによって生存してまいりました。「知能」なるものの存在はそれが生存戦略として有益であるがために進化の過程で淘汰されず勝ち残った形質だと進化心理学は想定します。 知能というものはまずある個体においては遺伝と環境によって決定されます。カントの言葉を借りればアプリオリとアポステリオリ、先験的と後天的、超越論的と経験的の二項図式です。現代の認知科学は遺伝と環境の割合は半々だとしています。 こうした知能ないしは知性が弱体化していく病気としてアルツハイマーが、あるいは知能が異常に高いサヴァン症候群といった状態が存在致します。 いかにして知能を上げるか。それは知性というアプリをアップデートする作業、脳神経回路へ負荷をかけ経験による再編成を行うことが要されます。 人間が記憶できることは喜
2015-02-18 ボカロ曲によるエレクトロニック・ミュージック入門――クラブカルチャーと初音ミク 電子音楽について興味はあるけれどわからないという人向けに、あるいはボカロに詳しくないクラブ系の方のための、個人的に好きな楽曲紹介エントリです。 こちらがエレクトロハウス。リリックはクラブで飢えている女について。ボダっぽい歌詞がサイコー。さつきがてんこもりPの楽曲。 素晴らしい以外の感情がない。 MMD文化はとても良いものです。 「妄想税」のハウスリミックス。 原曲は八王子P。リミックス。 ハチのマトリョシカのドラムステップ。 ひたすら明るくて元気の出る曲。 ATOLOS。 かごめPのセルフリミックス。 第四回MMD杯優勝作品。良さしかない。 ギガP。ポップでキュートでガーリー。最高。 電子ドラッグ。必聴。絶対製作者はサイケキメたことあるはず。というかクラブカルチャーって基本的にドラッグカル
2015-02-18 幾原邦彦論序説――少女革命ウテナと輪るピングドラムについてのメモランダム 幾原邦彦様についての原稿依頼が来ておりまして、その宣伝用にアウトラインと草稿の一部を公開いたします。KAI-YOU.netというポータルサイトに連載することとなっております。 ーーー 構成 序:イントロダクション 幾原についての紹介 寺山修司の影響を受けながらシャフトに引き継がれる表現と演出 シンボリズム アヴァンギャルド アングラ演劇 文学 ヘッセ デミアン サブカルチャー セーラームーン 少女の理想と幻想 ジェンダー セクシュアリティ クィア 九十年代 セカイ系 社会構造 革命 レトリック 精神分析学 テーマ性 学術性 大衆性 1章:ウテナ論 テーマ批評編 2章:ウテナ論 表現論編 3章:綜合と補足 資料等 4章:ピングドラム論 テーマ批評編 5章:ピングドラム論 表現論編 6章:綜合と補足
2015-02-16 長編小説『ディセミナ シェアード・ワールド』プロローグ「太陽と月と目覚め」 陽光を浴びながらベランダにあるベンチに座る月島隻菜の読んでいる本はベイトソンの『精神の生態学』だった。彼女はいま現在ある種の人間的な精神の分析をシステム論のタームで整序することを自らの課題としながら批評=批判的に吟味するという作業を行っている。 「ラカンとベイトソンの融合って、そういえば斎藤環さんがやっていたなぁ」 月島はそう独りごちた。血のようなブラックコーヒーが太陽の明かりを照り返しながら可視光線を振りまいていた。軽く頬を撫でる空気はとても爽やかで彼女の読書効率のファシリテータとして機能していた。諸物の連関すなわちネットワーク全体がシステム論的な精神=マインドとして魂を持っているという遍在性を彼女は体感しベイトソンの主張をその身に刻みつつあった。この風のおかげでどこかの桶屋が潤沢な資本を獲
2015-02-13 スピリチュアルブームとはなんだったのかーーオウム真理教的集団主義から霊性的個人主義へ 私が以前書いたファウスト系論がなかなか好意的に受け止められ評判が盛況だったこととても嬉しく思います。 セカイ系以後の生存の技法――ファウスト系はどうサヴァイヴしたか - A Mental Hell’s Angel このエントリがどういう経緯のもと書かれたのか、あるいはスピリチュアリティといったものが現代的にどうして論述されるべきなのか、そうした文化的背景と理論的妥当性について少々書かせていただきたいと存じます。 ーーー 現代社会とは、といった大上段から論じるのも気が引けますが、しかしまぁそれは良しとして、いわゆるポストモダンでも後期近代でも再帰的近代でもポスト産業社会でもハイパーリアルでもなんでもかまいませんが、現代社会なるものがいわゆる単純な「近代性」=「モダニティ」を剰余するよう
2015-02-08 サークルクラッシュ同好会は早くクラッシュすべきである 以前私が『メンヘラリティ・スカイ」という同人誌を制作したことがありました。懐かしい話です。そのときにあった良い話をそろそろ公開いたしましょう。 『メンヘラリティ・スカイ」編集の際に「サークルクラッシュ同好会」という京都大学のサークルの会長であったホリィ・センなる人物に、私と共同編集の女の子が寄稿依頼した。私ははっきり言ってああいう手合いは身の毛がよだつほどに苦手なのであるが、共同編集の意向であるため致し方ない。まぁそこそこの原稿が届けば良しとしようと思いながら、そして原稿が届き、水準はクリアしていたため掲載した次第。ここまでは通常の編集作業である。もちろん彼の文章は完璧にはてな村的な文化圏にどっぷり使っており、つまりしろくま先生の『ロスジェネ心理学』やツイートを利用したものに過ぎず、批評的な強度は著しく低かった。し
2015-02-07 メンヘラとレイシズムについての所感と応答 はるしにゃん君の暴言・差別発言について http://yushiki-seijo.tumblr.com/post/107908335166 この記事について書いているセイジョウくんというのは私の数年来の知り合いである。はっきり言って私はこのような低レベルな難癖についてまったく相手にしたくないのだけれど、そこそここの記事が話題になっているらしいので解説しておこう。 まず第一に私は大学で精神病理学を学んでいた。もちろんクラインもラカンもドゥルーズも読んだうえに、さらにアメリカのDSM的な診断マニュアルについても目を通している。そして最新の精神療法についてもサーヴェイしている。そうした知識についての啓蒙的な文章はすでに執筆済みであるためこちらをお読みいただきたい。 ◆メンヘラについて考えるためのちょっとした用語集- A Mental
2015-01-28 高円寺のカフェバー「グリーンアップル」のマネージャー就任&イベント告知 今年度の一月より高円寺のカフェバー「グリーンアップル」にてマネージャーとプランナーを務めさせていただくことになりました。いくつかイベンターとしてプランニング致しましたので、以下その告知となっております。 告知 - 2/11高円寺グリーンアップルにてインテリイケメンツイッタラーによる一日限定ホストクラブが行われます。私が主催しキャストを集め私も店で当日働きます。 告知 - 二月三月にウィッチハウスやサイチルといったポストチルウェイブのDJイベントを二月三月に計画中です。DJやトークイベントの登壇者のコーディネート中となります。 告知 三月七日に学者の松本卓也様と志紀島啓様の両氏によるトークイベント「現代日本の精神病理」を行う予定です。時間は18:30開場、トークイベントは19:00〜21:00
東浩紀の『存在論的、郵便的』『サイバースペースはなぜそう呼ばれるか』『動物化するポストモダン』について - Togetterまとめ http://togetter.com/li/773022 東浩紀論を書きましたので、ご一読頂けますと幸いです。 前記の三作についてその理論的一貫性を剔抉し、できるかぎり明快に論じたつもりでございます。 なかなか頑張りましたがお手柔らかにどうぞ。それではよろしくお願いいたします。
2015-01-11 ドラッグカルチャーの系譜――変性意識の文化史 以下、ドラッグとそれに付帯する文化について記述しています。サブカルチャーにおいてドラッグが大きな役割を果たしてきただけでなく、それが人類において古くから文化的に重要であったことが論じられています。 ーーー ドラッグとは何か ドラッグとは何でしょうか。それはもちろん薬物です。そしてそれは使用者をある特異な心的ステートへと導くマテリアルです。そうした祝祭的な心理状態を「変性意識状態」(英: Altered state of consciousness)と呼びます。可換な表現としてトランス状態という語があります。 変性意識と古代宗教 変性意識誘発性サブスタンスは、古来より人類の文化に根ざしていました。たとえば、シャーマンなどの宗教儀礼において、タバコやマジックマッシュルーム、ペヨトルなどが使用されてきたことは歴史学的な事実です。
12月27日、高円寺の「グリーンアップル」にて、現代思想のトークイベント『Live Rhetorica!!!! 2014 Winter』が行われた。以下はそのレポートを行いながら思弁的実在論について論じたものである。 主催はサークル「レトリカ」、主にレトリック論やデザイン論を行い、現代思想からその他サブカルチャー論までを幅広く扱う集団だ。 代表は松本友也。フランス文学を研究し、二十三歳の若さにも関わらずアカデミズムからいわゆる批評までカヴァーし精力的に活動している。本人によれば「モノと人間との関わりを考える思想やデザインの潮流に関心がある」、また、個人的に少女漫画を愛好しているとのこと。 今回のトークイベントは二部構成になっており、第一部は哲学者の清水高志と松友友也の対談であり、タイトルは「マテリアリスムとして読むピエール・レヴィ『集合的知性』」。第二部は批評家の村上裕一と、同じく批評家の
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