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今年の「#文学」
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プロドロムス―固体論posted with amazlet at 11.04.28ニコラウス ステノ 東海大学出版会 売り上げランキング: 780385 Amazon.co.jp で詳細を見る ニコラウス・ステノは17世紀に活躍したデンマーク生まれの学者で、この『プロドロムス』という本は彼が書いた地質学、そして物体の生成についての本だ。フルタイトルは『ニコラウス・ステノニスの固体のなかに自然に含まれた固体についての論文への前駆』となっており『プロドロムス』というタイトルは「前駆」と訳が与えられている「prodromus」から取られている。ステノの本意は彼の固体論を大きな作品としてまとめることにあったが、その「序説」として書かれたのがこの作品なのだ。あくまで序説なので、本文は結構短い(いろいろと事情があって自分の研究成果を短くまとめる必要があったらしい)。だが、その面白さは作品の規模と無関係
小澤征爾さんと、音楽について話をするposted with amazlet at 11.12.16小澤 征爾 村上 春樹 新潮社 売り上げランキング: 27 Amazon.co.jp で詳細を見る タイトルをみかけて、著者の部分を確認すると「小澤征爾×村上春樹」とある。このふたりの組み合わせに驚いた人も多いだろう。かたや日本を代表する世界的指揮者であり、かたや日本を代表する作家、である。豪華過ぎるほど豪華な組み合わせと言っても何らおかしくはないのだが、ただ個人的には「小澤征爾の熱心なファンってどれぐらいいるんだろうな」というのが率直な印象だった。とくに熱心なクラシック・ファンにおいては、アンチ小澤派もいると思うし、なかには「なぜ、あんなに評価されているかわからない。あんなものに騙されている日本の聴衆は本当にレベルが低い」という強烈な意見を持つ人もいると思う(その評価はもてはやされ方が気に食
Fina Estampaposted with amazlet at 11.12.08Caetano Veloso Caetano Veloso Polygram Records (1994-10-11) 売り上げランキング: 70935 Amazon.co.jp で詳細を見る いろいろ本業などがアレな感じであり、最近は週に一度のディスクユニオン新宿ラテン・ブラジル館通いもままならない感じであるのだが、そうはいってもタイミングを見計らって中古盤屋にCDを買いにいったりしているわけで。そこで気がついたのは、ブラジルモノのメジャーな名盤は新宿よりも、渋谷ジャズ&レア・グルーヴ館(どうよ、このネーミング)のほうが安い、という事実であって、もちろんものによるんでしょうけれど、カエターノ・ヴェローゾの2作目のアルバム『Alegria, Alegria』(新宿だと2500円ぐらいする!)が900円で買
首都を歩こう《Tokyo Walkers》は、先日運動不足に悩む友人とひっそり結成したウォーキング集団。からりとした秋晴れに恵まれた本日その第1回イベントが開催されました。今日は表参道-六本木-新橋-東京の名所を華麗にスルーしまくるコースを設定(地図)。スタート地点はふだんほとんどいかない表参道の高級ブティック通りです。同じ日本人なのにきっと食べているものや見ているものや、吸っている空気さえ違うラグジュアリーで穏やかな雰囲気の街を歩きます。 根津美術館。歩くのが目的のイベントですのでこうしたスポットもどんどんスルーしていきます。 しばらく歩くと青山墓地に入りました。遠くには六本木のバビロンが見えてくる。 さらに歩くと新国立美術館の搬入口にでました。何度か行っている美術館だけれど、この角度から見ると「え、なにこの建物、なんかすごい建物だね」と改めて思ってしまう。ウネウネした曲面が特徴的な建物
パリ4日目の旅日記。この日が観光できる最終日で、夜は絶対にちゃんとしたお店にいきたいよね、昼間は軽く済ませよう、なんならケーキだけとかにしておこう、という計画のもと行動開始。ふたたびルーブル周辺から歩いて「アンジェリカ」へと向かった。写真はその途中で見つけたお土産屋さんのショーウィンドウ。フランスの修学旅行生もパリにきてバタフライナイフやメリケンサックを買ったりするのだろうか。 ゴージャスな店内。 ミルフィーユを注文した。妻はモンブランを注文(有名なんだって)。 この写真だとミルフィーユの巨大さが分かるだろうか。日本で出てくるミルフィーユのおよそ2倍はあろうかというサイズであって、美味しいのだけれどもさすがに後半がつらい。しかも、飲み物にカフェ・ド・クレームを選択しており、クリーム対クリームがさらに苦しい。でも、美味しいんだよ。 食後は歩いてオペラ・ガルニエへ。 ゴージャスの極みな建物でび
長い休みがとれそうな雰囲気だったので2年連続2度目のハネムーン気分で妻と一緒にパリへ向かった。利用したのはH.I.Sの約16万円、ホテルで4泊、実質4日間の自由時間、という格安パック旅行。飛行機が中国南方航空だと知ってからの事前調査では悪評しかでてこなかったので不安になったが、そこはまったく問題なかった。中国人のCAさんの態度についてはたしかに日本のCAさんみたいにニコニコはしていないのだが、特別なにか問題があったわけではない。ムッツリした顔でやや雑なサービスも慣れれば、チャーミングに思えてくる。飛行機も普通。 広州の空港で乗り継ぎ。 喫茶店の店員さん(やっぱりサービスはちょっと乱暴)はみんな少女時代みたいでかわいい。 シャルル・ド・ゴール空港には朝9時頃についた。日本をでたのは16時ぐらい。 あらゆるものがカッコ良く見えて、すっかり舞い上がってしまいシャッターを切りまくる。 空港でドライ
Ray Of Hope (初回限定盤)posted with amazlet at 11.08.11山下達郎 ワーナーミュージック・ジャパン (2011-08-10) 売り上げランキング: 1 Amazon.co.jp で詳細を見る (現時点でのアマゾン売り上げランキング1位! そんな商品がこのブログで紹介されたのははじめてかも)まず一言申しあげておきたいのは今回の山下達郎の新譜、買えるなら初回限定盤を買った方が良い! ということ。限定盤には80年代・90年代のライヴ音源が収録されたボーナス・ディスクがついてくるんですが、これがホントにすごい音源で。とくに85年の音源は、当時32歳の山下達郎の天使的、かつ圧倒的な歌唱力と声の瑞々しさが素晴らしくド肝を抜かれました。ド肝が自分の内臓のどの器官を示しているのかはわかりませんが……。 菊地成孔、山下達郎「Ray Of Hope」の魅力を語る ネッ
ロウヴァサォンposted with amazlet at 11.07.26ジルベルト・ジル ユニバーサル インターナショナル (2007-06-06) 売り上げランキング: 193095 Amazon.co.jp で詳細を見る 現代音楽のイベントなどを開いたりしているわりには最近はずっとブラジル音楽ばかり聴いていて、正確にはディスクユニオン新宿ラテン・ブラジル館に週一ペースで通いつめているみたいな感じなのですが、ジルベルト・ジルがすごすぎて参ってしまっているわけです。彼の作品についてはカエターノ・ヴェローゾとの共演盤*1でしか知りませんでしたけれど、セクシーなブラジル男代表がカエターノだとするならば、ジルベルトはブラジルの太陽代表とでも言えましょうか。『Louvação』(1967)は彼のソロ・デビュー盤。奇しくもガル・コスタと共演した『Domingo』で同じ年にカエターノがデビューして
スタジオジブリ・プロデュース「コクリコ坂から歌集」posted with amazlet at 11.07.24手嶌 葵 ヤマハミュージックコミュニケーションズ (2011-07-06) 売り上げランキング: 95 Amazon.co.jp で詳細を見る まず顕著なのは資本の匂いというか。ジブリはGAINAXがエヴァンゲリオン商法で荒稼ぎをしたように宮崎駿という資産で喰っていく方向に舵をとったのかな、と勘ぐってしまうような作品でした。手嶌葵による時代感のない歌唱が冒頭に配置され、劇中の重要なシーンでも採用されていて「ハヤオらしさ」が盛り込まれているところにもそれは感じられますし、演出にしてもナウシカやハウル、魔女宅といった過去の作品からのあからさまな引用が目立ちます。しかもその引用が非常に雑。全体的に重要ではなさそうなシーンの動きの荒さからして素人目にも動画作りの力の入り具合がはっきりとわ
http://d.hatena.ne.jp/Geheimagent/20110406/p2 http://d.hatena.ne.jp/Geheimagent/20110630/p1 さて、いよいよ今週末となりました。改めましてイベントについて詳細をお伝えいたします。 夜の現代音楽講習会 今夜はまるごとシュトックハウゼン 選曲・ゲスト:松平敬 2011/07/17(日) 18:00-22:30 三軒茶屋Hell's Bar http://www.go-to-hell.jp/ 料金:1500円(ノー・ドリンク) 上記の開始時間は開場時間となります。ここから入場の音楽として《テレムジーク》の元ネタとなった世界の民族音楽が流されまして、頃合いをみて(30分ぐらい)本編開始、ゲストの松平敬さんとともに前代未聞のクラブイベントがはじまります。7/17は、三軒茶屋を独創的なオーケストラ・サウンドや、電
http://d.hatena.ne.jp/Geheimagent/20110406/p2 こちらのエントリにて既にお伝えしている「夜の現代音楽講習会 今夜はまるごとシュトックハウゼン」の開催日(7/17)が徐々に近づいてきております。すでにTwitterやFacebookなどでいろんな方々に広めていただいているおかげでなかなかの反響があり、当日がとても楽しみになってきました。本日はこのイベントについて続報をお伝えいたします。選曲・ゲストの松平敬さんと打ち合わせやメールなどを交わさせていただき、次のようなイベント内容になることが決まりました。 音源をただ垂れ流すのではなく、短いコメントや解説といったやりとりを挟みながら進行 とりあげられるのはシュトックハウゼンの初期から晩年にかけての作品 超有名な曲であるがゆえにシュトックハウゼンに対しての誤解を招いていると思わしき作品は大胆にカットします
UMA-SHIKA(公式) 詳しくはこちら(↑)を見ていただきたいのですが、また、文芸誌作りました。私の小説はエチオピアに生息してた鳥を巡る歴史物語みたいな小説になっていますが、どうでもよろしい。他の執筆陣がものすごく、編集作業をしながらホントに泣けてしまった作品もあります。興味がある方は、6/12(日)に文学フリマに来てみてください! 朝吹真理子や川上未映子、阿部和重も会場に来るらしいですよ! 『UMA-SHIKA』を買ってもこの人たちのサインが貰えませんが、素晴らしい執筆陣が店番をしてたりするのでサイン会などという刹那的なふれあいよりも濃密な時間が過ごせますよ!! そうした濃密な時間がノー・サンキューな人は、サラッとその場を去っていただいても大丈夫です。と、と、とにかく間違いなく、お、面白いんだから、よ、読んで欲しいんだな!(突如、Yamashita Kiyoshi化)。通販予約も受付
専門家への不信が高まり続ける昨今「アイツは御用学者だからダメだ!」「ウソつきだ!」という声がところどころであがっておりますが、そうした批難の声をあげている方々のお話を聞くに(これは、どうやら別な専門家に鞍替えしただけなのではないか……)と思わなくもありません。ある専門家を不信しつつ、別な専門家は信頼できる(かも!)と支持する根拠はどこにあるのか・自分は何を信じているのかもあやふやなまま、不安に煽られて安易な鞍替えをしてしまって良いものでしょうか? そうした態度では、これまでと同様に専門家への丸投げが繰り返されてしまう気がします。「馬だと思って乗っていたのがラバだった!」みたいに騙されたくはないものです。誰もが馬の調教師である必要はございませんが、馬とラバの見分けはつくほどの見識はもっておいて損はないでしょう。 ということで、放射線関連の記事を読んで、見識を高めていこうじゃないか! と思った
Newton (ニュートン) 2011年 06月号 [雑誌]posted with amazlet at 11.05.15 ニュートンプレス (2011-04-26) Amazon.co.jp で詳細を見る 『Newton』には先月号でも震災の速報記事が掲載されていましたが、6月号では本来予定されていた特集を延期して「原発と大震災」特集が組まれています。日本がアジアに誇る科学ジャーナリズム誌が、今回の震災に取り組んだ本気がヒシヒシと伝わってくる内容でかなり素晴らしいモノだと思います。特集は第1章「 超巨大地震はこうしておきた」、第2章「徹底分析 福島第一原発事故」、第3章「次にひかえる超巨大地震」に分かれています。なかでも第2章は原子力発電所の仕組みや事故原因、チェルノブイリでの事故との比較、放射線の人体に対する影響……などなど今回の特集では一番力が入っている感じの部分に思えました。Twi
実家がある福島県(福島市)に帰って来ている。ここは今日本で最もホットな土地の一部。実家はいつもの通り穏やかで家の人も放射性物質が不安ではあるけれど、震災以降一週間ぐらいライフラインが止まった時の苦労話を笑い話のように語れるぐらいには余裕がある。近所には瓦が落ちて屋根にブルーシートがかけてある家(瓦不足と人手不足で修理ができないらしい)があり、道路に入った大きな亀裂は地震のすごさを物語っていた。 近所に住む91歳のおばあさんは、地震があってからコタツにあたりっぱなしで外にでてこなくなってしまったそうだ。地震の前はこのあたりでは一番元気なお年寄りで、働き者だったのに、と祖母は語る。一昨日は親戚の農家の方がウチに来ていた。祖父の従兄弟にあたるそのおじいさんは、良いものは全部東京に持っていかれて、福島には悪いものしか残らない。このあたりでは東京の悪口ばかりだ、とこぼしていた。苦笑するしかなかった。
<ザ・スコープ>はヨーヨーダイン工場の電子機器の組立て作業員の溜まり場だった。外側の緑色のネオン・サインは精巧にオシロスコープ管の画面をかたどったもので、そこには限りなく形を変えるリサジュー図形の踊りが流れている。この日は給料日らしく、バーの中は、だれもがもう酔っぱらっているようだった。(略)とつぜんバーの向こうの端にあるジューク・ボックスのようなものから、ウーだの、イーだのという音のコーラスが響いてきた。だれもが話をやめた。バーテンが飲みものをもって、忍び足で戻ってきた。 「どうしたの?」とエディパは小声で言った。 「あれはシュトックハウゼンの作品」とクールな灰色の顎ひげが教えてくれた(トマス・ピンチョン『競売ナンバー49の叫び』より) CDは売れなくなり、モラルの欠如した音楽データの違法コピーが蔓延し、レコード店は次々に潰れていく一方で、リスナーの趣味は細分化し続け、今や隣の席のあのコ
英語耳[改訂・新CD版] 発音ができるとリスニングができるposted with amazlet at 11.03.30松澤喜好 アスキー・メディアワークス 売り上げランキング: 4320 Amazon.co.jp で詳細を見る 昨年の11月ごろから『英語耳』*1という英語教材を使って発音とリスニングの訓練をしています。本日はその勉強の経過についてご報告。この本では「子音・母音に分解した発音練習」、「英語の歌を用いた発音とリスニングの練習」、「ゆっくりとしたスピードの短い英語音声を用いた発音とリスニングの練習」、「ノーマルなスピードの長い英語音声を用いた発音とリスニングの練習」……と、いくつかフェーズわけがされているのですが、最近になって「ノーマルなスピードの英語音声を用いた練習」に入りました。その前に聞いていたゆっくりとしたスピードの英語音声は、VOAというアメリカ英語の学習サイトからダ
はじめてのラテン語 (講談社現代新書)posted with amazlet at 11.03.05大西 英文 講談社 売り上げランキング: 21034 Amazon.co.jp で詳細を見る 昨年末に上野でデューラーの版画を観たときのこと。彼の版画作品には16世紀の技術解説書みたいなものの挿絵となっているものがあり、展示されているもののなかにはそうした本からの抜粋があった。文章はもちろん当時のヨーロッパにおける汎用的言語であったラテン語だ。それを眺めながら「ああ、こういう文章がなんとなく読めるようになったら、とても楽しそうだなあ」と思ったのがラテン語を勉強しようと思った直接的なきっかけである。で、今年に入ってから『はじめてのラテン語』というテキストを使って地道に勉強を続けている。今日になってテキストをひととおり終えられたので記念に本をご紹介。それにしても講談社現代新書ってこんな本も出して
きことわposted with amazlet at 11.02.10朝吹 真理子 新潮社 売り上げランキング: 126 Amazon.co.jp で詳細を見る 朝吹真理子は1984年生まれ、私と学年が同じ年に生まれている。生まれた土地や環境はまったく違う。けれども、学年が同じである、ということはほとんど似たような時代の風景を見ている……であろう、そしてそういう自分とほとんど同時代人がどういった小説を書いて芥川賞を受賞しているのか、それが気になった。普段誰が芥川賞をとっても特段気にもしないのだが、今回ばかりはそうしたところで意識に止まり、書店で手に取ったら『E2-E4』への言及が目に止まる。それはマニュエル・ゲッチングが1984年に発表した、クラブ・ミュージック界隈、ミニマル・ミュージック界隈から今なおリスペクトされている記念碑的アルバムだ。そういえばゲッチングが昨年来日してこのアルバムを
村上春樹 雑文集posted with amazlet at 11.02.05村上春樹 新潮社 売り上げランキング: 14 Amazon.co.jp で詳細を見る 仕事がちょっと忙しい → ストレス発散で金を使いまくるなかでアホほど本を買う……というのをちょっと繰り返していたら積読が大変な量になってしまったため、しばらく本の買い控えをおこなっていたのだが、会社の本屋さんで見つけて抗いがたく購入。そして一気に読んでしまった。400ページ以上の大ボリュームのなかにさまざまな文章が収録されている。これまで彼のエッセイはかなり好んで読んでいたので特別目新しいものはない。しかし、リズミカルに読めてしまい退屈もない。(もしかしたらこのブログで同じことを何度も書いている可能性があるが)そうした読書感をもたらしてくれる書き手は稀有だ。 読んでいて、それにしても村上春樹という人はストイックなのだな、という印
「勉強が楽しい」って感覚にぼくもなってみたいです 今受験勉強中なのですが、勉強がいやです 世界史・国語・英語 「楽しく」なるにはどうすればいいでしょう? http://d.hatena.ne.jp/Geheimagent/20110115/p2#c 少し早く仕事が終わって自分のブログを開いてみると、こんなコメントが寄せられていることに気がつきました。「勉強大好き会社員」、「大瀧詠一、岸野雄一に次ぐ『勉強家』になりたい」と自称する立場から、本日はこの質問に回答してみます。……とその前に最近のここ2週間ぐらいで見出した「ベストな生活パターン」を公開しておきます。 6時、起床。Twitterなどをチェックしながら、朝食を食べ、昼食用のおにぎりを握る。身支度を整えたら、iPodで英語のリスニング練習にビートルズの「Let It Be」を聴きはじめる。これは毎朝10回聴かなくてはならないので、聴かて
翻訳夜話 (文春新書)posted with amazlet at 11.01.15村上 春樹 柴田 元幸 文藝春秋 売り上げランキング: 9544 Amazon.co.jp で詳細を見る 『翻訳夜話』は作家、村上春樹とアメリカ文学者、柴田元幸という翻訳でつながったふたりが、翻訳について語ったもの。出版されたのは10年ほど前のことで、最初に収録されたフォーラムにいたっては1996年のものだから15年も前になる。このあいだ、村上春樹も柴田元幸も、かたや日本で最も人気のある作家のひとりであり続け、かたや日本で最も人気の翻訳者のひとりであり続けたのだからなんだかすごい話であるな、と思う。当初で触れられるのは、翻訳の話だけではなく、村上春樹の文章の作り方、一種の創作論も含まれており、この面でもとても興味深い書物だろう。 翻訳といえば思い出すのはベンヤミンの「翻訳者の使命」という文章だ。これはつい先
神秘哲学―ギリシアの部posted with amazlet at 10.12.30井筒 俊彦 慶應義塾大学出版会 売り上げランキング: 130301 Amazon.co.jp で詳細を見る 慶應義塾大学出版会よりようやく井筒俊彦の『神秘哲学 ギリシアの部』が復刊されました! ホントはたしか今年の7月に刊行される予定だったんですよね。約半年遅れのリリースの裏側には何があったか分かりませんが、年内に手に入って嬉しい。早速読み始めました……が、これはなかなか手ごわい本でして、ちょっと読みにくいところがあります。何しろ、最初に出版されたのは1949年ですから約半世紀前の格調高い日本語となっており、新かな遣いが採用され、漢字も新字体となっていながらも、おそらくフォントが存在する漢字についてはママとなっていて、見たことがない漢字がちょいちょい出てくる。内容はやはり『意識と本質』を書いた大先生の仕事で
以下は「2ちゃんねる創作文芸板競作祭 2010年冬祭り」のために書いた短編小説です。このイベントにはゲスト審査委員として招聘されていたのですが、あまりに質の悪い小説を10本ほど読まされたところでキレてしまい「こんなのなら俺でも優勝できるわい!」と思い、書き上げました。一方では「上手い!」と賞賛され、一方では「ゴミ!」と非難され、作者としても「俺は上手いのか、下手なのかよくわからんな」と微妙な気持ちになる評価を獲得しましたが、しかし、審査員は作品を提出しないという規定を確信犯的に違反したため「実は、書いたのは私です」と告白したところで失格となりました。今回は、作者解題をつけてここに転載します。 メッセージ・イン・ア・ボトル 冷たいアスファルトのうえを改造二輪車にまたがって疾走していく若者たちは、ひとりひとりがなにかに飢えていて、その欠乏感を埋めるためにスピードを求めているようだった。薄く雪が
銭ゲバ 上 (幻冬舎文庫 し 20-4)posted with amazlet at 10.12.19ジョージ秋山 幻冬舎 売り上げランキング: 115676 Amazon.co.jp で詳細を見る 銭ゲバ 下 (幻冬舎文庫 し 20-5)posted with amazlet at 10.12.19ジョージ秋山 幻冬舎 売り上げランキング: 121973 Amazon.co.jp で詳細を見る ジョージ秋山作品については大昔、私が小学校高学年の頃に購入していた『ガンガン』か『ギャグ王』(なんか懐かしすぎる)で『ドブゲロサマ』という連載が始まったのがものすごいトラウマになっており「さぞかし業の深い漫画を書く人なのだろうなあ……」と敬して遠ざけてきたのだが、実際代表作のひとつである『銭ゲバ』を読んでみたところ、予想を大きく上回る衝撃的な作品だった……。昨年ドラマ化されたものは未見だが、一体こ
意識と本質―精神的東洋を索めて (岩波文庫)posted with amazlet at 10.12.18井筒 俊彦 岩波書店 売り上げランキング: 12104 Amazon.co.jp で詳細を見る 歴史を紐解いてみるとダヴィンチ(いろいろできすぎ)であるとか、ノイマン(20世紀の科学に影響を与えすぎ)であるとか、世のなかにはすごい天才がいたもんだよなぁ、と感心してしまうことがあるけれど、日本で言えば井筒俊彦がその天才のひとりに数えあげられるだろう。この人は語学の天才で、20か国語を修得し(一説には30か国語を使えたとも)、全世界的な思想と文学に通じており、慶應大学で教鞭をとっていた際には一週間に「中世哲学」と「アラビア語」と「ロシア文学」の講義を担当していた……というほとんどリアル文系版イチロー伝説みたいな人である(もしかしたら、ひとつの言語を習得しようとするだけで、5か国語を修得した
http://d.hatena.ne.jp/Geheimagent/20100116/p1 http://d.hatena.ne.jp/Geheimagent/20100116/p2 http://d.hatena.ne.jp/Geheimagent/20100130/p2 http://d.hatena.ne.jp/Geheimagent/20100210/p1 http://d.hatena.ne.jp/Geheimagent/20100221/p1 http://d.hatena.ne.jp/Geheimagent/20100222/p1 http://d.hatena.ne.jp/Geheimagent/20100228/p2 http://d.hatena.ne.jp/Geheimagent/20100326/p1 http://d.hatena.ne.jp/Geheimagen
安全地帯VI~月に濡れたふたりposted with amazlet at 10.12.04安全地帯 ユニバーサル ミュージック (2007-03-07) 売り上げランキング: 51379 Amazon.co.jp で詳細を見る 安全地帯VII~夢の都posted with amazlet at 10.12.04安全地帯 ユニバーサル ミュージック (2007-03-07) 売り上げランキング: 126638 Amazon.co.jp で詳細を見る 安全地帯VIII~太陽posted with amazlet at 10.12.04安全地帯 ユニバーサル ミュージック (2007-03-07) 売り上げランキング: 85345 Amazon.co.jp で詳細を見る 以前ニップル騎士団というバンドを主宰していた際、そのバンドのヴォーカリストが安全地帯に対するリスペクトを表明していたことを最
もはや21世紀に入ってからだいぶ経過してるわけで「今って21世紀なんだよ」と言われたとしても「それが何か? 当たり前だろ」なんて誰も驚かなくなっている昨今、《21世紀》という言葉を心の顕微鏡でジッと見てみれば、過ぎし日の20世紀に思い描いていた21世紀はとびっきりの未来だったはずなのに現実は俺の認識力がコンピューターと直接に接続されたりしているわけでもなく、俺のペニスが機械に置き換わっているわけでもない……このような現実にがっかりしてしまうのは、俺のサイバーパンクな未来予想図を構築しているモノに、俺が小学生の頃、日曜洋画劇場でしきりに予告していた『JM』の映像があるからだろう、それは『マトリックス』よりも『ブレードランナー』よりも『攻殻機動隊』よりも先駆けて未来的リアリティをもつ映像だったのだが、映画自体はつまらなかった記憶しかない、しかしながら、今現在調べたところによればあの映画において
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