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fibrosis.hatenablog.com
抗がん剤治療中の大血管炎の発症、私自身はまだ経験したことはありません。 Taimen K, et al. Granulocyte colony-stimulating factor- and chemotherapy-induced large-vessel vasculitis: six patient cases and a systematic literature review. Rheumatol Adv Pract 2020. 目的 抗がん剤治療中は、感染による発熱や炎症反応上昇をきたすリスクがあるが、大血管炎も同様の症状を呈することがあり、鑑別診断に含める必要がある。 大血管炎と顆粒球コロニー形成刺激因子製剤(G-CSF)および化学療法の使用との因果関係を示唆する症例報告や有害事象報告がいくつか発表されている。 そこで、大血管炎とG-CSFおよび化学療法との関連性を評価するこ
間質性肺炎の精査を行う際に、例えば抗CCP抗体だけが陽性の方がいます。抗CCP抗体は関節リウマチの方で陽性になる血液検査の項目ですが、関節の炎症や骨破壊などがなく、関節リウマチの分類基準は満たさない。 このように、膠原病の分類基準は満たさないが、膠原病の匂いのする間質性肺炎を現在ではIPAF(アイパフ、interstitial pneumonia with autoimmune features)として考える概念が2015年に報告されました。 Fischer A, et al. An official European Respiratory Society/American Thoracic Society research statement: interstitial pneumonia with autoimmune features. Eur Respir J 2015;46:9
特発性間質性肺炎 診断と治療の手引き2022が2022年2月18日に発売されました。これで改訂第4版となります。間質性肺炎の診療に携わる方は必読の一冊です。ぜひ一度ご覧ください。 リンク
気胸の治療の一つに胸腔ドレナージがあります。 胸腔ドレナージとは、胸腔内にドレナージチューブを留置して、漏れた空気を外に出して、肺がしぼむ(虚脱する)のを防ぐ治療でした。 ⇒気胸や気胸の治療法に関しては、詳しくは以下の記事もご覧ください。 この胸腔ドレナージの際に、行う処置として、胸膜癒着術があります。 胸腔内に留置したドレナージチューブを用いて、胸腔内に癒着剤(液体)を投与し、肺を胸壁とをくっつけてしまうことで、気胸の再発や気胸がおこった際に肺が虚脱することを防ぐ効果を期待します。 胸腔内に癒着剤を入れたあと、一定期間は胸腔内に薬をとどめておく必要があります。しかし、胸腔内には空気を逃がすためのドレナージチューブを留置しており、チューブが下を向いたままでは、空気と一緒にせっかく投与した癒着剤も出て行ってしまいます。 そこで行うのがつり上げ法です。 ドレナージチューブを上に向けることで、空
気胸とは肺が破れて空気が胸の中(胸腔)に漏れてしまう病気です。 肺は多くの空気を取り込むことができる臓器であり、車のタイヤのように膨らんでいます。 車のタイヤであれば、破けてパンクしても、タイヤはしぼみますが、空気は大気中にもれていきます。 しかし、肺が破れてしまうと、 ①肺がしぼみ ②漏れた空気が胸の中(胸腔内)にたまって してしまいます。 胸腔は肋骨で囲まれており、一定の容積以上には膨らみませんので、漏れた空気がさらに肺を圧迫して、進行すると血圧低下に至ります(この状態を緊張性気胸といいます)。 (気胸のイメージ図) このような状態になると、胸痛や息苦しさを自覚し、急激に酸素濃度が低下してしまいます。 肺が破れて起こる病気ですので、突然発症するのが特徴です。 気胸は肺に圧力がかかると起こりやすいといわれています。 例えば、咳をしたり、重いものを持ったり、排便時にいきんだりすることで、突
肺炎をきっかけに両側の肺に影が出現し重度の呼吸不全を呈することがあります。このような病態を急性呼吸窮迫症候群(ARDS; acute respiratory distress syndrome)と呼びますが、どのような臨床的な因子が予後と関連があるのか、まだあまりわかっていません。そこに言及した報告が日本から2021年に報告されました。 Ichikado K, et al. Clinical phenotypes from fatal cases of acute respiratory distress syndrome caused by pneumonia. Sci Rep 2021;11:20051. 背景 急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の致死的転帰を予測する客観的な臨床的特徴や予後因子は、ベルリン定義が発表されて以来、報告されていない。 研究の目的:肺炎による致死性ARDSの2つ
2008年に日本から報告された研究ですが、特発性肺線維症の患者における画像所見についてまとめたとても重要な研究ですのでご報告します。 Sumikawa H, et al. Computed tomography findings in pathological usual interstitial pneumonia: relationship to survival. Am J Respir Crit Care Med 2008;177:433–9. 背景 特発性肺線維症(IPF)は、胸部CT検査で典型的な通常型間質性肺炎(UIP)の所見を認める場合と、非特異性間質性肺炎(NSIP)でしばしば見られるような非特異的または非典型的な所見を示す場合がある。 研究の目的:IPFの胸部高分解能CT(HRCT)を再確認し、CT所見と死亡率の相関を明らかにすること。 方法 組織学的にUIPと診断され
シェーグレン症候群の診断基準の一つに、口唇腺生検の組織所見が含まれています。 口の中には小唾液腺というが存在し、その中でも口唇に分布するものを口唇腺といいます。つまり唇に存在する小唾液腺を狙って生検するものです。 (図. シェーグレン症候群の診断のための下唇腺(矢印)の生検。Shen D, et al. Clinical anatomy of the inferior labial gland: a narrative review. Gland Surg 2021.より引用掲載) 具体的には、 下唇を引っ張り 麻酔をして、 1.5-2.0cmほどの切開を入れて組織を採取 します。 この組織所見で、 4mm2あたり1focus以上の単核細胞浸潤を認める 場合を陽性と判断します。 この所見は、日本の診断基準だけでなく、 米国・ヨーロッパ改訂分類基準(2002年) 米国リウマチ学会分類基準(2
特発性肺線維症の患者では、急性増悪を発症することが知られていますが、急性増悪に類似した病態として肺炎などに伴う急性呼吸不全があります。その両者の鑑別が大変重要であることを述べた研究が日本から報告されています。 Teramachi R, et al. Outcomes with newly proposed classification of acute respiratory deterioration in idiopathic pulmonary fibrosis. Respir Med 2018;143:147–52. 背景 呼吸器関連の入院、特に特発性肺線維症(IPF)の急性増悪(AE)は、IPF患者においてよく認め、死亡率の上昇と関連していることがわかっている。 研究目的:新たに提案された入院患者におけるARD(acute respiratory deterioration)とA
今日は間質性肺炎、ではなく肺腺癌の遺伝子異常についての報告です。 Saito M, et al. Gene aberrations for precision medicine against lung adenocarcinoma. Cancer Sci 2016;107:713–20. 肺癌の中で最も頻度の高い組織型である肺腺癌は、EGFR遺伝子変異やALK融合遺伝子などのドライバー遺伝子の異常が発生に関与していることが多いといわれています。 このような遺伝子変異を標的とした分子標的薬が開発されており、現在も様々な遺伝子異常が報告されています。 2016年に日本人において、肺腺癌の遺伝子異常の発現率を調べた研究が報告されていますが、EGFR遺伝子変異は肺腺癌の約半数で認める可能性も指摘されています。 (図. 遺伝子異常の発現率。文献より引用掲載) 特に、非喫煙者では遺伝子異常の発現率は
COVID-19の重症化リスクと特発性肺線維症(IPF)の遺伝的背景を調べた研究が報告されました。 Fadista J, et al. Shared genetic etiology between idiopathic pulmonary fibrosis and COVID-19 severity. EBioMedicine 2021;65:103277. 背景 特発性肺線維症(IPF)は、進行性の肺の線維化を特徴とする複雑な肺疾患であるが、重症のCOVID-19はIPFと共通の危険因子を多数有している可能性がある。 研究の目的:IPFと重症COVID-19の遺伝的相関を明らかにし、IPFの遺伝的な危険因子とCOVID-19の重症度との因果関係を評価すること。 方法 IPFとCOVID-19の重症度の間の遺伝的相関を連鎖不平衡スコア回帰により推定した。COVID-19において、IPFと
重症COVID-19後の線維化をきたす予測因子を検討した研究がRadiology2021に報告されています。 Han X, et al. Six-month Follow-up Chest CT Findings after Severe COVID-19 Pneumonia. Radiology 2021;299:E177–86.S 背景 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)から回復した患者、特に重症の患者における長期的な肺の変化については、ほとんど知られていない。 研究の目的:重症COVID-19肺炎の生存者の6か月後の胸部CTを前向きに評価し、肺の線維化様の変化の危険因子を調べること。 方法 重症COVID-19の114人の患者(70%が男性、平均年齢54±12歳)を前向きに調査した。 初回およびフォローのCTは、症状発現後、それぞれ平均17±11日および175±20日に撮影
2020年12月にヨーロッパから間質性肺炎患者でCOVID-19に感染した場合のリスクが研究され、Am J Respir Crit Care Medに報告されました。 Drake TM, et al. Outcome of Hospitalization for COVID-19 in Patients with Interstitial Lung Disease. An International Multicenter Study. Am J Respir Crit Care Med 2020;202:1656–65. 背景と目的 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が間質性肺炎の患者に与える影響は確立されていない。 研究課題:年齢、性別、合併症をマッチさせた集団において、COVID-19のために入院した間質性肺炎患者と間質性肺炎でない患者の転帰を評価する。 方法 2020年3
間質性肺炎の原因の一つに膠原病がありますが、肺以外の症状がない場合もあり、スクリーニングとして膠原病に伴う自己抗体を測定します。 しかし、どの測定法で行うかがとても重要であり、検査によっては偽陽性、偽陰性の問題があります。今回はその検査に関して言及したとても重要な報告です。 Tansley SL, et al. The reliability of immunoassays to detect autoantibodies in patients with myositis is dependent on autoantibody specificity. Rheumatology 2020;59:2109–14. 目的 筋炎特異的自己抗体および関連自己抗体を同定するための市販されている測定法の信頼性に着目し、2種類の市販されている免疫測定法の結果と免疫沈降法で得られた結果を比較する。 方
間質性肺炎の原因の一つに膠原病がありますが、肺以外の症状がない場合もあり、スクリーニングとして膠原病に伴う自己抗体を測定します。 しかし、どの測定法で行うかがとても重要であり、検査によっては偽陽性、偽陰性の問題があります。今回はその検査に関して言及したとても重要な日本からの報告です。 Hamaguchi Y, et al. Performance evaluation of a commercial line blot assay system for detection of myositis- and systemic sclerosis-related autoantibodies. Clin Rheumatol 2020;39:3489–97. 目的 ラインブロット(LB)アッセイは、複数の抗核抗体の特異性を同時に検出することができるが、その精度が問題視されている。 研究課題:筋炎
肥満がどのような経路で肺の生理機能にネガティブに働くのかを調べた研究です。 McNeill JN, et al. Association of obesity-related inflammatory pathways with lung function and exercise capacity. Respir Med 2021;183:106434. 背景 肥満は肺機能および運動能力に様々な影響を及ぼすが、肥満に関連する炎症の経路が肺機能の変化にどのように寄与するかはわかっていない。 研究課題:肥満関連炎症経路と肺機能、運動能力、および運動耐容能低下に寄与する肺の特異的因子との関連を検討する 方法 2006年12月~2017年6月にMassachusetts General Hospitalで侵襲的血行動態モニタリングによる心肺運動負荷試験(CPET)を受けた患者695例を検討した。
肥満パラドックスに関してはようやく間質性肺炎の領域でも議論されるようになりましたが、その真偽はまだ議論があります。今年のChest誌に、脂肪組織と間質性肺炎に関する報告です。 Anderson MR, et al. Adiposity and Interstitial Lung Abnormalities in Community-Dwelling Adults: The MESA Cohort Study. Chest 2021;160:582–94. 背景 肥満は拘束性換気障害と関連し、努力肺活量(FVC) が早く低下することが知られている。この関連は機械的な要因のみによるものではなく、脂肪由来のメディエーターによる直接的な肺傷害を反映している可能性がある。 研究課題:脂肪組織は間質性肺炎の病態に関与しているか? 研究デザインと方法 地域在住の成人の大規模多施設共同研究において、心膜、
間質性肺炎とBMI、体重減少の関係を調べた研究がCHEST誌に報告されました。 Comes A, et al. Association of Body Mass Index and Change in Weight with Mortality in Patients with Fibrotic Interstitial Lung Disease. Chest 2021. 目的 間質性肺炎の死亡率リスクとして、BMI(body mass index)と体重の変化に着目して、予後への意義を明らかにする。 方法 多施設共同後方視的観察研究 対象:CAnadian REgistry for Pulmonary Fibrosis(CARE-PF、derivation)とカリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF、validation)のILDレジストリーの線維性ILD患者。 BMIは 低体重(
シェーグレン症候群の間質性肺炎の合併については、昨日の記事でまとめさせていただきました。詳しくは以下の記事をご覧ください。 それでは、シェーグレン症候群に伴う間質性肺炎の予後はどのような報告があるのでしょうか。 シェーグレン症候群と肺病変合併の予後 2013年にはノルウェーから200例を超えるコホートで研究が行われました。 Palm O, et al. Clinical pulmonary involvement in primary Sjogren’s syndrome: prevalence, quality of life and mortality--a retrospective study based on registry data. Rheumatology 2013;52:173–9 対象は、1999年から2010年にノルウェーの膠原病・血管炎コホート(NOSVAR)に登
シェーグレン症候群は、唾液腺炎や涙腺炎を主体とし、様々な自己抗体の出現を伴う原因不明の自己免疫性疾患です。間質性肺炎は重要な臓器病変の一つであり、間質性肺炎合併のシェーグレン症候群は国の指定難病でも重症に分類されています。 シェーグレン症候群に伴う間質性肺炎の難病制度に関しては、以下の記事をご覧ください。 シェーグレン症候群の間質性肺炎の合併頻度 間質性肺炎合併は経年的に増加 間質性肺炎合併リスク因子 シェーグレン症候群の間質性肺炎の合併頻度 日本からの研究ですが、101例のシェーグレン症候群を対象に胸部CT検査を行ったところ32%の患者さんが間質性肺炎を合併していたという報告です。また、画像のパターンのほとんどは、非特異性間質性肺炎(NSIP)パターンでした。 Kakugawa T, et al. Lymphocytic focus score is positively related
肺の上方、いわゆる肺尖部に認めるPPFE様の所見がどのような臨床的な意味を持つのか検討した研究が今年報告されました。 Fujisawa T, et al. Radiological pleuroparenchymal fibroelastosis-like lesion in idiopathic interstitial pneumonias. Respir Res 2021;22:290. PPFEとはPleuroparenchymal fbroelastosisの略語で、下図のように胸膜(肺の端)から白く伸びるような陰影(無気肺硬化像)を指します。 (図. PPFE様の所見。文献より引用掲載) 本研究の対象である特発性間質性肺炎の419例のうち、PPFE様の所見を認めたのは101例(24%)でした。 特発性肺線維症(IPF)では27%に認めました このPPFE様の所見は多変量解析でも
間質性肺炎の新たな治療薬についての研究です。 MMF(ミコフェノール酸モフェチル、商品名:セルセプト)とAZA(アザチオプリン、商品名:イムラン)が間質性肺炎にどの程度使用されているかを調べた研究がカナダから今年報告されました。 Wong AW, et al. Prescribing Patterns and Tolerability of Mycophenolate and Azathioprine in Patients with Non-IPF Fibrotic Interstitial Lung Disease. Ann Am Thorac Soc 2021. 間質性肺炎(膠原病に伴う間質性肺炎、線維化性過敏性肺炎、分類不能型間質性肺炎)のレジストリーに登録された2297例のうち、1次治療でMMFを使用した739例(32%)とAZAを使用した337例(15%)を対象としています。
いつもお読みいただき有難うございます。 2022/05/16- 今週、先週は以下のような内容で報告させていただきました。ぜひお読み頂きたい記事は、3番目の特発性肺線維症における蜂巣肺の判断と経過についての記事です。来週からも引き続きよろしくお願いいたします。 特発性肺線維症のうち約40%が過敏性肺炎の可能性 特発性肺線維症の肺活量は毎年150~200ml程度減少 特発性肺線維症における蜂巣肺の有無(INPULSIS試験のサブグループ解析) 新たな気管支鏡技術:気管支鏡下光干渉断層撮影(EB-OCT) 肺がんの発症と膠原病に伴う間質性肺疾患 肺胞蛋白症と過敏性肺炎の合併 本年も引き続きよろしくお願いします。 リンク ランキングに参加しています、よければクリックお願いします (最終アップデート:2022年05月22日) 以下、過去の記事まとめです 2022/05/09- 今週、先週は以下のよう
ANCA(anti-neutrophil cytoplasmic antibody)は抗好中球細胞質抗体と呼ばれる自己抗体の総称で、これと関連の深い血管炎をANCA関連血管炎と総称しています。 間質性肺炎において、経過でANCAがどの程度陽性となるかを検討した研究は報告されました。 Hozumi H, et al. Clinical significance of myeloperoxidase-anti-neutrophil cytoplasmic antibody in idiopathic interstitial pneumonias. PLoS One 2018;13:e0199659. 305例の特発性間質性肺炎(IIP: idiopathic interstitial pneumonia)のうち、診断時にMPO-ANCAが陽性であったのは26例(8.5%)でした。 観察期間中
過敏性肺炎の診断基準が2020年に報告されましたが、その診断基準をどのように臨床の現場で用いていくかはまだまだ議論の余地があります。 過敏性肺炎の診断基準に関しては以下の記事をご覧ください。 この過敏性肺炎のガイドラインについて、日本から外科的肺生検を施行した280例の研究が報告がされました。 Takei R, et al. New Guideline Diagnosis of Fibrotic Hypersensitivity Pneumonitis in Idiopathic Pulmonary Fibrosis. Am J Respir Crit Care Med 2021. 過敏性肺炎ガイドラインで過敏性肺炎と診断した95例のうち、特発性肺線維症(IPF)と診断されていた症例は42例(44%)でした。 また反対に、特発性肺線維症(IPF)の137例うち、過敏性肺炎ガイドラインで過敏
昨日の記事で「抗ARS抗体陽性の間質性肺炎では、ほとんどの症例で初期治療へは反応を示すが、経過で約60%が再燃を経験した。KL-6は疾患挙動を反映するバイオマーカーとして有用な可能性があり、特に最良値から2倍以上の上昇を認める場合には再燃に注意する必要がある。」と報告しました。 詳しくは以下の記事をご覧ください。 抗ARS抗体陽性の間質性肺炎の治療経過をまとめた同論文をもう少し詳しく見てみたいと思います。 Takei R, et al. Predictive factors for the recurrence of anti-aminoacyl-tRNA synthetase antibody-associated interstitial lung disease. Respir Investig 2020;58:83–90. 治療の内容 本研究では、抗ARS抗体陽性の間質性肺炎に対す
今日は小細胞肺癌に関しての報告です。 肺癌には大きく小細胞肺癌と非小細胞肺癌がありますが、特に小細胞肺癌では治療効果も限定的で、再発も多く、予後が不良であることがわかっています。 この小細胞肺癌、特に抗がん剤治療を行った進展型小細胞肺癌に対してどのラインまで治療をおこなうか、世界各国の実臨床データをまとめた研究が報告されました。 DiBonaventura MD, et al. Adherence to recommended clinical guidelines in extensive disease small-cell lung cancer across the US, Europe, and Japan. Ther Clin Risk Manag 2019;15:355–66. (図. 進展型小細胞肺癌に対する各国の最終治療ライン。文献より引用掲載) 上手の縦軸は実数で、各国
2020年に過敏性肺炎の診断のガイドラインが、ATS(アメリカ胸部医学会)、JRS(日本呼吸器学会)、ALAT(ラテンアメリカ胸部医学会)より発表されました。 Raghu G, et al. Diagnosis of Hypersensitivity Pneumonitis in Adults. An Official ATS/JRS/ALAT Clinical Practice Guideline. Am J Respir Crit Care Med 2020;202:e36–69. 診断のアルゴリズム このガイドラインのアルゴリズムは、以下の4項目から構成されています。 抗原曝露の有無、特異的IgG抗体 胸部HRCTの画像所見 気管支肺胞洗浄(BAL)のリンパ球分画上昇 肺病理所見 (図. 診断アルゴリズム 文献より引用) これら4項目を組み合わせて、診断の確からしさ(確信度)を判断し
進行性線維化を伴う間質性肺疾患(PF-ILD)におけるオフェブの有効性と安全性が報告されました。この重要な試験であるINBUILD試験に関しては、以下の記事をご覧ください。 このPF-ILDは現在間質性肺炎の領域で脚光を浴びている重要な概念ですが、まだ実臨床でのデータは不足しています。 2021年2月に実臨床におけるPF-ILDの臨床像がフランスから報告されました(PROGRESS試験)。 Nasser M, et al. Progressive fibrosing interstitial lung disease: a clinical cohort (the PROGRESS study). Eur Respir J 2021;57. 対象患者の背景 フランスの実臨床におけるPF-ILDを示した165名の間質性肺炎の患者 年齢は61歳、57%が女性、努力肺活量(FVC)は74% 抗線
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