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Switch 2
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2021年がドストエフスキー生誕200年ということと、コロナという未曾有の感染症が世界を蔓延する中で、ロシアの文豪が見直されてる。手始めに亀山郁夫先生の著書「ドストエフスキー黒い言葉」に触れてはみたものの、あまりにも敷居が高すぎて苦戦した。もとはといえばブレッソンの『やさしい女』を軽々しく見てしまったことでドストエフスキーのスイッチがONになってしまったのだが、いまもってドストエフスキーの重さに圧迫死してしまいそうだ。それは黒澤明監督が『白痴』の制作過程で背負ったこととことによると似ているかもしれない。(いうまでもなくレベルは雲と地の隔たりがあるが・・・) そこで同じ頃購入した佐藤優さんのこの入門編をなぞることでそれぞれの意味を学び直そうということにした。というのはウソで、思いつきで買っただけのことだ。 この本は、ドストエフスキーの長編5作品を順に並べて、学校形式で佐藤優さんが講義をされた
またしてもウェス・アンダーソンがやってくれた。『フレンチ・ディスパッチ』 www.youtube.com 前作『犬ヶ島』にもやられたが、今回もぶちのめされた気がする。もうウェス・アンダーソンにはとてもじゃないがかなわない。彼の頭の中はとてつもなく寛大だ。 もうこの際ストーリーはどうでもよい。4つの物語を混ぜ合わせたオムニバス風の作りだが、内容はひとつにまとめられる。しかしそのあまりにも膨大な情報量を見る側は消化しきれいないと思う。ウェス・アンダーソンの世界にどっぷりと身を委ねるしかないのだ。考えてはいけない。 ただ、ウェス・アンダーソンが何も考えずにこの映画を作ったか?というともちろんそうではない。この映画には、この映画が作られた時の社会が見事に重ねられている。この架空のフランスの雑誌、という舞台もまたそれなりの意味を持つのだろうが、個人的にはこの映画の舞台をアメリカにすると刺激が強すぎる
いやびっくり!あのブルック・シールズが映画に出てた!驚いたね。すごね。 『キャッスル・クリスマス』(A Castle for Christmas) www.youtube.com この映画の話の前に、ブルック・シールズについて説明すると、彼女は1978年、つまり40年以上前に、ロリータ美少女としてデビューしました。言わずとしれた『プリティ・ベビー』。ロリータというとキューブリック監督の同名タイトルが連想されますが、あちらはモノクロで、こちらはカラー。『死刑台のエレベーター』のルイ・マルが監督でアメリカ進出第一作だったんです。それはそれは衝撃でした。でも・・・私まだこの映画見ていません。とにかく美しい美少女が映画雑誌などで取り上げられて大騒ぎだったのを覚えてます。 12歳の売春婦が、50代の女性作家となった帰ってきた。その衝撃だけで十分だがが、この映画、とてもよくできている。彼女は売れっ子作
アーミー・オブ・ザ・デッドをNetflixで鑑賞。圧倒的なゾンビ映画だった。疲れた。 www.youtube.com 『ジャスティス・リーグ』のザック・スナイダー監督による圧倒的な世界。 主人公はプロレスラーのデイヴ・バウティスタ。ドゥウェイン・ジョンソンと同じキャリアのようだ。圧倒的な存在感でこの映画をリードする。 物語はゾンビに占領されたラスベガスに原爆が投下される前までに、金庫にある大金を運び出す、というミッションを受けた荒くれ者のアーミーというはなし。この計画をサジェストするのが真田広之演じるタナカという人物だったりする。 真田さんがハリウッドで活躍しているのを見るのはうれしい。この役もこのドラマの基軸になる役なので、とても印象的だ。 あとはこの映画に物語はない。金庫破りという『アーミー・オブ・シーブズ』からの続編として先に作られたこの作品は、あくまでもゾンビとの対決がメインだ。金
日経のサイトでも読むことができる。『逆境の資本主義』。連載中から気にしていたが、本になって6月に出版された。 まえがきに1991年、ソ連崩壊から資本主義は社会主義にあたかも勝利した、という定説に流されていびつな形に変化してきたという。もともと資本主義はイデオロギーではなく制度設計だ。資本主義か社会主義(あるいは共産主義)かという択一ではない。この本はコロナでダメージを受けた経済と人々を見渡し、著名人による現状分析と未来への提言によって綴られている名著だ。今こそ読むべき本だ。 1、さびつく成長の公式 「グーグルの近くで暮らすホームレス」から始まるこの冒頭の章は、いま原油高、物価高に直面する我々日本はこれ以上に悲惨な未来を思わせる。野口悠紀雄教授は「データ資本主義」の危険性を語る。プライバシーが乱用されGAFAの独占が進む。レイ・ダリオが言うように富の集中が高まり格差はさらに広がる。(ちなみに
『こんにちは、私のお母さん』はコメディでした。ほとんど笑いっぱなし。 しかし、最後の最後に・・・・ www.youtube.com しょうもないブログなので読まなくていいですよ。きっともっとこの映画をうまく伝える方がいるはずですからね。このブログ、しょうもないんですよこのブログ。 試写会が当たってうれしくて晩飯抜きで鑑賞。汐留の劇場は満席でしたね。 日本の観客は中国のコメディってあまり体験したことがないからか、最初のほうか静かに鑑賞していましたが、途中からあまりのギャグに圧倒されて皆さん大爆笑。後半は劇場揺れるような笑いに満たされました。『きっと、うまくいく』のときに似ているかもね。 中国映画も時々見てきました。ホウ・シャオシェン、ジャ・ジャンクー、チャン・イーモウ、チェン・カイコー、最近だとワン・ビンとかビー・ガンなどは鋭く時代をえぐります。中国国内で上映されない映画も多いですよね。 し
鳥肌の立つような感動を呼び起こす映画だった。『スイート・シング』 この映画を見ずして今年の映画を語ることはできないだろう。『イン・ザ・スープ』のアレクサンダー・ロックウェル監督の新作が日本で公開された。新作といっても、昨年の東京国際映画祭で高い評価を得て、世界各地の映画祭の受賞歴を経て、やっと日本でも公開に至ったものだ。少し長いのだが、ロックウェル監督のインタビューを聞くと、この映画の印象と価値がさらに高まる。 www.youtube.com これから映画を見る方には、フラットな気持ちで映画を見てほしいと思う。それほどこの映画はピュアだ。主人公の少女ビリーとその弟ニコは、しょうもない世界で貧しい生活をしている。ただそれだけの映画だ。この純真な二人の子供と、純真というにはあまりにも頼りないアル中の父親との葛藤が冒頭で描かれる。 この父親はまるで『ジョーカー』だ。こう説明すれば、先ごろ町山智浩
きっかけは「新世界秩序と日本の未来」という姜尚中さんと内田樹さんの対談本だ。 三四郎「日本もだんだん発展するのでしょうね。」 広田先生「滅びるね。」 この会話の前に「日露戦争に勝って一等国になっても駄目ですね。」というセリフもある。今の日本はもう一等国ですらない。 このやりとりは第一次世界大戦後の日本。姜尚中さんと内田樹さんの対談で、日本はこのときに行き先を誤ったと解説しています。夏目漱石などはこれまであまり接してきませんでしたが、じかに接してみると彼の哲学が先見性を突いているのがよくわかる。今回の総選挙の結果を見ても、この会話が重なる。日本はこの時代から長い時間をかけて滅びへの道を着々と歩んできたのである。 物語は冒頭で交わされた会話を含む列車の中で始まる。熊本の田舎から東京に出てくる小川三四郎。彼はこの列車の中で何人かの人物と行き交う。一人が髭の男で、実はこれがのちに三四郎の恩師となる
アレサ・フランクリンのことは1960年代生まれの我々もほとんど知らない。『ブルース・ブラザース』に出ていたことと、晩年は太ったおばさんという印象だけだ。その彼女が幼い頃からとてつもない才能があって、これほどまでに波乱万丈の人生を克服した方だったとは驚きだ。 www.youtube.com 昨今、『ボヘミアン・ラプソディ』あたりからだろうか、音楽を映画の題材にするのが流行っている気がする。この『リスペクト』もMGM映画だが、MGMといえばミュージカル映画というイメージ。少し前のボリウッド(インド映画)もそうだが、大勢のダンサーが画面一杯に踊るシーンがMGMにも重なる。 ジェニファー・ハドソンが製作総指揮の筆頭に名を連ねるこの映画は、アレサ・フランクリン自身も望んでいた自伝だ。『ドリームガールズ』で大きな感動を与えて、賞を総ざらいした彼女からすれば、アレサ役を自ら演じることになるのは必然である
第四章は「新左翼」誕生への道程として、この本をまとめます。 まず安保とは何だったのか?という点から入ります。安保って闘争だけが注目されて、内容はあまり知られていないような気がします。(自分も含めて) 当時の岸信介内閣は、米軍を駐留させる代わりに、①日本が攻撃されたらアメリカが守る。 ②日本国内の暴動を米軍が鎮圧するという条項の除外。この2つだったそうで、冷静に見れば大きく批判されるような内容ではなかった。なのにとてつもない闘争が起きてしまった。 それは当時の社会党が主導した結果となった、日本各地で起きた労働運動、例えば「三池闘争」などの影響と、共産党が平和革命戦略にシフトしたことを不満に思ったセクトが全国で暴徒化したことが重なったようですね。 こで斎藤幸平さんの『「人新世」の資本論』がここで紹介されています。これは別の記事で紹介しています。 こうして社会党に人々の支持が集まり、共産党離れに
六本木ヒルズから駅に向かう途中にギャラリーがあると聞いて行ってみた。 するとビル全体にいろんなギャラリーが入っているビルだった。びっくりだ。 中でもここOTA FINE ARTSで企画された「Summer Show」はすごい。 なんと草間彌生さんと竹川宣彰さんの作品が集結していたのである。 オリンピックを題材にしたこの作品、ご覧のとおりすべて安倍晋三氏の顔である。このおぞましき作品で最も過激なのはこれだ。 マリオがヒトラーに聖火をリレーしている。そして顔はいずれも安倍晋三氏だ。この作品の意味はここで語ることはない。見事な造形だ。オリンピックのデザインの足元に「憲法改正」と書かれた文字。その場しのぎを繰り返しほころびを繕い続けるジャパン。もう明日はない。 こちらは北京での展示で検閲を免れるために猫のデザインでオリンピックを批判的に示した一連の作品のようです。 とても刺激的な作品を楽しめました
たまたまだが、昨日ノーベル物理学賞の発表があって、機構物理学者の真鍋淑郎氏が受賞されたが、本書にも重なる部分がある。 実はこの本の前に『真説 日本左翼史』という佐藤優さんと池上彰さんの対談本があって、その中で触れていて興味が湧いた。それはつまり「資本論」という共通項によるものだ。斎藤幸平氏の著書を紹介したい。 冒頭のリードがすごい。「SDGsは大衆のアヘンである」とか、「私達は毎週、クレジットカード1枚分のプラスチックを食べている」とか、炭素税を否定するなど、あらゆる社会構造を否定する。全否定だ。この毒々しさは、まさにグレタ・トゥーンベリさんの活動を遠回しに支援しているようにも感じさせる。(本書でもトゥーンベリさんのことは触れられている。) 第一章 気候変動と帝国的生活様式 大加速時代。日本を含む二酸化炭素最大排出量上位5カ国で世界の60%の二酸化炭素を排出している、という事例を皮切りに”
『クーリエ:最高機密の運び屋』(←KINENOTE) www.youtube.com 圧倒された。 このTrailerを見ただけでは、この映画の真意は伝わらない。(その意味でよくでた予告編である。) ここでいう『運び屋』は、冷戦時代のキューバ危機前後が舞台だ。フルシチョフ政権時代に実際にあった話しだそうです。東欧を仕事で頻繁に出張する有能なビジネスマンに目をつけたMI6が、ロシア高官との情報連絡に使われたというお話。 頻繁に主人公とロシア高官の行き来が行われるうちに、二人には不思議な友情が芽生える。緊迫した状況の中で生まれる友情は強い。しかし過度な接触は疑いのターゲットとなる。この付かず離れずの微妙な関係を映画はうまく演出する。 ソビエトが革命直後のキューバに秘密裏の軍事施設を建設している証拠をとらえ、その情報を運ぶために監視下にあるモスクワで二人がどのように接するのかを緊張感たっぷりに描
正直言うと、がっかりした。いや、ドラマとしては面白いし、マンガにもなったほどなのできっと映画にもなるでしょう。極めてドラマチックに描かれたこのドラマはとても読みやすくてぐいぐい惹き込まれるのですが、自分には合わなかった。その理由はのちほど。 和田竜さんは、膨大な量の情報のノンフィクションの中から、ぎりぎりの想像力を生かしてフィクションを描いているのでしょうか。村上水軍もあった、そこに女性のボスらしき人物もいた、信長の兵糧攻めを凌ぐのに実際に海を使って兵糧を搬送した。しかしそこで交わされた会話などについては間違いなく作り物です。そこが面白いといえば面白いんでしょうね。映画『のぼうの城』を見たことなどを思い返すとそう思います。 なんといっても個人的にこの本がとても面白いと思わせたのは、過去の歴史書から、知られざる証拠が示されているところです。ロドリーゲスの『日本教会史』によれば、”日本人は異国
www.youtube.com いやもうすごい感動でした。 まず、劇場が超満員!空席なしの超満員です。空きがない劇場って今年2回目で、『2001年宇宙の旅』以来。話題の映画は狙いを定めて早めに見に行くのがいいですね。大勢のお客さんと一緒に鑑賞するのってすごく嬉しいんです。若い方が大勢集まるライブで盛り上がるでしょ?あの感覚と同じ。前から2列目でしたけど、なんとかチケットが取れて、映画が始まる前に後ろの客先を振り返ったら皆さん生き生きとしてるのね。映画っていいですね。 主人公は007シリーズで適役を演じたり『スター・ウォーズ』のスピンオフムービーなどでおなじみのデンマーク人マッツ・ミケルソンです。かれがうだつのあがらない、冴えない教師をやってます。家族とも会話がありません。生徒の親からプレッシャーも強いです。 ある日同じ学校の仲間と飲みに行って「仕事中もアルコールを飲んでみよう。」という話題
パビリオン・トウキョウの続き。もっと早く予定をたてて全部見ることができたら良かった。五輪開催がきっかけとなった企画だろうが、世界の目に彼らの作品が示されればもっと良かった。 こちらは平田晃久氏の作品。国連大学前の広場になにげなく置いてある。木製で釘が使われていない。この球体の隙間の向こうに見える風景もまたアートだ。 ここから六本木方面に歩く。ワタリウム美術館の向かいにひっそりと展示されているのが真鍋大度氏の作品だ。テクノロジーの幅広い可能性とメッセージが込められた作品だ。ここに流れる文字にも辛辣な批判が隠されている。 そして最後は会田誠さんの作品だ。これが目的で渋谷からヘトヘトになりながら外苑まで来たのである。 これ、ダンボールらしいんですよ。ダンボールでもうまく作ると相当頑丈にできるらしくて、構造は風通しがいいようになっているんですって。大きな台風が来ても崩れないのを確認したかったと本人
過ぎたトレンドなのだが、だいぶ前に『ドラゴン桜2』がドラマもマンガも終わったので、一応記事にしておこう。 家の近くでマンガをレンタルして、テレビも最初の2話ぐらいまでは見た。 前作、2003年から2007年まで連載されて、2005年からテレビで放映されたときも盛り上がったが、少なからず阿部寛さんのキャラがもたらすカリスマ性が注目度を上げたものだったと思う。 今回、テレビはほとんど見ておらず、マンガだけの比較になるのだが、前回シリーズで落ちこぼれから東大合格を成し遂げた矢島が髭面で登場する。彼は東大を出て、国家公務員になるがすぐ辞めてNGOに参加しているとい設定だ。彼が受験生を目の前に「東大とか行っても、なんの意味もない!」と断言するあたりが象徴的だ。 散々受験生を煽っておいて、要所で逆説的な刺激を与える。使われる者になるのではなく、世の中のルールを作る側になるため東大を利用せよ、というのが
『ザ・スーサイド・スクワッド 極 悪党、集結』 『ザ・スーサイド・スクワッド 極 悪党、集結』 www.youtube.com 前作の『スーサイド・スクワッド』をあわてて鑑賞して映画館に向かう。前作は正直言ってあまりしっくりこなかった。犯罪者集団を国家の防衛に使う、というところまではわかるのだが、何を敵にしてなんのために戦うのかがさっぱり理解できなかった。 そして今回もまたそれは同じだ。20世紀フォックスが送るDCシリーズを素直に楽しむ、というだけの映画だ。そこに新しさはない。 しかしマーゴット・ロビーはいい。すごくいい。彼女が囚われて逃げるシーンはとてもドラマチックだ。この映画、とにかく血しぶきがばんばん飛び散る極めて残酷な映画なのだが、そのベースには真っ白い肌に赤いドレスをまとったマーゴット・ロビーの存在ありきである。とにかく彼女の存在なくしてこの映画は成り立たない。何も考えず本能
戦前から歴史のある文学賞で、文藝春秋の全文掲載は時々読ませてもらっている。 まず、芥川賞は素人には手強い。純文学というジャンルに対し、どこまで感性を高めることができるか?は経験しかないだろう。正直言うとどの作品もあまり面白いとは思えない。面白い本なら「本屋大賞」のほうが面白いし、「日経文学大賞」のほうが大衆的にとも思える。 芥川賞は、作品の評価もさることながら、選考委員の評価を見る賞なのではないかと思う。かつて選考委員だった石原慎太郎や村上龍という大御所は、特に応募作品に対し厳しかった。辛辣だった。そしてこうした歴代の選考委員の目を突破することができない年、というのもあって、それがこの賞のステータスでもあったはずだ。 しかしながら昨今の芥川賞作品(ごめん、せんぶは読んでませんが・・)は、受賞ありきで、芥川龍之介を由来とするこの賞の本当の意味での受賞作があるのかどうか?がよくわからない。わか
マン・レイの作品をじっくり見据えつつ、彼の生きた時代、つまり1920年代以降のあらゆる時代に思いを巡らせる。狂騒の時代と言われる1920年代は、日本でいえば高度経済成長からバブルに向かう時代。そんな時代にマン・レイは多くの文化人や著名人と時間をともにし、それらを写真に残している。ジャン・コクトーやパブロ・ピカソとの交流で彼の作品は更に変化と進化とともに変身を繰り広げる。 しかし1930年代前後に世界大恐慌が起こる。そこでマン・レイは、それまでの彼の作品の上に”悲しみ”というエッセンスを折り込み、より印象的な作品を作り続けている。恐慌の行く先は常にファシズムが待ち受ける。日本のデフレはファシストにって彼らの存在をより強固とするための絶好の機会だ。当時もまた同じで、次第に世界は戦争へと向かってゆく。 ここで出会ったジュリエット・ブラウナー(5人目の女性)とともに祖国アメリカのハリウッドに向かう
六本木で『ゴジラVSコング』を鑑賞。 コロナの影響で公開延期になったがやっと鑑賞できました。 www.youtube.com 前作『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』から2年。もうどんな話しだったかも忘れてしまうほど激しい映像でしたけど、ゴジラ以外にギドラが出ていたのは覚えています。そして初代ゴジラをリスペクトした映画でもありました。 そして今回は?ネタバレありません。 前回にも勝る衝撃的な映像と展開、これはもう映画館で体験する、という映画です。 ゴジラとコングが対決する、というタイトルだけにダマサれてはいけない。何しろオープニングのシーンはいきなりコングが出てくるんですよ。いや、普通だったら怪獣映画というと主役の怪獣ってなかなか登場しないでひっぱるじゃないですか。この映画そうじゃないんですよ。もういきなりコングが出てきて、まもなくゴジラも登場して、そしていきなり対決になるという、度肝を
今週のお題「575」 映画見て 思い出される いつか来た道 Netflixで『ウィッシュ・ドラゴン』を鑑賞。これは日本のいつか来た道でもある。 www.youtube.com 今回はこの映画とは少し違う話しから書こう。 昨年鑑賞した韓国映画『はちどり』や『82年生まれ、キム・ジヨン』など胸が熱くなるような傑作を見て、今年これまでに見ている映画を比べると、古い映画でポランスキーの『ローズマリーの赤ちゃん』では、母親になるミア・ファローの恐怖を描く映画や、最近見た『クルエラ』や『ウィロビー家の子どもたち』などの一連の作品が重なり合うことを感じる。(余談だが、映画も読書もアートも、チェーンのように繋がるときがある。) 『朝が来る』という映画もそうだし、『ネクスト・ドリーム ふたりで叶える夢』、『アンモナイトの目覚め』、『彼女』、少し違うかもしれないが『喜劇 愛妻物語』、『おもかげ』、『ウーマン・
今週のお題「575」 独裁者 いつの間にやら 支持してた まずは宮崎駿監督のインタビューをどうぞ。 → ”いま「動物農場」を公開する意味” www.youtube.com 1954年に作られた映画がリバイバルされた時のインタビューだ。 ジョージ・オーウェルというと『1984』の作者という知識程度しかなくて、デビッド・ボウイの楽曲や映画にもなった原作者とい印象しかなく、あまり近づいてこなかった。しかし先ごろたまたま見た『ワンダーウーマン1984』と『罪の声』という映画が1984年を題材とする映画を見て、オーウェルを読もうという気になった。そのときたまた本屋で目に入ったのが、同じオーウェルの『動物農場』だった。今年の天声人語でも紹介されたらしい。 人が運営する牧場をブタを中心とする動物が自ら運営する社会(農場)へと奪還するため人を追い出してしまう、という始まりの寓話はとても現実的だ。最初のほう
今週のお題「575」今週のお題「575」 ”ささやかに 未来を憂う 美術館” いつもわれながらしょうもない記事を時々掲載しているが、今この国住んでいて、自分の国の将来を憂う人がどれだけいるのだろうか。少なくとも選挙の投票率が2割で自治体の長が決まっちゃう国なんだから、8割以上の皆さんは全くこの国の将来を心配なんかしてねぇんだろうと思いますよ。 www.youtube.com 六本木に出かけて、女性アーチストの展示を鑑賞したわけだが、このアナザー・エナジーという展示は、世界で類を見ない体験ができる素晴らしい企画だった。これは見ておかないと生涯悔やむことになるだろう。素晴らしかった。そして何が素晴らしいかというと、いずれのアーチストにも憂いがあるということだ。 黄色いストールをつけた人々がストリートに集い、自らが虐待を感じた経験を語る。その映像を延々と流すだけの作品だが、その場に足を踏み入れた
『クルエラ』(Cruella) www.youtube.com エマ・ストーンがクルエラを演じると聞けば見ないわけにいかない。監督はクレイグ・ガレスピー。 これは驚いた。よくぞここまで緻密なドラマができたものだ。本当に驚いた。時代背景が1970年代だということもあって、バックに流れる音楽がまたワクワクさせる。ローリング・ストーンズやディープ・パープル、クイーン、レッド・ツェッペリンなど、どこかで聞いたことのある曲が延々流れるのがいい。 敵役の大御所デザイナー、バロネスに扮するのはエマ・トンプソン。エマ・エマ対決である。とにかくこの人の存在感の強さがこの映画の軸となる。なぜ彼女がクルエラの敵になるのか?についてはネタバレになるので書けない。もうとにかく面白い。面白すぎる。 存在感という意味では引けをとらないマーク・ストロングがバロネスの執事として登場するところがミソだ。このジョンという男、た
ソフィア・ローレンだったなら(2021年製作の映画) What Would Sophia Loren Do? www.youtube.com こちらは最近Netflixからリリースされたソフィア・ローレンの新作です。彼女の息子エドアルド・ポンティが監督した映画だが、今回はこの映画のイントロデュースとも言えるドキュメンタリー映画。 ソフィア・ローレンと同じ時代を生きたイタリア移民の子が恋をして結婚して、ちょっと不倫しそうになったりして、子供が生まれ、そして残念なことに子供を一人失って、孫ができて大家族になって・・・という幸せや苦労を重ねた人生をソフィア・ローレンとソフィア・ローレンの映画作品に重ねるという映画。 企画レジーナ・K・スカリーが自分の母親ナンシー・クリスの話しを聞いてドラマ化したようだ。それにしても時は残酷だが優しい。2人の同じ世代を生きた女性と彼女たちの環境の変化。コンテストで
オクトパスの神秘: 海の賢者は語る 今年のアカデミー長編ドキュメンタリー映画賞を受賞した傑作。 南アフリカの激流が交差する大西洋を目の当たりにする作者の家が舞台。マダコに恋をする男の話、しかもドキュメンタリーである。真実の物語。 このように貝の塊のように身を隠すマダコ。このタコを彼女と称して物語は進む。海の底に生きるタコの生涯は短く1年後には子供を産卵して自らの命を終える。そこに至るまで300日間。最初警戒していたタコが次第に人間に接触しよとしてくる。 マダコの生体に迫る映画で驚くべきことばかりだ。まずタコの意識が8本の腕にあって、かなり高い能力をもっていること。猫と同じ程度の知能があり、外敵から身を守るためにあらゆる手段を使う。2000個もある吸盤を駆使して。 最も衝撃だったのは、サメに追われるシーンだ。サメは嗅覚を生かしてタコを追う。彼女は足を食べられてしまうのだが、しばらく岩陰に身を
『アンモナイトの目覚め』 www.youtube.com 素晴らしい映画だった。一部では『燃ゆる女の肖像』の二番煎じみたいなことも言われているが、似ている部分はあるとして、この映画には全く違う価値が存在すると思う。 ケイト・ウィンスレットとシアーシャ・ローナンというだけで映画館に行く価値のある映画なのだが、なんとこの2人は映画の中でほとんど会話をしない。特に前半は全く会話もしないし表情もない。お互いがそれぞれに”なにか”を抱えている。それをセリフ抜きで表現するというところがまずすごい。ケイト・ウィンスレットにとってはウディ・アレンの『女と男の観覧車』とは真逆の演技。シアーシャ・ローナンも『若草物語』では想像もできないような演技。 このシーンが好き。2人が何も会話しないで海を見つめるシーン。そしてずっと表情を頑なにしていたメアリー(ケイト・ウィンスレット)がシャーロット(シアーシャ・ローナン
『戦場のメリークリスマス』 公開された1983年も見たし、その後映画館やビデオなどで何度も見た。 そしてまた今回、この映画を映画館で鑑賞して多くのシーンに涙する。 www.youtube.com ほとんどたけしさんがこの映画をリードしているとしか思えない。たけしさんの下手くそな演技がこれほどマッチしている映画が存在するのか?デヴィッド・ボウイもトム・コンティも素晴らしいのだが、当時ド素人のたけしさんと坂本龍一さんでないとこの映画は成立しない。今見ても、この2人の演技にハラハラする。あまりにも下手すぎて。 でも、 それでもこれは間違いなく歴史に残る傑作である。 そして同じ時代にこの映画を何度も見てきた者として、どのシーンにも思い入れがある。ジョニー大倉さんや内田裕也さん、そして内藤剛志さんはこの映画の再上映に寄せてこのようなコメントをされている。 この映画の普遍性は単なる同性愛とかなんとかい
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