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大そうじへの備え
blog.goo.ne.jp/toritsugi
当社(取次)が進めようとしている施策が本当に書店の利益に繋がるか、事前に試行できる場が必要だと思っています。 すなわち「実験店」です。 当社は書店も経営しておりますので、実験店を作ろうと思えばできるはずです。 ・・・・・・こういう書き方は、つまり現状それらの店舗が実験店として機能していないことを皮肉っているわけDEATH(ヤな性格ネ!) 「実験店」の条件とは何でしょうか? それは採算性を問われないことです。それを見極めることを目的とする店舗なのですから、むしろ実験店は不採算、非効率な施策をどんどん導入して課題の抽出を行うべきです。 結果、実験店が経営不振に陥ったとして、それを非難する人がいたなら、残念ながらその方は痴呆です。 実験店の運営者に対して、 「様々な実験を行い、年間10例以上の成功事例を提出しろ」 と指示する人がいたとすると、この方もやはり痴呆です。 実験店の性質を理解しているな
「注文品が遅い!」というクレームは浴びる程受けてきましたし、私も「遅い」と思うところがあるわけですが、実は「遅く」はありません。 そもそも、納期を設定していないからです。 極端な話、注文した日から1年を経過して商品が到着したとしても、納期を定めていないわけDEATHから、「遅い」ということはないわけです。 しかし、これではビジネスになりません。納期は明確であるべきであり、且つ早いに越したことはないのです。 また、同じ理由で、いくら頑張っても「早く」ないのです。結果、自分で出荷、または配達するといった、取次営業の物流スタッフ化、運送会社化が常態化してゆきます。 では何故、出版流通は21世紀に至っても納期を定めることができないのでしょうか?理由を考えてみましょう。 理由1.出版から取次への納期がバラバラ 「中2日で取次搬入」「1週間程度で取次搬入」「10日以内に取次搬入」「集荷便のある曜日が取
書 名 KAGEROU 出版社 ポプラ社 著 者 齋藤智裕 税込価格 1,470円(本体1,400円+税) 発行年月 2010年12月 判型 B6 ISBN 9784591122457 『12月15日、ポプラ社小説大賞を受賞した齋藤智裕(水嶋)氏の『KAGEROU』を歩安入帳の責任販売で発売する。同社から取次会社の出し正味は65%で、取次会社から書店には74%で出荷する。返品は書店から取次会社へは64%、取次会社からポプラ社に55%の歩安入帳となる。完全受注制の満数出荷。事前受注の締切日は11月25日。書店は返品率28%以下で利益となる。ポプラ社で責任販売を導入するのは今回が初めてである。』(Shinbunka ONLINE 2010/11/15より ※"返品率28%以下で利益"は、"消化率28%以上"の誤りと思われる) 責任販売制に関しては批判的なことばかり書いてきてしまいましたが(※過
「責任販売やインペナ施策を実施した銘柄や店舗は、そうでない銘柄や店舗に比べて返本率が低い」 から、責任販売やインぺナ施策を取次営業が書店にきちんと説明して、もっとやらせろ! という流れになってきました。 別に間違ってはいないですね。数字的にも正しいDEATH。 ただ、何故"責任販売やインペナ施策を実施した銘柄や店舗は、そうでない銘柄や店舗に比べて返本率が低い"のか? ということに関して、私はスタッフとは異なる見解を持っています。 スタッフ的な見解はこのようなことだと思います。 "書店がインぺナ条件を理解し、利益を最大化できるよう適正な数を考えて発注を行った結果、返本率が下がった。" 翻って、私の見解は以下のようになります。 ■取次営業による送り込みが行われている場合 理由1.単に、商品の力と需要予測の精度が高まったから。 理由2.取次営業の意思が作用した結果。 ■書店による発注が行われてい
手帳の季節DEATHねえ。 どこの書店に行っても定番の手帳コーナーがあって、活況を呈しています。(呈してないか) 今回は、手帳を見ると思い出す、心温まるエピソードをご紹介したいと思います。 あれは寒い日の事でした。私は、手帳を主力商品としている版元の友達とお酒を飲んでいたのです。 1月始まりの手帳は、年が明けてしまえば売上が落ちていきますから、返品が発生します。しかしながら、手帳の返品については、専用の返品宛名、及び返品受入期間(いつからいつまで)があって、取次営業は担当全軒に対して、この専用宛名の配布と受入期間の告知をしなくてはなりません。 私は愚痴をこぼしました。 「なんで手帳の返品受入期間ってこんなにタイトなの?書店にアナウンスするの大変なんだけど」(`D´#) 手帳版元の友達は言いました。 「はあ?バカじゃないの?それは取次が勝手に決めてることでしょ。俺たちは、取次の言うことなんて
先頃、版元の理論社が東京地裁に民事再生法の適用を申請しました。 事業は継続するそうですが、書店在庫は廃業版元と同じ扱いとなります。 版元廃業時の書店在庫の扱いとはつまり――。 ・普通委託(新刊・重版)/返品期限105日 ・長期委託/返品期限4ヶ月 6ヶ月 など ・常備寄託/返品期限1年 以外の在庫品は全て返品不可、ということです。 返品期限の過ぎた委託・常備品。または延勘品、買切品、注文品がこれに該当します。 版元廃業はもはや珍しいことでもなくなりましたので、書店員の方々もよくご存知かと思います。 しかしながら、版元廃業時には決まって次のようなクレームがあるものです。 「廃業情報が出る前に返品した本が逆送になった」(`Д´) ムキー! 「勝手に送られてきた商品を返品したら逆送になった」(`Д´) ムキー! まず、確認しておかなければならないは、「フリー返品」という条件についてDEATH。
競合店に対抗するために様々な策を練り実行してゆく「傷だらけの店長」ですが、頑なに拒絶するものがあります。全国POSデータです。この「POSデータ」というものに関して、店長の考えが表明されている印象的な場面を引いてみましょう。 『しかしある日、商品構成をどのように考えていくかを本部の人間や取次の人たちと話していた際、取次側が口にした提案に、私はカッとなってしまった。 「POSデータを拝見すると、当社の全国データによる推奨棚商品と、御店の、とくに文芸書の棚在庫が大幅に一致しません。つまり、全国的に売れていない本をかなり在庫してるということです。売行良好書で棚を固めましょう。動きの鈍い商品はバーンと返品して、当社推奨の商品にドーンと入れ替えましょう。棚にぎっしり本を差しておくものいただけない。面陳を増やして、良好書をもっと並べましょう」 ちょっと待て。ちょっと待て!何だそれは?(中略)書店員とし
昭和四十五年七月に発表された出版販売合理化審議会の『返品減少対策報告書』について、 『「対出版社――清新にして魅力的な企画開発を行う」、「対取次――責任をもって適正仕入れを行う」、「対小売店――予約注文を積極的に行い、自主仕入れを行う」等それぞれに対策が講じられており、平成二十二年の現在でもこれ以上内容の濃い「対策」は考えられないであろう』77頁より いいですね。では何故、返品は減少しないのでしょうか。出版社が予約注文を受けないからです。ハイ次。 『例えば現在、出版社は「取次が配本してくれれば良い」、取次は「一日二〇〇点前後の新刊の厳密な意味での適正配本など物理的に不可能」、書店は「毎日何が送られてくるのか解らない、売れなければ返品すればよい」、要するに三者三様の「甘えの構造」漬かって半世紀以上過ごしてきた(中略)』88頁より これはうまくまとめてますね。 ただ、肩入れする気はないんですけ
『「再販制度見直し論」に対しては、業界あげて反対の立場に立つのは当然』21頁より そういうことだと私も思っていたんですが、これ本当ですか。 ここで申し上げたいのは外商についてDEATH。外商商品、特に採用品の受注獲得合戦は熾烈を極め、公然と値引き販売が行われていますね。出版社は、出版物における再販売価格の拘束が認められているにもかかわらず、それを行使していませんね。 これって、再販制度が崩れているってことじゃないんですか。この時点で、外商活動において値引き販売を慣行している書店、それに対し再販売価格の拘束を行っていない出版社は再販護持を主張する資格はありません。 業界あげて反対というわけにはいかないんじゃないですか。 『「仕入れの適否について小売店はリスクを負うのであり、逆にそれゆえにこそ仕入れには最も神経を使うことになる。書店にあってはこのように主体的に自ら仕入し、それに対してリスクを負
書 名:出版販売試論 副書名:新しい流通の可能性を求めて 出版社:論創社 著 者:畠山貞 税込価格:2,100円(本体2,000円+税) 発行年月:2010年6月 判型:B6 ISBN:9784846008734 栗田書店(現栗田出版販売)にて取次業務に従事された著者が、今日的課題である「返品問題」解消のため独自の「取扱マージン制」の導入を提案する。 というのがこの本の概要だと思います。 では、「取扱マージン制」とは一体何なのか。まずは抜粋させていただきます。 『*私案「取扱マージン制」の基本 (1)出版社から取次への送品は原稿より正味を二%上げる。例えば現行で正味六八%の場合、七〇%とする。但し返品は更に三%の歩高入帖とする。 (2)取次から書店への納品は現行より正味を三%下げる。例えば現行で正味七八%の場合、七五%とする。但し返品は更に三%の歩安入帖とする。』103頁より 本体価格1,
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