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blog.goo.ne.jp/humon007
(1)ブロックチェーンを用いてどんな事業をやれば成功するだろうか? 人工知能の時代に成功するのはどんな人材か? これらの質問に答えるのは難しい。なぜなら、成功するには、多数の条件を満たさねばならないからだ。 (2)トルストイ『アンナ・カレーニナ』の冒頭に、「幸せな家庭は皆同じだが、不幸な家庭はさまざまに不幸だ」とある。 なぜそうなるかをトルストイは説明していないが、ジャレド・ダイアモンドが『銃・病原菌・鉄(上)-- 1万3000年にわたる人類史の謎』(草思社、2010年)の中で説明している。 家庭が幸せになるには、夫婦の金銭感覚や宗教観など、複数の考えが一致する必要があり、これら全てが一致していれば「どれも似たもの」になる、というのだ。 ダイアモンドは、これを「アンナ・カレーニナの法則(原則)」と呼んだ。そしてこれを家畜に応用し、「家畜化できている動物はどれも似たものだが、家畜化できていな
①P&G「ファブリーズ」 ②花王「リセッシュ」 ③ライオン「HYGIA(ハイジア)」 (1)①のコマーシャルでは、布団、洋服、カーペット、こたつなど、あらゆるものに吹きかけることを勧めている。 しかし、布団やカーペットにしみ込んだ成分を吸い込んだり、子どもが舐めたりする危険性はないか? 有害影響を示唆する研究が、2015年11月に米国で発表された。 (2)問題の除菌成分は、「第四級アンモニウム塩」だ(①にも使用されている)。 パトリシア・ハント博士・ワシントン州立大学らの研究で、 (a)メスのマウスの餌に除菌成分「第四級アンモニウム塩」を混ぜて食べさせた実験で、マウスの出生率が通常の60%から10%へと激減し、生まれた胎仔の死亡率も半分くらいになる生殖異常が確認された。 (b)オスのマウスの実験では、飼育かごの清掃に除菌成分を使うことで、精子の濃度と運動率(全体の精子の中の運動している精子
(1)佐藤優がソ連に赴任したのは、1987年8月末だった。 <ソ連社会は、言論・表現の自由が制限され、秘密警察による監視が厳しかったことは事実であるが、その中で民衆はたくましく生きていた。ソ連で社会主義の理想が一つだけ実現していた。それは労働時間の短縮だ。工場や事務所が9時に始業し、5時に終業するとする。管理職を除く事務職員と労働者は、9時に家を出る。10時頃職場について、コーヒーや紅茶を飲んで、昨日見たテレビの話をする。11時から仕事を始めるが、12時に昼休みになる。昼休みは1時間だが、その後、買い物に出かけ、職場には2時すぎに戻る。その後、仕事をするが、ソ連的基準で5時に終業ということは、5時には警備員以外、誰も職場にいないという意味だ。1日の平均的な労働時間は、3~4時間だった。土日は休日で、2ヵ月の夏季休暇を取る。それでもソ連経済が成り立っていたのは、ソ連が資源大国で、主に石油と天
(1)トランプ大統領がめざしているのだが、シリアやイラクにある「イスラム国」の掃討に成功する可能性はある。その代わり、「イスラム国」の脅威は中央アジアに移転する。 掃討するといっても、それは対症療法でしかない。実際には、シリアやイラクから追い出すだけだ、ということだ。追い出された者は、ほかの土地に行く。それはアフガン、パキスタン、キルギス。そういうところに散らすだけだ。なぜか。「イスラム国」は原因ではなく、結果だからだ。サイクス・ピコ協定以来の20世紀の中東の秩序が、もう機能不全を起こしている。それが原因で、いろんなところに問題が噴き出しているわけだ。 〈例〉アルカイダ。「イスラム国」。 だから、そう簡単には問題は解決せず、中東は落ち着かない。 (2)そんななかで、トランプのイランに対する強硬姿勢は、とりあえずサウジアラビアを安心させている。そのために中東は今、少し落ち着いている、という見
誰にも、醸成・熟成が足りずに人には伝えられていない「内なる言葉」があります。それを「外に向かう言葉」にするにはどうすればよいか。「世界は誰かの仕事でできている」の名コピーで知られるコピーライターが、自らの手法を明かしたのが『「言葉にできる」は武器になる。』【引用者注:梅田悟司、日本経済新聞出版社、2017】。 著者は、言葉にできないのは考えが足りないからだ、と痛烈な前提を示した上で、内なる言葉の「解像度を上げる」手法を示します。注目は単純なスキル本ではないこと。言葉が持つ熱や重み、豊かさをいかに自らのものにするかということの重要性を説くのです。 そうした努力の意味を実感させてくれたのが、NHK「クローズアップ現代」のキャスターを23年間務めた著者による『キャスターという仕事』。東西冷戦が終わったり、2度の大震災に遭遇するなど国内外で価値観が大きく変動した時代に、キャスターとして「言葉の力を
(1)ピケティによって格差に日の目があたった 格差を語る本はたくさん出版されていたが、売れない。ピケティ・ブームが起き、『21世紀の資本論』が売れたことで、格差問題が日の目を見た。【池上彰】 小林多喜二『蟹工船』ブームは一回限りで終わった。ピケティ・ブームは一回の現象で終わらせてはいけない。さらに言えば、ピケティを超えなければならない。【佐藤優】 ピケティは、日本国内で評価が分かれている。経済的な格差だけでなく、格差をどう評価するか、格差の有無をめぐる意見の格差が広がっている。【池上】 佐藤優はピケティにきわめて批判的だ。ピケティによれば、格差を無くするためには、最終的には国家が税金をたくさんとって、再分配するという話になる。それ以外にできることはないのか。池上・佐藤の対談【注1】で一つの答えを出した。【佐藤】 (2)テレビのお笑い番組で貧困を笑えた時代 1980年代前半のテレビ番組「オレ
学生がきらいだ 糊やポリエチレンや酒やバックル かれらの為替や現金封筒がきらいだ 備えつけのペンや 大理石に埋まったインクは好きだ ポスターが好きだ好きだ 鳩 極端な曲線 三輪車にまたがった頬の赤い子供はきらいだ 痔の特効薬が こたつやぐらが 井戸が旗が会議がきらいだ 邦文タイプとワニスと鉄棒 ホチキスとホステスとホ-ルダー 楷書と会社と掃除と草書みんなきらいだ 脱糞と脱税と駝鳥と駄菓子と打楽器 背の低い煙草屋の主人とその妻みんな好きだ バス停留所が好きだ好きだ好きだ 元特高の 古本屋が好きだ着流しの批評家はきらいだ かれらの鼻 あるいはホクロ あるいは赤い花あるいは白い瘤 または絆創膏や人面疽がきらいだ 今にも泣き出しそうな教授先生が好きだ 今にも笑い出しそうな将軍閣下がきらいだ 適当な鼓笛隊 正真正銘の提灯行列がきらいだきらいだ 午前十一時にぼくの詩集をぱらぱらめくり 買わずに本屋を出
10月9日、テレビ朝日が奇妙な放送をした。 <来日中のロシアのシンクタンク所属の対日専門家は18日、北方領土問題をプーチン大統領が妥協的に解決したくても譲歩を認めない国内世論が極めて強く、今は2島返還でさえ難しいという見方を示しました。 ロシア戦略策定センター、A・コーシキン上級研究員:「ロシア国民は前と違って、いかなる領土(問題への)譲歩にも反対する人が圧倒的多数。プーチン大統領が妥協的に解決したくても今のところはできません。」(北方領土の)2島返還でさえ、実現は前より難しくなりました。> テレビ朝日は、アナートリー・コーシキンがどのような過去持つ男か、わかって番組に登場させたのだろうか。 コーシキンは、旧ソ連共産党中央委員会国際部で対日工作を担当していた対日強硬論者だ。 「ゴルバチョフ、エリツィン、プーチンの3大統領は北方領土問題に関して日本に譲歩しすぎた」 と考える陣営の中心人物で、
(1)異次元金融緩和策が導入されて、ほぼ1年経った。マネタリーベースは著しく増えた。しかし、マネーストックはほとんど増えなかった。 異次元金融緩和策は空回りを続けている【注1】。追加緩和措置が必要だ、という意見が多いのだが、追加とは国債を増やすことだ。過去1年と同じことが繰り返されるだけだ。 政府と日本銀行は、「物価上昇率引き上げ」という誤った目標を立て、国債購入を激増させた。しかし、実体経済には何の影響も与えられなかった。 いまの日本経済で金融緩和が経済拡大効果を持ち得ないことは、あらかじめ予想されたことだ。企業が巨額の内部留保を持ち、しかも設備投資意欲がないため借り入れ需要は弱い。しかも、日銀当座預金残高は過剰準備状態にあり、貸し出し増の制約になっていない。かかる状況下で国債を購入して当座預金を増やしたところで、貸し出しが増えるはずはない。だから、マネーストックが従来の趨勢から離れて増
(1)JR東海は強調する。 2027年に品川-名古屋間にリニア新幹線が開通すれば、最速40分で結ばれる。 (2)40分はしかし、乗っている時間にすぎない。 品川は地下40m、名古屋は地下30mに作られる。当然、乗るまでの、そして降りてからの時間を余分に費やさねばならない。 品川は20分程度、名古屋は15分程度、それぞれ乗り換えに時間を要する【注】。 現在でも、品川-名古屋間は最速の「のぞみ」で1時間29分しか要しない。 【注】推定の根拠・・・・JTB時刻表によれば、東京駅の東海道新幹線ホームから総務・横須賀線(地下26.5m)までの乗り換え標準時分は15分、上野駅新幹線ホーム(地下30m)から山手線など在来線ホームまでの乗り換え標準時分は17分。 (3)時間の過ごし方が、(a)新幹線と(b)リニア新幹線とでは全く異なる。 (a)は、ずっと座ったまま景色を楽しめる。 (b)は、トンネルや防音
「文藝春秋」今月号は、6つの観点から中国に切り込む。江上剛がそれぞれの分野の専門家にインタビューする。括弧内はインタビュイーだ。 【Ⅰ】階級社会「社会保障も進学も「戸籍」が決める」(阿古智子・東京大学准教授) 【Ⅱ】外交「ポスト共産党政権に“保険”をかけろ」(川島真・東京大学准教授) 【Ⅲ】経済「政経一体システムへの懸念」(柴田聡・財務省調査室長) 【Ⅳ】軍事「人民解放軍が叛乱を起こす日」(杉浦康之・防衛省防衛研究所教官) 【Ⅴ】サイバーテロ「狙われる潜水艦、原発プラント」(土屋大洋・慶應義塾大学教授) 【Ⅵ】環境汚染「日本の技術でも解決しない」(井村秀文・横浜市立大学特任教授) ここでは、【Ⅰ】をとりあげる。 (1)農村戸籍保持者は、中国国民全体の6割以上だ(推計)。人数は今は公表されていない。戸籍制度に対する批判があるせいだ。 農村戸籍の親の子どもは、どこで生まれようが、農村戸籍だ。
(1)日本の外食産業の市場規模は23兆円。 うち1兆3千億円(5.7%)を寿司店が占める。 そして、寿司店のうち4割弱(5千億円)を回転寿司チェーンが占める。 (2)回転寿司チェーン店が、1皿100円程度の安さで提供できる秘密は何か。 (a)多店経営に伴うスケールメリット。 (b)安価な代用魚の使用。 (c)安い外国産ネタの使用。 (d)着色剤や食品添加物などを加えて安い魚介類を寿司ネタに加工。 (3)代用魚。 7年ほど前までは高級魚を誤認させるような代用魚が多く出回っていた。 (a)マグロ・・・・アカマンボウ(深海魚)をマグロとして出した。テラピア(外国魚)がタイに化けた。ロコ貝(巻貝)をアワビと表示して出した店も珍しくなかった。だが、水産庁が2007年に「魚介類の名称のガイドライン」で表示基準を細かく定めてからは、代用魚は減少してきている。それでも、消費者が誤解しかねない表示が散見され
福島原発事故は放射性物質の流出で環境へ甚大な災害をもたらした。 さらに私を含む同位体地球化学を専攻する者の多くは、福島第一原子力発電所1号炉のメルトダウンした核燃料が再臨界を起こし、大規模な核分裂連鎖反応を起こすのでは、との危惧を払拭し切れない。もしそのような事態ともなれば、東日本が壊滅するとの菅元首相の警告が現実のものになってしまう。 加えて、こうした危惧を裏付けるように、去年7月に経済産業省で行われた「福島第一原子力発電所事故に関する技術ワークショップ」での報告は、たいへんショッキングなものであった。 このワークショップでは、2011年3月11日の原発事故の直後にウランの核分裂連鎖反応の再臨界が起きる可能性があったことが議論されている。 綿密な計算結果から連鎖反応の可能性が高かったにもかかわらず、なぜか大規模なウランの核分裂反応がおきなかった。 しかしこの幸運は、海水の注入により、予想
(1)福島第一原発事故の刑事責任を東京電力に問う集団告訴の動きは、今年2月、福島県いわき市で始まった。翌3月、「福島原発告訴団」が結成された。 6月11日、福島県民のみによる第一次集団告訴団が、刑事告訴状を福島地方検察庁に提出し、8月1日、受理された。 そして、11月15日、福島県民に限定されない第二次集団告訴団が、刑事告訴・告発状を福島地方検察庁に提出した。 第一次集団告訴団に名を連ねるのは1,324人。第二次集団告訴団には、北海道、東北、関東、中部、甲信越、北陸、関西、西日本、九州など、全国津々浦々から参集した13,262人だ。合わせて14,586人に達する。 これだけの規模の告訴・告発人が現れるのは、日本の刑事事件史上、例がない。国民運動にまで発展した、といって過言ではない。 (2)こうした動きの間、東電は10月に、同社の第三者委員会「原子力改革監視委員会」において、従来の「津波は想
(1)東京電力「総合特別事業計画」(5月9日政府/経産省認定) 電気料金値上げと東電・柏崎刈羽原発の再稼働がセットになっていることも問題だ。が、もっと本質的な問題は、原発事故被災者を見殺しにし、既に実質破綻しているゾンビ企業=東電を国民負担(公的資金+電気料金)でどこまでも救い続けなければならないことだ。 放射能汚染の賠償費用さえ、電気料金に上乗せされ、国民の負担にされようとしている。 「失われた30年、40年」になりかねない。 (2)東電の現況 東電の自己資本は8,000億円だが、イカサマの上に成り立っている。 東電は、原子力損害賠償支援機構に賠償費用を申請し、交付される。実際には、何ヶ月もかかる。その間、東電は架空の「未収金」という資産を帳簿に載せて乗り切っている。 すでに2.4兆円が交付されているが、これでは賠償費用を払えない。事故処理費用もまだ膨らむ。今後、銀行からの借り入れと社債
(承前) (3)生き続ける「無責任の体系」 日本の政治は、丸山真男のいわゆる「無責任の体系」から一歩も抜け出していない。丸山は、満州事変から太平洋戦争の敗戦に至るまで、全体的な構図をもとに意思決定を行った主体が不在である点に、日本の戦争の特徴を見い出した。意図的決定者の有無が、同じ侵略戦争を起こしたドイツと日本の決定的な違いだ(丸山の指摘)。 戦前、戦中の日本では、政策立案の当事者は、特定の誰かが邪悪な、あるいは壮大な意図を持って政策を推進したわけではない。個人的には疑義を持っても場の空気に逆らえず、戦争政策に追随した。主体的思考を放棄し、状況にその場限りの対応を重ね、破局はしだいに深刻化した。主観的願望が客観的事実認識を駆逐し、起きてほしくないことは起きないと信じ、戦況の悪化や会戦の敗北は転進と正当化した。指導者は、天皇の名の下に権力を行使し、最後の所では「國體」がこうした発想を正当化し
「築地野口屋」・・・・首都圏で、この旗を立てた小さなリヤカーを引き、若者たちが高級豆腐を引き売りしていた。古き良き時代を再現するかのようなアナログ的商売に暖かな目が注がれ、買物弱者の高齢者を中心に、固定客も多かった。 帝国データバンクによれば、「(株)ターベルモーノ」は、資本金1億4,960万円、野口博明・代表。2003年4月に設立。2011年3月期には、年売上高9億9,000万円を計上していた。 同社は、最大時には、東京都に26ヵ所、神奈川県に16ヵ所、埼玉県に4ヵ所、千葉県に9ヵ所、計55ヵ所の倉庫を持つまでに急成長し、毎日100数十人の引き売りする人(引き士)が街を歩いていた。 アルバイトは、時給1,200円で7時間半/日(日給9,000円相当)働く。他方、33%の歩合給なら、30,000円以上売り上げれば1日1万円以上が自分の収入になった。 だが、2011年夏から11月にかけて、従
東京電力福島第一原発から放出されたセシウムは、福島のゴルフ場も汚染した【注1】。 例えば、同原発から西方45kmの「サンフィールド二本松ゴルフ倶楽部」を汚染した。二本松市は、3回にわたって同ゴルフ場の線量を測定。8月10日には、6番ホールのティーグラウンド地上10cmで2.91μSv/h。カート置き場の雨樋の排水口付近にいたっては51.1μSv/h、線量だけなら原発から2.4kmの大熊町夫沢とほぼ同じ高線量だった。 「サンフィールド」は、3月12日から営業を休止した。 8月上旬、「サンフィールド」は資産保有会社とともに、東電に原発事故による放射性物質の除染と損害賠償を求める仮処分を申し立てた。 すると、東電は、まず測定値に難癖をつけた。<二本松市が測定に使った機材の能力や結果の記録の正確性に疑義がある。>・・・・① しかも、原発事故のことは何処吹く風で、<海外では、年間10mSvの自然放射
●総務省の改革 1年は短かったが、これだけはやりたいと思っていたことは、できた。力を入れたのは総務省の体質改善だ。組織として仕事をしようとすれば、トップである大臣と官僚がミッション(使命)を共有しなければいけない。その気になってもらうために、官僚たちと徹底的に議論した。【片山】 補助金は各省の縦割りで使途が決められ、年度内に使い切る仕組みだ。使い勝手は悪く、無駄も生じる。こうした弊害をなくそうというのが一括交付金化で、まず都道府県のハード事業を対象におこなった。私が就任した時点で決まっていたのは28億円分だったが、菅首相の強い指示、馬淵国土交通相、鹿野農林水産相などの協力を得て、5,120億円まで積み上げた。【片山】 ●東日本大震災をきっかけに、地方分権のありようが変わることはないか。 【宇野】 被災した自治体の多くが、住民と意思疎通を図って復興計画をつくろうとしている。いいことだ。阪神大
海江田万里・経済産業相は、8月4日、緊急の記者会見を開き、同省の松永和夫・事務次官、寺坂信昭・同省原子力安全・保安院長、細野哲弘・同省資源エネルギー庁長官の3首脳を更迭すると、声高らかに発表した。今回の人事は、「人心を一新する」ため大幅なものになる、と。【注1】 また、海江田・経産相は、3首脳の後任は、同省内で原子力行政や電力事業の改革に積極的な人物を起用する方向だ、と述べた。【注2】 寺坂の更迭は、その無能ぶりが永田町界隈で批判の的になり、省内外で更迭論がたびたび取りざたされていたため、意外性はない。【注3】 しかし、「改革」に向けた人事となるかどうか、いちはやく懐疑的な意見が出ていた。「官僚と一緒に考えた組織防衛のための人事」だ、と。【注4】 はたして、後任は年功序列という組織の論理で、安達健佑・経済産業政策局長が起用された。【注5】 安達は、97年に資源エネルギー庁の公益事業部業務課
※2024年5月26日現在。なお、「●」は所持するもの。 《追加分》 ●『グローバルサウスの逆襲』(文春新書、2024)/共著:池上彰 ●『神学でこんなにわかる「村上春樹」』(新潮社、2023) ●『イスラエル戦争の嘘 第三次世界大戦を回避せよ』(中公新書ラクレ、2024)/共著:手嶋龍一 ●『組織を生き抜く極意』(青春新書、2024) ●『天才たちのインテリジェンス』(ポプラ新書、2024) (1)著書 ●『国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて』(新潮社、2005 →増補版:新潮文庫、2007《解説:川上弘美》) ※第59回毎日出版文化賞特別賞 ●『自壊する帝国』(新潮社、2006 →新潮文庫、2008《解説:恩田陸》) ※第5回新潮ドキュメント賞および第38回大宅壮一ノンフィクション賞 ●『日米開戦の真実 大川周明著「米英東亜侵略史」を読み解く』(小学館、2006 →小学館文庫、2
『成城だより』1980年10月15日に大岡昇平は次のように書く。この日記は、大西巨人の痛烈きわまる反論「破廉恥漢渡部昇一の面皮を剥ぐ」(『大西巨人文選3 錯節 1977-1985』、みすず書房、1996)の前に書かれた。 【注】は、引用者による。 * 順天堂超音波検査予定日。朝日新聞朝刊社会面に大西巨人対渡部昇一氏の論争の記事あり。新聞持って出て、タクシー内で読む。10月2日付「週刊文春」の渡部氏のコラム「古語俗解」に載った時から、気になっていた問題だった。渡部氏は先月中旬、「週刊新潮」に載った無署名記事に基づいているのだが、『神聖喜劇』を完成するまで前借り生活していた大西氏が、次男野人君が血友病で入院手術中、生活保護【注1】を受け、千五百万円の医療補助費を受けたことに関してである。大西氏の長男赤人氏が同病であることは周知のことである。渡部氏は、遺伝(?)性とわかったら、第二子をあきらめる
「世界」3月号の特集は、「世界経済 --長期大停滞の10年へ」だ。そのサブ・テーマの一つ「『超氷河期』の雇用と就活」については、3人が書いている。トライアンフ代表の樋口弘和、慶應義塾大学の駒村康平、そして日本福祉大学の訓覇法子だ。 訓覇は、次のようにいう。 * スウェーデンに関して日本で最も知られていないのは、同国が追求する民主主義の考え方だ。 「すべての人が対等な価値をもつ」(スウェーデン統治組織法第2条)という価値観を津々浦々に徹底させ、万民の社会参加を可能にするために、教育と就労を重視してきた。国民の経済的自立を支える重要な手段が、「いつでも、どこでも、誰でもやり直しができる教育制度」だ。その結果、5.3%という低い貧困率を実現した。日本の貧困率の3分の1である。 1990年代の危機のさなかに、政府は一連の教育改革を行った。教育が経済発展の中心的役割を担う、と位置づけた。福祉を維持・
中井久夫は、阪神・淡路震災直後に『1995年1月・神戸「阪神大震災」下の精神科医たち』 (みすず書房、1995)を編んだ。また、「こころのケアの推進」と題して、震災時のメンタルヘルスケア活動を検証している。 ここでは、被災者の心理と行動に係るエッセイから引く。たとえば、被災した年の3月25日に次のように書く。 「電話、手紙、小包、義援金、援助物資、ヴォランティアの殺到は、われわれは孤独ではない、日本中、あるいは世界が心配してくれているという感じを与えた。全国的に『自粛』が行われたのは、日本人が連帯感を持っている大きな証拠だった。国際的にもだ。あのサラエボからも援助物資がきたという。モンゴルからも毛布が、ロシア、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)からもお金が。中国からは多種の物資がきた。スイスの救助隊はほんとうに真剣だった。フランスも」 「犯罪が少なかったのには、警察、消防、自衛隊がいっぱいい
(1)横田増生は、2005年に『潜入ルポ アマゾン・ドット・コムの光と影』を情報センター出版局から刊行した。 横田は、2003年11月から2004年3月までアマゾンジャパンの物流センターで作業員として「潜入」した。このアルバイト体験を縦軸とし、勤務中に見聞したり退職後に調べたアマゾンの極端な秘密主義の裏側にあるものを横軸として、この本は成り立っている。 この単行本が、朝日文庫版の第一部をなす(若干加筆されている)。 第二部は、2009年から2010年まであらためて取材し、書き下ろされた。 (2)アマゾンジャパンが日本通運・大阪屋と組んでサービスを開始したのは、2000年11月だ。JR京葉線市川塩浜駅からさほど遠くない物流センターは、1階と2階を合わせて約16,500平方メートル。スタート当時は、1階の4分の1しか使っていなかったが、商品が2階に入るようになった2003年夏あたりから急に物量
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