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2011年8月から約一年間、ハーバード大学ニーマンフェローとして活動してきましたが、このたび、朝日新聞「ジャーナリズム」誌(2012年12月号)「特集・ジャーナリズムを教育する」に、ハーバードでの研究生活、曲がり角を迎える米国のジャーナリズム、今後のジャーナリズム界を牽引するリーダーのあるべき姿などについて、寄稿しました。以下は、同社の許可を得た上で掲載していますが、一部、文章を加筆・修正している箇所があります。 ジャーナリズム界のリーダーを育成する ハーバード大学ニーマンフェローに参加して考えたこと by 菅谷明子(在米ジャーナリスト) ハーバードがあるケンブリッジ市は、ボストンからチャールズ川を隔てた対岸にあり、MITも擁する大学街 去年の8月のある快晴の午後。芝生がまぶしいハーバード大学ニーマンジャーナリズム財団の庭に、ニーマンフェロー(研究員)が一堂に集まった。この日は、初顔合わせ
米ニュース週刊誌「ニューズウイーク」がプリント版を廃止し、オンラインのみに特化することになった。 個人的にも感慨深いものがあるけれど、この数年の同誌の動向を見ていれば、驚くに値することではなかった。 紙媒体の終焉を悲観的に捉える人もいるだろうが、私は、オンライン媒体こそ、ジャーナリズムの可能性をより活かせると思っている。 ただ深刻な問題は、オンラインジャーナリズムのビジネスモデルが未だ確立されていないことだ。 印刷や輸送コストは膨大なもので、それをカットできるのは大きな魅力であり、デジタル端末も浸透していることも考えれば、オンライン媒体のみに移行したいメディアは少なくない。しかし、それをしてしまうと、収益が出ないというジレンマに陥る。 オンライン広告は、紙媒体の広告に比べて、未だにその価値が格段に低いからだ。ただ、皮肉なことに、ニューズウイークのように、紙媒体自体の収益が劇的に低迷してしま
何事も完璧を求めがちな日本のことを考えると、日本の労働時間がフレキシブルになる為には、企業や組織による努力もさることながら、実は、高いサービスを求めがちな私達の側も、それを許容する覚悟があるか、ということが問われているように思えてくる。 夏に少しだけ日本に帰国していました。米国生まれの8歳の娘が、朝のラッシュアワーの様子をテレビで見て「どうしてこんなに混んでるのに、皆、同じ時間に仕事に行くの?」と、至極、当然の質問をぶつけてきました。しかし、通勤に限らず、皆が疑問に思い、変えるべきだと思っているのに、なかなか変化が見えない所が、日本の切ないところ。 北米に住んで通算15年程になりますが、確かに日本に比べると、時間の使い方が合理的なので、娘がこういうのも頷けます。そこで、時間の使い方を考えるきっかけになればと、エピソードを少しシェアさせて頂ければと思います。 私が20年以上前に、カナダのバン
働くママは会社の財産~社員の子育てを積極的に支援するアメリカの企業、実はその背景にはしたたかな計算がある 「Newsweek日本版」(1999年2月24日号) by Akiko Sugaya こちらに、記事のリンクを発見しました。 私が米国各地で取材・執筆した記事で、色々な方から「子育て支援を福祉の観点とは別に、効率の点でも企業にメリットになるという事例に説得力があり、今でも参考になる」というご意見を複数頂き、あえて掲載してみました。当然、企業の利益だけで進めることには危険もありますし、何より、今では多くのことが変っていると思いますが、子育て支援のひとつの見方として、ご参考にしていただければ嬉しいです。また、記事ではママをメインにしていますが、子供がいるいない、また、男性、女性に拘らず、柔軟に効率よく時間を使って、仕事も自分の人生も豊かにしたい、という方にも、ご覧いただけましたら光栄で
自己紹介 菅谷明子 在米ジャーナリスト、ハーバード大学ニーマンジャーナリズム財団役員。 米国ジャーナリズムをテーマに本の執筆中。 ご連絡はメールにて。akikojournal at Gmail.com
ハーバードビジネススクールで、グラミン銀行の創設者で、2006年にノーベル賞を受賞した、モハメド・ユヌス氏が講演を行った。彼は、ソーシャルビジネスという、利益の追求ではなく、社会問題を解決するビジネスを提唱したことでも知られている。大ホールはほぼ満席。ヤードからたくさんの学部生もやってきたようで、若い熱気に溢れていた。 グラミン銀行は、農村部でマイクロクレジット、と呼ばれる貧困層対象の、低金利の無担保融資を提供している。 ユヌス氏によると、「貧困層にお金を貸す」「顧客が銀行に来るのではなく、銀行が顧客に出向く」など、これまでの銀行の真逆を目指したという。顧客も、農村部の女性が約8割を占めるらしい。 面白かったのは、彼によると、枠組みさえ与えれば誰もが起業家になれるということ。 また、「マーケットセグメント」と称して、人を一瞬で、この人は物乞いに向いているか、物を売るのに向いているのかを見抜
ハーバードのデザインスクール(建築大学院)のLoeb Fellow(特別研究員)で、Sweetenという家のリノベーションを支援するサイトを立ちあげ、ニューヨーカー誌で、2011年に最もイノベーティブな試みのひとつ、と評価されているニューヨークの建築家と、フィラデルフィアの建築評論家の三人で、素晴らしいお天気のもと、レストランのテラスでランチ。発想が柔軟でクリエイティブなふたりとは、去年の秋にケネディスクールのメディア関係の授業で知り合い、意気投合。彼女たちが企画したシンポジウムなども、触発されるものばかり。何より、これまでなかったものを、次々に生み出して行く姿勢に、とても共感できる。とりわけ、このところ、ジャーナリストには、クリエイティブな思考が欠けているのではないか、と思う出来事に遭遇することが多く、前向き思考の人といると、かなりほっとする自分に気がついた。 さて、自分のことはさておき
ニーマンフェローが交代で自らを語る、私の履歴書の講演版というべき「サウンディング」。今日は、ニーマン・コミュニティジャーナリズムフェロー(5万部以下の新聞で働くジャーナリスト)Davidが担当。アメリカの新聞は日本とは大きく異なり、全国紙がUSA Today, Wall Street Journalくらいしかなく(New York Timesは広く読まれてはいるが、あくまでもニューヨークの新聞)、新聞と言えば小さいコミュニティを対象としたものがほとんどだ。 彼のトークでは、ワシントンDCでのインターンに始まり、ローカルニュースを点々をし、その後は、マネジメントにも関わるようになり、新聞ビジネスの悪化がコミュニティの弱体に繋がるのではないかと危惧する。ローカル新聞が、どんどん消えて行く米国。自分の町で何が起こっているのかを知ることなしに、コミュニティはどう存続するのか。ジャーナリズムはコミュ
ボストン大学コミュニケーション学部で、3月23日から25日まで開催された、"Narrative Arc: Storytelling Journalism Goes Digital"に参加した。コンファレンスに参加して、改めて、米国のニュース業界はビジネス的に苦境を迎えているものの、ジャーナリズムのあり方自体は、確実に向上していることを実感した。 米新聞業界では日常的にレイオフが続き、ビジネス的に困難を迎えている今だからこそ、逆にそれを逆手にとって、マルチメデイアを使った新しい表現方法、オンライン出版、資金調達のための新しいビジネスモデル、オルタナティブなニュースのあり方など、ジャーナリズムのイノベーションがあちこちで起こっている。 * * * * * * * * * * * * まずは、コンファレンスのテーマである「Narrative」(物語)について。米国のジャーナリズムは、文章のスタイ
ジャーナリストという仕事柄、様々な人に話しを聞く機会がある。世間に良く知られた人から、そうでない人まで、人は実に色々な事を考え、多様な経験をし、それを通して学んでいるのだと感心する。ビッグネームのスケールの大きな話しも良いが、名もない人の人生哲学なども、実に深く、また心にしみて泣けることもある。ところが、私たちは普段、自分が考えている事、経験したこと、どんな人生を辿ってここまで来て、これから何をしたいのか、つまり自分自身の人生について、ある程度、フォーマルな形で話す機会はほとんどないのではないだろうか。確かに日常的にプレゼンする機会が多い人もいるが、それは仕事やプロジェクトのことであって、自分自身については、ごく稀なような気がする。 以前、書いたように、私が所属するニーマン・フェロー(特別奨学研究員)は毎週「サウンディング」と呼ばれる、「私の履歴書の講演版」ともいうべきイベントがある。私も
昨年9月からMIT Media Labの所長に就任された、伊藤穣一さん。よくお話しを伺う機会が多いのですが、彼をみていると、この時代、いかに発想を大きく転換することが必要なのかを考えさせられます。 Joiさん(伊藤さんニックネーム、Twitter @Joi)は、まさに今の時代にふさわしいリーダー。決して肩書きや権力を行使するのではなく、誰とでもリスペクトを持って対等に接し、それぞれを尊重してくれるものの、卓越した知性と思考から、誰もが「この人こそリーダー」だと自然に感じてしまう「自然体のカリスマ」。一見すると、学生と見分けがつかなかったりするにも、逆にいい感じw 完璧なバイリンガルであることを遥かに越えて、日米文化を深く理解し、グローバルなビジョンを持つ、バランス感覚溢れるリーダー。今時の人らしく、マルチタスクにも長けていて、ミーティング中に携帯をチェックしたり、ipadをいじったりしてい
贈物より寄付を、アイディアに資金提供を。市民の意識と仕組みで社会を変える 去年の秋、研究員仲間の親戚に不幸があった。 その通知メールには、「もし皆さんが、私たちのために何かしたいと思って下さるのでしたら、このリンク先の癌研究機関に、小額で結構ですので、寄付して下されば幸いです。今後、癌で苦しむ人が少しでも減ることが家族の望みです」と書かれてあった。日本的に考えると、お香典となるのかもしれないが、こういうお金の使い方もあるのだと、妙に感心した。 このところ、消費ではなく、社会のためにいかにお金を使うべきか、ということについて考えさせられることが多い。 12月のホリデーシーズンには、お世話になった人に贈りものをするのが一般的。ところが、物欲とはほど遠い友達がいたので、直接彼女の意向を聞いてみたところ「友達の幼い子供が亡くなり、彼女がとても悲しんでいる。息子の名前の基金サイトがあるので、St.
意識的に考えてコミュニケーションせざるを得ないバイリンガルへの道は、 それを逆手にとれば、深い文化理解とより良いコミュニケーションを可能にしてくれる 「ボストン日本女性の会」月例ミーティングは、ケリアン・パノスさん(MCMLコンサルティングサービス代表取締役)がゲスト。「日本語の強みを生かしながら英語の世界で勝負する」と題した会で、「バイリンガルとは言語と感覚である」がトークタイトルでした。英会話を学ぶ方、異文化に興味がおありの方々には、参考になるところがあるかと思い、私なりの視点からまとめてみました。 今日の話しを聞いて思ったのは、結局、言葉は人と人とが繋がるためのツール。特に外国語を習得する時には、自分が言いたいことをどう表現するのかに終始しがちですが、大切なことは、その国ならではのコミュニケーション作法と、その背景となる社会のあり方を深く理解すること。さらに、相手にどう伝わったのかま
"The iPad as "Social Medium to Stimulate Dinner Table Conversation for Family" By Akiko Sugaya/菅谷明子(在米ジャーナリスト) iPad の利点は、自然な会話を妨げずに、グループで話題にのぼった文脈情報を即検索してシェアでき、すんなり場に溶け込むことにある。 ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ 5月3日、我家に待望のiPad 「ポチ」がやって来た。「ポチ」というのは、全くの思いつきの名前。でも、数日経つと、平凡なこの名前が、実はiPadの我家でのポジションを上手く象徴しているように思えて来た。家族みんなに愛されて、何より家にすっかり溶け込み、存在に違和感がないのである。ちなみに米国でのiPad発売は約ひと月前で、我家への到着が遅れたのは、3G対応機
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