サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
2024年ランキング
belgian-beer.hatenablog.com
研究 | 01:35 | ココ一番という実験結果が出てその周辺を埋めるようなデータも集まって、作業仮説が固まり始めると、じゃあ次にどうするよ?ってなる。というか、その時点で次の行く先(目標)が決まっていないとか、試薬がないとか、ヒトが足りないとか、そういうのはすでに手遅れなのだけど。特にチームを組んで研究している場合は1人の研究よりもずっと多くのヒトビトがより早い決断を待つ場合が多い。行き先や行き方を間違えると研究の進捗に影響が出るし、その決断一つで大きな額が動くし、それ以外にもいろいろもろもろな理由で、ある決断をするというのは「重い」。でも、上のヒトがこういう方向に行きたいからとか、この方が社内の仕組みではやりやすいからとか、そういう理由で進んで行く方向を決めるのは違うと思う。研究が新しいフェーズに遷移しようとしている時こそ大事なのは、研究に関する基礎知識や実験技術ではなく、そのテーマを
雑感, ポスドク | 23:25 | 相変わらず、酔っています(ごめんなさい)。近況ですか?(誰も聞いてないのは十分承知です…が、このまま進行するのであります)近況は、忙しく精神がすり減る日々ですが、公私共々非常に充実しています。睡眠時間もちゃんと8時間キープしてます。チビスケも順調に成長し、嫁さんとの会話も楽しく、業務で携わるプロジェクトも佳境を越え、さらに一段上の試験を行うプロジェクトチームへと引き継がれて行きました。 さて、この辺でこっそりと。転職活動終了のお知らせです(というか、そんな活動してたのか!という話ですが)。いろいろと考えた結果、ポスドク上がりの研究者を雇いたいという日本の会社へ転職する事にしました。 この辺(特にアメリカ西海岸)のヒトビトの間で囁かれている「なんや、日本人はやっぱ日本へ帰るんやな!」仮説の傍証にもなりそうです。そうです、海外流出した日本人研究者の多く(経
一人語り | 00:02 | 少年易老学難成 一寸光陰不可軽 未覚池塘春草夢 階前梧葉已秋声 学部で卒業研究をした時、もっと最先端の世界を見たいと願った。大学院で最先端を知った時、その先に誰よりも早く行けると実感した。ポスドクでその世界の最先端を切り開いた時、その専門性の融通の効かなさ故に自分の人生の限界が見えた。孤高の仙人としてより高みを目指すか、それまでの経歴を生かして自分の周りの社会へもっと融合する世界に踏み入るか? 根底にあった思いは、「もっと自分の可能性を広げる必要がある」 結局、誰のためでもなくただ自分の今後を考えた結果として、キャリアチェンジを選んだ自分。そして、あっと言う間の一年。良かったのか悪かったこと、いろいろあったが、充実した濃厚な毎日を過ごしている。 「学が成る」の定義はヒトそれぞれ、それで良い。それに、大学で学ぶ事のみが「学」ではない、そう実感する日々。それなら「
研究, 雑感 | 22:12 | それは危機感と向上心なのではないか、と同僚と今後の自分たちの描くキャリアパスの話をしていて思った。そして、現状に満足せず常にもう1つ上のステップを目指して外からの圧力と自らの意思をうまくからめて動き続けるしかないということで、ひとまず現時点での自分なりの結論とした。日々の仕事に忙殺されると、視点は近視眼的かつ独善的になりやすく、しかも、自分が知っている方法論、つまり、これまで自分が蓄積してきたものに依存した仕事の進め方を選んでしまう。それでは仕事を成し終えても自分の中には何も残らないし、ただ仕事を行う責任があるから遂行しているだけで、面白みも何もあったものではない。仏像を彫ることに満足してしまい魂を込め忘れるのと同じだ。第一、自分の成長がそこにはないから、自分の中に蓄積したモノがなくなった時が仕事が進まなくなるか、もしくは、成長の壁にぶつかる時だ。アカデミ
研究, ニュース, 雑感 | 23:57 | 周りにもう少し助言出来るヒトがいなかったのかな、と残念な気持ちになったニュースだったけど、記録としてここに張り付けておく。特に過去に友人が同じような運命をたどっているので、その時の記憶がよみがえってしまった。彼はいわゆる24時間年中無休なビックラボの所属だった。その出来事は新聞には載らなかったし、大学側も出来るだけ穏便に済ませたい感がプンプンと漂っていた。それ以外にもあんなことやこんなことやいろいろあるけど、到底ここでは言えないことばかりだ。そういう闇に葬り去られる問題が起こることが大学院ばかりに問題があるのではないのだけど、実際にその場にいた人間としては、「時と場合と指導教官によっては」そういうことも起こるのだと肝に銘じるべきだと思う。比較的若いうちに閉じた環境で長時間過ごしていると、視野狭窄に陥りがちになっても仕方がないと思う。ましてや、1
研究, 職場 | 00:46 | 良くも悪くも、若い頃と比較して驚いたり感動したりする閾値が上がり気持ちが揺さぶられる頻度が減ったせいか、自分がスゴイと思えるヒトやモノに出会えた時の感動は強くなったなと思う。例えば、今の研究部門の感嘆するほど整然と有機的に統合された研究システムだとか、ボスの頭の回転の速さとか、同僚 N の静脈注射の芸術的な美しさとか。それらは今の場所に来るまでの自分には到底想像し得なかったし、今後も習得し得ないものだと思う。例えば、N の静脈注射は実際にその目で見た人でないとその手際の美しさは分からないだろう。教科書以上のことをしている N の20年来の手技を教科書から学ぶことなど所詮不可能だ。生命科学者の自分から見ると、「歴史から学ぶ」ヒトもいるのかもしれないが所詮それは机上の理論のみだろうと思う。論文読んでいて研究が進むのなら苦労は今よりかなり少なくて済むし、家族との
研究, ポスドク | 22:37 | 幹細胞研究も次のステージへ突入したか。以下、 Scinece誌の記事よりSafer Stem Cells? -- Holden 2009 (423): 3 -- ScienceNOWこちらは元論文。Cell の姉妹紙ですね。Cell Stem Cell - Generation of Induced Pluripotent Stem Cells Using Recombinant Proteins4つの遺伝子で細胞に分化能を再度付与できるのであれば、その遺伝子がコードするタンパク質でも同じことが起こるだろうというのは、まあ、多くの人が考えていただろう。問題は「どうやって???」だけど。このグループは、4つのタンパク質それぞれに11個のアルギニンを付加することで細胞内に取り込ませた、らしい。[ http://sciencenow.sciencemag.o
私事, 雑感 | 19:37 | 新しく家族になった子の寝顔を見つめながら、ビアのアルコールがほどよくまわった頭で思った。 自分はこの子の将来に何を望むのか?地位、名声もしくは、お金?大人の社会で一般的に重く扱われているもの。それらではないな、と即座に思った。ただ、幸せになってくれさえすれば、どうでもよいものばかりだ。もちろん、それらが「幸せ」になるための必要条件といわれてしまえばそれまでであるが。世間をみればそれらが全部あっても幸せとは言えないヒトも多数いるし、逆にどれもないのに幸せな自分の満足する生活を送っているヒトもそれ以上にいる。そして、僕も嫁も、幸せのカタチがそんな俗世間的な価値観で規定出来るなんて思っていないのは確かだ。じゃあ、幸せって何だ?それを知るすべは僕にはない。この子の幸せは、この子が定義する。他の誰でもない。僕の幸せは必ずしもこの子の幸せではない。それを常に自分に言い
雑感, 私事 | 00:25 | いつもよりもやけに明るい満月の夜。「本当に今晩なのかな?」そんなことを思いながら、月明かりに照らされた小道を歩いていた。嫁さんが入院することになった病棟へ向かって。右手につかんだ旅行用の少し大きめなバッグには、嫁さんが前もって準備していた入院時に必要な着替えや新生児用品がみっちりと詰まっていた。そして、左手には、友人がくれた今はまだ空っぽのベビーシート。きっと、退院時には新しい小さな住人がこのシートに収まっているはず。赤ん坊はかなり降りて来ているとその日の午前中の検診でドクターは言っていたけど、それからまだほんの数時間。まさかこんな急に入院になるとは予想もしていなかった。「んで、産まれたんか?」「うちの赤ん坊は現在取り寄せ注文中やねん、あと二週間はかかんじゃね?」というやり取りを同じオフィスの友人達と何度しただろう。もうそれもすることはなくなるのだろうか。
研究 | 17:38 | 学部で卒研生だったころ、研究とは別の面でいろいろと影響を受けていた(当時)助教授のT先生(すでに10年以上前になるのか・・・今では某旧帝大教授になられた)。研究の世界では、ある組織発生の世界で必ず総説で名前が引用されていたし、現在でも、かなり異端とはいわれつつも独自の存在感のある論文を発表されている。50代後半ではあるが、バリバリと研究を継続されている。当時卒研生だった自分は毎日のように PubMed で見つかる論文を読み、それらの科学的意義を理解し、解釈するのが楽しくてしょうがなかった。そんな理由で、図書館でコピーした論文が机の上に山のように積み重なっていくのにさしたる時間はかからなかった。隣の席に座っていた同期の H *1も似たような状況で、お互いに競い合うように論文を読んで、このジャーナルのこれが面白かったとか、これはすごいとかよく話をし、刺激し合っていた*
休日, 職場 | 17:44 | 場所が変わると人も変わる。人が変わるとすべてが変わる。研究室の雰囲気、その場所で大事にされる価値や判断の基準。それらに沿って研究の方法論が形成され、その方法論に依存し最適化された形で研究は進展する。だから、同じ仕事(実験)でも場所が変わるとやり方がガラリと変わることがしばしばある。たとえ研究や実験の目的は一緒でも。経験的には、新しい場所で似たような方法論の研究・実験をする時に自分のこれまでの方法論に固執してしまいがちだ。それは多分、自分にとっては未知の新しい方法・手法で失敗し無駄な時間を使うよりは、自分が既に身につけている方法でやった方が物事が確実に進むと思うし、何より「ラク」だからだ。自分の中ではそれを「保守的思考」と呼んでいる。そして、浅い自分の経験や考えだけを後生大事に生きることは個人的には好まない。それに、これまで自分の中で蓄積した方法論と新しい場
研究, 雑感 | 19:15 | むしろこれから起こるのはネイティブイングリッシュの破壊であるとか - かたつむりは電子図書館の夢をみるか国境を越えた研究者同士のコミュニケーションという観点から、すごく重要なことを指摘しているなあーと思ったので、自分なりの意見をソコハカトナクまとめておこうと思った。 分野にもよるのかもしれないけど、アメリカで生産される論文のほとんどは英語を第一言語としない研究者が筆頭著者だったり、correspondence をとっているように思う。そういう意味では 、アメリカの科学界ではすでに「ネイティブイングリッシュ」の破壊はかなり進んでいるじゃなかろうか。 id:min2-flyさんが言うようなことはすでに現実の形で顕在化しつつある(もしくは、すでにした)ように思う。そして、英語を第一言語とする研究者はそうでない研究者と比べると稀なのではなかろうか、というのが個人的
ポスドク, 雑感 | 21:07 | アカデミアの研究の一線を退いた上に、海外のバイオテクカンパニーで働いている身分で、いまだに日本のポスドクネタでひっぱって申し訳ないのだけど、どんなに「博士」の価値が(日本国内で)低下しようとも、最前線の研究者として世界と渡り合うためには博士号の取得はミニマムリクワイアメントですよ、ということをここで記しておこうと思った。その逆に、世界を相手にしない研究なのであれば、別に博士号は必要ないし、ましてや借金までして取得するほどのものでもない(むしろ取得しない方がプラスに働く)。どちらが良くてどちらが悪いというのではない。自分が日本国内の市場を相手にすることに人生の意義を見いだせるのであれば、それはそれで良いと思うし、そうではなく、視線が国外を見ているのであれば、世界が「博士」をミニマムリクワイアメントとしている以上、その規則に従うしかない。特にアカデミアの研
一人語り | 00:06 | シュッポシュッポと新しい出会いが日本中を席巻するころ、私は出会いの結果として存在する別れを体験しておりました。本エントリーが僕なりの大阪・京都夏の陣参加法です。よろしくー! 慣れ親しんだ研究所で過ごす最後の朝。これでもかと言うほど、いつもどーり。碁盤のように区画された町並み、海から吹き付ける風、毎朝飼い主を散歩させているチワワ、教会の微妙に音程のズレた鐘の音。 別にいつもと何も変わらない日々のありふれた一日だと思っていた。 みんなにサヨナラを言うまでは。面白いことに、自分がコミットして来た研究プロジェクトは違っていた。だいぶ前から終わりが来ることはそれなりに分かっていた。なぜなら、1つ1つの実験の終了作業を確認するたびに、より具体的な形で終わりが近づいていることを理解していっていたから。おかしな話である。自分のプロジェクトが終了すれば、自分の居場所なんてこの研
雑感 | 00:02 | 興味関心を持っている人があまりいないようだけど、個人的にはオオアリな問題。あまりにも情報が少なすぎてどのようにして30万人の留学生が日本に留学するのか不明な点が多いけど、独断と偏見で今のうちにここでメモ。発端はここに記した。http://d.hatena.ne.jp/Belgian-beer/20080629 現時点での疑問点どこの国から留学生を受け入れるのか?留学生の選抜は「誰が」「どのように」行うのか?留学生の日本語学習のサポートはどのように行うか(というか、するのか)?留学期間が終わった留学生のその後(日本で働けるのか)?留学生(とその家族)の日本での永住権(もしくはそれに関連する法律の整備)問題そもそもなぜ30万人なのかという突っ込みやめておいた方がいいのカナ? ひとまず「グローバル」などというへちゃらけた建前はやめにして、30万人の留学生により直接的に得
研究 | 00:06 | 最初に言っておくけど、このタイトルはホッテントリメーカーでつくったんじゃないよ!結果としてこうなったんだよー!! ゴホッゴホッ(咳をする音)、では気分を取り直して、以下本文です。 しんぷる大先生 (id:simpleA) が読書をする上でいかに自分のアイデンティティーを大事にするかという興味深いエントリーを上げていたので、本エントリーでは研究者の論文の読み方について思うところを。 ライフサイエンス系の最前線の研究者は論文を読むことと実験をすることに忙殺されていると思うから、ほとんどの研究者は論文か実験に使う時間を出来るだけ減らしたいという願望を持っていると思うのです(エラクなるごとに実験量は減り、論文を読む量は増えるよー)。私は(エラクはないけど、っつーか、シタッパーズです!それでも)読む必要性のある論文が常に山になっているのですが、論文を読む時はこんな点に注意し
研究, 雑感, ポスドク | 15:12 | 先日、無事に就職が決まったので、その経過をまとめてみようと思いました。かなり凝縮したのですが、それでも長くなってしまいました。 内容1.就職活動開始まで2.バイオテク企業が求める人材像3.アカデミアでの生き残り戦略4.次の1手5.就職活動の跡に残るもの ==================== 1.就職活動開始まで昨年から今年にかけての最大の関心事は自分の「就職」でした。今年の終わりには現研究機関での契約が終了してしまうからです。この就職活動に関する一連の決断を下し、実際に行動に移すには(もともと少しか持っていないけど、自分の中では)多くの勇気が必要でした。その最も大きな理由は、大学卒業以来ずっと研究に時間を費やす人生だったので、恥ずかしながら30を過ぎてもまったく就職活動経験がないことでした。人間誰しも、知らないもの、イメージの湧かないものに
雑感, 一人語り | 23:17 | 先ほど本ブログのプロフィール欄を見ていて気がついた。あっと言う間の1年。そもそもの始まりはこの2冊。ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)作者: 梅田望夫出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2006/02/07メディア: 新書フューチャリスト宣言 (ちくま新書 656)作者: 梅田望夫, 茂木健一郎出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2007/05/08メディア: 新書「ウェブ進化論」と「フーチャリスト宣言」の2冊が残した衝撃的な印象は、外の世界を変えられずにアガク自分の中に「本当の大変化」の芽を残した。自分の出来る範囲で何がしかのアウトプットがしたくてしょうがなくなったのだ。以来、ほとんど何の方針もないままにツラツラと思ったことを、えーいままよと、そのままほとんど見直しをもせず、時間のある時に文字として残して来た*1。ブログ開
ポスドク | 22:08 | 就職活動をしていてよく思う。ポスドク問題は自分の中にはもう存在しないのだということを。博士になろうがなるまいが、「ポスドク問題」に似たような人生の問題には遅かれ早かれ様々な局面で誰もがぶちあたっていたはずだし。そもそも、ポスドクという職業はその他数千数万とある職業のうちのひとつでしかないのだし。ポスドク問題の本質的な問題は、(ポスドク側にすべての責任があると仮定すれば)大学院で「研究のトラブルシューティングの方法論」を学んできた人々が「人生のトラブルシューティング」が出来ないということなのだ。ポスドクでない人がポスドクのそういう悲嘆に暮れた生き方を揶揄する陰にはそんな考え方が多かれ少なかれあるのだろう。アメリカで就職活動をしていてよく問われることは、結局、アンタ何が出来るの?ってことと、アンタ誰とどんなつながりがあるの?ってことに集約される。自分の周囲とつなが
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『晴耕雨読ときどき昼寝の日々』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く