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beachharapeko.hatenablog.com
もはやこれは日本映画ではない。といってそれは旧来から日本映画とハリウッド映画の間に横たわるといわれる壁−桁違いの美術予算によるスケール感とか、CGのクオリティとかが見劣りしない、という意味ではない(見劣る 笑)。 キャラクターがとにかく単純だ。原作にある、登場人物の出自や境遇からくる様々な屈折した思いは排除され、全員が全員『家族が大切』という分かりやすい原理にのっとり行動する。魔人に心を奪われたラスボスが、『家族が大切』の思いの前に改心するラストを見て、ファミリー向けのCGアニメかよ!と突っ込みを入れたくなる。 ただ、その造詣が徹底しているが為、商品として破綻がなく、安心して怪物退治を堪能できる。シネコン向けのクオリティを保つために、文学的だったり啓蒙的だったりする要素を潔く切り捨て、市場での成功をのみ本気で目指した商品として『どろろ』は日本映画ばなれしている*1。 ただ、大ヒットに結びつ
H・G・ウェルズにより1898年に発表された『The War of the Worlds』の背景について、東京創元社刊『宇宙戦争』ASIN:448860708X、中村融は以下のように述べている。 冒頭から明らかなように、火星人に侵略される英国は、ヨーロッパ列強に侵略される植民地になぞらえられている。(中略)ウェルズの批判はたんなる帝国主義批判にとどまらない。というのも、火星人と地球人との関係は、地球人と下等動物との関係に等しいと繰り返し強調されているからだ。つまり、ウェルズは人間という種(しゅ)そのものの驕りを批判していたのである。 (中村融 訳者あとがき より) http://www.tsogen.co.jp/wadai/0505_06.html 20世紀を目前にした稀代のSF作家の脳裏には、次世紀の戦争が、その科学力において圧倒的に優位に立った一方の陣営による、他方の大虐殺になるという
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