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水曜日 早いもので阪神淡路大震災から29年、もう来年には30年目という節目の年を迎えます。今回の北陸大震災のように元旦でこそありませんでしたが、まだ正月気分の名残も残っている時期でした。 当時のことでとても印象に残っていることの一つは、もっとも高い震度を記録した地域に住んでいながら、被害の規模を理解できるまでにはかなり時間がかかったことです。当時在宅していた3人でまずは台所の片付けに取りかかったものの予想される作業量の膨大さに呆然としているうちに、近所に住む祖父母の様子を見に行かねばと思いいたり、玄関を出たところで初めて隣のアパートが倒壊していることに気づきました。幸い自宅の周辺では火災は起きていなかったため、その時点でもまだ被害の広がりと深刻さを理解できていなかったことになります。 さて今回の震災にあたっても、第二次安倍政権のころから顕著になってきた自公政権のあり様がはっきりと現れている
金曜日 さして重要でもない話題に延々と時間を割くテレビのニュース価値判断に対する批判はSNSでちょくちょく見かけるが、先日「高島屋のケーキ」問題とともにウナギの産地偽装を「どうでもいいニュース」扱いするツイートを見かけてちょっと渋い顔になった。今月はじめのニュースで絶滅が危惧されるアメリカウナギの稚魚が日本に輸入されている可能性を指摘するものがあったからだ。 www.at-s.com 当該ツイートの投稿者が見かけたニュースがこの件だったかどうかも不明だし、いま現在この問題がガザ情勢や自民党の裏金問題を差し置いて報じられるべきものだとも言わないが、それでもウナギ問題は日本における生物多様性への関心の低さを象徴するものではある。正しく扱われるのであれば決して「どうでもいいニュース」ではない。 「高島屋のケーキ」だって“老舗百貨店の不始末”で終わりにするのではなく特定の時期に特定の食品の大量消費
『朝日新聞』の連載「聖域 取り調べの弁護士立ち会い」(全7回)が昨日完結しました。 digital.asahi.com 第2回以降のリンクは省略します。この第1回の記事の末尾には、先日違法な取り調べと津地裁で損害賠償を命じられた三重県警の取り調べの録音が付されています。 特に注目に値するのは第1回で紹介されている銃刀法違反容疑事件の取り調べ。モデルガンについて「ずっしりしている感じでしたか」「してるんじゃないですか」というやり取りを調書では「ほかのエアガンに比べてずっしりと重かった」とまとめられていた、という。警察官が立件できるよう、有罪にできるように脚色して調書をまとめていることがよくわかります。 SNSでの反響が私の見た範囲で一番大きかったのが第6回、取り調べる側の言い分を紹介した回です。足利事件などを記者が引き合いに出すと「冤罪(えんざい)を生んだことは組織として反省し警察の取り調べ
木曜日 -NHK Eテレ 2023年8月11日 「ドキュランドへようこそ 私のままで走りたい―性別を疑われた女性アスリートたち―」 スポーツにおける「性別」というカテゴリーがはらむ問題をとりあげたドキュメンタリー。原題は「カテゴリー:女性」。「女子スポーツ」というカテゴリーを守るため選手たちに「全裸での検査」や侵襲性のある医学的介入などの人権侵害を加えてきた(いる)歴史が語られる。 この番組はシス女性の健常者選手をとりあげているが、多くの視聴者は関連する2つの問題を直ちに想起するだろう。一つはマルクス・レーム選手のように一般カテゴリーで好成績をあげた障害者アスリート。レーム選手は彼の記録が「ハイテク義足」のおかげではないことを証明するよう要求された。もう一つはトランスジェンダー選手の処遇、実質的にはトランス女性アスリートの扱い、という問題だ。国や地域、競技種目によって実情はさまざまだが、ト
日曜日 安倍元首相が殺害されてから1年がすぎたということで事件を振り返る記事や番組がいくつか出ています。そのうちNHK総合で放送されている「かんさい熱視線」の「銃撃事件1年 暴力の連鎖を生まないために」に気になるところがありました。 www.nhk.jp 番組のなかほどで歴史学者の筒井清忠氏が登場します。朝日平吾が財界人の安田善次郎を殺害した1921年の事件を引き合いに出し、事件に対する社会の反応が同年の原敬暗殺事件を誘発したという見解を述べます。 「かんさい熱視線」2023年7月14日放送 「かんさい熱視線」2023年7月14日放送 しかし朝日平吾の犯行がいわゆる「公憤」によるものと理解されそれが称賛を産んだのに対し、山上容疑者は犯行動機が「私怨」であることを明確にしています。この違いは無視できないはずです。個人的な動機に基づく犯行でも、犯行に至る経緯によっては被疑者・被告人に同情や共感
日曜日 6月27日の「クローズアップ現代」枠で放送された「精神科病院でなにが…追跡・滝山病院事件」を見ました。 www.nhk.jp すでに今年の4月にETV特集で「ルポ 死亡退院〜精神医療・闇の実態」(こちらも録画して視聴しました)としてとりあげられていた東京・滝沢病院についての続報です。 www.nhk.jp 6月30日にはEテレの「バリバラ」でも「どうする?精神医療〜滝山病院事件から考える」としてとりあげられていました(7月4日に再放送予定ですが、私はNHKプラスで見ました)。 日本の精神科病棟が抱えている問題が指摘されるのはこれが初めてではなく、類型としては目新しいものではありませんが、「クローズアップ現代」にゲストとして出演した都立松沢病院の齋藤正彦名誉院長のコメントで「なるほど」と思った点がありました。病院を監査する立場にある東京都が取材に答え、担当課長が「虐待を立証しなければ
火曜日 -安東能明『蚕の王』中央公論新社、2021年 戦後まもない1955年に静岡県で起きた二俣事件を題材とした小説。名前こそ仮名になっているが「昭和の拷問王」も登場する。冤罪被害者の雪冤に尽力したとして清瀬一郎がかなり美化されている点はかなり鼻白むものもあるが(占領期に旧植民地出世員者から選挙権を剥奪すべく活動した政治家の1人が清瀬)、冤罪被害者の視点を重視すればそういう描写になってしまうのはやむを得ないのだろうか。
土曜日 NHKスペシャルの「未解決事件」シリーズ第9弾のうち12月29日放送の第2部ドキュメンタリー「74年目の“真実”」をみました。 www.nhk.jp 重要な資料として紹介されている「甲斐捜査手記」は明治大学平和教育登戸研究所資料館が2018年に開催した「帝銀事件と登戸研究所」展でもとりあげられていたものですし、山田朗さんの『帝銀事件と日本の秘密戦』を読んでいる者としてはさほど目新しい情報はありませんでした。テキストマイニングをつかって供述分析にとりくんでいる立命館大学の稲葉光行氏のとりくみについてはこの番組で初めて知りましたが。 他方、平沢氏は無実であるというメッセージはかなり強く打ち出しており、単に「真相は謎」ではなく「帝銀事件は冤罪」という側にコミットした番組になっていたと感じました。この点はかなり踏み込んでいたと思います。 それだけに残念なのは次の部分です。登戸研究所の元所員
金曜日 newsdig.tbs.co.jp 「新日本科学は2026年度を目標に、年間10万尾を生産したいとしています」などと鼻息が荒いですが、育てたうなぎが産卵してそこからまた養殖する……というサイクルが完成したわけじゃないので、結局は天然の卵を獲ってくることになります。天然のうなぎになるはずだった卵を。 もちろん自然環境で卵から成魚になる確率よりもはるかに高い確率で食用にできるサイズまで養殖できるのであれば、漁獲圧を減らす効果はあるでしょうが、この記事ではそうした視点での検証はありません。
木曜日 袴田事件において、事件発生から1年2ヶ月後に“発見”された5点の衣服。検察は当初の主張を変更しこれらが犯行時に着用されていたとしてきたわけですが、それらに付着していた血痕の「色」をめぐる争いに決着がつく可能性が出てきました。 弁護側は一貫して「1年2ヶ月もみその中に漬かっていたのに血痕の色が鮮やかすぎる」と主張してきました。今月1日、東京高裁が静岡地検で行われていた「みそ漬け実験」を視察。1年2ヶ月前に始められたものです。 newsdig.tbs.co.jp 現時点で東京高裁も静岡地検も声明は出していないようですが、視察に同行した弁護団は「赤みは残らず、黒っぽい色になった」と主張しています。 ところで、この実験について桜井昌司さんが気になることをブログで書いておられるのを読みました。 まあ言っても仕方ないことだが、真空パックにして脱酸素剤を入れた実験をするところか〔ママ〕腐れ組織の
火曜日 今週はNHKが冤罪疑惑事件についての番組を2本放送します。いずれも自白のない事件ですが、便宜上「自白の研究」タグを用いています。 まずは明日20日放送予定の「クローズアップ現代」。 www.nhk.jp もう1つは23日にBS1スペシャルとして放送されるこちら。3部構成、170分の長尺です。 www.nhk.jp
木曜日 www.tokyo-np.co.jp もちろん上記の『東京新聞』の記事が指摘しているように、温暖化対策に本気ではない自民党の姿勢の現れとして理解すれば足りるのかもしれない。しかしそれにしても「農家のおかげですか? 農協の力ですか? 違います」なんてことを他ならぬ北海道で発言してしまうセンスは想像を絶する。報道ではもっぱら米に焦点があたっているようだが、温暖化で負の影響を受けている第一次産業従事者の神経も逆なでしているわけでしょう、この発言。 まあ「温暖化にはいいこともある」というのは温暖化否認論の定番の主張ではあるが(「二酸化炭素は農作物の肥料になる」、みたいな)、このひとの地元である九州では従来の品種を育てるのが困難な気温になることを意味する。なにがあっても落選することはないとたかをくくっているからこそできる放言なのだろう。 現在各国が発表している二酸化炭素排出削減計画では不十分
土曜日 digital.asahi.com (アーカイブ) 湖東記念病院事件の国賠訴訟で、国とともに被告となっている滋賀県が原告を“犯人”扱いする主張をしていた、という驚愕のニュースです。記事にあるように東住吉事件の国賠訴訟でも取り調べにあたった元警察官がやはり原告の青木さんを“犯人”扱いする証言をしていますが、こちらはすでに公務員ではない個人の主張で、元警察官に反省がみられないという問題なのに対し、滋賀県がこのような主張をすることの重大さは言うまでもありません。しかもこのような主張をすることを県知事には報告していなかったようです。 nordot.app (アーカイブ) すでに確定した再審無罪判決を民事訴訟で裁判所が覆すとはとうてい考えにくく、また百歩譲って捜査に違法性がないと主張するにしても再審無罪判決を否定する必要はありません。冤罪被害者の傷に塩をすり込むかのような振る舞いはより高額な
木曜日 Election conspiracy theories are self-refuting: Democrats are so devilishly clever that they coordinated multiple states & hundreds of counties to rig the election for Biden; but so stupid & inept that they forgot to rig taking the Senate & even lost seats in the House. QED. — Michael Shermer (@michaelshermer) 2020年11月19日 不正選挙陰謀論は自己論駁的だ。民主党員は悪魔のように狡猾で、バイデンに有利なように選挙を操作するため複数の州と何百何千もの郡で歩調を合わせた。し
金曜日 -日本経済新聞 2020年9月11日 名古屋高裁が再鑑定許可 名張毒ぶどう酒事件(アーカイブ) 三重県名張市で1961年、懇親会でぶどう酒を飲んだ女性5人が死亡するなどした名張毒ぶどう酒事件の第10次再審請求の異議審で、名古屋高裁が、ぶどう酒の王冠と瓶をつなぐように貼られた封かん紙の紙片の再鑑定を許可していたことが11日、分かった。奥西勝元死刑囚の弁護団が明らかにした。 弁護団は8月から再鑑定を始めており、終了し次第、新たな証拠として提出する方針。 「自白」によれば奥西元死刑囚が王冠を開ける際に剥がしたとされるこの封かん紙については、今年の6月に事件直後の住民の供述調書が開示されています。
日曜日 新型コロナ禍で図書館が利用できない期間が続いたためもう3ヶ月も前のことになってしまいましたが、『サンデー毎日』の5月10・17日号が袴田事件に関する記事を掲載しています。凶器とされたクリ小刀についての新事実です。 クリ小刀については、公判での刃物商の証言が検察に誘導されたものである可能性がこれまでも指摘されていました。今回報じられたのは、当時店を手伝っていた刃物商夫妻の長男が「最近気づいた」として証言していることです。確定判決では凶器は刃渡り12センチのクリ小刀であると事実認定されています。しかし当時店で扱っていたのは刃渡り13.5センチのものだけだった、というのです。店主は第一審の公判で証人となっていますが、記事は店で扱っていたクリ小刀について「長さが135ミリ」だとする法廷での供述を引用しています。 ご承知の通り、袴田事件の再審は現在弁護側の特別抗告に対する裁判所の決定が下るの
月曜日 先週末に SNS を中心に「検察庁法改正案」に対する異議申し立ての声があがり、新聞やテレビもとりあげる事態になったことはみなさんご存知のとおりです。黒川東京高検検事長の定年を脱法的に延長した際にはこれほどの批判は沸き起こらなかったことを考えると、「あのときにこのうねりがあれば……」という思いもありますが、「限定された世帯に30万円給付」という当初の案が世論の反発を受けて「一律10万円給付」に変わったことで、“学習性無力症”を脱することができたということなのかもしれません。 さてそうなると、これまでもあらゆる詭弁を弄して安倍政権を擁護してきた人々の反応が興味を惹くところです。 菊地誠氏は 検察庁法改正案に反対するのはもちろん構わないのだけど、その法案のどこが問題だと考えて反対するのかは、少なくとも自分の中でははっきりさせておいたほうがいいと思います。 令和4年度施行予定の法案なので、
水曜日 -『女性自身』 2020年4月28日 「コロナ専門家有志の会「#うちで治そう」ひっそり撤回に批判の声」 このブログで『女性自身』の記事を引用する日がやってくるとは……。もっとも、『女性自身』は2016年10月4日号が黒川開拓団“性接待”事件に関する平井美帆さんの記事を掲載した際に買ったことはあるのですが。 「発熱から4日」は自宅待機させ検査を受けさせないという、日本独自のいわゆる“4日ルール”がこれらの事態を招いているのではないかと、批判の声は高まっていたのだが……。4月22日には、専門家会議の構成員で、「有志の会」メンバーでもある日本医師会常任理事の釜萢敏氏はこう発言したのだ。 「4日間様子をみてくださいというメッセージに取られたんですが、そうではない。体調が少し悪いからといって、みなさんすぐ医療機関を受診されるわけではないので、いつもと違う症状が少なくとも4日続いた場合には、今
土曜日 -NHK NEWS WEB 2020年3月5日 「ウナギ稚魚 漁獲量が大幅増 ことしは値下がり期待」 見出しの通り、資源保護という観点は皆無の能天気記事です。「ことし1月末までで8.9トン」の水揚げがあったということですが、最盛期には(シラスウナギだけで)200トンを超えていたことを考えれば、「4月までの昨シーズンの漁獲量の3.7トンを、すでに大きく上回って」いるというのも虚しいはなしです。 さて関西在住でない方々にはあまりピンとこないかもしれませんが、シラスウナギ同様にこの数年絶不漁なのがイカナゴ(シンコ)です。 -毎日新聞 2020年3月6日 「「もう高級魚、くぎ煮作れない」イカナゴのシンコ、歴史的不漁で1キロ5000円超に」 こちらも徹頭徹尾値段の心配しかしていないダメ記事です。かつては1キロあたり1,000円程度でしたから、たしかに大幅な値上がりではあります。しかしより衝撃
水曜日 ポン・ジュノ&ソン・ガンホの名コンビによる『パラサイト』がオスカー四冠獲得ということで、記念に。 ポン・ジュノ監督の出世作であるこの映画では、取り調べの様子が詳しく描かれる被疑者が三人登場し、そのうち二人が“虚偽自白”をします。 二人目の被疑者が殺害の様子を“自白”するシーン。浜田寿美男流に言えば「犯人になる」つもりにはなったものの殺害に用いた凶器を知らない被疑者に対して、ソン・ガンホ演じるパク刑事が手を胸にあてるしぐさをします。 これを見た被疑者が「ブラジャー(で絞めた)」と供述するわけです。現在のように取り調べが録画されていれば別ですが、録音していても痕跡の残らない誘導です。 最初の被疑者、知的障害があるクァンホの場合。殺害の様子を突然語り始める被疑者。ソウルから来たソ刑事はパク刑事が筋書きを暗記させたのだと思ってとりあわなかったのですが、捜査が行き詰まり疲れ果てた二人の会話の
火曜日 どの記事も似たりよったり(警察発表垂れ流しなのでしょう)なので、記事が消えない産経で代表させます。 -産経新聞 202年2月8日 「公然わいせつ容疑、男子大学生を誤認逮捕 警視庁」 (……)緊急配備中の同署員が近くで背丈や服装などが目撃証言と似ている男性を発見、職務質問した。男性は容疑を否認したが、女性が「あの人に間違いない」と証言したため、現行犯逮捕した。 この種の事例で肝心なのは、この“面通し”がどのような方法で行われたか、です。不適切な手法で行われる“面通し”は誤った目撃証言を誘発しやすいことを記憶心理学は明らかにしています。いかにも「容疑者」という扱いで連れてこられた男性を単独で見せられたのであれば、被害者女性が「あれが犯人だ」と思いこんだとしても不思議はありません。いい加減な報道は目撃証言に対する不信感を醸成しかねませんから、“面通し”の方法が不適切だったのであれば、その
日曜日 シラスウナギの漁が「好調」であると報じられています。 -日本経済新聞 2020年1月18日 「ウナギ稚魚漁、3年ぶり出足好調 店頭価格波及まだ」 「好調」とは言っても絶不漁だった過去2年との比較で、の話です。最盛期に遥かに及ばないことは変わりません。しかし上記記事の見出しにあるようにまず関心が向けられているのは価格の低下です。記事の最後に申し訳程度に「天然のウナギがすみやすい河川の環境整備など、資源を増やす取り組みも欠かせない」とあるだけで、あとはすべて業界と価格の話ばかりです。稚魚数が多いときほどそれが親になるまで育って産卵へと繋げなければならないのですが。この調子では安くなったウナギを場当たり的に消費するだけに終わってしまうでしょう。 ウナギについてはこんな記事も見つけました。 -Nagano Nippo Web 2020年1月27日 「寒の土用ウナギ供養祭 うなぎのまち岡谷の
金曜日 関西テレビの夕方のニュース番組「報道ランナー」で湖東記念病院事件の再審がとりあげられることに番組表を見ていて気づきましたので、録画してみました。約16分の特集です。 これまで私が見てきた報道や番組にはなかった(私にとって)新しい情報として、取り調べの様子についての西山さんの証言があります。 遺体の写真をみせて「これを見ても何も思わないのか/責任を感じないのか」と自白を迫った、とのこと。取り調べを「反省の場」と考える日本の警察らしい取り調べ手法です。 特集の中心になっていたのは「証拠開示」の問題でした。未開示の証拠が約480点あるなかで開示されているのは約180点にとどまることが指摘され、証拠が開示されないことが冤罪の原因究明にとっても障害となっている、と。 元検事の市川寛弁護士は検察が証拠開示に後ろ向きな理由について、「弁護士は邪魔、裁判官は俺の言っているようにやればいい」と考える
火曜日 -毎日新聞 2020年1月22日 「大津園児死傷 地裁、被告の保釈取り消し 論告求刑やり直しの見通し」 このニュースにはさすがに驚きました。「起訴内容を争う」とはいっても事故を起こしたこと自体を否認しているのではなく、先行する報道によれば事故に巻き込まれた「直進車の過失について新たな主張をしたい」とのことにすぎません。被告人の言動はワイドショー的な関心を掻き立てるようなものであるようですが、保釈取り消しはいかなる意味でもペナルティーであってはならず、単に捜査や公判維持の便宜のためにしかあってはならないことです。 カルロス・ゴーンによって日本の「人質司法」への国際的な関心が高まっているときにこのような決定が下ることは、日本が「人質司法」への批判に対して開き直っているというメッセージを国際社会に送ることになるでしょう。 ゴーンの逃亡をうけて、マスメディアでは日本の刑事司法が「ガラパゴス
日曜日 -弁護士ドットコムニュース 2019年12月24日 出口絢「痴漢冤罪の責任は、女性にあるのか? まず目を向けるべきは「ずさんな捜査」の問題だ」 『刑事司法とジェンダー』(インパクト出版会)の著者で先日『痴漢とはなにか 被害と冤罪をめぐる社会学』(エトセトラブックス)を上梓した牧野雅子氏のインタビュー記事が弁護士ドットコムに掲載されています。「痴漢冤罪」については当ブログでも痴漢が捜査当局にも“軽微な犯罪”と認識されていることが主たる原因であって痴漢被害者と「痴漢冤罪」被害者との間に対立があるかのように考えるのは誤りであるという趣旨のことを書いてきましたが、このインタビューでも「痴漢冤罪の問題は、警察や検察のずさんな捜査が問題であり、女性のせいにすることは捜査機関の問題を正当化することに繋がっています」とされています。 また、『刑事司法とジェンダー』の問題意識の延長線上にあると思われ
-Yahoo!ニュース 2019年12月2日 「刑法の性犯罪に関する規定、さらなる見直しが必要か」 強制性交等罪など性犯罪に関する構成要件をさらに見直すべきかどうかについては今回は触れません。ここでとりあげたいのは見直し慎重派の宮田桂子弁護士の発言中にあった一節です。 2017年の刑法改正にあたり、私は法制審議会刑事法部会で委員を務めましたが、この改正自体、必要なかったと考えています。強姦罪から強制性交等罪へ変わったとき、法定刑の下限が懲役3年から5年に引き上げられました(準強制性交等罪も同じ)。これによって、判決に執行猶予が付けるのが困難になりました。 刑の下限が5年だと、酌量できる事情がないと執行猶予がつけられません。酌量の余地のある殺人はありますが、性犯罪ではまず考えられません。裁判官が無罪判決を出すのは勇気がいります。以前なら執行猶予でお茶を濁せました。改正後の無罪判決には、法定刑
木曜日 今年は松川事件発生から70年ということで、記念集会が福島大学で開催されると報じられていました。 -毎日新聞 2019年8月24日 「松川事件70年 無罪確定の阿部さん、冤罪のない社会訴え 9月に福島大で集会」 ところが集会が目前に迫るなか、先日公表が報じられた田島宮内庁長官の「拝謁記」に松川事件に関する記述が、というニュースが飛び込んできました。 -NHK NEWS WEB 2019年9月17日 「昭和天皇「拝謁記」の衝撃」 -NHK NEWS WEB 2019年9月19日 「「国鉄三大ミステリー」松川事件に関する記述も」 1953年11月11日の記録のなかに「一寸法務大臣ニきいたが松川事件ハアメリカがやつて共産党の所為ニしたとかいふ事だが」「これら過失ハあるが汚物を何とかしたといふので司令官が社会党ニ謝罪ニいつてる」との発言がある、とのことです。 注目すべき点の一つはこの日付です
土曜日 -静岡新聞 2019年8月30日 「「証人の警部補が偽証」 弁護士が静岡地検に告発」 警部補は同事件の捜査を担当。公判の証人尋問で、2018年5月に別の男を逮捕した際「被告に覚醒剤を注射された」との供述を得て捜査を始めたと述べたが、開示証拠には同年2月に取得した被告の住民票があった。警部補はその後、2月に被告の捜査を始めたことを認め「情報提供者を守ろうと思った」と事実と異なる証言の理由を説明した。 どうせ開示した証拠と証言の照合などしないだろ、と弁護士を舐めてたのでしょうか? 注目すべきは(1)当初の証言が事実に反することは客観的な証拠に照らして明らかであり、かつ(2)記憶違い等の弁解をせず意図的に事実と異なる証言をしたことを法廷で認めている、という点です。これで刑事事件にならないようなら、警察官は堂々と偽証できることになってしまいます。
土曜日 -産経ニュース 2019年8月13日 「愛媛・女子大生誤認逮捕 手記公開で分かったずさん捜査の中身」 公開された手記によれば取り調べの様子は次のようなものだったようです。 (前略) 取調官は、私が「本当の犯人を捕まえてください。こんなの何の解決にもならない」と言えば、「犯人なら目の前にいるけど」と言い、はじめから私を犯人だと決めつけていました。他にも「やってないことを証明できないよね?」「タクシーに乗った記憶ないの? 二重人格?」「罪と向き合え」など、耳を疑うようなことを次から次へといわれました。 また、自白を強要するかのような言葉を執拗(しつよう)にいわれました。 「就職も決まってるなら大事(おおごと)にしたくないよね?」 「ごめんなさいをすれば済む話」 「懲役刑とか罰金刑とか人それぞれだけど早く認めたほうがいいよ」 「認めないからどんどん悪い方へ行ってるよ」 「今の状況は自分が
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