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だいたい半年ほどにわたってライターの募集案件を紹介してきたが、今回が最終回となる。そこで、さまざまな案件を見てきた筆者からの、ライター募集に関する注意ポイントを列記して終わりたいと思う。なお、すべて筆者個人の私見であることを了解してもらえると幸いである。 ●アフィリエイトブログに注意 最近、激増中なのがアフィリエイトブログによるライター募集だ。アフィリエイトブログは個人が運営しているブログで、広告へのクリック数に応じて発生する報酬を主目的とする。記事が多ければ報酬も増えるので、自分で記事を書かず、ライターを集めて記事を書かせようとするブロガーが増えてきた。検索すると、大量の募集案件が出て来る。また、「いかにライターを管理するか」というブロガー向けの記事もいくつかある。 無報酬ではなく、報酬はあるのだが、固定額ではなく、アフィリエイトに応じて支払われることがほとんどだ。たとえば広告料が500
先日公開されたばかりの『ど根性ガエルの娘』最新話、18話がやばい。 見たほうがはやいので、先に読んでください。 ど根性ガエルの娘 ヤングアニマルDensi 『ど根性ガエル』の作者・吉沢やすみの娘、大月悠祐子が描く、自分たちの家族崩壊の話。 1巻は「つらい過去があったけど、家族は再生してきたよね」的な空気で描かれていた(これはこれで面白い)。 ところが15話で「という理想を、父がへそを曲げないように、編集さんが喜ぶように描いていた」と暴露。 公開された時、ヤングアニマルDensiのサイトが落ちるくらいの騒ぎになった。「エッセイマンガ」としての今までの事実を、ひっくり返してしまったのだ。 その時の様子はこちら。 これは事件だ。ただちに「ど根性ガエルの娘」を読むべし(エキレビ!) 【ネタバレあり】ネットのマンガ好き騒然 「ど根性ガエルの娘」15話で何が起きたのか(ねとらぼ) 話題沸騰電子書籍『ど
ソシャゲ課金を巡る家族のあり方を描く『廃課金四姉妹』が2巻で完結した。 一巻レビューはこちら。 仲良し四姉妹の長女、30歳のハジメは廃課金プレイヤー。ソシャゲのガチャにざぶざぶお金を使うもんだから、預金通帳すっからかん。 今巻は、ハジメの金遣いの粗さに徹底抗戦していたはずの二慈子が、廃課金ユーザーに転落するまでの様子を描いている。 二慈子は課金ガチャには断固反対派。だけど、あるゲームのキャラ・ルージュにちょっとときめいていた。 同じゲームをそんなにやっていなかったはずのハジメ。たまたま無料ガチャチケでSRルージュをひいてしまう。 今まで冷静だった二慈子の心は、めちゃくちゃにかき乱される。 ソシャゲ界隈は何度か「射幸心を煽る」と批判され、ガチャのシステムや表記に対して運用見直しが行われてきた。 でも多くの場合、一番煽るのはそこだけじゃない。他人のあっさり単発で手に入れました報告、いわゆる「あ
今年5月に創刊された電子雑誌『BABY!』がすごい。パパママ向けの子育て雑誌なのだが、「無料」で刊行されているのだ。 無料だし、フリーペーパーみたいな感じかな……と軽い気持ちで開いてみれば、マンガやエッセイを中心に346Pもの大ボリューム。大盤振る舞いがすぎる。 『BABY!』を創刊したのは講談社。モーニング編集部とFRaU編集部の共同編集によって作られている。マンガ誌と女性誌のハイブリッドなのだ。 マンガは読み切りや連載を含め14本を掲載。『クッキングパパ』の作者・うえやまとちによる読み切り「クッキングじーじ」や、鈴ノ木ユウ『コウノドリ』第1巻のエピソードも収録。安野モヨコが2016年に電子書籍で刊行した絵本『オチビサンとおるすばんのくに』も丸ごと掲載されている。 FRaUサイドも負けてはいない。暑くなる季節に向け、日焼け止めの特集や子供服のコーディネイト、子連れ旅行記(行き先はバリ島!
『世界まる見え!テレビ特捜部』『恋のから騒ぎ』『特命リサーチ200X』『1億人の大質問!?笑ってコラえて!』……。どれも日本テレビを代表する人気番組であり、『まる見え』『笑コラ』は20年以上続く長寿番組になっている。 これら全ての番組を手がけ、日本テレビのV字回復に大きく貢献した人物が吉川圭三だ。著書『たけし、さんま、所の「すごい」仕事現場』では、ビートたけし、明石家さんま、所ジョージといった大物たちとのエピソードを綴り、数々の人気長寿番組を生み出す秘訣を明かしている。吉川は、長寿番組になるか否かは「『初期設定』と『運営方法』で決まる」という。 例えば『恋のから騒ぎ』の出演者は、番組開始当初から「ゲスト以外は全員18歳から29歳の素人」「ただし水商売を除く」というルールを厳守していた。職業差別ではなく、より素人っぽさにこだわった結果だった。ルールを守るためには、オーディションで水商売か否か
小沢健二が復活した。“90年代の王子様”の帰還である。 今振り返ると、たしかに90年代は音楽界にとって有益な時代であった。メインストリートでは小室哲哉プロデューサーが時代を席巻。一方では「渋谷系」がうるさ型のかゆいところに手を伸ばし、その欲求を満たすことに成功していた。 「GINZA」4月号にて、岡村靖幸が小室哲哉、小西康陽とそれぞれ対談を行っていた。 まずは、小室と岡村。2人は古くからの関係で、今回の対談はそれほど珍しい座組じゃない。このカップリングで特に印象深いのは、90年代に放送されていた小室哲哉司会『TK MUSIC CLAMP』(フジテレビ系)に岡村がゲストとして登場した回である。 我が世の春を謳歌していた小室に対し、あの頃の岡村は病んでいた。太ってるし、視線はおぼつかないし、滅多に外出してなかったのか、そもそも人と接するのに慣れてない。「後輩・岡村靖幸を先輩・小室哲哉がカウンセ
トップ 新刊情報 芸能人100人分の「なんでそんなこと言うの?」を一冊で『人生でムダなことばかり、みんなテレビに教わった』 「フライドチキンのような大人になりたい」(清水富美加) 「僕は理想の俳優がウォーズマンなんですよ」(堺雅人) 「並大抵のやつだったら、俺殺せるなって思って」(鈴木拓) 芸能人がテレビで発した何気ない一言。なんでこんなことを!?という発言の裏には、過去の体験や大事なポリシーが存在する(はず)。その背景を豊富な資料から読み解くのが、『人生でムダなことばかり、みんなテレビに教わった』だ。 例えば冒頭の鈴木拓の発言。気弱そうな外見の鈴木だが、実はブラジリアン柔術の使い手で、その強さは折り紙付き。番組でスベってもSNSで炎上しても「どうせ殺せるから、いっか」と前向きでいられるというのだ。 本書には、テレビっ子ライター・てれびのスキマが収集した100人分の発言が文庫一冊にぎゅうぎ
ようやく21世紀のラブコメが登場したな。いやぁ大傑作。 ラブコメSFマンガの大傑作だ『白馬のお嫁さん』。 まだ1巻しか読んでないけど、読んだ興奮を抑えるために紹介しよう。 ゲリラ豪雨でびしょぬれになった主人公の氏家くん。 入寮してすぐに「ちょうど新1年生の入浴時間だからすぐ入んなさい」ってことで、 入ったお風呂には、全裸の美少女が三人。 って、ここまでだったらベッタベタの旧世紀ラブコメ。 この美少女三人の性器が、見たこともない姿形。 「風呂に入ったら未知の性器」 語る美少女の詳細な説明はマンガを読んでもらうとして、ざっくり申しますと 「Y染色体を持った産む男」。 美少女ではなくて男なのである。 「あ~あ お嫁さんがほしい!」という女性のためにデザインされた男の新しいバージョンなのだ。 舞台は、遺伝子デザインがそう珍しくないほど技術も進歩した2063年。 とはいえ、見た目はほぼ全裸の美少女。
当時、24歳の若手ライター青柳美帆子の相談を、49歳のベテランライターであり編集ライター養成講座講師の米光一成が受ける。 若手ライター青柳美穂子の赤裸々な現状(収入、人生、精神状態など)が語られ、議論は白熱していく。 客席の編集者ライターも巻き込み、ヒートアップする様子をテキストで再現したのが電書『若手ライターはいかに生きるべきか』だ。 構成は与儀明子。 元となったイベントは、2014年11月1日に高円寺パンディットで開催された。 語られる内容は、以下。 ・40歳の壁問題 ・月収の変移 ・ライターはクリエイターと呼べるのか ・得意ジャンルを持つ意義 ・失業保険ない怖い ・年収いくらを目指すのか ・ウェブと紙 ・半ページ5万円!? ・サブカルというジャンル ・結婚してる人を聞いてください ・家のお宝を売ってしのぐ ・若いときに貯めておくべき3つのモノ ・志を持って餓死していくんだという人 ・
下乳から背中にかけて、くっきりと下着の跡がついている。 腕を上げたときに、肩に寄った肉もそのまま見せてしまう。 軽く閉じた腋のしわ3本だけをアップにした写真もある。 例えばアイドル写真集であれば、そういったノイズは写らないようにしたり修正したりするかもしれない。 しかし、写真集『まみれる』には「この跡や肉を見せたい」というカメラマンの意思を感じる。 写真家の名前を二度見した。 放送作家・小山薫堂。熊本県のゆるキャラ「くまモン」の生みの親だ。 大きく広げた太ももを腹部に押し付けると、股間にかけてなめらかで柔らかそうな曲線が生まれる。 ずり下げようとした下着から、ゴムの跡とホクロがのぞく。 すくって塗りたくった泥が、おっぱいの肌のキメや手のしわ1本1本に入り込む。 葉加瀬マイの表情には笑顔も挑発もほぼない。つるりとした人形のような顔とうらはらに、その体が「生身であること」を訴えてくる。面白い。
「すごーい!」「たーのしー!」でおなじみ、「けものフレンズ」のコミック版2巻が、2月10日から配信されている。 できがいいだけに、ものすごく連載と発売のタイミングがもったいない作品。 主人公の人間の少女・菜々は、ヒトの形をして言葉をしゃべることができる動物「フレンズ」のいる「ジャパリパーク」の飼育員になった。 彼女が受け持ったのは、元気で明るいサーバルちゃんと、気が強くてワガママで、ツンデレのケがあるキタキツネさん。 キタキツネさんはいかんせん常識を知らない。買い物の概念がないので勝手にお店のものを食べてしまう。肉まんをあちこちで食べ散らかす。 先生的立場で、フレンズをしつける日々が始まった。 「艦これ」の提督と艦娘のような関係と似ている。 ただし、フレンズの活動場所はパークの中のみで、飼育と管理の主従関係がはっきりしているのは独特。 これは「生き物は全て平等である」というテレビアニメ版の
『スティーブズ』『ニブンノイクジ』等で人気の漫画家うめの小沢高広さんが『日経エンタテインメント! 2017年3月号』で、「マンガの『初速』問題は、CD業界の握手商法と同じ」という話を書いた。 「話題になったから書いたんじゃなくて、書いたの二ヶ月前なんだよ……」とちょっと愚痴っておった。 が、まあ、紙媒体は出るまでに時間がかかる。しょうがない。 まだ記事は読んでない。 もちろん読んでから書こうと思ったのだが、電書版が見つからなかった。 書店まで行きたいが、「昼までに原稿くれー」と言われているので時間がない。 ので、読まずに、内容を予想して、書く。 「ハックだから、そんな方法は続かないよ」って話題だろう。 そりゃそうだ。 初速が良ければ売れるというデータがある→初速だけをチェックして続刊の有無を決めよう→読者に頼み込んで初速を強引に伸ばそう→初速が良ければ売れるというデータに信憑性がなくなる→
●ネットの流れと、「ど根性ガエルの娘」異例の緊急紙媒体出版 「ど根性ガエルの娘」が1月20日公開分の15話で、ネット中に一気に話題が広まった。 これを受けて、2月17日に紙媒体書籍版の発売が決まったそうだ。 紙媒体の出版はそれまで全く予定になかった。 「ど根性ガエルの娘」1・2巻の紙コミックスが、2/17(金)に緊急刊行と決定いたしました!先週1/20公開の最新話を「衝撃の第15話」と皆様が話題にしてくださってお陰です…!それからサイトがサーバダウンを連発したことが社内でインパクト大でした(笑)(つづく㈰) — ヤングアニマル編集O野木 (@ya_onogi) 2017年1月26日 「ど根性ガエルの娘」は、最初は週刊アスキー連載で、KADOKAWAから書籍版1巻が出版されていた。 この時、電子書籍版はない。 途中から白泉社の「ヤングアニマルDensi」に移籍。 絶版になった1巻と、「アニマ
最初に聞いたときは、無謀なイベントだなーと思った。 できるの?と思いつつ、打ち合わせして、無謀だから面白いなと思って、審査員を引き受けることにした。 編集者と作家とデザイナーがタッグを組んで、二日間で短編を書き上げるイベント「NovelJam」だ。 2017年2月4日と2月5日で開催、全17作品が、電書「BCCKS」にアップされた。 二日目の午後11時、会場に入る。 集中と熱気がミックスした独特の雰囲気。 30人近い人々が、3人1チームで、机を囲んで、だが、それぞれがパソコンと格闘している。 視覚的な絵としては、みんながわいわい議論を交わしてうるさそうだ。 が、ときどき「いや、これは物語の本筋に関係ないから削ろう」なんて声が漏れ聞こえてくるだけで、会場は静か。 ときどき笑い声と会話が聞こえてくるのは、奥側のイラストチーム。 言葉を書く場と、絵を書く場って、雰囲気がめちゃめちゃ違う。 昼の1
「映画秘宝」系映画好きをこじらせすぎて、なかなか趣味仲間ができない30代女性、木根真知子。 映画はあまり観ない初心者、離婚して木根真知子の家に転がり込んだ佐藤香澄。 二人を中心に、映画を巡る激論の日々が続く。 「木根さんの1人でキネマ」は、「映画を見る人」の生態や偏見、愛情に憎悪、論破合戦を描いたドタバタコメディ。 2巻では「ジブリ作品」をテーマに、「ジブリ見てないなんておかしい、という風潮」を描きながら、「ジブリでどの作品がオススメか問題」で、木根(ジブリ見てない)以外が大喧嘩。 これがネットで賛否両論、というかキャラと一緒に大騒ぎ。 ジブリに関して言いたいこと・譲れないことって、あるあるすぎる。あ、ぼくは「紅の豚」派です。 電子書籍配信がはじまったばかりの3巻では 「「スターウォーズ」の知識を振りかざす、オタク第一世代の懐古主義問題」 「子どもに「ジョーズ」のような映画を見せていいのか
「1週間以内に本屋で買ってくれないと重版されない」って脅されると買いたくなくなる って記事を書きました(以下、「1週間以内…」と略します) ざっくりまとめると、 「1週間以内に本屋で買ってくれないと重版されないのでお願いします」といった宣伝ツイートを見ると、 「なんで、そんなそっちの勝手な都合を押し付けるの?って思って買うのやめたことある」 って言ってる人に少なくとも3人は会った。 ということを書いた記事です。 これが賛否両論、たくさんのリアクションをいただきました。 ぼくの書き方が甘いせいか誤解されてしまった部分があります。 「脅しのような宣伝ツイートがあると買う気がなくなるという人は、はなから買う気がないだろう」 という意見をいただきました。 「そういう層ははなから買わないから相手にしなくていい」といった意見もありました。 編集者だと名乗っている人で、同様な意見がありました。 「1週間
電書の可能性のひとつに、軽やかさがある。 パッと出せる。 翌日に出すこともできる。 いや、1時間で出版できる。 2011年に、実際にやってみた。 →1時間で電子書籍を出版できた! 電書絵本「さよならうさぎ」制作実況 作って、出版まで、全行程が1時間でできるようになった。 Kindleで出すのだってそれぐらい気楽にやっていいはずだ。 と改めて実感したのは『週刊トランプさま』を読んだから。 これ、すごいです。 小学生のときに、不動産王トランプの伝記を読んで、そのアメリカンサイズっぷりに萌えた「OLひなこ」さん。 トランプさまの動きを追っかけるために英語を勉強し、英語サイトをガンガン読んでいる。 そして、 10年の時がすぎて、すっごく大好きなおじ様が大統領就任! そこで、週刊電書を刊行スタート。 それが、『週刊トランプさま』なのである。 おおおお。 話し言葉をベースにした文章。 週刊で出すスピー
サイト名は「Komiflo」。 現在は月額980円(税抜)で、ワニマガジン社が出している「快楽天」「失楽天」「快楽天BEAST」「X-EROS」の4誌が、バックナンバー9ヶ月分込みで読み放題。 今後は、他社の本やオリジナルコンテンツも配信予定で、バックナンバーも最低1年読めるようにするようだ。 長所短所を含めて、成年コミックの電子書籍配信大手DMM.R18と比較しながら紹介したい。 Komifloの長所 1.雑誌の発売時とほぼ同時に配信される ワニマガ4誌はDMM.R18やAmazonなどでも、電子書籍配信は行われている。 しかし配信される時期はかなり遅く、二週間以上ズレがある Komifloは雑誌の発売とほぼ同時に配信される。さすが自社コンテンツ。 2.バックナンバー検索機能がめちゃくちゃ便利 成年コミックを買う時に読者が求める最重要の要素、「自分の性癖にあっているか」。 一冊の雑誌に載
アオシマ書店が気になるニュースのリンク集だよ。 ■叶姉妹が夏コミに参加か。 夏コミに降臨して話題を読んだ叶姉妹が「サークル参加申込書セットが届きましたよ」とブログを更新。どんな薄い本を出すのか、と庶民はおののく→夏のコミケ❤92「サークル参加申込書セット」届きましたよ…✨✨:ABUNAI SISTERS 叶姉妹オフィシャルブログ ■「なぜ電子出版は軽視されるのか」が良記事 電書を活用して紙の本も伸ばした実例や、さまざまな販売方法(「1冊1冊に合わせた付加価値を付けて売ることを意識する」!)の紹介もある良記事。 →なぜ電子出版は軽視されるのか:青柳美帆子:ITmedia ビジネスオンライン通信」 ■2017年本屋大賞ノミネート作品決定 「2017年 本屋大賞」ノミネート10作品が発表になった。 西加奈子『i』 原田マハ『暗幕のゲルニカ』 村山早紀『桜風堂ものがたり』 川口俊和『コーヒーが冷め
2017年本屋大賞最有力候補、森絵都『みかづき』をベースに塾の歴史年表を作ってみたよ。 (拡大画像はこちら) 怒濤の学習塾大河小説『みかづき』(森絵都/集英社)が面白い。 全八章。467ページと分厚いが、リーダビリティめちゃ高いので、ずんずん読める。 読み終わって圧倒される。 教育業界の歴史が、綿密に組み込まれている。 親子三代が奮闘する塾の勃興期から成熟期まで。 アンチ文部省で塾を巨大化しようと必死になる千明、大きくすることには乗り切れない個別教育派の吾郎。 さまざまな教育観の対立が巻き起こる。 そこで、『みかづき』を読むガイドとして、年表を作ってみた。 「『みかづき』(森絵都/集英社)における学習年表」だ。 小説の詳しい紹介は、エキレビ!2016年最高に心震えた。森絵都の描く波乱万丈学習塾小説『みかづき』を読んでね。
「1週間以内に本屋で買ってくれないと重版されないのでお願いします」といった宣伝ツイートを見ると、 「なんで、そんなそっちの勝手な都合を押し付けるの?って思って買うのやめたことある」って言ってる人に少なくとも3人は会った。 こういう消極的な意志はなかなか届かない。 本好きで集まったとき、話題にした。 「最初はあわてて買ってたけど、さすがにいくつもあるともう無理」 「脅されて買った感じになって、気分良くないよね」 「どう考えたって、そんな自転車操業やってたら滅びるでしょ」 「だいたいそういうツイートされるコミックスって、うちの近所の本屋には入ってないんだよね」 とあれこれ感想が出た。 ぼくはゲームデザイナーだ。 ゲームをつくっていたときは、発売日前は販売促進でインタビューやイベントやらで動いてた。 その後、本を出したとき、本の世界ではそういうのがあんまりなくて驚いた。 販売初日を重視してない感
制作発表されたとき、誰もが「まさか」と思った池波正太郎原作の時代劇『鬼平犯科帳』のアニメが1月9日よりスタートした。 1話終了した時点での視聴者の感想は、「この殺陣、滅茶苦茶カッコイイ!」「声優陣渋くて豪華」「今期の作画アニメ枠」「完璧か」「覇権枠でいい」と当初の予想に反して(?)大評判となったアニメ『鬼平』の関連電子書籍が次々とリリースされている。 まずは、『アニメ「鬼平」公式設定資料集』(文春e-Books)がKindleほかで無料配信中(3月31日までの期間限定)。主な登場人物の設定画、長谷川平蔵の役宅内部を細かく描いた「美術設定」、日本刀などの小物についての「小物設定」、丸山正雄プロデューサー(『この世界の片隅に』を作った人でもある)のインタビュー、声優の堀内賢雄、朴璐美インタビュー、13話までのあらすじなど盛りだくさんの内容だ。これ全部無料! 次に、アニメの原作になったエピソード
「響け!ユーフォニアム2」原作者の武田綾乃は、アニメ10話についてこんな感想を述べていた。 今日のシーンは本当に書き上げるのに苦労したので、自分の中で一番思い入れがある箇所だったのですが、放送を見て衝撃を受けました。小説を書いているとき台詞というのは脳内に文字が浮かんでいる感じなのですが、アニメを見て、久美子はあの時こんな風に話していたのか〜!と感激しました。 — 武田綾乃 (@ayanotakeda) 2016年12月7日 今夜放送の11話前に、メインの声優・黒沢ともよと寿美菜子の演技がすごかった、10話を振り返ってみたい。 見逃した方はニコニコ動画とAbemaTVでチェック! ●姉は味噌汁を焦がした 大学をやめて美容師になりたいと騒いでいた、久美子の姉の麻美子。 父からは8話で「自分に都合が良すぎる」と叱られ、言い返すことができなかった。 姉は実家を出ていくことに決めた。 その時に家族
物理的な制約から解放された電子書籍。可能性が拡がった。 倉庫に作った本が余りまくって決算期を超えるからって断裁して捨てなきゃ、みたいなことがなくなったので、珍品でも出せるようになった。 というわけで、自分でもKDP(Kindleダイレクト・パブリッシング)で『思考ツールとしてのタロット』『あたらしいじゃんけんをつくろう』などの電子書籍を出している米光さんが、電書の凄さを感じさせる「これを読んでみてよ!」っていうモノを紹介するシリーズ「電書の可能性」。 第四弾は高田明弘『パイ文 円周率1,000桁の覚え方』だ。 円周率を10桁ごとに、語呂合わせで文章にした本である。 タイトルに「覚え方」とあるのに、「はじめに」でいきなり“この本を読んだからと言って、すぐに円周率を覚えられるものではない”と宣言される。 じゃあ、なんでこんな本を作ったのか? “面白そうだった”から! この潔さ。 そして、本当に
こうの史代『夕凪の街 桜の国』は傑作だった。 原爆投下後の広島市基町を舞台に生き延びた人を描いた作品だ。 2004年度文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞、第9回手塚治虫文化賞新生賞を受賞した。 現在、ポイント51%還元セール中(2016/11/21)! 2008年に、こうの史代の新作『この世界の片隅に』が出た。 広島県呉市が舞台、主人公は浦野すず。 正直なところ『夕凪の街 桜の国』が全身全霊を込めた傑作に映っていたので、読む前は、その補足的な作品だろうとさえ思っていたが、違った。 最初の3篇は読み切り短編として掲載された。 昭和9年1月、「ひとさらい」にさらわれた浦野すずを描いた短編。 昭和10年8月、お祖母ちゃん家での一日を描いた短編。 昭和13年2月、好きな場所を写生する授業。「帰らん お父とお母がのりも摘まずに飲んだくれとるし。描かん 海 嫌いじゃし」と言って絵を描かない水原くんに「
『ニンジャスレイヤー』シリーズの翻訳者の手による翻訳短編小説集『ハーン・ザ・ラストハンター アメリカン・オタク小説集』が10/26に発売されました。この不思議な作品を語るには、幾つかの説明が必要です。 まず『ニンジャスレイヤー』の説明が必要でしょう。『ニンジャスレイヤー』はアメリカ人のブラッドレー・ボンド氏とフィリップ・N・モーゼズ氏の描くサイバーパンクニンジャ小説であり、濃厚なドラマ性とアクション描写、そしてどこかおかしい日本描写(日本人の一般的な悲鳴「アイエエエエ!」など)がないまぜとなった怪作です。同作品のファンであった本兌有氏、杉ライカ氏などにより邦訳ツイッター連載が始まると、日本でも大ブレイクし、アニメ化もされました。 そして本作『ハーン』は、ボンド氏から「日本を題材にしたアメリカの同人誌」を多数託された本兌、杉両氏が、膨大な作品群の中から幾つかの短編をセレクトして翻訳し、短編集
ドラマ『地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子』がめっちゃ楽しい。 ので原作『校閲ガール』を読んでみて驚いた。 小説『校閲ガール』は、第5回R-18文学賞大賞・読者賞『花宵道中』でデビューした宮木あや子の作品。 これは凄い。 ドラマ化に際して大胆なアレンジが加わえられている。が、原作のエピソードを活かして再構築している手際が見事なのだ。 小説版は小説の良さを、ドラマ版はドラマの良さを、存分に発揮し、「校閲ガール」という物語世界を作り上げている。 たとえば、主人公悦子の設定。 小説は、“新卒入社し校閲部に配属されて二年目”。 ドラマは、中途採用で新人という設定だ。 小説では、地の文などを使って校閲の仕事について解説ができる。 だがドラマでそれは難しい。誰かがセリフで解説したほうがスムーズだ。 そうすると、誰かが無知でなければならない。全員が校閲について知っている中で解説すると不自然だからだ。
時折インターネットで話題になる「HG創英角ポップ体」。 アニメ『キルラキル』タイトルでインパクトを残した「ラグランパンチ」。 見たことある! と思うが、見分ける自信はない。 フォントに詳しければ、資料もかっこよく作れるのに。そう思いながら、今日もひとまず「メイリオ」を選ぶ……。 フォント音痴(フォン痴?)から脱却したいなら、デザインとグラフィックに関する総合情報誌『月刊MdN』が見逃せない。2016年11月号の特集は「絶対フォント感を身につける。2」だ。 絶対フォント感。それは目にした書体を即座に見分け、その名前を言い当てられる能力。 冒頭では、特別付録『絶対フォント感を身につけるためのフォント見本帳 2016』を持ち、フォントを探して街を散策する様子を紹介している。 フォント見本帳を使って、好きな本の表紙に使われているフォントを探してみた。 まずは明朝系かゴシック系かを分類する。 「お」
物理的な制約から解放された電子書籍。可能性が拡がった。 紙の本で、フルカラーのイラスト集を出すのはたいへんだった。 印刷費は高くなるし、色味の調整も困難を極める。 紙やインクによって発色の具合が変わってくるので、作家が思い描いた色味を出すには印刷的な技術が必要になる。 そう考えると、手軽に出したい場合、カラーイラスト集はとても電書向きだ。 というわけで、自分でもKDP(Kindleダイレクト・パブリッシング)で『思考ツールとしてのタロット』『あたらしいじゃんけんをつくろう』などの電子書籍を出している米光さんが、電書の凄さを感じさせる「これを読んでみてよ!」っていうモノを紹介するシリーズ「電書の可能性」。 第三弾は松野美穂『熊本大分のうまいもん教えて』だ。 松野美穂さんは、水彩イラスト・フードイラストを描いているイラストレーター。 虚人出版の『怪人二十面相』Kindle版のカバーイラストも手
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