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akuto9book.exblog.jp
とてもいい本。 介護施設は聞き書きの宝庫。お年寄りの語りに興味を持ち、根気強く聞き続け、考え、その語りの基となる各人の魅力的な過去を引き出すことに成功している。それは六車さんの、人への強い好奇心と、過去への想像力のなせる技。すばらしい。多忙な介護現場に身をおいた上での実践なので説得力がある。「回想法」の手法に限界を感じ、「介護民俗学」を提唱する。 私も、年々増えているお年寄りのお客さんと応対していて、繰り返しや意味不明の発言に「困ったなあ」と思わされる局面に遭遇することがよくあるのだが、根気よく彼らの言うことに耳を傾けていると、突然「!」と発言の真意に突き当たることがあり、その時は「そうだったのか!」と新鮮な感動をおぼえる。この時、「困ったお年寄り客」から「様々な経験を重ね、老いてなお好奇心旺盛な人生の先輩」へと認識が変わる。そんな経験があるだけに、この本を大いに共感して読むことができた。
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