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(58) 2020/01/10 高円寺HACO 佐藤洋一(早稲田大学)「全米調査したけれど〜個人的大規模調査の陽と陰」 今回は、佐藤さんに、戦後占領期に日本で撮影された写真を求めて、アメリカの公文書館や図書館を訪問した調査での経験を元にお話いただきました。さらっと書きましたが、車で4万キロ走って、35箇所の図書館で150あまりのコレクションに目を通して、8万枚の写真を撮影する…というのは並大抵のことではありません…。 写真を使った都市史の研究という観点から写真を渉猟し、何が写っているのか、どう撮られたのか、なぜ撮られたのかを考えていこうとする佐藤先さんのアプローチは、太平洋戦争直後の日本占領期というある意味で特殊な期間を対象にした場合、必然的にアメリカに、公的・私的に残された写真を対象とすることになります(その際に、何が公的で何か私的なのか…という問題は当然あります)。佐藤さんが今回調査し
一年がかりでやってきた10周年記念イベントが一区切りがついて、元号も改まって…ということで、やってることは全然変わらないので完全に気分の問題なのですが、「勉強会@中央線Z」という旗を掲げて12年目に突入していきたいと思います。 新シリーズ初回は、この4月に上京してこられた福島幸宏さんの歓迎会も兼ねて、一席お願いしました。珍しく、現在の自分の本業にガッツリ関係するネタでもあります。 (55) 2019/5/24 高円寺HACO 福島幸宏(東京大学)「デジタルアーカイブの今後ー見世的な整理と個人的野望」 事前には、ざっくりと「今後の企みというか目指すところを話してほしい。それらを踏まえて議論しましょう」とだけ、福島さんにお願いしていました。 当日の福島さんからは、ここ四半世紀の日本におけるデジタルアーカイブ」の系譜とその射程範囲及び関係者をざっと整理した上で(「デジタルアーカイブ」は日本にしか
このネタの投稿はかなり久しぶりだが、前エントリー「和田万吉の「旅客の為めに図書館(2012/8/15)」の続きを、備忘をかねて。 シベリア鉄道紀行史―アジアとヨーロッパを結ぶ旅 (筑摩選書) 作者: 和田博文出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2013/01/01メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (2件) を見る最近読んだ『シベリア鉄道紀行史:アジアとヨーロッパを結ぶ旅』において、1911年(明治44年)6月23日の朝日新聞に掲載された「汽車中の図書室 簡単なる旅中の伴侶」という記事が紹介されていた。概要は次のとおり。 アメリカ横断鉄道やシベリア鉄道等の欧米の長距離鉄道に設けられている図書室を参考に、鉄道院が神戸〜新橋間の鉄道(1,2等列車)に試験的に設けることにした。 喫煙室の一角に書架を設け、本を(120-130冊くらい置きたいところ)差し当たり40冊ほど置い
国立国会図書館所蔵の敦煌文献に関するメモ。適宜追記していく(最終更新日:2023/11/25)。 敦煌文献一覧*1*2 WB32- 1(M) 金剛般若波羅蜜経(写1巻)×○ 濱田徳海旧蔵。 WB32- 2(D) 金光明最勝王経 巻第9(写1巻)×○ 濱田徳海旧蔵。 WB32- 3(M) 金録晨夜十方懺残巻(写1巻 残背文字あり)△― 濱田徳海旧蔵。道教文献(唐代の金(竹+録)斎儀のうち十方懺に関わる内容)。元はスタイン3071と同一の巻物。ペリオ2989は同一の書物を書写したもの。[神塚2013]背面の「諸寺付経暦」(826/827年)からは、当時敦煌には17寺があったことが分かる。[土肥1980]濱田購入の前に安藤徳器が北京で見かけた。[岩本2014] WB32- 4(D) 四分戒本(写1巻)△○ 濱田徳海旧蔵。 WB32- 5(D/D) 浄名経関中釈抄 巻上(道掖撰集写1巻)×△ 濱田
「勉強会」なるものはいつ登場したのか?ということが、最近、気になっています。 ビジネス系の雑誌とかでよく「最近は勉強会がブームで…」というフレーズを見かけますが、少なくともこの10年は断続的に見かけています。少し遡ると、1987年には『社外人脈・知脈のつくり方 : 「社外勉強会」のすべて』(佐々山晃著、ぱる出版)という本も出版されています。 じゃあいつからやってるんだろうと、色々なデータベースを遡っていくと、出るわ出るわで、結局、明治時代に行き着きました。1895年の『風俗画報』99号に「講武所芸妓勉強会」という記事です。記事の出た2年ほど前から、店の垣根?を超えて芸妓さんが月一回神田某所に集まり、ともに芸事の熟達に励む…ということで、会費は自腹、幹事は2名交代制とするなど、1950〜1960年代くらいからビジネス系の雑誌記事で見かけるようになる社外勉強会とほぼ同じようなことをやっていたよ
3人幹事体制だった「勉強会@中央線」を21回、2人幹事体制だった「勉強会@中央線NEO」を18回やって辿りついた基本1人幹事体制の「勉強会中央線RT」の4回目は、色々あって久しぶりの開催となりました。 今回のテーマは学校図書館。密かに温めていたテーマなのですが、誰にどうお願いするのか定まっていなかったのでこれまで手をつけませんでした。 いきなり私事で恐縮ですが、子どもの授業参観で小学校を訪れた際、20年ぶりに学校図書室(館)と再会しました。 今でこそ「図書館」で働いていますが、自分の過去を振り返ると、小学校時代は図書室に行った記憶はほとんどなく、中高時代もテスト前に図書室の机で少し勉強した程度で、「再会」と言っても、これまで学校図書室(館)と関わってきたことがありません。 しかし、学校図書室(館)は自分の生まれる前から存在し、自分の子どもが通っている小学校にも存在します。そして、2014年
かねてから予告していましたが、今月発行の『Library Resource Guide』13号において、先日休止が発表されたLibrary of the Yearの特集が組まれています。Library of the Yearの10年間の歩みを、記録としてまとめるとともに(ここは編集部のお世話になりました)、運営サイドからの振り返りと、研究者による分析を加えるという3部構成で、私は振り返りを担当し、分析は2011年から選考委員も務めて頂いた皇學館大学の岡野裕行さんに担当してもらいました。 Library of the Yearについては、公式ホームページ以外では幾つかの論文や書籍で言及されているものの、これまでまとまった記録はなかったので非常に良い機会となりました(企画を立て、執筆を始めた時点では「10年を区切りとした休止」は決まっていなかったため、途中で書きぶりを調整することになったのは計
これまであまり明確にしてきませんでしたが、Library of the Year(LoY)には立ち上げの2006年以降ずっと関わってきました。もちろんボランタリーです。誘われて関わるようになったのですが、最初は事務局仕事を手伝いながら、第1回(2006年)では農林水産研究情報総合センターの、第3回(2008年)では恵庭市立図書館のプレゼンタをやり、そして第4回(2009年)以降は、選考委員会の副委員長として選考全体の取り回しをしてきました。 そんなわけで、先日の第17回図書館総合展のフォーラムの一つとして自分が企画したLibrary of the Year10周年記念フォーラムにはとても感慨深いものがありました*1。9月に入って急遽開催できることになったこともあり、シンプルに創設メンバ(高山正也先生・田村俊作先生・大串夏身先生。それぞれ微妙に方向性が違うのがミソ)から過去の受賞機関*2の関
第2回LRGフォーラム・菅谷明子×猪谷千香クロストークに参加してきました*1。当日の記録などは、雑誌『LRG(ライブラリ−・リソースガイド)』の次号にも掲載されるらしいので、ここでは備忘を兼ねて感じたことなどを簡単にまとめておきます。 登壇者の一人、猪谷千香さんは今年出された『つながる図書館』でここ数年における注目すべき図書館の取り組みをジャーナリスティックにまとめていて、これからの「図書館」を考えるための一つの出発点になるものだと思います。そして、この本のミソは、この出版イベントに参加して感じたことでもあるのですが、ターゲットが「図書館業界以外の層」にある点。この結果、「考える」主体は<図書館業界より大きな集合>になります。そして、もう一人の登壇者、菅谷明子さんは11年前に出された『未来をつくる図書館』でニューヨーク公共図書館の取り組みの紹介したことで、結果として(従来の貸出に偏ったサー
これから書くことを一言で片づけてしまうと、「馴染みのバーが閉店してしまった」ということだ。 **************************** 代々木八幡のショットバー、ミュアウート(MioRuilt)。腕の良いマスターが一人で切り盛りする、カウンターだけの小さな、けれども本格的なバー。2014年1月28日をもって、12年近い歴史にひっそりと幕を下ろした。 就職を機に上京してから結婚するまでの足かけ5年と半年、代々木八幡に住んでいた。狭い四畳半の空間で一人悶々としているのも空しいので、僕の上京ととほぼ同じタイミングで開店した近所のバーに通うようになった。それがミュアウートだった。 そこでは、代々木上原〜代々木八幡界隈に住む/働く人が夜な夜なカウンターに座って、酒を飲んだり、お喋りを楽しんだりしていた。誰でも知ってるようなIT企業の社長さんから近所の商店街のおっちゃんまで様々な生業を持
つながる図書館: コミュニティの核をめざす試み (ちくま新書) 作者: 猪谷千香出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2014/01/07メディア: 新書この商品を含むブログ (39件) を見る最近刊行された猪谷千香さんによる『つながる図書館:コミュニティの核をめざす試み』は、全国各地で同時多発的に取り組まれている「図書館」と「図書館的なもの」をめぐる様々な取り組みの<いま>を切り取った(そしてストーリーを持たせた)レポートとしてうまくまとめられていました。そう言えば、「新書」という業界外の人も手に取りやすい形で図書館のことが本になるのは、(図書館の使い方…等のハウツーものを除けば)2003年の『未来をつくる図書館』以来ではないでしょうか。未来をつくる図書館―ニューヨークからの報告― (岩波新書) 作者: 菅谷明子出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2003/09/20メディア: 新書購
2013/4/18付で図書館総合展運営協力委員という肩書を拝命することになりました。任期は1年。浅学非才の身ではありますが、推薦頂いた方々のメンツを潰さないためにも、精一杯務めさせて頂きます。 図書館総合展は、今や業界最大手に成長したイベントで、今年で15回目を迎えます。 業界外の友人からは「は?図書館で何やるの?」とよく言われるのですが、公式サイトに「図書館総合展とは、図書館を使う人、図書館で働く人、図書館に関わる仕事をしている人達が、“図書館の今後”について考え、「新たなパートナーシップ」を築いていく場です。当日会場では、図書館にまつわる様々なフォーラムやプレゼンテーション、多様な団体によるポスターセッション、そして企業による最新の技術や動向が伺えるブース出展など、様々な企画が行われます。」ということですね(ここに来ると、世界は全て図書館を中心に回っているかのような思いにとらわれるので
"業界関係者にしか認知されていない図書館サービス"として揶揄されがちなものの一つに、「レファレンス・サービス」というのがある。ざっくりまとめると、図書館員による「ユーザの調べ物をお手伝いする」行為全般を指し、「質問に答える」という受動的なものから、使えるコレクションの構築や予めヘルプとなるツール(業界では「パスファインダー」と呼ぶ)の作成といった能動的なものまで、多岐にわたるものだ。しかし一方で、「質問に答える」という狭義の解釈に押し込めようとする人も多い。 これは色々な理由があると思っているが、その一つにはサービスの実態がよく分からない→図書館(員)によって解釈がバラバラなままにサービス→ユーザも認識しづらい→サービスが定着しない…という負のスパイラルがあるのではないかなーという気がする。 ところで、「レファレンス・サービス再考」というエントリーでも書いたが、僕はひところ、レファレンス・
ここ2年余りの間に、3つのトークイベントに関わる機会に恵まれました。2011年の2つは石けんブラザーズ(2010年の図書館総合展で開催されたL-1グランプリ出場のために結成したユニット)名義で実施したもので、昨年に開催したものは勤め先の有志で開催したものです。 2011-02-16 「『知』が拡散する時代のアーカイブ・キュレーション」を開催 2011-11-13 「「知」が拡散する時代の「公」と「私」」を開催 2012-02-16 「学びの環境を再定義する」を開催 これまで「やりっ放し」で放置してきたのですが、さすがにまずいので、ここでひとまずの振り返りをしておきたいと思います(都度都度考えた企画を、今になってあたかも一連のものとして考えてきたかのように書いているので相当苦しいのは書いている本人が一番良く分かっているのですが…)。 一連のトークイベントの出発点となったのは、L-1グランプリ
先日告知した、Library of the Year 2012最終選考会@第14回図書館総合展が本日、盛況のうちに終了しました(実数は未把握ですが、過去最多の200人近い方に参加頂いたようです)。私自身は本業の都合で参加することはできなかったのですが、中の人の一人として、参加頂いた皆さんにお礼を申し上げます。どうも有り難うございました。優秀賞を受賞されたCiNii、saveMLAK、三重県立図書館の関係者の方々、最優秀賞を受賞されたビブリオバトル関係者の方々、おめでとうございました。また、円滑な運営を実現してくれたスタッフの皆さん、お疲れ様でした。そして、今年も何かと便宜を図って頂いた図書館総合展運営委員会の皆さん、本当に有難うございました。 Ref; ustream togetter 田村俊作. Library of the Year −良い図書館を良いと言う−. カレントアウェアネス.
もう5年以上前。代々木公園の近くの四畳半に住んでいた頃、毎週末のように代々木公園を走ったり散歩ししたりしたものだった。そんなある日、テレビ番組の取材とかで、「公園で生活する人たちをどう思いますか?」とマイクを向けられた。そのときは、突然の質問に面食らったこともあって、「気にならないわけではないけど、自分にはどうしようもないことなので仕方ないと思っている」というニュアンスのことを歯切れ悪く答えた。もっとも、その歯切れの悪さには特に深い理由などなく、単にそういった路上生活者の人たちのことについて深く考えたことがなかっただけに過ぎない。 そんなことを思い出したのは、坂口恭平著『独立国家のつくりかた』を読んでいたとき、こんなフレーズが飛び込んできたから。 彼にとって、公園は居間とトイレと水場を兼ねたもの。図書館は本棚であり、スーパーは冷蔵庫みたいなもの。 (略) それを僕は「一つ屋根の下の都市」と
先日紹介した「マレビト・サービス」(『図書館雑誌』2012-8)脱稿後(正確には赤入れ終了直前)、編集委員会の方から「言いにくいのですが、実はこんな文献を見つけました・・・」と連絡を頂いたのだが、それが和田万吉「旅客の為めに図書館(特集:旅行と読書)」(『ツーリスト』6-5(1918年))だった。私が「南益行の「観光図書館論」(『図書館界』6-3/1954.6月)が国内で初めて観光×図書館について言及したもの」というスタンスでいて、そして今回の原稿でもそう記述していたからだ。 和田万吉(1865−1934)と言えば、東京帝大附属図書館の司書〜館長を歴任するとともに、同大教授として図書館学の礎を築き、そして図書館日本文庫協会(現・図書館協会協会)の設立に尽力するという、"業界内レジェンド"の一人である*1。そんな和田の論文(というよりエッセイ)を見落としていたのは痛恨の極みだが、折角なのでこ
これまで、旅(観光)×図書館ネタで幾つかエントリーを書いてきました。最近はあんまり書けてなかったのですが、日本図書館協会が刊行している『図書館雑誌』の編集委員会から、「一連のエントリーを踏まえて原稿を書きませんか」というお話を頂いたのが4月。一度まとめた方がいかなーと思っていたところでのお話だったので受けました。 マレビトサービス#2:西牟田靖編(2011/5/15) 同時多発的お花見ストリーム/マレビトサービス#1:石田ゆうすけ編(2011/4/7) 地域と観光に関する情報サービス研究会第三回研究会(2011/3/25) 地域と観光に関する情報サービス研究会第二回研究会(2011/2/22) 地域と観光に関する情報サービス研究会第一回研究会(2011/1/23) 地域と観光に関する情報サービス研究会(マレビトの会)発足(2011/1/11) 図書館と観光:その融合がもたらすもの(2010
ハーマンミラーストアイベント、「何に着目すべきか? VS nomazon:本をめぐる繋がりの可能性」に参加してきた。橋詰宗君たちが手がける「何に着目すべきか?」のイベントに参加するのは、自分も少しだけ登壇させてもらった去年の9月以来。 今回のトークイベントのメインはNOMAZON。これまであまりよく知らなかったのだけれど、これが興味深かった。 NOMAZONとは、Amazonのリストにはない本だけが集まったWeb上のブックショップ。個性的で他では手に入らない本を、仕掛け人でもある江口宏志さんをはじめとするセレクターが紹介するという、本人たちの言葉を借りれば、「ニッチで重箱の隅をつつくような」サービスを狙っている。主にカルチャー系。Amazonにない本が対象と言うことで、いきおいここで紹介されるのは、自費出版やフリーペーパーといったふつうの出版流通に乗らない本がほとんどになってくる(もし後で
2006.12 ミャンマー・ヤンゴンにて 僕がジョージ・オーウェルの『1984年』という作品を最初に意識したのは、高校生の頃、デイビッド・ボウイの『ダイアモンドの犬』に収録されていた「1984」というそのものズバリの曲を聴いたときだった。ただ、残念ながらその後ずっと、その本を手にとることはなかった。 それから十数年経って、ようやく『1984年』を読むことができた。特にずっと読まなかった理由も、今になって読みたくなった理由もない。たまたま本屋で目にとまった、それだけのことだ。このエントリーでは、「アーカイヴ」という言葉を手掛かりに、その感想を書いておこうと思う。 一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫) 作者: ジョージ・オーウェル,高橋和久出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2009/07/18メディア: ペーパーバック購入: 38人 クリック: 329回この商品を含むブログ (35
勉強会@中央線NEOにスピーカ、オーディエンスとして参加してくれた、皇学館大学の岡野裕行さんから、来年1月から彼の地元の伊勢市で「勉強会@近鉄線」をスタートさせるとのお知らせがありました。勉強会@中央線NEOで実践しているコンセプトが参考にされているようで、そのコンセプトのパッケージ化を目論んでいた、そして近鉄沿線に生まれ育った自分としては、とても嬉しく思っています。 勉強会@近鉄線 ―オシゴトバナシ と ハラゴシラエ― 私はこの4月に仕事の都合で三重県にやってきました。…こちらでもだいぶ知り合いが増えてきたのですが、新しく知り合いになるたびに「この方は普段どんなことを考えながら日々お仕事されているのだろうか」とか、「自分のお仕事に魅力を感じるところや楽しいところはどんなことなのだろうか」とか、お仕事にまつわるいろんなことが気になってきました。地元三重県の人たちのことをもっと知りたいという
勉強会@中央線NEOを始めて丸4年になります。年上の友人たち(敢えてそう呼ばせて頂きます)と始めたときは、正直なところ、こんなに続くものになるとは思っていませんでした。実際、2年でやめようと考えていたのですが、結局、看板と頻度を変えて、続けることにしました(他にもチューニングしていたりしますが)。 それはやはり、僕自身が勉強会@中央線NEOという、恐らく他に例のないこの緩くて少し尖った「場」が好きだからなのだと思います。僕自身が興味の赴くままにテーマを貪る「場」として、コーディネートとファシリテーションの実践を行う「場」として、そして楽しく飲み語らう「場」として。 ところで、東京大学の中原淳さんが手がけているラーニングバーに2度ほど参加したことがあります。そこでは、幾つもの気づきを貰いましたが、その一つに「ラーニングバーはオープンソースです」という言葉があります。要は、ラーニングバーで提示
先だって先生から、私のblogエントリー「内陸アジア史学会50周年記念公開シンポジウムに参加」を受けて、「言いたいことがあれば知らせるように」というお言葉を頂いたのですが、漠然と頭の中にあった事柄をなかなか言葉に置き換えることができなかったために、お返事できませんでした。この数カ月で少しまとまってきたので、遅ればせながらそれらについて書いてみたいと思います。 シンポジウムのときに、私の頭の中に浮かんでいたのは「科学コミュニケーション(サイエンス・コミュニケーション)」ならぬ「歴史学コミュニケーション」という言葉でした。最近、岸田一隆さんの『科学コミュニケーション』という本を読んだのですが、そこでは次のようなことが述べられていました。 科学コミュニケーションにおいて、知識(科学の内容)の伝達は本質的ではない。方法や世界観(方法としての科学。具体的には、研究活動や科学者の人生、世界を理解するた
最近の僕の関心事の一つである ソーシャルメディア時代の「学び」に図書館はどういう寄与ができるのか? ソーシャルリーディングとはどんなものか? ということでは外せないイベントPARTYstream「ソーシャルメディア、学び、イノベーション」に参加してきました。 PARTYstream(パーティストリーム)は、トーク&パーティ&UST中継を組み合わせた、全く新しい、しかし、愉しくて怪しいイベントです。越境する人々が集い、ネットワーキングを深めることをねらっています。時代の最先端を走る方々をゲストにお迎えし、ゆるゆるのトークをちょっとだけお楽しみいただきつつ、基本的には、エッジを走る、やや「前のめりの皆さん」で集まって、「パーティを楽しもう」という趣旨で企画されました。 イベントとしては、パーティー形式の華やかな会場で、東京大学の中原淳さんのファシリテ―ションの下、uustreamについては[ヒ
先日、地域と観光に関する情報サービス研究会が発足しました。愛称は、「マレビトの会」。立ち上げメンバーは、僕の他に遠藤元泰さん(前橋市)、岡本真さん(ARG)、岡野裕行さん(文学館研究会)、澁田勝さん(獨協大学)、岡部晋典さん(金蘭千里大学)、加藤学さん(浜銀総合研究所)、豊田高広さん(田原市立図書館)、藤原直幸さん(京都府立総合資料館)といった面々。各地にメンバーが散らばっているので、当面はtwitter(ハッシュタグ#tralib)やskype等によるオンラインでのやりとりが中心になっていく予定です。 2005年に八重山を旅した時から「旅」と「図書館」についてあれやこれやと考え始めているわけですが、そろそろまとめに入らないとと思っていたタイミングなので、自分としてもちょうど良い機会かなと思っています。このメンツの中で自分なりのテーマをどう設定していくのかはちょっと考えないといけないところ
『観光と図書館の融合の可能性についての考察』(10/3/25、北海道大学修士論文:観光学)を執筆した松本秀人さんが、観光×図書館ネタで新たに論点/現状整理レポートを書かれたので、ここでもご紹介。 松本秀人. 図書館と観光:その融合がもたらすもの. カレントアウェアネス. 2010, (306), CA1729, p. 2-5. ポイントになるのかなと思ったところを抜粋してみる。 図書館が「観光に関連した活動を行うことにより、地域の活性化に貢献する」という観点からとらえてみると、(1)新たなサービスの創出と利用者の開拓、(2)情報の受発信や交流を通しての地域貢献、という点について効果が期待できる。 図書館が観光を意識した活動を行うことによって、観光者が「訪問地の図書館に行けば地域の情報が得られる。地域文化を理解できる」と認識するようになり、地域の側も「図書館を通じて観光者に情報を発信しよう。
職場学習論―仕事の学びを科学する 作者: 中原淳出版社/メーカー: 東京大学出版会発売日: 2010/11/05メディア: 単行本購入: 7人 クリック: 182回この商品を含むブログ (19件) を見る企業における学びをテーマに、教育学から経営学及び経営の現場に切り込む中原淳さん初の単著。僕自身、中原さんの主催するlearning barには二度ほど参加したことがありますが、行く度に多くの気づきや学びを貰っています。 さて、この本は、アンケート結果の統計処理をベースに、個人の職場における他者に支援された学習について、「人は職場で、どのような人々から、どのような支援を受けたり、どのようなコミュニケーションを営んだりしながら、職務能力の向上を果たすのか」、「職場における人々の学習を支える他者からの支援やコミュニケーションに影響を与える、職場の組織要因とはどのようなものなのか」といった問いに答
新しい時代の図書館研究会第5回研究交流会@武蔵野美術大学美術館・図書館に参加してきた。この研究会への参加は、第2回の多摩美大図書館、第3回のせんだいメディアテークに続く3回目。毎度、よくある図書館系のこういった催しとは一味違う知見をもたらしてくれる。 さて、今回は4月に新装開館した武蔵野美術大学美術館・図書館(「美術資料館」から改称)がお題。2010年12月号の丸善ライブラリーニュースでも特集されているが、今注目の新館。事務部長の本庄美千代さんのレクチャー、見学、質疑応答の3本立てで会は行われた(諸事情により懇親会は欠席)。同じく参加されていた岡野裕行さんも記事を上げているし、そのうち会の公式サイトにも久慈達也さんがまとめを載せると思うけど、感じたところを書いておく。 建物とそれを運用する人間の関係。建物は、いかなるプロセスを踏むにせよ、結局は所与のものとして与えられるものだ。どの場合も、
今年もパシフィコ横浜(みなとみらい)で開催された図書館総合展に参加してきました。 L-1グランプリに参戦 以前書いたとおり、石けんブラザーズ(氏原茂将/久慈達也/寺町健/橋詰宗/福林靖博)名義で参加。予定どおり?グランプリを獲得しました。こういうイベントが開催されたこと自体の意味は大きいとは思いますが、全体的にやや内輪ノリなのが気になりました。他にも色々言いたいことはありますが、チーム趣旨に書いたことが全てです。 図書館のことを考えるのに、図書館員や業界関係者ばかり集めても意味がない。その周辺に展開される様々な分野から気鋭の人材を集めてチームを組み、そのスキルと知恵をかけ合わせることが必須だ。このチームには、(女子こそいないが)ライブラリアンだけでなく、デザイナーや編集者、研究者、キュレーターなど、様々な肩書とバックグランドを持ったメンバーがいる。もちろん他の7チームにも敬意を払うが、私た
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