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自由か、さもなくば幸福か?: 二一世紀の〈あり得べき社会〉を問う (筑摩選書) 作者: 大屋雄裕出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2014/03/12メディア: 単行本この商品を含むブログ (47件) を見る 大屋雄裕『自由か、さもなくば幸福か?』筑摩書房 大屋雄裕様、ご恵存賜り、ありがとうございました。 もともとリベラリズムは、人々が本当に「幸福」になるかどうかは気にせず、ただ自由になることを目標にして社会の統治方法を考える思想です。 これに対して、統治される人々には分からなくても、人々ができるだけ幸福になるように統治者たちが制度を設計し、政策を運営していくという社会を考えることができます。そのような社会は「幸福な社会」であり、いわば総督府をもつ「統治功利主義」の社会といえるでしょう。個人が自由に振る舞うとしても、かれらが意識しないレベルで、いろいろな政策や制度をデザインしておく。そ
入門・医療倫理III: 公衆衛生倫理 作者: 赤林朗,児玉聡出版社/メーカー: 勁草書房発売日: 2015/12/01メディア: 単行本この商品を含むブログ (5件) を見る 赤林朗/児玉聡編『入門・医療倫理? 公衆衛生倫理』勁草書房 赤林朗さま、児玉聡さま、執筆者の皆さま、ご恵存賜り、ありがとうございました。 公衆衛生の問題は、イデオロギーの試金石でもあります。本書では総論と各論のあいだに「政治哲学的基礎」の解説が置かれていて、そこでイデオロギーについての諸学説の検討がなされています。とても興味深く読みました。 医師で医学史家のトーマス・マキューン(MacKeown)は、イングランドやウェールズのデータを用いて、結核やインフルエンザなどの感染症について研究しました。 それによると、19-20世紀に感染症による死亡率が減った要因は、食生活や栄養状態の向上や衛生状態の改善にありました。ワクチ
知識の社会史2: 百科全書からウィキペディアまで 作者: ピーターバーク,Peter Burke,井山弘幸出版社/メーカー: 新曜社発売日: 2015/07/17メディア: 単行本この商品を含むブログ (4件) を見る ピーター・バーク『知識の社会史2 百科全書からウィキペディアまで』井山弘幸訳、新曜社 井山弘幸様、ご恵存賜りありがとうございました。 とても博学な人ですね。断片的なエピソードをこれだけたくさんまとめていただくと、人類が知識とどのようにかかわってきたのかについて、巨視的な視点で考えさせられます。自分もその一人として、ただ知識を集めたり伝えたりするという営みの一端を担っているにすぎないのだということを思い知らされます。 ウィーナーがサイバネティクスを開発したのは、高速で運動する標的に対空高射砲を命中させるために、機械に対していかに教え込んだらいいのか、という問題を研究していると
必要の理論 作者: L.ドイヨル,I.ゴフ,Len Doyal,Ian Gough,馬嶋裕,山森亮,遠藤環,神島裕子出版社/メーカー: 勁草書房発売日: 2014/10/28メディア: 単行本この商品を含むブログ (6件) を見る ドイヨル/ゴフ著『必要の理論』勁草書房 馬嶋裕様、山森亮様、遠藤環様、神島裕子様、ご恵存賜り、ありがとうございました。 本書は、1991年に刊行された本の前半部分を訳出したものです。 「必要(ニーズ)」とは何かについて、現象学的な観点から論じる立場として、Smith 1980があります。「必要」概念には、人によってさまざまな解釈があり、また特定の社会的文脈で、どのように用いられているかも違います。現象学というのは、それらを整理するような研究ですね。しかし理論家というものは、これまで提出されていない新しい解釈や理念を提起するものです。本書は現象学的アプローチを批判
ウェブ社会のゆくえ 〈多孔化〉した現実のなかで (NHKブックス) 作者: 鈴木謙介出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2013/08/27メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (18件) を見る 鈴木謙介『ウェブ社会のゆくえ』NHK出版 鈴木謙介様、ご恵存賜り、ありがとうございました。 現代社会の問題をさまざまな角度から論じながら、共同体をいかにして立ち上げるか、という問題に迫ります。大変読みやすく、名文だと思います。 ブランショによれば、共同体を基礎づけるものは、共有の権能を停止してしまう「死」であり、それは各人にとって、最初にして最後の出来事です。死とは、共同性の不可能性です。けれどもそのような不可能性に直面して、私たちはなお、共同体を開示しておこうとします。他人の死を、自分に関わりのある唯一の死であるかのように受け止めることがあります。他者の死を受け止めて、私
正義・ジェンダー・家族 作者: スーザン・M.オーキン,山根純佳,内藤準,久保田裕之出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2013/05/31メディア: 単行本この商品を含むブログ (8件) を見る スーザン・M・オーキン『正義・ジェンダー・家族』山根純佳・内藤準・久保田裕之訳、岩波書店 山根純佳様、ご恵存賜り、ありがとうございました。 オーキンの論法は、熟考に値します。コミュニタリアニズム批判、リバタリアニズム批判、そしてロールズ批判。いずれも、きわめて論理的に逃れがたい詰めの方法がとられています。オーキンはフェミニズムの思想を、これらの規範理論に対抗する一つの論理的な枠組みとして練り上げました。その思想的な努力は、高く評価するに値します。原書は1989年に刊行されましたが、いま読んでも、鮮やかです。 ロールズの問題点は、家族のなかにおける正義がいかにして調達されるのかについて、理論的に
資本の〈謎〉――世界金融恐慌と21世紀資本主義 作者: デヴィッド・ハーヴェイ,森田成也,大屋定晴,中村好孝,新井田智幸出版社/メーカー: 作品社発売日: 2012/02/02メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 10回この商品を含むブログを見る デヴィッド・ハーヴェイ『資本の〈謎〉 世界金融恐慌と21世紀資本主義』森田成也、大屋定晴、中村好孝、新井田智幸訳、作品社、2012年 森田成也、大屋定晴、中村好孝、新井田智幸様、ご恵存賜り、ありがとうございました。 リーマンショック後の経済危機を、強靭な思考力で分析しています。なぜ私たちは、経済危機から逃れられないのか。この問題を、マルクス経済学の枠組みを用いて、これほど豊かに展開できる人は、おそらくハーヴェイ以外にいないでしょう。マルクスの分析ツールは、依然として有効であり、また応用可能であることが、ハーヴェイの手腕によって示されます。
メタフィジカル・クラブ――米国100年の精神史 作者: ルイ・メナンド,野口良平,那須耕介,石井素子出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2011/08/20メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 122回この商品を含むブログ (16件) を見る ルイ・メナンド著『メタフィジカル・クラブ』野口良平・那須耕介・石井素子訳、みすず書房 那須耕介様、ご恵存賜り、ありがとうございました。 これは本当にすばらしい本です。ピューリッツァー賞受賞作ということですが、アメリカ人の哲学的精神がいかにして育まれたのかについて、伝記的手法を用いて再構成しています。ホウムズ、ジェイムズ、パース、デューイ。それから彼らを取り巻くさまざまな人々。「メタフィジカル・クラブ」という社交的空間を通して、アメリカ人たちが、どのような精神を生きたのか。随所に興味深い物語があります。パースが極貧の生活を送っていたことや、デ
現代の経済思想 作者: 橋本努出版社/メーカー: 勁草書房発売日: 2014/10/31メディア: 単行本この商品を含むブログ (11件) を見る ブログを引っ越しました。 こちらです。 https://hashimoto-tsutomu.blogspot.com/ 引き続き、どうぞよろしくお願いします。 ポスト・ケインズ派経済学―マクロ経済学の革新を求めて― 作者: 鍋島直樹出版社/メーカー: 名古屋大学出版会発売日: 2017/03/03メディア: 単行本この商品を含むブログを見る 鍋島直樹『ポスト・ケインズ派経済学』名古屋出版会 鍋島直樹さま、ご恵存賜りありがとうございました。 ポスト・ケインジアンは、民間の貯蓄が超過している場合には、政府が赤字財政の下で公共投資をするべきだ、と発想します。 むろん、「財政赤字」が深刻になると、かえって経済を不活性にしてしまうでしょう。ですがポスト・
エスノメソドロジー―人びとの実践から学ぶ (ワードマップ) 作者: 前田泰樹,水川喜文,岡田光弘出版社/メーカー: 新曜社発売日: 2007/08/03メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 6人 クリック: 1,065回この商品を含むブログ (100件) を見る 前田泰樹・水川喜文・岡田光弘編『ワードマップ エスノメソドロジー』新曜社、2007年 ・前田泰樹様、水川喜文様、岡田光弘様、ご恵存賜り、ありがとうございました。 ・エスノメソドロジーによれば、規範とは、行為や光景などについての「可能な記述」と、行為や光景を理解するための「装置」から成り立っている。装置が、可能な記述を同定し、また、可能な記述の上に、装置の使い方が示される。例えば教師が、生徒に向かって、「静かにしなさい」というとき、その言明は、規範という装置の「可能な記述」であるが、教師はどんな規範装置によって「可能な記述」を導
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