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追い詰められた女性たち すでに二人のこどもを生んでいたAさんは、三回目に妊娠したとわかったとき嬉しかったのですが、一緒に住んでいた姑はよい顔をしませんでした。両方の間に挟まれた主人は母に対して強くものが言えなかったのです。結局、堕ろしたくないのに、堕ろすような羽目になりました。心に傷が残り、やっとそれを打ち明けてくれたのは長年経ってからのことです。信仰者なのに、教会の中でそのことについて今まで話せなかったのは残念なことで、この人は癒される機会があのころありませんでした。 Bさんの相談は特に辛かったです。Bさんは主人の強い圧力で子供を堕ろすということを妊娠の途中で私に打ち明けましたが、その時の本人のことばは切実でした。「私は堕ろしたくないし、堕すべきではないと思います。でも、やむを得ず悪いと思いなが堕ろします。どうしようもありません」と。張りつめた沈黙が流れてから「あなたは今こうして打ち明け
緊急避妊についての問い合わせを受けたことをきっかけにこの問題を取り上げることにしました。前から気にしていた避妊と中絶の区別に関する誤解が多いことに気づき、ここで要点だけを簡単にまとめ誤解を無くしたいと思います。 緊急避妊法(英語でECという省略で知られている Emergency contraceptionのことですが)とは、図らずも避妊せずにセックスしてしまったとか、コンドームの破損や脱落とか、レイプにあった場合とか、腟外射精の失敗などによって妊娠する可能性が高いのに、どうしても妊娠を回避したい場合には一時的に使用される避妊法です。 性交後72時間以内に薬をのむことによって妊娠を避ける方法なので、その薬のことを緊急避妊ピルまたは翌朝ピルと呼ばれるようになりました。できるだけ早く内服を開始すると避妊効果が高くなるのですが、性交後72時間以内に薬を2錠内服し、最初の内服の12時間後に再度2錠内
性的志向と差別 同性同志の結婚を認め、そのカップルが子供を養子縁組でもらうことを承認する法律が世界のどこかで可決されるたびごとに同性愛問題に関する議論はなお激しくなります。一方レスビアンとゲイの権利を主張する運動が強くなりますが、他方では逆の極端まで走って同性愛の傾向の人々をその傾向をもっているという理由だけで差別扱いする反応も少なくないのです。教会の中でもこの問題を落ち着いて取り上げることは容易ではありません。 枚数の少ない原稿で微妙な問題をわかりやすく扱うことが困難ですが、まず、箇条書き程度で幾つかの基礎的な点を思い起こしておくことにしましょう。 同性愛者という言葉は、場合によって差別用語にもなりかねないから、要注意。正確に言えば「同性に対する性的な傾向(inclination)をもっている者」は人間であり、人間としての尊厳と権利の主体であり、差別の対象にしてはいけないものです。
現代における性の現状をよく見つめている日本司教団文書『いのちへのまなざし』は、狭い「性の倫理」の捉え方を避け、広い視野に立って現代社会における人間関係のゆがみを告発しようとします。そのため、性の問題を、揺らぐ人間関係という枠組みの中で取り上げ、「切り離された性」(25−27番)と「性の本来の意味と力を取り戻すために」(28−31番)という二つの項目で扱っています。 「その場限りの肉体的コミュニケーションを志向した不特定多数との性行為や、結婚における互いへの誠実を踏みにじる不倫行為が、テレビや映画、週間誌、コミック誌などによって無責任に奨励され、その商業主義によってさらに加速しています」(26番)・・・「性の交わりを通して、愛する喜び、愛される喜びを深く確かめ合うことのできる男女は、どんな厳しい人生の試練に直面しても、それをくぐり抜けていくことのできる勇気をくみ取ります」(28番)・・・「性
読者の質問に答えて「性と愛」について連載で取り上げることにしました。箇条書きにすぎないのですが、この箇条書きは、現在、出版準備中の拙著の一部です。ご参考になればさいわいです。 健全な性教育 性教育が必要だという声が多いのに、「性教育」という言葉を耳にするだけで神経質になる教育者がいるようです。そのように反応する教師は別な言い方で言われれば納得していただけるでしょうか。たとえば、健全な性教育を考えようではないかと言えばついていけるでしょうか。とにかく、このテーマについて普段、開けっぴろげに話すことがないのですが、大変重要に思われるので、これから遠慮なしに述べたいと思います。 夏休み中いろいろな研修会がおこなわれるのですが、ばあいによっては最近の話題をとりあげ、一時感心が湧くのに、後に日常の教育課程の中でそれを生かさず、一発花火に終わるのではないかという懸念があります。 私は数年前にあるカトリ
日本カトリック正義と平和協議会死刑廃止を求める部会 部会長 ホアン・マシア神父 10月10日の「世界死刑廃止デー」にあたり死刑執行停止を求めます 私たち日本カトリック正義と平和協議会「死刑廃止を求める部会」は、先月発足した菅義偉内閣において、第104代法務大臣に就任された上川陽子衆議院議員(静岡1区)に対し、大臣就任のお慶びを申し上げるとともに、本日 10 月 10 日の第18回「世界死刑廃止デー」にあたり、今回の法相在任期間中に死刑の執行を再び命じることがないように要請いたします。 国際的な人権状況に大変詳しく、「持続可能な開発目標(SDGs)」の推進に精力的に取り組まれているあなたに改めて申し上げるまでもありませんが、世界の多くの国々では人道的観点からすでに用いられなくなっている死刑を未だ毎年のように実施している日本に対し、国際社会からはたびたび強い非難が向けられています。また、現代の
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