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今年の「#文学」
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(国際ジャーナリスト・木村正人) メルケル氏の回顧録『自由』 [ロンドン発]旧東ドイツで育ち、ドイツ初の女性首相として統一した祖国を16年間導いたアンゲラ・メルケル前首相(70)が回顧録『自由 記憶1954~2021年』の中で世界金融危機、欧州の債務危機、難民危機、ウクライナ紛争、英国の欧州連合(EU)離脱を振り返っている。 米ワシントンの出版記念イベントではリベラルの盟友バラク・オバマ元米大統領がゲストに招かれた。だが国際社会の現状を見渡せば、人種・性差別発言を連発し、孤立主義、保護主義の傾向を強めるドナルド・トランプ米次期大統領が復活。ウクライナを侵略するウラジーミル・プーチン露大統領も息を吹き返す。 世界では地政学的リスクが高まり、自由民主主義・リベラルVS権威主義・保守の対立が先鋭化、人種、ジェンダー、気候変動でも分断が深まる。リベラルの旗手だったメルケル、オバマ両氏はいまプーチン
シリアのアサド政権が崩壊した要因として、アサド政権を支援していたロシアの弱体化が挙げられる。実際、今も公表されているロシア経済のデータを見ると、ヒト・モノ・カネのすべてが不足している「不足の経済」に陥っている状況が見て取れる。統計データが表すロシアの真の姿とは。(土田 陽介:三菱UFJリサーチ&コンサルティング・副主任研究員) ウクライナに侵攻してから1000余日。米欧日から経済・金融制裁を受けたロシア経済は強く圧迫された。しかし、この間に首都モスクワを訪問した識者は、ロシア経済の様相に特に変わった様子はないという。戦争前と変わらずモノがふんだんに存在するというのがその理由だが、それはモスクワだからという特殊な理由もあるだろう。 経済・金融制裁の狙いは、それまでの供給網(サプライチェーン)を寸断することで、経済活動の圧迫させることにある。当然、制裁を受けた側は、経済活動を維持できるように、
ロシアに亡命したバッシャール・アサド大統領。写真は2023年5月、アラブ連盟首脳会議に出席したときのもの (提供:Saudi Press Agency/ロイター/アフロ) 12月8日、シリアで反体制派が首都ダマスカスを制圧し、父子2代にわたって独裁支配してきたアサド政権が崩壊しました。JBpressではこれまで、アサド政権による徹底した反体制派への弾圧についても解説しています。その記事をもう一度お届けします(初出:2019年5月21日)※以下、内容は掲載当時のものです。 (黒井 文太郎:ジャーナリスト) シリアで、アサド政権とロシア軍の無差別空爆による住民の殺戮がエスカレートしている。 5月17日の国連安保理会合緊急会合では、国連人道問題調整室(OCHA)のローコック室長が「3週間に18カ所以上の医療施設が空爆などの攻撃を受けた」と報告。国際人権団体「アムネスティ・インターナショナル」も、
JBpressで掲載した人気記事から、もう一度読みたい記事を選びました。(初出:2024/07/25)※内容は掲載当時のものです。 最近、おじさんが意外な場所で働く姿を見かける。給料が上がらない、本当に年金もらえるの? AIに仕事を奪われる…! 将来の不安から副業をはじめる中高年男性が増えているのだ。 おじさんたちはどんな副業をしているのか、どれくらい稼いでいるのか、あるいは全く稼げていないのか。組織をはみ出し、副業をはじめる全力おじさんの姿をより深くリポートする。(若月澪子:フリーライター) スポットワークは人手不足の見本市 人手不足が、日本のあらゆる職場でヒビ割れを起こしている。このスキマを埋めようと外国籍の人が投入されているが、まだまだ足りない。 今、人手が足りない職場は、アプリで「助っ人」を集めている。スポットワークである。 スポットワークとは、「タイミー」や「シェアフル」などのア
日銀の植田総裁は、11月30日に日本経済新聞の単独インタビューを受け、「データがオントラックに推移しているという意味では近づいていると言える」と利上げの可能性を示唆した。加えて、「経済・物価の見通しが実現していくとすれば、それに応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになる」とも以前から述べている。 異次元緩和を経て、日本経済はどこに向かっているのか。『異次元緩和の罪と罰』(講談社)を上梓したオフィス金融経済イニシアティブ代表で、元日銀理事の山本謙三氏に聞いた。(聞き手:長野光、ビデオジャーナリスト) ──本書では、日銀の黒田前総裁が2013年4月から開始し、現在の植田総裁が今年3月に終了を発表した異次元緩和と、その影響について考察されています。 山本謙三氏(以下、山本):異次元緩和とは、日本銀行が非伝統的な手段を用いて巨額の資金供給を行うことです。正式名称は
韓国警察は、2019年に韓国の仮想通貨取引所でイーサリアム34万2000個を奪取した犯人が、北朝鮮軍偵察総局が関係するハッカー集団「ラザルス(Lazarus)」と「アンダリエル(Andarial)」であると発表した。ラザルスは世界各国の金融機関ハッキングを専門とするハッカー集団で、日本で発生した2018年のコインチェック・ハッキング事件や2024年5月のDMMビットコイン・ハッキング事件の背後にいるとして名指しされてきたグループでもある。 現在のレートで1600億円 2019年11月27日午後1時頃、韓国屈指のIT企業カカオグループのデュナム(Dunamu)が運営する仮想通貨取引所アップビットで突然サーバー点検のお知らせが出て、5時56分、次のような書き込みが掲載された。 「2019年11月27日午後1時06分、アップビットのイーサリアム・ホットウォレットからイーサリアム34万2000個が
(国際ジャーナリスト・木村正人) 「2035年までに排出量を1990年比で81%削減」の裏側 [ロンドン発]アゼルバイジャンの首都バクーでの国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)で「2035年までに温室効果ガス排出量を1990年比で81%削減する」と気候変動対策の加速を表明したばかりのスターマー英政権が自動車工場閉鎖の激震に見舞われている。
明確な事業撤退方針で変革を遂げた日立、日本企業が陥る「最悪のパターン」との目に見えない決定的な違いとは 元ローランド・ベルガー会長、シナ・コーポレーション代表の遠藤功氏が語る日本企業に必要な新しい現場力(前編) 日本企業はかつて、数多くの独創的なイノベーションを生み出し、グローバル市場で圧倒的な存在感を放っていた。しかし、近年では競争力の低下が顕著となり、不正や不祥事、ハラスメントに関する報道も後を絶たない。その要因として「企業の現場力の低下が影響している」と指摘するのが、シナ・コーポレーション代表取締役の遠藤功氏だ。2024年7月に著書『新しい現場力:最強の現場力にアップデートする実践的方法論』(東洋経済新報社)を出版した同氏に、日本企業から失われつつある「現場力」と、その衰退原因について聞いた。(前編/全2回) 「現場力の劣化」が不正や不祥事を引き起こした ――著書『新しい現場力:最強
中国の中央軍事委員会政治工作部長の苗華が「重大な規律違反」のため、停職中であることが11月28日の国防部定例記者会見で明らかにされた。その前日、27日付のフィナンシャルタイムズによれば、苗華派閥に属する国防部長の董軍が汚職で取り調べ中である、という。董軍の取り調べ報道については、国防部報道官は「捏造報道だ」と強く否定していたが、いずれにしろ軍部で新たな粛清の大嵐が起きつつあることは間違いない。苗華は福建省第31集団軍出身で習近平とは福建省時代からの昵懇、腹心と言ってもいい人物。その苗華の失脚は何を意味するのだろうか。 (福島 香織:ジャーナリスト) フィナンシャルタイムズが報じたところによると、米国の現職、引退官僚筋の情報として、中国の国防部長、董軍が汚職容疑で取り調べを受けているらしい。具体的にどのような汚職かは不明だが、これが事実なら、中国の国防部長は、魏鳳和、李尚福に続いて、3人連続
共同通信社が日韓外交に多大な影響を及ぼす誤報を配信し、大問題になっている。2022年8月の終戦の日、自民党の生稲晃子参議院議員が実際には靖国神社を参拝していなかったにもかかわらず、「参拝した」と断定して報道した。当時は大きな問題にならなかったものの、生稲氏が外務政務官に就任した後の今年11月、世界文化遺産「佐渡島(さど)の金山」をめぐる式典に韓国側が欠席。「靖国を参拝した生稲氏の出席する式典に同席できない」などの理由だったとされ、問題が一気に拡大したのだ。 なぜ、このとんでもない誤報が起きたのか。JBpress編集部が入手した共同通信社が加盟各社宛に出した謝罪・経緯説明の文書を見ていくと、穴だらけの取材過程が浮き彫りになった。 >>共同通信社が加盟各社宛に出した文書 日韓融和のイベントが一転 問題の発端となったのは、この11月24日に開かれた世界文化遺産「佐渡島(さど)の金山」の労働者追悼
なぜ日本のメーカーはイノベーションが苦手なのか? マネジメント、ビジネスモデル、組織構造、企業文化、人材教育などをどう変えれば克服できるのか? 三菱自動車で世界初の量産型電気自動車「i-MiEV」(アイ・ミーブ)の開発責任者などを歴任したe-mobilityコンサルタント・和田憲一郎氏が、世界で進むEVシフトや時代の変化に適応するためのマネジメント法など、「新時代のモビリティ」について複眼思考で解説する。 第2回は、「e-Axle」「ギガプレス」など革新的技術を海外メーカーのように次々と開発することができない、日本の自動車産業が抱える課題について考える。 海外の後塵を拝する日本の自動車産業が抱える問題点 自動車の開発、とくに電気自動車の世界で近年トレンドになった革新的技術がある。「e-Axle」(イーアクスル:電動アクスル)と「ギガプレス」(ギガキャスト、Giga Castingともいう)
(黒木 亮:作家) 三菱UFJ銀行の練馬支店と玉川支店に勤務していた行員が、支店の貸金庫から顧客の金品十数億円を盗み取っていた事件が発覚した。銀行の貸金庫というのは、ある意味で最も信頼性の高い施設だと考えられているので、衝撃的である。この行員に関しては「店頭業務の責任者」だったと報道されているので、支店長代理の上の営業課長であろう。 筆者は大学卒業後、大手都市銀行に14年間勤務したが、同行は2000年代初めに竹中平蔵金融担当大臣に睨まれ、東京三菱銀行(現三菱UFJ銀行)に実質的に吸収合併された。自分自身の経験から、銀行員の不祥事で表沙汰になるものは、氷山の一角でしかない(報道されない金銭がらみの不祥事はメガバンク一行あたり年に少なくとも50件程度はあるはず)と感じている。 不祥事が起きる原因は、酒、女(男性行員の場合)、ギャンブルである。これは世間の他の業種とまったく変わらない。むしろスト
今年2月、福岡県の食品製造会社で働いていたベトナム国籍の技能実習生、グエン・テイ・グエットさん(20歳)が、死産した男児の遺体を交際相手の家のゴミ箱に遺棄したとして逮捕された。グエットさんと恋人の男性は、技能実習生や受け入れ先の企業を管理する監理団体から「妊娠したら帰国させる」と繰り返し言われていたと裁判で証言した。 グエットさんは妊娠を隠しながら働き続け、ある朝、腹痛に耐えかねて早退し、恋人の男性の家のトイレで男児を死産した。恋人の男性は帰宅後に血まみれで床に横たわるグエットさんを発見して病院に運んだ。その後、技能実習生を支援する組合の職員と警察官が病院を訪れ、事件が発覚した。グエットさんの無罪を求め、既に1万4000人を超える署名が集まっている。 実は、このような事件が発生したのは今回が初めてのことではない。なぜ技能実習生は妊娠を隠すのか。『妊娠したら、さようなら 女性差別大国ニッポン
全国知事会議終了後、報道陣の取材に応じる兵庫県の斎藤元彦知事(中央)=11月25日午後、東京都内(写真:共同通信社) 拡大画像表示 衝撃の選挙結果からおよそ10日が過ぎた。そして選挙結果が確定してからも、選挙運動のあり方などについてさまざまな問題が提起されている今回の兵庫知事選挙だが、猛烈な逆風の中、斎藤元彦氏が一気に有権者の支持を取り付け、当選をもぎ取った手法は改めて評価すべきだろう。斎藤陣営はどのようにして有権者の心をつかんだのか。今回の知事選でも世論調査を実施したJX通信の米重克洋代表に選挙戦の分析を聞いた。(聞き手:JBpress編集部) 「斎藤元彦」より検索数で上回った「立花孝志」 ――公示直後の時点では、斎藤元彦さんには厳しい予想が出ていました。しかし選挙期間に突入すると、あっという間に多くの支持を得て当選しました。その裏にはネットの力があったと言われていますが、そこはどう分析
TBSの人気番組「世界遺産」の放送開始時よりディレクターとして、2005年からはプロデューサーとして、20年以上制作に携わった髙城千昭氏。世界遺産を知り尽くした著者ならではの世界遺産の読み解きと、意外と知られていない見どころをお届けします。 文=髙城千昭 取材協力=春燈社(小西眞由美) 水田の中に築かれた望楼群 20世紀初め、大西洋を3週間もの船旅で越えた異国人たちを、ニューヨーク湾の入口で出迎えたのが「自由の女神像」です。アメリカ独立100周年を祝ってフランスから贈られたプレゼントで、正式名は「世界を照らす自由」。1886年に完成し、今では移民の国アメリカの象徴として世界遺産になっています。来年1月、大統領に返り咲くトランプ氏の祖父はドイツ、母はスコットランドから渡ってきました。 こうした移民たちが、夢と憧れをいだいて見上げたのが、自由の女神だけでなくニューヨークの摩天楼だったのかも知れ
(柳原 三佳・ノンフィクション作家) 11月11日、第215特別国会が召集され、国会議事堂には先の衆議院選挙で当選した議員たちが、午前8時の開門を待って次々と登院しました。今回は3年前の選挙より2名多い99名の新人が当選。その中に、4回目の挑戦で初当選した眞野哲氏(63/立憲民主党)の姿がありました。 10月28日未明、比例代表(東海ブロック)で当選を確実にした直後、眞野さんは電話でこう語りました。 「うどん屋の息子だった私には地盤も何もなく、国政への挑戦は無謀ともいえるものでした。でも、この12年間、あきらめないで本当によかったと思っています。国会議員になったからには、目標のひとつである被害者庁の発足に向け、できる限りのことをしていきます」 13年前、ハロウィンの夜に起こったあの痛ましい出来事……、理不尽な司法の判断に打ちのめされながらも、制度の改正を訴え続けてきた眞野さんの闘いを間近で
アメリカ大統領に返り咲くトランプ氏は「言論・表現の自由を守る」と宣言している。具体的には、「偽情報や誤情報を選定する学術団体やNPOに対しての補助金を停止する」という。この姿勢に共感しているのが実業家のイーロン・マスク氏だ。同氏は旧Twitter社(現X社)を買収後、偽情報などを監視する役割を担っていた人員を解雇した。マスク氏に対しては偽情報やヘイトを拡散させているとの批判も多い。「テクノ・リバタリアン」の著者、橘玲氏に、ネット上の言論空間は今後どうなるのかを聞いた。 (湯浅大輝:フリージャーナリスト) 【作家・橘玲氏が読み解く米大統領選(1)】 トランプを勝たせた有色人種の「白人化」とZ世代の右傾化、多様性や環境という「リベラルの物語」は崩壊した イーロン・マスクがTwitterを買収したワケ ──トランプ氏の勝利に大きく貢献したのがイーロン・マスク氏です。マスク氏は「(合衆国憲法修正第
共和党のトランプ氏がアメリカの次期大統領に就任する。著書『テクノ・リバタリアン』などで米国社会を鋭く分析してきた作家の橘玲氏は、トランプ勝利には「18〜29歳の若者と黒人やヒスパニックなど有色人種の支持」が大きな原動力となったと分析する。民主党のハリス氏が訴えた「政治的正しさ」のナラティブ(物語)は、もはや米国のZ世代にもマイノリティにも刺さらなくなったと指摘する。 (湯浅大輝:フリージャーナリスト) 【作家・橘玲氏が読み解く米大統領選(2)】 トランプとマスクが掲げる「言論の自由」にも一理ある、SNSが抱えるジレンマに民主主義社会はどう向き合うか 左派のナラティブが崩壊した ──米大統領選はトランプ氏の圧勝でした。上下院も共和党が制して、もはやトランプ氏は怖いものなしの状況です。大手メディアを含め、事前予想では接戦ではあれほどハリス優勢との見方も根強かったわけですが、事前の予想を覆して、
トランプ氏を大統領に再選させる原動力となった「MAGA(米国を再び偉大に)」のスローガン。支持者たちは、なぜMAGAに熱狂するのか。1900年頃の“偉大な”米国を想起させるが、経済や外交における米国第一主義のみならず、人種・女性差別や反ユダヤ主義を再び勢いづかせる危うさがある。 (藤 和彦:経済産業研究所コンサルティング・フェロー) 132年ぶりに異例の大統領返り咲きをはたしたトランプ氏。彼のモットーである「MAGA(米国を再び偉大に)」はあまりに有名となったが、筆者はなぜこのフレーズに米国人がこれほど熱狂するのか長い間わからなかった。 だが、11月19日に通商・産業政策を担う商務長官に指名されたハワード・ラトニック氏の発言でようやく理解できたと感じている。 ラトニック氏は投資銀行などを営むキャンター・フィッツジェラルドの最高経営責任者(CEO)で、トランプ政権移行チームの共同議長を務めて
韓国国会の第1党である「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表が公職選挙法違反の罪に問われた裁判で、予想よりも重い懲役1年執行猶予2年の有罪判決を受けた。李代表はすぐに控訴する方針を表明したが、上級審でもこの判決内容が確定すれば、李代表は国会議員職の喪失とともに、今後10年間被選挙権が剥奪される。目下、李代表は次期大統領選における有力候補の一人と目されているが、そうなれば次期はもちろん、次々期の大統領選挙への出馬も不可能になる。 さらに25日には偽証教唆事件の1審判決も予定されている。李代表の「司法リスク」がいよいよ現実化したことで韓国政界に激震が走り、ソウルの街中にはろうそくデモ隊が連日くり出すような状況だ。
(田中 充:尚美学園大学スポーツマネジメント学部准教授) 兵庫県の「出直し知事選」は、パワハラ疑惑などを内部告発された問題で失職した斎藤元彦前知事が再選した。元尼崎市長で自民や立憲民主党の県議ら党派を超えて支援を受けた稲村和美氏ら無所属新人6人を破っての“圧勝”だ。厳しい選挙戦とのマスメディアの当初予想は、もろくも外れた。それは、7月の都知選における「石丸現象」や、10月の衆院選での国民民主党の大躍進に続く、「マスメディアの敗北」とも言える。 3つの選挙に共通するのは、メディアの取材が及びづらい無党派層を中心としたSNSからのうねりだ。インターネット上で広がった斎藤氏を支持する声の多くは、今回の選挙戦を「ネット世論vsマスメディア」の“代理戦争”に見立てていた。権力を監視するはずのマスメディアが、民意から敵視される対象となっている現実が浮き彫りとなった。 【関連記事】 【兵庫県知事に斎藤元
ドイツでは9月に3州で州議会選挙が実施され、ネオナチ極右AfD(ドイツのための選択肢)が躍進。 オーストリア(墺)では9月29日に総選挙(下院/計183議席)が実施され、下馬評通り、移民反対を掲げる親露派ネオナチ極右政党『墺自由党』が29.2%の得票率で第一党に躍進。 中道右派の政権与党『墺国民党』は第二党(26.5%)に沈みました。 しかし過半数を制した政党はなく、墺大統領は第二党になった国民党に連立組閣交渉を要請しました。 10月26日にはジョージア議会選挙が実施され、親露派与党『ジョージアの夢』が過半数を制し、勝利。 10月20日に実施されたモルドバ大統領選挙では過半数を制した候補がでず、11月3日に上位2候補による決選投票が実施され、親欧米派のM.サンドゥ候補が勝利しました。 注目の11月5日の米大統領選挙では事前の接戦予測とは異なり、D.トランプ候補の圧勝となりました。 来年1月
宇宙開発企業スペースXとEVメーカーテスラを率いる起業家、イーロン・マスク氏。ツイッター買収によって新たな注目を集める中、その大胆な経営手腕を目の当たりにした日本人がいる。元ツイッタージャパン社長の笹本裕氏だ。新たなトップは笹本氏に何を求め、組織をどう変容させたのか。本連載では、『イーロン・ショック 元Twitterジャパン社長が見た「破壊と創造」の215日』(笹本裕著/文藝春秋)から、内容の一部を抜粋・再編集。知られざるエピソードとともに、希代のイノベーターによる組織マネジメントの一端に迫る。 第2回は、組織変革に向けたマスク氏の「驚きの行動」にスポットを当てる。 <連載ラインアップ> ■第1回 「俺は元の数字が見たいんだ」いきなり本質をつかむ、イーロン・マスク流の問題解決法とは? ■第2回 「すべての経費を止めろ」ツイッター大変革のためにイーロン・マスクがとった「常識破り」の行動とは?
中国人民解放軍のロケット部隊を視察した習近平国家主席(資料写真、2024年10月17日、写真:新華社/アフロ) 日本ではほとんど報道されなかったが10月24日から26日にかけて中国共産党中央軍事委員会副主席である張又侠(ちょう・ゆうきょう、ジャン・ヨウシア)がベトナムのハノイを訪問した。中央軍事委員会のNo.1は習近平、張又侠はNo.2だが制服組のトップであり、その地位は国防相より高い。 張又侠のベトナム側カウンターパートはファン・バン・ザン国防相である。もちろん彼とも会談したが、その他に10月24日にベトナムのトー・ラム共産党書記長、25日にルオン・クオン国家主席、26日にファン・ミン・チン首相と相次いで会談した。ベトナムは彼を国賓に準ずる形で迎えた。 汚職がはびこっていた人民解放軍、見て見ぬふりをしていた共産党 この張又侠の訪越は中国ウォッチャーの間で憶測を呼んだ。それは8月の北戴河会
11月17日投開票の兵庫県知事選。パワハラ疑惑や独裁的な県政運営で批判一色となり、県議会では全会一致による不信任決議を突きつけられた斎藤元彦前知事が返り咲いた。孤立無援で始まった出直し選挙は、中盤以降には斎藤コールが湧き上がるほどの熱気に包まれ、ついに再選を果たす結果となった。なぜそんな劇的な変化が起きたのか。(以下、文中敬称略) (松本 創:ノンフィクションライター) 「SNSによる勝利だった」と総括 夜の商店街のアーケードに「斎藤コール」が何度も響き渡る。地元紙の神戸新聞などが午後8時に当選確実を打ったが、斎藤元彦が選挙事務所に姿を現したのは午後9時40分過ぎ。帰ることなく待ち続けた支持者たちに何度も頭を下げると、マイクを握った。 文書問題で県政を混乱させたことをあらためて詫び、県職員、県議会、県内市町長との信頼関係の構築を誓うと、今回の選挙戦をこう振り返った。 「SNSを通じた選挙戦
「金のなる木」だったタイの自動車市場で、なぜ日本車はシェアを下げているのか? BEV優遇政策「Thailand EV3.0」の影響と日系メーカーの巻き返し策とは 15年後に生き残れるのは、どのような自動車メーカーなのか? 脱炭素化、AI普及など、世界が「ニューノーマル」(新常態)に突入し、ガソリンエンジン車主体の安定した収益構造を維持できなくなった企業が考えるべき新たな戦略とは? シティグループ証券などで自動車産業のアナリストを長年務めてきた松島憲之氏が、産業構造の大転換、そして日本と世界の自動車メーカーの、生き残りをかけた最新のビジネスモデルや技術戦略を解説する。 第10回は、タイの自動車市場における日本車の販売低迷、バッテリーEV(BEV)の急拡大と中国系メーカーの躍進をレポートし、日系メーカーの巻き返し策を考える。 不振にあえぐタイの自動車業界 今年9月にタイの日系自動車メーカーや自
10月の衆院選では、自民党・公明党の与党が大きく議席を減らし、国民民主党などの野党が躍進する結果となりました。SNSなどを活用した「ネット選挙」が本格化しているなか、今回の衆院選におけるネット世論は選挙結果にどんな影響を及ぼしたのか。「『ネット世論』の社会学:データ分析が解き明かす『偏り』の正体」の著者である谷原つかさ・立命館大学産業社会学部准教授に聞きました。2回に分けて掲載します。 (河端 里咲:フリーランス記者) >>(続きを読む)【衆院選ネット世論分析】40代前後で争点が分断か、フィルターバブルで「政治とカネ」は若者に刺さらず? ネット世論と選挙結果の関連、国民民主党などへの賛成意見多く ──今回の衆院選にもたらしたネット世論の影響をどう見ていますか。 谷原つかさ・立命館大学産業社会学部准教授:衆院選でのネット世論の動向を説明するにあたり、今回の選挙期間中にYahoo!リアルタイム
マイナンバーカードと健康保険証が一体化した「マイナ保険証」。移行作業が進められており、12月2日には現行の保険証の新規発行が終わる。紙の保険証が使えなくなるなどの誤解も広がっており、マイナ保険証への移行については不満と混乱も広がっている。なぜこのような混乱が起きているのか。「番号制度」の専門家がマイナンバー制度の本質とマイナ保険証の必要性について改めて語る。(前編) ※医学通信社『月刊/保険診療』10月号より転載 (榎並 利博:行政システム株式会社 行政システム総研 顧問、蓼科情報株式会社 管理部 主任研究員) 2024年12月2日に紙の健康保険証が廃止され、マイナンバーカードへと一本化される。6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2024」、いわゆる骨太の方針においても、「現行の健康保険証について2024年12月2日からの発行を終了し、マイナ保険証を基本とする仕組みに移行する
宇宙開発企業スペースXとEVメーカーテスラを率いる起業家、イーロン・マスク氏。ツイッター買収によって新たな注目を集める中、その大胆な経営手腕を目の当たりにした日本人がいる。元ツイッタージャパン社長の笹本裕氏だ。新たなトップは笹本氏に何を求め、組織をどう変容させたのか。本連載では、『イーロン・ショック 元Twitterジャパン社長が見た「破壊と創造」の215日』(笹本裕著/文藝春秋)から、内容の一部を抜粋・再編集。知られざるエピソードとともに、希代のイノベーターによる組織マネジメントの一端に迫る。 第1回は、トップダウンのイメージとは異なる、マスク氏流の問題解決プロセスを紹介する。 <連載ラインアップ> ■第1回 「俺は元の数字が見たいんだ」いきなり本質をつかむ、イーロン・マスク流の問題解決法とは?(本稿) ■第2回 「すべての経費を止めろ」ツイッター大変革のためにイーロン・マスクがとった「
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