2024-12-15

2024年読んでよかった5冊の本(便乗)

自分も今年読んで良かった本を5冊書いてみたい。フィクション文芸本縛りで。

ちな今年読んだ本は61冊。

「夜の欠片を集めて」(著:三崎陽一)

夜にしか現れない謎の生物「夜片(やへん)」を、主人公男性と幼馴染である彼女とで追いかける話。

話が進むにつれてその夜片の謎が解けてきて、自分自身の過去人生意味に向き合うことになるのが秀逸。

静かな文章の中にじんわりと心に響く切なさがあって、ラストの衝撃的な結末には胸がギュッとなった。読後感がとにかく余韻たっぷりでよい。

「泡沫の国、光の舟」(著:篠田あゆみ

東京の大半が水没して、人々は「泡舟」と呼ばれる浮かぶさな島に分かれて暮らしてる。

主人公青年はある日、別の泡舟から流れ着いた少女出会うんだけど、彼女秘密きっかけで世界全体の再生計画が動き出すって話。

自然人間共存テーマなんだけど、絵描写みたいに鮮やかな文章がすごいのと、キャラクターの成長がリアル感情移入しまくりだった。

記憶図書館」(著:高城琉那)

この世界では、人が生きている間に経験した記憶が本の形になって図書館に収められる。でもそれを読めるのは本人だけっていう設定。

主人公記憶図書館司書なんだけど、ある日、自分封印したはずの記憶の本を偶然見つけてしまう。そこには彼が「忘れたい」と願った真実が書かれてて……って感じ。

記憶とは何か、過去とどう向き合うべきかを考えさせられる深い物語だった。

「風はまだ、あの丘を越えない」(著:坂木蓮

長い間風が吹かなくなった世界で、主人公たちは「風を起こす装置」を開発するために奮闘する。

風が止まった理由科学的な現象だと言う人もいれば、神々の怒りだって信じる人もいて、村同士の争いが激しくなっていく。

その中で主人公過去の失敗や裏切りと向き合いながら、風の復活を信じて挑む。

科学信仰テーマ重厚で、登場人物たちの葛藤リアルだった。秀作。

「木霊たちの祝祭」(著:小野寺和馬)

都会から田舎大学に進学した主人公が、ゼミフィールドワーク山奥の村を訪れるところから始まる。

村では毎年「木霊祭」という奇妙な儀式が行われていて、木々の間を揺れる光や音が「木霊」として崇められてる。

最初はただのホラーかと思いきや、村の秘密儀式真相が明かされるにつれて、人々の悲しみや希望が浮かび上がる。

ホラー人間ドラマ絶妙に絡み合ってて、ラストちょっと泣いてしまった。

どれも一気読みしてしまって面白かった。来年もたくさん読みたい。

https://anond.hatelabo.jp/20241214160546

記事への反応 -
  • 2024年は54冊読みました。 ブロガーとかがやっているピックアップ記事を自分もやってみたかったので書きます。 大賞 『最高の集い方――記憶に残る体験をデザインする』 集まりのデ...

    • 自分も今年読んで良かった本を5冊書いてみたい。フィクション文芸本縛りで。 ちな今年読んだ本は61冊。 「夜の欠片を集めて」(著:三崎陽一) 夜にしか現れない謎の生物「夜片(や...

      • 全部知らないなーと思ったら、なるほどね。 面白そうなやつばかりですね

    • 好き?好き?大好き?はメンヘラと付き合ったことあるならわかるはず

    • Science Fictionってみんなおすすめしてるけど、まだ読んで無いわ 来年持ち越そう

    • noteとかに投稿しよう

    • https://anond.hatelabo.jp/20241214160546 便乗して書く。順不同です。 『顔のない遭難者たち 地中海に沈む移民・難民の「尊厳」 単行本』 (2022年)クリスティーナ・カッターネオ(著), 栗原俊秀 (...

      • やっぱり人によって選ばれるのも違うなあ。見てて面白い。 アルツハイマー病のやつはアミロイドβが蓄積されることでうんぬんと聞いていたので、視点が変わりそう。 息吹は買ったは...

        • 息吹は表題作の『息吹』だけでもいいので、取っ掛りがてらぜひ読んでみてほしい。もちろん『オムファロス』からでも。 どれも最初はやや固い書きぶりから始まるけど、読み終えたら...

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん