2010-11-28

ラブひな赤松氏のJコミがうまくいかない5つの理由

出版漫画業界じゃなくネット業界からみて

【1】ネット広告の現状

広告」で稼ぐというが、今のネット広告の現状はかなり厳しい

検索連動やモバイル広告はまだいいものの、その他はダメダメ

広告費は企業にとってカットしやすい経費ので、不況の影響をモロにうける。

さらに悪いのが、Jコミユーザー層。

広告媒体にとって重要なのはM1F1などどういった層に受けているのか。これが広告出稿のカギ。

詳細はJコミじゃないとわからないが、Jコミユーザー層は、多分、男性中心でネットのヘビユーザーだろう。

残念ながら、そういう層への広告クライアントも小さく、媒体競争も厳しく、掲載費が落ちる傾向。

同じようなターゲット層のITmedia社員リストラしていることからも、その厳しさがわかるだろ。

【2】広告モデルのおかしさ

Jコミが集めようとしている「絶版本」とは、そもそも何なのかという話。

いろいろあるようだが、おおまかにわけると以下の二つか。

(1)人気がなくビジネスにならないため、著作権出版権が著者に戻った本

(2)何かしらのトラブルがあって出版ができなくなった本

この(2)に関していえば、Jコミでも許諾が取れない可能性が高いため、

Jコミが集めようとしているのは、(1)ということになる。

通常、広告モデルを行うなら、どれだけ人気コンテンツを集められるかに、その成否がかかっているともいえる。

しかし、Jコミは逆。不人気コンテンツを集めて広告ビジネスをしようとしている。ココがそもそもおかしい

【3】CGMの難しさ

ユーザー勝手に作り出すコンテンツ広告をのせて儲ける。ネット企業なら誰しも夢みるCGM

しかし、このCGMを成功させるのは非常に難しい

Jコミは、「絶版本」をユーザーにUPしてもらおうと考えているらしいが、それを行うユーザーメリットは何?

ニコ動pixivのようにコミュニティ化に成功しているのであれば、その場にコンテンツが集まる可能性もあるが、

漫画家利益を得るために、持っていれば、その希少性から高価になる可能性のある、

絶版本を裁断してスキャンしてネットにアップするユーザーがどれくらいいるのだろうか。

最近ネットユーザーは、自分利益や他人の利益といったことに非常に敏感。

対応を間違えれば嫌儲の餌食になる可能性だってある。

【4】電子書籍の流れに逆行

現在、非常に話題になっている電子書籍

この電子書籍がより普及してきたら、Jコミのような存在は、そもそも必要ないのではないかということ。

前述した絶版本の定義における(1)は書店に本を置けないことから起きる問題だ。

しかし、電子書籍が普及してくると、スペースは無限だから、こういった絶版はなくなっていくだろう。

さらに今、絶版本になっている書籍出版社側から電子書籍として再出版という話も出てくるだろう。

そうなったときJコミが力を入れる「絶版本の保存」など意味がなく

普通に出版社がやることになってくるのではないか

【5】事業の位置付けが不明確

そもそも、Jコミ社長である赤松氏にとってこのJコミとは何なのか?という話。

ビジネスなのか?ボランティアなのか?文化事業なのか?

もし、ビジネスでやっているのであるならば、「テストで失敗したら辞めます」なんて言っていたら間違いなくダメ

広告代理店にとって、これは間違いなくビジネスで、必死に営業をかけて広告を取ってきているのだろうし、

広告を出稿するクライアントだって、安くない金をかけて広告費をだしているのだから。

こういう何かしらの意志を持ってはじめる事業の場合、関連する人たちの間での認識のずれによって

ほころびが現れ、どんどんダメになっていく可能性が高かったりする。

  • (1)人気がなくビジネスにならないため、著作権や出版権が著者に戻った本 通常、広告モデルを行うなら、どれだけ人気コンテンツを集められるかに、その成否がかかっているとも...

  • この5つなら、多分大丈夫だと思います。来年の3月頃に、検証願います。 http://twitter.com/KenAkamatsu/status/8788822531776512

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