今から15年前にネットをはじめた時、どこぞの掲示板で見た書き込みです。
本人は何の気なしに書いたんでしょうが、この書き込みが当時の私の反発心に火をつけました。
なにをッ! ファミコンで面白いゲームを見つけてやろうじゃないか!
ゲームが古いんだったら、新しい遊びかたを考えて実践すればいいだろ!
こうしてWEBサイト”RGF東京支部”がはじまり、同時にファミコン収集も始まりました。全ファミコンソフトの収集完了と前後して、サイト名が「全てはファミコンのために。」になったのを覚えている方もいるかと思います。
なおかつ、ファミコンのマニアックな遊びかたを考えて実践するコンテンツ「マニアックファミコン」が当時の編集長に気に入られ、雑誌「ユーズドゲームズ」で連載が始まり、単行本が出せた上、今もライター業が続いているのですから、あの書き込みをしたかたには感謝しています。ある意味で恩人ですよね。
もちろん、その書き込み自体には大いにツッコミポイントがあります。今から15年前にハマっていたであろう新作を、その書き込みをした人がいま遊んだとして、「古いからつまらない」と言えるのか、と。
多分ね、そんなことないと思うんですよ。
ちょうど昨日、『CAPCOM CLASSICS COLLETION REMIXED』が我が家に届きました。これは80年代後半のカプコンアーケードゲームが20本入っているPSPのゲームでして(海外のみ発売:日本のPSPでも動きます)、当時、誇張なしに死ぬほど遊びこんだゲームがてんこ盛りに入っています。もちろん早速遊んだんですけれど、当時と変わらない面白さと熱狂と興奮がそこにありました。
だから思うに、くだんの書き込みをした人は、たまたま自分にあわないゲームを遊んでしまい、書いただけなんじゃないかと。ほんとに面白いファミコンソフト、知らないだけなんじゃないの、と。ただ、ネットリテラシーというか、「自分の書き込みが他人にどう見られるか?」なんてことをこれっぽっちも意識していないネット黎明期ならではの発言だったと思いますし、だからこその本音であり、そこに本気でいきどおった自分もいたりするわけです。
で、少し話は変わるんですけれど、「ファミコンってつまらないよね、古いから」と似た空気を感じるジャンルがあります。それが携帯アプリのゲームです。いわゆるソーシャルゲームやスマホのアプリじゃないですよ、フューチャーフォンのゲームアプリです。
私、携帯アプリの開発・販売を行うワンナップゲームズのチョイコン名人なんですが(多分今もそうですので、プロモーションビデオをはっときます)
http://www.youtube.com/watch?v=1njpgKrmWt4
社長の関さんが真顔で言うんですよ。「ワンナップゲームズの知名度なんか恐ろしく低いですよ」「恐ろしいほどチョイコン売れてませんからね」と。これは書いちゃっていいと言われているから書いているんですけど、ちゃんとゲームとして作られていて、ゲーム内容も面白いのに、携帯アプリだというだけで無視されてしまう現状があるんです。さらにスマホも勢いが加速していて、携帯アプリどころかフューチャーフォン自体がどんどん減少している状況なんですね。
さらに、去年の東京ゲームショウで、「ファミコンって(略)」の空気感を決定付ける出来事が起こりました。ワンナップゲームズのブースで私は『迷宮のブロードウェイ』という『ポートピア』的なアドベンチャーゲームのチラシを配っていたのですが、私の目の前を「GREE」の紙袋を持った中年女性が通りがかったのですね。私はチラシを手渡そうとしたのですが、チラシを一瞥した女性は「携帯のゲーム? GREEじゃないの?」と全身からいらなそうな空気を発しながら立ち去ってしまいました。
私は内心その発言にツッコミを入れまくりましたよ。「GREEのゲームは携帯用じゃないの?」とか、「ゲームショウにゲームを見にきたんじゃないの?」とか。もちろん、彼女の中ではそうじゃないんでしょう。事実、GREEでは会場限定カードを配ってましたし、携帯アプリのゲームとソーシャルサイトのゲームとは一線が引かれているのかもしれません。
ただねー、あの一声で、私はなおさら携帯アプリへの思いが強くなりました。課金コンテンツやソーシャルというゲーム形態を選ばず、限られた容量の中でがんばる携帯アプリを買っていこうと。
今回、アクションゲームサイドで『ワルキューレの栄光』の記事を書きました。ずっと『栄光』の記事を書きたい書きたいと思っていた中で、タイミングがぴったりあったからなんですね。ただ、『栄光』が素晴らしかったのは、携帯電話での操作と思わせない気持ちよさと、あの『ワルキューレ』シリーズの新作が携帯電話というプラットフォームを選んで発売されたことなんです。だからこそ、私の心にぐっときてしまったわけで。
アクションゲームサイドはその前身であるゲームサイド時代から、携帯アプリへの関心がほとんどありませんでした。なので、逆にそこで携帯アプリの面白いゲームを取り上げる意味は大いにあると思ってます。今後も面白い携帯アプリがあれば記事にするべく提案していきますし、もちろんファミコンをはじめとする「新作が出ていないゲームハード」のゲームもどんどん記事に書いていきますよー。