芋とは? わかりやすく解説

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いも【芋/×薯/×藷】

読み方:いも

植物の根や地下茎肥大してでんぷんなどの養分蓄えているものの総称。ヤマノイモ・サトイモ・サツマイモ・ジャガイモなど。《 秋》「—の露連山影を正しうす/蛇笏

多く接頭語的に用いて都会風でない、やぼなものをあざけっていう語。「—侍」「—歌手


う【芋】

読み方:う

常用漢字] [音]ウ(呉)(漢) [訓]いも

[一]〈ウ〉イモ類総称。「海芋(かいう)」

[二]〈いも〉「芋蔓(いもづる)/里芋

難読芋茎(ずいき)・芋苗(ずいき)


うも【芋】

読み方:うも

イモ古名

「意吉麻呂(おきまろ)が家なるものは—のにあらし」〈万・三八二六〉


読み方:イエツイモ(ietsuimo), ウモ(umo)

里芋古名


読み方:イモimo

食用となる地下茎塊根類総称


芋(いも)

ヒルガオ科匍匐(ほふく)性植物。サツマイモ・リュウキュウイモ・カライモ・ウム・ハンスなど地域により様々な呼び名がある。暑さ乾燥強く荒地にも平気で育つ。原産地中央アメリカ1492年新大陸発見したコロンブススペイン持ち帰りこれが世界各地広まったという説と、フンボルト海流乗って太平洋横断したという説がある。今日ではアジアアフリカが二大産地であり、中でも中国世界の全生産量4分の3占める。中国へは1594年福建省びんの陳振龍が呂宋(るそん)から(つる)を持ち帰り広めた琉球への渡来1605年のことで、尚寧しょうねい)王の命を受けて明へ渡った野国総官のぐにつがん)がびんから鉢植の芋を持ち帰った儀間親雲上真常(ぎまぺーちんしんじょう)はこの芋を栽培普及させ、琉球での救荒食量を確保した薩摩へは17世紀初頭ルソンなどの南方諸国より伝来した伝えられ、同じころ(1615年)ウイリアム・アダムスは琉球から平戸英国商館へ芋一袋を送っている。この当時栽培保存方法充分に分かっていなかったため、普及には至らず広く栽培されるうになるのは1700年代になってからである。元禄一一(1698)年、琉球王尚貞からカンショ一篭(かご)が種子島領主種子島久基贈られ栽培された。これより七年後の宝永二(1705)年、南薩摩揖宿いぶすき郡山川郷の漁民前田利右衛門琉球からカンショ持ち帰り急速に普及していく。利右衛門唐芋翁(からいもおんじよ)と崇められ明治一二年徳光(とくこう)神社に祀(まつ)られた。享保二〇(1735)年には救荒作物としての重要性幕府認められ青木昆陽こんよう)により普及図られるこの後カンショ救荒作物としてではなく徐々に日常の重要食糧となっていく。カンショ焼酎原料となるのも1700年代入ってからのことである。

読み方:いも

  1. リンガのこと。バナナである。「芋の味などと吸付く痴話」などは如何。〔風流
  2. リンガのこと。バナナである。
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読み方:イモimo

単に芋といえば通常里芋をさす

季節

分類 植物


出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/14 15:03 UTC 版)

ジャガイモの塊茎(地下茎)
サツマイモの塊根(根)

いも)とは、植物地下茎といった地下部が肥大化して養分を蓄えた器官[1]。また、特にデンプン(澱粉)を蓄積する受容器官を地下に形成し、その地下部位を利用する植物をいう[2][3]。ただし、地中の組織の肥大化がみられても澱粉蓄積の少ないものは含めない[2]。また、デンプンの利用に加工を要するクズ(葛)や食味が異なるクワイなどは含めない[3]

植物としての特徴

タロイモの球茎(地下茎)

栽培

イモ類の多くは熱帯原産であるが、温帯で無霜期間を利用して十分に収穫できるもの(ジャガイモなど)は温帯でも栽培されている[2]。多くの芋は多年草で、種子から育てると一年以内に芋が大きくならない。種芋から育てて一年以内で収穫するのが普通だが[4]、中にはコンニャクイモのように数年越しで育てる芋もある。

作物としては食糧のほか、飼料、加工用、工業用に栽培され、特に土地生産性が高く、他のデンプンを生産する植物群よりも単位面積当たりの人口扶養力が高い[3]。人類史では半栽培から栽培に移行する比較的早い段階で倍数体を利用した品種改良が行われ、特に東南アジアメラネシアポリネシアなどの太平洋地域では根栽農耕文化が発達した[3]。穀類との関係では、条件が整えばイモ類の栽培は比較的容易である[2]。ただし、繁殖に栄養器官を用いるため、種子繁殖の穀類に比べて労働集約的にならざるを得ず、一部の商品化されているものを除いて収穫の機械化も難しく大規模栽培には適さないとされる[2]

イモ類は野生種はもとより栽培種でも強弱はあるものの何らかの毒性があり、倍数体利用による栽培化の過程で可食部の肥大化と有毒成分の低下が図られてきた[3]。一般的なジャガイモであっても発芽部分や緑色になった皮には嘔吐や腹痛・下痢や頭痛といった食中毒程度の被害が主ではあるとはいえ毒性が存在し、その食用には注意を要する[5]。各種のイモ類の栽培とともに水さらしや発酵などによる毒抜きのための技術も各地で発達した[3]

また、イモ類は食糧不足のときに特に注目を集める作物であるが、水分が多く、輸送性や貯蔵性では穀類に劣り、この点は文明成立の基盤になりにくい根拠とされることもある[2][3]

食糧や飼料のほか、工業上は異性化糖や加工澱粉の原料となる[2]

分類

デンプンを蓄える組織によって以下のように分類される[2]

なお、日本では広義の「サトイモ」に、球根部を食用とするいわゆるサトイモ(Colocasia esculenta Schott)に、ハスイモLeucocasia gigantea Schott)を含めることがあるが、後者はもっぱら葉柄を食用とする[6]

食品栄養上の特徴

食糧資源としては澱粉作物の中でも主要な炭水化物源となっている[2]

一般に芋の栽培は穀物の栽培と比べて容易で、天候の変化にも強い。面積あたりの生産量が多く、面積あたりのカロリー生産量でも、芋のほうが穀物より多い[4]

栄養上の主な成分はデンプンだが、比率としては穀物と比べて遜色ないタンパク質も含む。しかし含有水分が多いので、重量あたりでみるとカロリー・タンパク質とも穀物より少ない[7]。たくさん食べるか、他の食物で補うかしなければならない。もっとも、太るまで食べ過ぎることがないというのは、現代的には健康によい特徴とも言える[8]。なお、タンパク質についてはキャッサバなどの茎葉には多く含まれており、副食に調理され大量に消費されている[2]

このほかビタミンCも多く含まれており、例えば北欧でのジャガイモの導入は壊血病の解消に大きな役割を果たした[2]

水分量が多いことは腐りやすさにもつながり、穀物と比べると保存が利かず、貯蔵や輸送管理に困難がある[9]

俗語と芋

古くから甘くて美味しい石焼き芋は人気がある

栽培場所を選ばず安定供給が可能なため、得易く安価な食料として庶民に広く親しまれてきた。しかし、「何処でも得られる食料」ゆえ、蔑まれる傾向も見られる。いわゆる「イモ」というと「洗練されていない」の意味を含んだ、いわゆる「ダサい奴」という意味で使われる蔑称となる。芋料理は、しばしば「田舎料理」(郷土料理)の代表に挙げられる(例:九州大学生をカリカチュアライズした菓子『いも九』)。

芋づる式
サツマイモのつるを引っ張ると、芋が連なって一度に取れることから、一度に取得できること又は一つが取れると連なって取れる事を指す。
芋を引く
不良用語、俗語の一つ。芋を引いて土から抜く時、引手の人間は後ろに後ずさり尻餅をつくことが多い。このことから、喧嘩や揉め事の場でおじけづく、たじろぐ、逃げ出すことを意味する。主にやくざが使う隠語で、こういった意味から臆病者の事を「芋引き」と呼んでいる。

芋の加工品

脚注

  1. ^ 「飲食事典」本山荻舟 平凡社 p40 昭和33年12月25日発行
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 西山 喜一「熱帯におけるイモ類の生産 概説」『熱帯農業』第29巻第1号、日本熱帯農業学会、1985年、39-44頁。 
  3. ^ a b c d e f g 松田 正彦「イモ資源の現状と課題―タロイモ栽培の現状から」『熱帯農業』第49巻第5号、日本熱帯農業学会、2005年、314-316頁。 
  4. ^ a b 渡邉和之「イモ類の未来」、『週刊朝百科植物の世界』72(食糧としての植物)、14-181頁。
  5. ^ 農林水産省「ジャガイモ中の天然毒素による食中毒」
  6. ^ 宮崎 貞巳、田代 洋丞「江戸時代の農書及び本草書類に記載されているサトイモの品種及び品種群について」『佐賀大学農学部彙報』第72号、佐賀大学農学部、2005年、1-36頁。 
  7. ^ 渡邉和之「イモ類の未来」、『週刊朝百科植物の世界』72(食糧としての植物)、14-182頁
  8. ^ 渡邉和之「イモ類の未来」、『週刊朝百科植物の世界』72(食糧としての植物)、14-184頁。
  9. ^ 渡邉和之「イモ類の未来」、『週刊朝百科植物の世界』72(食糧としての植物)、14-182頁。

参考文献

  • 『週刊朝百科植物の世界』72(食糧としての植物)、朝日新聞社、1995年9月3日発行。

外部リンク

関連項目


出典:『Wiktionary』 (2021/10/05 02:45 UTC 版)

発音(?)

名詞

  1. (いも) 植物の地下茎といった地下部が肥大化して養分蓄えた器官。秋の季語
  2. (いも) 取り立てて言うほどのことはない物や田舎じみた野暮な人をあざけっていう
  3. (うも) イモ古名

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