福建省とは? わかりやすく解説

ふっけん‐しょう〔フクケンシヤウ〕【福建省】

読み方:ふっけんしょう

福建


福建省

福建省概要
ローマ字表記 Fujian 福建省
略称 闽 Min
省都 福州 Fuzhou
位置 中国東南海辺東部台湾海峡を間にして台湾臨んでいる。
面積 121,400平方キロメートル
気候 亜熱帯海洋性モンスーン気候属し年間平均気温1721、一番寒い1月平均気温は、南東沿海部で1013内陸部山地で5~8、一番暑い7月平均気温2629
人口 約3,440万人、回、、満、高山族等の少数民族住んでいる。
主な都市 厦門市、三明市蒲田市、泉州市漳州市南平市龍岩市など。
概要 省内は約9割が山地丘陵になっているので、『東南山国と言う別名も付けられている。

華僑ふるさととして、広東省次いで多く華僑送り出している。

山がちで耕地少なく多く人口抱えていたという事情に加えて自然災害発生海外貿易発展といったことが、多く移民生んだ

省内は食品家電建材アパレルが盛ん。花崗岩蛍石タングステンタンタルなどの産出量が豊富で、海産物産出量も多い。ウーロン茶茶葉は、その殆どが福建省で生産されている。
市内には闽江九龍などの河がある。
観光スポット 武夷山厦門鼓浪嶼、太姥山、連江青芝山泉州清源山、蒲田少林寺などがある。
歴史 時代には中郡、漢の初期には越地になっていた。春秋時代は越の支配下にあり、戦国時代にはの国の領土であった

漢の時代には楊州会稽郡置かれるが、三国時代には孫権率いる呉の領土となる。

時代江南道置かれ、5州にわかれ、そのうち福州建州の名前の頭文字取って福建経略使設置した

南宋時代に1府5州2軍設置していたので、八闽とも呼ばれている。

時代末期福建行中書省設置清代始めに福建省が制定された。

福建省

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/02 15:16 UTC 版)

福建省
略称: 閩(びん) (拼音: Mǐn)
簡体字 福建省
繁体字 福建省
拼音 Fújiàn
カタカナ転記 フーチェン
省都 福州市
最大都市 福州市
省委書記 周祖翼
省長 趙龍
面積 121,400 km² (23位)
人口 (2020年)
 - 人口密度
41,540,086 人 (17位)
300 人/km² ()
GDP (2020年)
 - 一人あたり
43,903.89 億 (7位)
105,690 (4位)
HDI (2018年) 0.78 () (11位)
主要民族 漢民族 - 98%
シェ族 - 1%
回族 - 0.3%
地級行政区 9 個
県級行政区 85 個
郷級行政区 1105 個
ISO 3166-2 CN-FJ
公式サイト
http://www.fujian.gov.cn/
福建省
簡体字 福建
繁体字 福建
発音記号
標準中国語
漢語拼音Fújiàn
ウェード式Fu2-chien4
IPA[fǔ.tɕjân] ( 音声ファイル)
国語ローマ字Fwujiann
注音符号ㄈㄨˊ ㄐㄧㄢˋ
客家語
客家語拼音Fuk-kian
粤語
イェール粤拼Fūk-gin
粤拼Fuk1-gin3
閩南語
閩南語白話字Hōkgiàn
台湾語ローマ字Hok-kiàn
福州市廈門市莆田市三明市泉州市漳州市南平市龍岩市寧徳市
地級行政区画

福建省(ふっけんしょう、中国語: 福建省拼音: Fújiàn Shěng英語: Fujian Province)は、中国の一つである。大部分を中華人民共和国が統治し、一部の島嶼(金馬地区)を中華民国台湾)が実効支配している[注釈 1]

地理

福建省は略称を「閩」(びん)と称する。中国大陸南東に位置し、北は浙江省、南西は広東省、西は江西省と隣接している。また台湾海峡を挟み、台湾と接している。省内に武夷山脈と戴雲山脈があり、武夷山脈が江西省との境となっている。多くを山間地が占めるが、3751.5kmに及ぶ入り組んだ海岸線を持つなど、省内の地域差が大きい。宋代に福州・建州・泉州・漳州・汀州・南剣州の六州と邵武軍・興化軍の二軍に分かれていたことから、八閩(はちびん)とも称される。

気候は地域差もあるが、全般に温暖で、四季春の如しともいわれる。

言語

福建省は中国国内でも地域による方言差の激しい地域である。主に福建省で使用される閩語(広義の福建語)は中国語の7大方言のひとつで、さらに閩南語閩北語閩東語莆仙語閩中語閩贛語などに分かれているが、異なる区分の方言同士では会話が困難である。閩西ともよばれる西の内陸部には客家語を話す人々も多い。他に、南平市には北方話言語島があり、浦城県の一部では呉語が使われている。閩東語と閩南語は、テレビラジオの放送でも使用されている。

歴史

閩地が三分された時期の福建の形勢図、957年

古代閩人の領域であり、戦国時代に滅ぼされた王族が閩に逃げ込んだため、閩越と呼ばれるようになった。紀元前221年に征服されて閩中郡が設置されたが、秦末の動乱期に閩越国として独立した。東冶(現在の福州)に都を置き、92年間にわたってに抵抗したが、武帝に滅ぼされた。

非漢族はその後も長く勢力を保ったが、福建東部(福州とその周辺)と福建西北部(建州とその周辺)において漢族の開拓が進み、唐代半ばまでには両地域が結びついた。福建の漢化を決定付けたのは、唐代後期に地の利から沿岸地域を舞台に国内・海外貿易が盛んになり、加えて中原の戦乱を避けて様々な階層の人間がこの地に移住してきたことである。

909年王審知によって建てられたのもとで、福建の開発が進められた。945年、閩は南唐に併合された。北宋では泉州に貿易官庁である市舶司が設置され(1087年)、朱熹をはじめ多くの文人・官僚を輩出するようになるなど、わずか300年余りで未開地の典型であった福建は、先進地域の仲間入りを果たした。だが、福建は山地が海に迫り、耕地が少ないため、人口密度が過剰状態となった。福建は海上貿易が盛んであったこともあり、開発が一段落すると、更なる飛躍を求めて海外に移住する者が後を絶たなかった。現在の台湾の本省人や東南アジア華僑の多くは福建からの移住者の子孫である。大部分は閩南地方の泉州漳州アモイからの移民で、シンガポールマレーシアなどには閩中地方の莆田(興化)や閩東地方の福州などからの移民もいる。

海流の関係で日本に近く、近世には倭寇と結託して密貿易を行う福建人が多かった。近年日本に渡った在住華僑の多くは閩東の福清や福州を中心とした福建出身であり、また蛇頭による日本密航も福建を出発地とすることが多い。アメリカ合衆国への移民も近年急増している。

行政区画

中華人民共和国支配地域に9地級市が設置されている。

No. 名称 中国語表記 拼音 面積
(km2)
人口
(2020年)
政府所在地
# 福建省 福建省 Fújiàn Shěng 121400.00 41,540,086 福州市
福建省の行政区画
副省級市
2 廈門市 厦门市 Xiàmén Shì 1699.39 5,163,970 思明区
地級市
1 福州市 福州市 Fúzhōu Shì 12155.46 8,677,249 鼓楼区
3 竜岩市 龙岩市 Lóngyán Shì 19028.26 2,723,637 新羅区
4 南平市 南平市 Nánpíng Shì 26280.54 2,680,645 建陽区
5 寧徳市 宁德市 Níngdé Shì 13452.38 3,146,789 蕉城区
6 莆田市 莆田市 Pútián Shì 4119.02 3,210,714 城廂区
7 泉州市 泉州市 Quánzhōu Shì 11245.00 8,782,285 豊沢区
8 三明市 三明市 Sānmíng Shì 22928.79 2,486,450 三元区
9 漳州市 漳州市 Zhāngzhōu Shì 12873.33 5,054,328 竜文区
* 泉州市の一部(金門県)、福州市の一部(馬祖島)、及び莆田市の一部(烏丘嶼)は中華民国台湾福建省の統治下にある。

経済

2009年の省市区別GDPで、福建省は全国第10位である。泉州市は福建省の経済中心地である。軽工業、電子、食品、木工を中心とした工業生産が多い。

大陸部には南部を中心に台湾からの直接投資が多く、在住する台湾人も多い[1]。2017年には福建省に来た台湾出身者は延べ300万人を超えている。経済的には海峡を挟んだ統合が進んでいる。

烏龍茶の生産地として広く知られ、特に武夷山市で生産される武夷岩茶(ぶいがんちゃ)は世界的著名である。また、古くからラプサンスーチョン紅茶の輸出も続いている。

他の天然資源では、花崗岩などの石材やその加工品、馬尾松から採取するロジンの産地として知られる。

泉州市付近には、紙製の衛生用品の大手メーカーや靴メーカーが集まっている。

観光

上、左から順に、武夷山、莆田湄洲島の媽祖像、福州三坊七巷の大門と防火壁、アモイの鼓浪嶼の洋風建築、泉州城古清浄寺、福建土楼の振成楼。

福建省には福州、泉州、漳州、アモイコロンス島)、長汀の国家歴史文化名城があり、世界遺産として文化遺産の福建土楼鼓浪嶼泉州の文化財と複合遺産の武夷山がある。

文化

地方劇

福建省の伝統的地方劇には閩劇(福州)、梨園戯(泉州)、高甲劇(泉州)、薌劇(漳州)、莆仙戯(莆田)、木偶戯(傀儡戯、布袋戯)、漢劇など、24種がある。

福建料理

主に次の系統に分かれるとされる。

  • 福州菜:あっさりしたスープから濃厚な紅麹風味のものまで、味や素材のバラエティーに富む。
  • 閩南菜:台湾料理の基礎となす料理で、比較的あっさりしたものや甘めの料理が多く、たれをつける料理が多いのも特徴。
  • 閩西菜:客家料理の一種で、素朴で、比較的塩味の濃い料理。

工芸品

  • 福州脱胎漆器
  • 福州寿山石刻
  • 泉州漆線彫
  • 泉州恵安石彫

教育

  • 国立大学
    • 廈門大学(1921年創立、廈門)
    • 華僑大学(泉州)
  • 公立大学
    • 福州大学(福州)
    • 福建師範大学(福州)
    • 福建農林大学(福州)
    • 福建医科大学(福州)
    • 福建中医学院(福州)
    • 泉州師範学院(泉州)
    • 廈門理工學院(廈門)
    • 閩江学院(福州)
    • 福建技術学院(福州)
    • 集美大学(廈門)
    • 閩南師範大学(漳州)
    • 莆田学院(莆田)
    • 三明学院(三明)
  • 私立大学
    • 仰恩大学(泉州)

関連項目

  • 高甲劇
  • 烏龍茶 - ペットボトル入り製品の包装に「福建省」の文字が入っていることがある[2]

脚注

注釈

  1. ^ 中華民国でも福建省としていたが、段階的に省としての機能が凍結され、2018年に事実上廃止された

出典

  1. ^ 福建[省]コトバンク
  2. ^ <コラム>日本と多くの共通点を持つ福建省、出身者にとって日本は住みやすい場所に違いない

外部リンク


福建省

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/14 02:34 UTC 版)

泉漳語」の記事における「福建省」の解説

東片(厦門話区):厦門厦門島(思明、湖裡)で通用している。厦門話と総称する泉州話を基礎とし、泉州話なまりと漳州話なまりが混ざり合っている。 島内島外話 北片(泉州話区):おおむね泉州市内で通用している。泉州市区、石獅晋江恵安南安永春徳化安溪を含む。また、廈門市同安翔安集美海滄中華民国金門を含む。泉州話と総称する同安話(金門話を含む) 南安安渓晋江石獅恵安話:恵安県内。現在の泉港区を含む。 半南北話 南話 恵安恵南話 頭北話:泉州市泉港区の后龍鎮、峰尾鎮、南埔鎮で通用している。この方言は莆仙語仙游話から一定程度影響受けてきた。 南片(漳州話区):おおむね漳州市一帯通用している。漳州市区、龍海漳浦雲霄東山詔安華安長泰、平和、南靖を含む。漳州話と総称する。 龍渓話 漳浦南靖詔安西片龍岩話区):龍岩市新羅区漳平通用している。龍岩話と総称するこの方言は客家語影響一定程度受けてきた。 新羅漳平

※この「福建省」の解説は、「泉漳語」の解説の一部です。
「福建省」を含む「泉漳語」の記事については、「泉漳語」の概要を参照ください。

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