江戸幕閣
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徳川 吉宗(とくがわ よしむね) 声 - 鈴森勘司 江戸幕府現(8代)将軍。長福丸(家重)の父。 福耳が特徴。幕府の財政再建に尽力しながらも、蟲達の脅威に日々頭を悩まされている。蟲奉行に対しては歴代の将軍同様、彼女を利用している自分の立場に苦悩しており、適わないことと理解しながらも蟲奉行の重荷を少しでも支えたいと思っている。なお、幼少期から面識があったようで、幼名の新之助(しんのすけ)の名で呼ばれることもある。蟲奉行が信頼し日々成長する仁兵衛に期待している一方、息子の長福丸は自分と目も合わせないため不甲斐なく思っているが、内心では溺愛している。 かつては市中で悪人相手に「暴れていた」らしく、20年前の源十郎と叶の決闘も見ていた。常世の蟲との戦いの後、徳田新之助(とくだ しんのすけ)の偽名で戦いの当事者である市中組と接触、敵すらも信じようとする仁兵衛の考えが現実味のないことだと承知しながらも、限りなく勝算が低い戦いで皆に希望を灯した彼に懸けることにした。大阪に仁兵衛達への同行の許可を申し出た長福丸に普段通り厳しい面持ちで却下するが、彼が自分に反抗して飛び出した際には「一人前になった」とその成長を喜んでいた。 7年後は将軍職を長福丸に譲るも大目付として実権を握り彼を時たま叱責している。 徳川 家重(とくがわ いえしげ) 江戸幕府次期(9代)将軍。江戸市井を参照。 大岡 忠相(おおおか ただすけ) 声 - 井上和彦 江戸南町奉行。吉宗の懐刀。 菱形の眼鏡をかけた丁髷頭の男性。数々の都市政策に携わり、江戸随一の頭脳を持つといわれる。冷静かつ理知的な性格で、「質素堅実な武士には寝床があれば十分」として必要とあらば廃屋での貧しい生活も辞さない。口癖は「×(バツ)です(もしくは大×です)」で、(特に仁兵衛に対して)よく駄目出しをするが、状況によっては「△(サンカク)です」とも言う。真田との戦いの最中に幕府のために滅私奉公で勤め続けていた自分を人形と評し、同じような道を辿る蟲奉行に一種のシンパシーを感じていたが、道中で見せた彼女の人間らしい一面とそれを作り出した仁兵衛に憧れを抱いていたことを吐露している。 蟲人を圧倒し、仁兵衛が剣筋を目で追うことが全く出来ない程の居合いの達人。小鳥は花鳥風流の同門の兄弟子にして幼馴染に当たり、神速の居合い術も彼から教えてもらった。 2年前、春菊の抹殺を目論む松兵衛の密告を受けて500人の火盗改や町奉行所同心を率いて彼を捕縛しようとするが、彼らの命をもってしても捕えられず、小鳥・尾上・白榊の3人の与力の手を借りた。 紀州に向かう蟲奉行に護衛役として同行する。松阪和歌山城での戦いでは、突発的な行動を起こしやすい仁兵衛達を抑えるためのハンドル役として同行する。鎌之介・十蔵との戦いの中で一変した状況に対応するため、自分に課せられた命令を捨て、仁兵衛を蟲奉行の元に向かわせて自身は徳川宗直の救出のために単身真田との戦いに挑む。圧倒的な実力差に左腕を失い満身創痍になりながらも戦い続け、仁兵衛が蟲奉行と再会するための時間を稼いだ。真田により倒された後の生死は不明(アニメ版では死亡している)だったが、松阪和歌山城の崩壊後に周りの水路に落ちて町外まで流され、そこで逃げ隠れていた村人と医者に助けられた。彼らの厚意で歩けるまで養生し、日本を取り返す対策を立てるため大阪入りした。 再登場時には顔中傷だらけで左目と左腕がそれぞれ隻眼・隻腕となっている。大阪では蟲人を倒しながら潜伏していたが、そこに来た小鳥達と再会し彼らにこの大阪に暮らす人々は常世の蟲によって創られた存在であることを教える。仁兵衛には蟲奉行を守れなかったことを指摘しながらも、大阪城の戦いに赴く彼に自分の代わりに蟲奉行を守ることを託し、「武士に二言は許されない」としてそのことを再び約束した仁兵衛を初めて「○(マル)です」と評した。 7年後は三河国西大平藩の大名となっている。初の奉行から大名になったことで周りからいびられるのではと心配されていたが、持ち前の厳しさと毒舌振りから逆に家臣達から恐れられるなど手綱を握っている。天×(てんバツ) 小鳥から教わった花鳥風流居合いの技。 室 鳩巣(むろ きゅうそう) 吉宗参謀役。 小柄な体躯だが眼光の鋭い老人。蟲の脅威に怯える他の幕府の重鎮達とは違い、その時に得られた情報を重宝する胆の据わった人物。実戦経験豊富な策略家で、自分の知恵が泰平の世ではなく敗戦必至な戦場でこそ活かせると理解している。蟲狩に所属する鳰とは親交があり、義怜とも面識がある。普段は人に興味を示さないらしいが、ハギを倒した仁兵衛に注目し長宗我部との戦いで疲弊しきった町人達の活気を取り戻した彼を「江戸の希望」と称した。 10年前、当時から家臣達を憎み吉宗の息子として生まれた自分の存在意義に悩んでいた長福丸を唯一気にかけ、彼に『徒然草』の本を与えて人の「痛み」を知る長福丸に友ができるまでの間一時的な心の支えとなる場所を作った。 紀州での戦いの後、蟲対策の中心人物として吉宗に抜擢される。江戸冬の陣では、千人の兵を率いて長福丸と共に長宗我部率いる2万の蟲人が現れた江戸東部の町人が避難している永代寺に向かう。お春達を逃がした上で自分が仕掛けた罠に蟲人達を嵌めるが長宗我部の能力で兵や町人を尽く虐殺され、自分より若い者が殺されていくことに涙しながらも修行を終えた仁兵衛達に救われた。その後、火鉢・春菊の援護を受けながら町人を連れて江戸城に帰還するが、避難した町人の一人に寄生していた長宗我部の一部から少女を庇い彼に寄生されてしまう。長福丸に自分ごと長宗我部を火で燃やすよう頼み、彼の覚悟を決めさせるために敢えて罵倒して自身を殺させようとするが、その前に長宗我部が自身から脱出するのを狙った長福丸に助けられる。しかし既に全ての内臓を潰され、最期は長宗我部を道連れに火の中に飛び込み、悲しむ長福丸に「良い将軍になれ」と言い残し焼死した。その亡骸は吉宗達によって源十郎や戦で犠牲になった他の者達と共に江戸市中の小さい寺に埋葬された。 月島 源十郎(つきしま げんじゅうろう) 声 - 小山力也 幕府剣術指南役(新任)。仁兵衛の父。月島流道場道場主で、月島流剣術当主。 左頬に16年前の叶との最後の決闘で付いた傷がある大柄な男性。非常に豪放かつスパルタな性格で、仁兵衛を度々「バカ息子」と呼び常日頃から厳しく接しながらもその成長を見守り、彼が自分に次いで「死ぬまで勝ち続ける日の本一の武士」になることを信じている。妻の叶のことは自分で「最高の嫁」と称するほど深い愛情を持ち、火鉢からも「互いを分かり合っている」と一種の憧れの念を抱かれているが、それ故彼女の胸のことを堂々と自慢したり16年前に流行病にかかって仁兵衛を産んだばかりの叶の挑発を受け「武士」として斬りかかったりと遠慮が無さすぎる所もあり、作中で何度か「大人のクズ」呼ばわりされている。一人称は「ワシ」もしくは「俺」、笑い方は「ガハハハ」。仁兵衛同様かなりの大食漢。 元々月島家は身分の高い家柄ではなかったが、8年前までは名うての猛者として知られ剣一つで津軽藩の剣術指南役を務めていた。しかし、黒い蟲との遭遇時に仁兵衛の失態の責任を取り自ら左足の腱を切った。そのために走ることができなくなり、現在は鞘を当て木代わりにしている。 富嶽三十六剣の考案者。軸足である左足を失いながらも実力は衰えておらず、武家見廻り組が対処できなかった巨大蟲30匹を単独で倒し、仁兵衛の過酷な修業にも付き合った。また、叶との最後の決闘では「常世の巫女」の力を解放した彼女に勝利するなど火鉢曰く「人間離れしすぎ」ており、真田からも「人の域を超えている」「阿修羅や仏のように変化し、どんな状況でも相手の急所を狙う『必殺』の剣」と評されている。ただし、左足の傷の影響で高速の戦闘では僅かに重心と軸がずれて相手に対応できず、指先も死んでいるため攻撃を受けても踏ん張ることが出来ないという弱点も抱えている。 小鳥からの蟲奉行所のお勤めの誘いを断り、その代わりを仁兵衛に託した。仁兵衛から「江戸には猛者がたくさんいる」という手紙を受け、彼が八丈島から帰還した頃に武者修行で江戸に来訪し、そこで巨大蟲を退治して壊滅の危機に瀕した江戸を救った。江戸での散策ではお春の人格とスタイルを評価し、仁兵衛の嫁に来ないかと誘った。肺の病に体を蝕まれており、度々吐血して自身の余命が残り少ないことを悟っている。後に幕府剣術指南役に任命され、武家見廻り組の戦力強化に一役買っている(同時に長福丸の教育係もしている)。 毛利勝永の襲来の後、さらに強くなることを望む仁兵衛・火鉢・春菊に上総国で修業をつけるが、仁兵衛と共に江戸に危機が迫っていることを察し江戸冬の陣の戦場へ向かう。仁兵衛達が江戸東部で長宗我部を倒した後は一番戦況が厳しい江戸北西部に仁兵衛と共に急行し、そこで事前に託していた「天羽々斬剣」で仁兵衛が1万8千の蟲人に狙われる事態になった際には、「常世の巫女」の力を一時使い切った仁兵衛に月島流剣術で蟲人達を倒し生き残ることを命じる。自身は総大将である真田の相手を請け負い、彼を「生涯最後の相手」と見定め戦いに挑む。真田から仁兵衛を守るために心臓にまで達するほどの重傷を負わされてしまい、真田の動きについていけず圧倒されるが、戦いの中で仁兵衛に月島流剣術当主の座を託し「最後の戦い」に出る。真田の間合と呼吸を制し、自分の背中を真っ直ぐ見つめてくれる息子がいるからこそ最強でいられる想いを乗せて月島流奥義「富嶽泰山斬り」を決め、見事に勝利した。真田の消滅後、自分が文字通り「死ぬまで勝ち続けた」ことと自分達の月島流剣術が人々を守ったことを仁兵衛に示し、「自分が望む通りに生きろ、それが道となる」「ワシよりも強くなれ」と言い残して叶のいる天を仰ぎながら立ち往生を遂げ、その天命を全うした。その亡骸は吉宗達によって室や戦で犠牲になった他の者達と共に江戸市中の小さい寺に埋葬された。 技 富嶽鉄槌割り(ふがくてっついわり) 源十郎の得意技。彼の場合は巨大蟲3匹を同時に倒す他、富士山を噴火させるほどの威力を誇る。連撃必殺・富嶽鉄槌割り(れんげきひっさつ・ふがくてっついわり) 富嶽山嵐(ふがくやまあらし) 溶岩を巻き上げてそのまま固めたり、真田の「大黒丸」を吹き飛ばすことができるほどの威力を持つ。 富嶽巌砕突き(ふがくがんさいづき) 何層もの壁に綺麗に穴を開けるほどの威力を持つ。 富嶽虎逢断ち(ふがくとらあいだち) 富嶽霞潰し(ふがくかすみつぶし) 富嶽泰山斬り(ふがくたいざんぎり) 松平 実芳(まつだいら さねよし) 声 - 郷田ほづみ 元大平藩藩主。幕府若年寄。アニメ版では姓が「水野」となっている。 いち奉公人の命も心配する心優しい人物。蟲狩時代の無涯と面識があり、大人蚤に江戸屋敷が襲われた際、蟲奉行所を通して無涯に退治を要請する。 斎木 真ノ助(さいき しんのすけ) 旗本・斎木家の次男。 整った顔立ちをした丁髷頭の男性。趣味に嗜む程度に剣術を会得しており、チンピラ三人を素手で倒す強さを持つ。 お春とのお見合いの後に自分との縁談を申し込むが、彼女に老婆になるまで一緒にいたい人(=仁兵衛)がいると告げられ、大人しく身を引いた。 門脇(かどわき) 徳川軍指揮官である旗本。 チョビ髭を生やし、兜を被って鎧を着た男性。江戸冬の陣において8万中5万の兵力を率いて蟲人軍と対決し、無涯が江戸西部に向かった後は5万9千もの死傷者を出されて残りの兵数が千になり一気に窮地に陥るが、駆け付けた仁兵衛と源十郎に助けられる。 新橋 秀蔵(にいばし しゅうぞう) 由緒正しき旗本・新橋家の三男。 優秀な2人の兄に比べ冷遇されており、江戸冬の陣では過酷な先陣の隊に所属される。両親からも心配されていないが、唯一自分を気にかけてくれる妻・お松(おまつ)のため江戸を守ることを決意する。
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