大西洋の壁とは? わかりやすく解説

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大西洋の壁

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/04 07:55 UTC 版)

大西洋の壁(たいせいようのかべ、ドイツ語: Atlantikwallフランス語: Mur de l’Atlantique英語: Atlantic Wall)は、第二次世界大戦中にイギリス本土からの連合国軍の侵攻に備えて、ナチス・ドイツによってヨーロッパ西部の海岸に構築された、2685kmに及ぶ広範囲な海岸防衛線である。


  1. ^ 新紀元社 青木茂著 第二次世界大戦 ヨーロッパ戦線ガイド


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大西洋の壁

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 14:20 UTC 版)

エルヴィン・ロンメル」の記事における「大西洋の壁」の解説

ヒトラーロンメル見限ってはおらずB軍集団担当地区北イタリアから北フランス変更し1943年11月ロンメルB軍集団とともにフランス移動命じられゲルト・フォン・ルントシュテット元帥率いドイツ西方総軍指揮下に入ったドイツ軍連合軍次の侵攻地を突き止めるのに躍起となっていたが、ヒトラーは北フランスへ連合軍の上陸恐れており、信頼していたロンメルかの地置いたであった。さらにヒトラーは「要塞をつくることにかけては、古今通じ、私ほど偉大なものはない」と自信満々であった「大西洋の壁」の整備監督させるため、「進攻正面防備特務査察監」という新たな役職まで作ってロンメルをその役職任じたイタリアで落胆したロンメルであったが、任務重要性ヒトラーからの信頼痛感して着任するなりデンマークからフランスまで精力的に視察して回った1944年1月になってドイツ軍連合軍西ヨーロッパで「第2戦線」を構築するため大規模な上陸作戦展開するという情報掴んでおり、2月にはその場所がヒトラー懸念通り、北フランスになるという情報掴んでいた。連合軍の上陸地点としては、ドイツ軍イギリスからもっとも至近距離となるパ・ド・カレー予想していた。ロンメルドイツ軍の殆どの予想とは異なって上陸地点ノルマンディになると唯一正し予想をしていたという意見もあるが、ロンメル1943年12月23日付の報告書において「敵はまず第一にパ・ド・カレー目指すと書いていたり、連合軍上陸直前1944年5月半ばには、指揮下の機甲師団の2個師団パ・ド・カレーにより近いセーヌ川北部配置するなど、他のドイツ軍司令官らと同様に連合軍の上陸地点パ・ド・カレー予想して作戦準備進めていた。 一方で連合軍の上陸対抗する「大西洋の壁」の整備状況としては、上陸予想されていたカレー方面ですら工事の進捗具合80%、ノルマンディー地方至って20%と言う悲惨な状況でありとても難攻不落とは言い難かったロンメル準備の遅れに危機感抱きつつも、精力的に活動し未完成の「大西洋の壁」を少しでも完成近づけるために全力傾注したロンメルは「大西洋の壁」の整備並行して防衛計画の策定進めていた。ロンメル連合軍侵攻を防ぐ方法はただ一つ「敵がまだ海の中にいて、泥の中でもがきながら、陸に達しようとしているとき」「上陸作戦最初24時間決定的なものになるだろう、この日のいかんによってドイツ運命決する。この日こそは、連合軍にとっても、我々にとっても最も長い一日Der längste Tag)になる」、として「水際配置水際撃滅」を主張した。これはロンメル北アフリカ連合軍圧倒的な航空戦力叩かれ苦い経験に基づくもので、連合軍空軍制空権下では、装甲部隊戦線にたどり着くためには、小部隊に分散且つ時間をかけて移動する必要があり、反撃の機を逸してしまうため、海岸付近に歩兵砲兵装甲部隊全ての兵力配置し上陸部隊速やかに撃滅するべきと考えたからである。しかし、連合軍大規模上陸作戦においては、必ず戦艦重巡洋艦などの大口径の艦砲による艦砲射撃が行われており、その射程内に配置されている陣地部隊大きな損害被っていた。ロンメル連合軍大規模な艦砲射撃経験しておらず、明らかにその威力軽視していたと思われるが、実際に連合軍の上陸撃破することは困難と認識しており、一縷のむなしい望みにかけたという意見もある。 1943年3月西方総軍司令官任命されルントシュテットも、「大西洋の壁」などと喧伝されている陣地の構築状況遅々として進んでおらず、これに頼らない作戦検討する必要に迫られていた。そこで機甲部隊運用専門家でもあったルントシュテット陣地に頼るのではなく装甲部隊重点を置くこととした。しかし、最前線地区配備してしまえば上陸前連合軍圧倒的な航空攻撃艦砲射撃連合軍部隊上陸前大損害を被る懸念大きかったため、ルントシュテット装甲部隊をその射程の外に配置し海岸陣地歩兵上陸部隊押しとどめている間に、装甲部隊海岸付近に駆けつけて、艦砲射程外でまだ体制が整わない上陸部隊一気に叩く作戦考えた。これは、ルントシュテットハスキー作戦アヴァランチ作戦で、連合軍圧倒的な艦砲射撃大損害を被った戦訓に基づくものであり、ドイツ国防軍きってのアメリカ・イギリスと言われレオ・ガイヤー・フォン・シュヴェッペンブルク大将賛同したロンメルルントシュテット尊敬し立ててはいたが、一方ルントシュテットは、ロンメル勇気忠節ぶりには敬意払っていたものの、戦略家としての評価決し高くはなく「良き師団長になるための特性全て備えているがそれ以上ではない」と評していた。またヒトラー信頼でのし上がってきたナチ成り上がりものとい見方もしており、作戦全て握られることに警戒強めていた。 ロンメルルントシュテット意見の相違は、やがてドイツ軍二分するような「装甲部隊論争」に拡大したが、最終的にヒトラー問題解決介入し機甲4個師団予備部隊とし国防軍最高司令部指揮下におくこととした。この4個師団国防軍最高司令部許可なしでは動けないこととなり、結局のところ、ロンメルルントシュテット自分たちの対立によって余計な手枷足枷付けることとなってしまった。 こうした将軍同士対立の中で準備進められたが、ロンメル準備進めていく中で次第連合軍ノルマンディ上陸する公算大きいと考えようになった。そのため、ノルマンディへの視察頻度上げたロンメルは、のちに「オマハ・ビーチ」と呼ばれる海岸防備強化命じ鹵獲したフランス軍戦車砲トーチカ設置し海岸砲台とするなど徹底した強化図られたため、ロンメル北アフリカ苦戦させられイギリス軍拠点因んでトブルク」と名付けられた。またロンメルは、自分デザインしたロンメルアスパラガス空挺部隊落下予想される地域設置したり、大量地雷埋設命じ一説にはその数600個にも達したと言われるが、実際に地雷の数も足りておらず、ロンメル満足させるためやむなくダミー地雷埋設された。ロンメル誤魔化す目的作られダミー地雷原は、皮肉にも上陸してきた連合軍混乱させるという予想外効果もあげている。ロンメルの軍の実情考慮しない命令によって、ドイツ軍将兵防備固めることに多く時間取られることとなり、訓練をする時間が殆どなかった。また、演習用の弾薬不足しており、訓練度少ないまま連合軍迎え撃つこととなってしまったので、火器命中率低さ悩まされることとなった

※この「大西洋の壁」の解説は、「エルヴィン・ロンメル」の解説の一部です。
「大西洋の壁」を含む「エルヴィン・ロンメル」の記事については、「エルヴィン・ロンメル」の概要を参照ください。

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