レジンキャストミルク2 [★★★]
やばい、これ超やばい
これは当たりシリーズ引いてしまった……! ホント、なんで今までスルーしてたか分からないほどのめり込んでます。最早ただの素敵な中二で収まりきらないレベルです。
今回は理緒がかなりカッコよくてですね、まあ詳細は続きからでも。というか、今後誰かがアンダーゲートオープンするたびにみなぎってきそうです。
レジンキャストミルク〈2〉 (電撃文庫)
晶と硝子が “無限回廊” の侵蝕を退けて1ヵ月。
晶は幼なじみの芹菜たちと、硝子はクラスメイトの少女たちと、それぞれ平穏な日常を送っていた。
しかし、晶の親友である柿原里緒の元へ突然 “無限回廊” がその姿を現し、第二の侵蝕は再び晶を非日常へと駆り立てる。
“目覚まし時計” 速見殊子、“アンノウン” 佐伯ネアをも巻き込み、事態は思わぬ方向へ!
ほのぼの×ダークな新感覚学園アクションノベル、シリーズ・第2弾!
分裂病VS無限回廊――! 虚界渦を開放せよ!
なんで理緒の表紙に限ってアマゾンの画像登録されてないんだー! と嘆きつつ感想いこう。
晶を「固定剤」にし、次々にクラスメイトを虚軸としていく無限回廊。全ては晶を破滅させるため、わざと難儀な課題を叩きつけ、「全一」――硝子をも巻き込んで事態は加速する。今回は硝子を取りまく三人娘の一人、姫島姫が突如飛び降りで自殺未遂をし、晶は芹菜をさらったクラスメイトの鴛野と対峙する。
抱え込んだ虚軸は自らが望んだ「世界」であるがゆえ、こうして対峙するキャラへの悲劇性も増すんでしょうね。晶は目的の為に他人の「世界」を壊すわけですから、それが好転するかは置いておいて、やはり並大抵のことではありません。でも、そこに嫌悪感はなぜかなくて、今回でいえば鴛野在亜とはなんとなく共感できる気がする。
そして新キャラの『目覚まし時計』の殊子先輩と『アンノウン』の佐伯ネア先生。どっちも濃いなー!
特に殊子先輩の方はすごく気になる感じ。キャラ的には一番ぶっ壊れ、ひねくれてそうなキャラだし、今後見せ場は増えるんじゃなかろうかね。
そして前哨戦である理緒VS無限回廊がやばい。超テンション上がった。みなぎった。
「おいで、世界。……『乖離へ至る病(クリアランスゼロ)』」というアンダーゲートオープンまでで、私の中の何かがオーバーロードした。ぶっちゃけ簡単に言えばブリーチの卍解みたいなもんですが、こっちのが全然かっけえよ。
ちょうどこれ読んでたのが総武線の中でしてね、危うく「虚界渦を開放する!」叫びそうになってしまいました。
で、理緒の『乖離へ至る病』にびっくりさせられ、これ最強じゃね? とか思わされた。正直、この抜けた印象が濃かったジャージっ娘が、ここまでガチバトルできるとは思ってませんでした。理緒かっこいいよ理緒!
つーかさ、『有識分体(分裂病)』みたいに漢字のルビに漢字つかったり、『アンノウン(ゆらゆら)』みたいにカタカナにルビ振る異能バトルってこのレジミルくらいじゃないですか。少なくとも私は、他の例を知らない。
なんと言えばいいのかな……ホントただの中二じゃ終わらないバトルモノ。中二っていえばホント中二としか言えないけど、単純なバトルになってないとことか。なんでこんなのめり込んでるのか、説明しづらいな……。とにかく読めば分かるよ、と勧めてみたり。
ただ言えるのは、私はこういうのが大好きだってこと。
ダークな部分が主なこのシリーズですが、コミカルパートも実は楽しい。特に硝子の一人称のとき。
ただ、やっぱりそんな日常パートが、非日常パート暗澹さを助長させるものなんですよね。こういうの、メリハリがいいって言うのかもしんね。
そして最後に驚愕の事実発覚。あ、このキャラ引きずるのか――!
今後、機械人形と呼ばれた硝子に人間らしい感情が芽生えそうなので期待。終わりが全然予想できない物語だ。
いやー、もう最高だね。これはおもしろいわ。
微妙にカラー口絵にある椋本さんのマンガが楽しみだったりします。かなりコメディチックなのに何気に本編の内容を示唆してたり油断できません。続編も楽しみ。超オススメ!
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