

猫物語(黒) [★★]
![]() | 猫物語 (黒) (講談社BOX) 西尾 維新 講談社 2010-07-29 売り上げランキング : 1 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
完全無欠の委員長、羽川翼。
阿良々木暦の命の恩人である彼女はゴールデンウィーク初日、一匹の猫に、魅せられた――。
それは、誰かに禁じられた遊び……人が獣に至る物語。
封印された“悪夢の九日間”は、今その姿をあらわにする!
西尾維新がおくる青春怪異譚シリーズ、待望の最新作。これぞ現代の怪異! 怪異! 怪異!
また妹のおっぱいですか阿良々木さん……!
これが一年ぶりの物語シリーズの結晶です。真実です。
どんだけなんだよ阿良々木さん……。なんかもう時系列とか華麗に無視してる感あるけど、まあそこは読者補正で補完しておいてそろそろいいお兄ちゃんしましょうよ。明らかに誘ってる月火ちゃんも月火ちゃんだと思うけど、妹と下着姿を見せ合ったり、おっぱい揉んだり、足を舐めたりする阿良々木さんの躊躇いの無さと潔さには度肝を抜かれるわ。全然チキンじゃねえよあんた。それはそれで変態ってことなんだからな。というか井口裕香とかCV名指しするなw
そんなアバンで80ページくらい消費するんだから紙片のの無駄だなあ(いい意味で)。
さて、本筋はたびたびにおわされていた、GWに起きた委員長オブ委員長こと羽川翼との物語であります。障り猫との初めての遭遇であり、(下着の色も)ブラック羽川の誕生秘話といったところでしょうか。時系列でいえばまだひたぎさんとは会ってもいないころですね。
実はこのブラック羽川はまだブラック羽川でないことがわかりましたが、彼女の家庭事情を鑑みるとあの「ストレス発散」がどれだけ彼女の気を紛らわせたのかと思うとあんまり責めることもできないんですよね。これは同情ですけど。あと「死んじゃえ」の見開きはゾッとした。誰に対しての訴えなのかは、自身の目でご確認を。
しかし解決法は意外に簡単というか、まあチートくさいのは仕方ないんだけど、同時に忍とのつながりの始まりでもあったのかなーと思います。
でもむしろこの裏話のおかげで羽川の好感度が不思議と上がった気がする。
博愛主義者は裏を返すと誰も好きではない、とは言い得て妙ですね。でも羽川にもそういう感情があったことは意外だった。明らかな架空さとは裏腹の、人間らしい一面もちゃんと持ってるんだなーって。
久々の物語シリーズだったけど、無駄でおもしろい掛け合いと怪異バトルとのバランスも相変わらず絶妙で読んでて楽しかった。これからの刊行予定にはちょっとびっくりしましたが、果たして予定通りに出てくれるんでしょうか。そこは西尾維新先生の手腕に託すことです。
あ、それから傷物語アニメ化おめでとう。期待してます。
←『偽物語(下)』の感想へ
コメントの投稿