アクセル・ワールド5 -星影の浮き橋- [★★★]
アクセル・ワールド〈5〉星影の浮き橋 (電撃文庫) アスキーメディアワークス 2010-06-10 売り上げランキング : 8 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
中学内格差(スクールカースト)の頂点・能美征二による謀略は去った。≪スカイ・レイカー≫も加速世界に復帰し、黒雪姫率いる≪ネガ・ネビュラス≫は、他に見劣りしない勢力となっていった。
とある日、ハルユキは≪軌道エレベータ≫に日本の≪ソーシャルカメラ・ネットワーク≫が導入されるというニュースから、新たなるゲーム・ステージの気配を察知する。
≪宇宙≫ステージ。
そこに辿り着いたハルユキは、このゲームの≪謎の運営者≫から提供された最大のミッションイベントを体感する!
「……鴉さん。これは、どういう、ことですか?」
それはさておき、同時進行で発生していたのは、黒雪姫とハルユキのお泊まりイベントで、さらにそこに≪スカイ・レイカー≫ことフーコさんも乱入してきて!?
次世代青春エンタテイメント、待望の最新刊!!
加速世界の舞台はついに宇宙へと飛び立つ!
河原礫先生はすごい。もう読む作品ひとつひとつからちゃんと期待以上のエンターテイメントを提供してくれる。こんな作家は早々にいない。今さらながら去年の電フェスでサインもらったときの感動がせりあがってきた。とにかく熱く、泣かせる一冊でありました。黒雪姫と<スカイ・レイカー>の間の確執は、これでなくなったと思ってもいいのかな。
ひとつの転機となるお話でしたね。
黒雪姫とのお泊りイベントというおいしいできごともありましたが、それはきっかけにすぎず、加速世界における「親」と「子」の信頼関係がとても強いものなんだなーと実感した一冊でした。あの黒雪姫に認められ、優しい抱擁も受けたりすれば、そりゃあいままでスクールカーストの底辺を歩んでいた彼が思わず涙を流してしまうのもうなずける話です。というか黒雪先輩は本当においしいとこ持っていくな。
また黒雪姫こと黒の王率いるネガ・ネビュラスというチームの絆も試されたお話だったと思います。
身勝手なかつての自分のせいで、けれど目的をどうしても果たしたくてそれ以外のすべてを捨てた黒雪姫の友・楓子こと<スカイ・レイカー>を、この宇宙ステージへの縦断レースを経てみんなで引っ張り上げるという構図がなんとも素敵でした。彼女の子である<アッシュ・ローラー>、そして旧知のライバルであったらしい赤きレギオンの<ブラッド・レパード>までもがそれに協力しているんですから、この結末は<スカイ・レイカー>にとって大きなものだと思います。
これからネガ・ネビュラスでの彼女の活躍にも大きく期待。というかハルユキ狙ってるのか……?
そしてハルユキの中に潜む災禍の鎧の影、<クロム・ディザスター>が今後の展開に大きく関わることは明白でしょう。
一度は飲まれてしまったハルユキですが、今回は強い意志でもってその力を打ち破ったものの、まだ完全に消えているわけではありません。これから幾度もその危機に瀕する場面も出てくるでしょうが、この間違った力に頼らず信頼しあえる仲間とこの災厄を乗り越えて行ってほしいですね。そこら辺の演出は河原先生に任せれば安心できるでしょう。
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電撃文庫のラノベ、『アクセル・ワールド5―星影の浮き橋―』(川原礫先生原作、HIMA先生イラスト)が発売中です。
例によって表紙は黒雪姫先輩。
アバター姿も相変わらずお美しいですが、このドレス、胸部分の生地どうなってるのーーー!?(爆)
未来とは言え女子?...
2010-06-13 19:23 :
gurimoeの内輪ネタ日記(準備中)