fc2ブログ
2012
12.21

「真冬の向日葵」

Category: ひとりごと
三橋貴明・さかき漣「真冬の向日葵」

作者が「なんとしても選挙前までに書き上げたかった」とブログなどで書いていた本作。
ボクは刊行されて若干後に買いましたが、その趣旨を汲み取って他の本を中断して読みました。
エヴァQで忙しくなっていましたが、会社で食事しながら、休憩中、(失礼ながら)トイレにも持ち込んで、ボクとしてはかなり速いペースで読了いたしました。

なぜ選挙までに書き上げたかったか、読者に届けたかったか。
一読すれば解ります。

「真冬の向日葵」は「コレキヨの恋文」と同様、実在の政治家の名前をアレンジしたり人物を合成したりして「フィクション」として書かれていますが、起こっていることは史実です。
07年から09年、前の安倍政権から麻生政権までをモチーフにマスメディアの偏向報道と事実との乖離を架空の人物 新米記者の一之宮雪乃の目を通して再体験していく物語。

「言ってもいないことをあたかも言ったかのように」
「明らかなウソ」
「文脈の一部を取り出して憶測を元に拡大解釈」
「『専門家』の偏った起用」
「都合の悪い意見の隠蔽」
「イメージで悪者視」

ありとあらゆる偏向報道が、5年前から現在も凝りもせず行われている。
マスメディアが反省せず、国民の多くが騙され「空気」に流される状況が続く限り、この小説が色褪せることはない。
現実の鏡として歪みを告発し続けるだろう。


12月15日秋葉原の”熱い”寒空の下、もし雪乃があの場に居たら?
そんな気持ちで描きました。

20121215akiba_s.jpg

三橋貴明さんのブログから
”元々わたくしとさかき先生は「総選挙」のために本書を書いたのですが、来年の参議院選挙までは「対マスコミツール」としてお役に立つことになりそうです。安倍総理、麻生財務大臣という、現在の日本にとって最も適した方々が政権を握られ、もはや感情的と言ってもいい「反麻生」「反安倍」のマスコミのアンチ・キャンペーンが始まり(すでに始まっています)、彼らのプロパガンダと戦うためのツールの一つとして「真冬の向日葵」が売れ続けるという、何だかよく分からない状況になっているわけですね。”


「コレキヨの恋文」は自民党が政権を奪還した後の世界を描き、安倍総裁が提言する金融緩和+公共投資(アベノミクス)という政策で現実になろうとしています。
「真冬の向日葵」は時間軸としては過去に戻ってはいますが現在進行形です。
現実を知るための、よく見て、よく考えるためのツールとして。
将来をどう作るか?のヒントとしてお勧めです。



コメント
はじめまして。三橋さんのサイトから飛んできました。その場にいるような臨場感があって素敵な絵ですね。毎回三橋さんのブログにこういう絵が一緒にあったら、もしくは「真冬の向日葵」の挿絵がいくつもあったら…彼の本も、もう少し柔らかくなるかな。
kou-koudot 2012.12.22 10:29 | 編集
こんにちわ。
三橋さん、安倍さんを支持しているものです。
民主党政権下におけるネットの保守言論の進化は凄まじいものがありました。
すばらしい識者達が次々に登場し、ネット上の言論を充実させ、現実の世論や政治を動かしていくワクワク感は、アニメや漫画などの娯楽以上のものがあったと思います。
その中で中心的な役割をされたのは間違いなく三橋さんです。
その三橋さんに、90年代の熱狂的なアニメ文化に関わってこられた平松さんが、熟達したすばらしい絵で答えられたのはとても感動的なことです。
なにか、新しい文化が生まれる予感もします。
アニメーターの方々の仕事には常に(特にガイナックス)、畏敬の念をもって見てきました。
お身体に気を付けてがんばってください。
いろはにdot 2012.12.22 14:07 | 編集
はじめまして。平松さんと三橋さんのツイッターをフォローさせて頂いているものです。ブログへのコメントは初めて書かせて頂きます。
昨日はツイッターを見ておらず、先ほど平松さんのツイを拝読して飛んできました。雪乃ちゃん可愛いです(*´∀`)白と黒と赤だけなのに、寒空の下の熱気が伝わってくるような臨場感に感動しました。本当にありがとうございました。

まだまだ寒さが厳しくなっていきますが、平松さんもどうかお体にはお気をつけてご自愛ください。応援しています。
るるっぷdot 2012.12.22 17:31 | 編集
はじめまして!三橋さんのブログから参りました。メディアの偏向報道に対し、しっかりと意識をして能動的に正しい情報を得ようとしていらっしゃる姿勢に感動しました。絵も素敵ですね。

アニメーターの方がご自身の分野だけでなく、世の中で起こっている事を正確に理解していらっしゃることにとても心強いものを感じています。これからもご活躍応援しています。
おれんじdot 2012.12.22 23:56 | 編集
頂いたコメント、たくさんの拍手、Twitter、Facebookでのご紹介ありがとうございます。
あらためて三橋さんの影響力に納得しております。驚きじゃなくて納得です。

*kou-kouさん
12月15日の秋葉原演説を見に行ったのでその場の熱気をダイレクトに感じました。
三橋さんのブログや書籍は飽くまで中身が勝負です。
小説では鈴木康士さんの表紙イラストが入り口として十二分にすばらしいので、絵を使うのならコミカライズのように別な媒体でできたらおもしろいかもしれませんね(^_^)

*いろはにさん
民主党に政権交代し、彼らの「マニフェスト」がどんなものなのか?、にわかに注目されたTPPとは?
このあたりがボクの経済方面への興味の始まりでした。
それまで概念にとどまっていたぼんやりした考えの誤りや知れば知るほど奥の深い政治経済。
決して特殊ではない、ボクらの生活に密接に関係のある事だというのがわかってきました。
アニメ作品の幅を広げるためにも、バーチャルの元が現実にあるという当たり前のことを確認する良い機会となりました。

*るるっぷさん
アニメの仕事をしていると、限られた情報から観る人の心にどれだけ多くのイメージを膨らませられるか、ということに苦労します。
政治経済では理論や動かし様のないデータ、歴史的事実が重要です。
性格の違いはあります、一見正反対のようですが 何を伝えたいのか という一点に絞るとき両者はとても似ていると思いました。
感動として伝わったとすればとても嬉しいです(^_^)/

*おれんじさん
専門職だとどうしても身近な問題点や同業者同士の興味に集約し視野が狭くなりがちです。
ボクは、アニメ作品も社会や人間を描くものということを意識しています。
子供向け・大人向けに関わらず、メカもの・萌えものに関わらず、現実の一部を抽出しアニメならではの表現方法で想像力を刺激するものが寓話であり、アニメなのだろうと考えてます。

過去〜現実〜未来をどう見るか?
アニメ制作者こそよく見てよく考えてそれぞれの表現に落としこむことが求められる、と考えてます。
アニメの主なお客さんが子どもたちであればこそ、作り手がファンタジーに侵されてはいけないと、ここ数年思い知らされているところです。
ヒラマツdot 2012.12.23 03:12 | 編集
再び失礼いたします。

秋葉原での演説後に「朝鮮人を追い出せー!」というコールが起こったそうですが、平松さんはこの件に関してはどうお考えなのでしょうか。
このイラストは単体で見ればとても素敵な作品だと思うのですが、そういったコールが起きた場所を描いたと想像するとかなり複雑な気持ちになります。
pyundot 2012.12.28 02:16 | 編集
*pyunさん

正直、どうでも良いことだと思ってます。
そう思う人も一部いるでしょうが、ボク自身は排斥的な意識は忌むべきと考えてます。

一部の意見を安倍首相や麻生大臣を支える「大勢」ととることはできないと思います。
殆どの人は停滞した景気の改善を通じて海外との関係も良くなるよう期待している穏当な人たちだと思ってます。
ヒラマツdot 2012.12.28 02:34 | 編集
>どうでも良いことだと思ってます.
「どうでも良いこと」とは何を指しているのでしょうか。
個人的にはあの日のアキバでの出来事で一番引っ掛かったことでした。

>ボク自身は排斥的な意識は忌むべきと考えてます。
でも看過もしていますよね。
「忌むべき」とまでおっしゃるのなら指摘して欲しかったです。
「一部」であろうと「忌むべきこと」には変わりありませんから。
pyundot 2012.12.28 02:48 | 編集
*pyunさん

ボクはあの場にいましたが「朝鮮人を追い出せー」というコールは聞こえませんでした。
いた場所がやや端っこだったからかもしれませんが、自分の耳では聞いておりませんし、あったとしてもごく少数だったんだろうと思います。

忌むべきことだという認識をこういう場でも共有して頂けるように努めたいとは思いますが

安倍首相、麻生大臣、山田みき議員の当夜の演説と聴衆の関心とは乖離した話ですし
その一部コールによってこの夜の気持ちの持ちようは何ら変わらないものだと思ってます。
ヒラマツdot 2012.12.28 15:30 | 編集
では、なぜ「朝鮮人を追い出せ」コールが起きるような状況になるのか?
エントリーの趣旨から外れますが書いておこうと思います。

場違いかつ排外的なコールは理解に苦しむものですが、なぜそういうことが起こるのかはある程度理解できます。

もっとも大きいとボクが考えるのは拉致事件です。
朝鮮総連が関与らしいことは知られていますので、拉致事件への怒りから「追い出せ」という声が出てくるのだろうと思います。

これにはいくつか問題があって。
ひとつは、関与した者を調査摘発すること。
団体が組織的に関与したかを調査摘発すること。

在日朝鮮人全体を十把一からげに排斥しようとするのは違うのでは?ということ。

もうひとつ。
ボクは聞いていないので他のデモ活動を見た上での想像ですが、シュプレヒコールは刺激的に単純化されるので「追い出せ」という主張が、犯罪者に対してなのかそうでない人も十把一からげに対象にしているのかハッキリしません。

抗議デモをいくつか見たことがありますが朝鮮総連や関連団体への「拉致事件や不法行為の調査摘発が不十分だ」という主張のものもあります。
この主張自体は問題無いと思います。

問題なのは、「朝鮮人を追い出せ」コールがこういう理の通った主張までを単純な排外主義と思わせてしまうことでしょう。

コールが示す「朝鮮人」が北朝鮮由来の外来者なのか朝鮮半島全体の外来者なのかもボクにはわからないんですが。
これも区別なしに問題視するのはよろしくないと思います。

秋葉原の演説会で起こったとされる「朝鮮人を追い出せ」コールは上記の意味で幾重にも誤解を生じさせる懸念がありますね。


拉致事件への怒りとともに、マスコミがこう言った問題を報道しない姿勢もあるでしょう。
公正な周知がなされないのでネットの伝聞情報が怒りを増幅させることになっているのでは?と思います。

それから外国人犯罪も問題にされることがあります。
来日外国人のうち犯罪率が最も高いのは中国人だそうですが。
在日外国人では韓国朝鮮人が最も高いそうです。
http://www.best-worst.net/news_3NJVVSMhi.html
在日韓国朝鮮人の犯罪が日本人と同じにカウントされていてわかりにくくなっている問題もあるようです。

来日中国人の犯罪率が高いのは言ってしまえば、犯罪をしに日本へ来るわけでかなり悪質ですね。
偽造パスポートで不正入国した後、外登証(今年新しく導入されたカード)を「正規に」得てしまえる問題など坂東忠信氏の調査でかなり恐ろしい実態が明らかにされていますが、やはりマスコミでは報道されません。

在日韓国・朝鮮人の犯罪が多いのも問題ですが、なぜそうなるのか諸説あるようです。

日本人と同じにカウントされるため抑止効果がマイナスになっている可能性も考えられます。

韓国朝鮮人の日本での犯罪の多さも「朝鮮人を追い出せ」コールが起こる背景としてあるんだろうと思います。


拉致問題、在日韓国朝鮮人による犯罪、マスコミの怠慢による不信感の増幅…。
日・韓の国家観の違い、歴史問題を含む国民感情、国民性…などなど考えていくと一筋縄ではいかない問題かと思います。


安倍首相が誕生し中韓では警戒心が高まっているようです。
首相はいたずらに緊張を煽るようなことはしないと思いますが、「追い出せ」コールのような一部の声が日本人全体の意識だと思われてしまうとさらに関係は危うくなってしまいます。

最初に述べたように一方的かつ排外主義的な主張は慎むべきと思います。

また、ブログで繰り返し書いているように外交防衛にも低迷した経済の立て直しが不可欠です。
安倍首相は優先順位では景気回復が第1だと認識して取り組むでしょう。
国家間の問題やそれぞれの国民感情も穏当に改善されていくことを望みます。
ヒラマツdot 2012.12.28 17:39 | 編集
>日本人と同じにカウントされるため抑止効果がマイナスになっている可能性も考えられ
>ます。
この文、申し訳ありませんがよくわかりませんでした。
何にしろ犯罪歴は残るわけですから、日本人としてカウントされようがされまいが、本人にとって何か意味のあることとは思えないのですが・・・。

在日外国人の犯罪割合に関するグラフは何度か見たことがあるのですが書いてあることがまちまちなので、自分でもう一度調べなおしてみます。


安倍さんに関しては違和感を感じることが多々ありましたが、なるべくプラスの面を見て応援していこうかと思っています。

pyundot 2012.12.29 00:34 | 編集
>日本人と同じにカウントされるため抑止効果がマイナスになっている可能性も考えられ
>ます。
すみません。この部分はボクの憶測が多いです。
日本人の犯罪にカウントされることによって在日韓国朝鮮人の犯罪への抑止力が低くなる可能性について危惧がある、との考えです。

>安倍さんに関しては違和感を感じることが多々ありましたが、なるべくプラスの面を見て応援していこうかと思っています。
総ての人が等しく考えることはありえません。
まだ安倍政権は始まってないので前向きに注視して頂けるだけでも応援する身としては心強いです。

安倍政権が国益を損ねるような方向に行けば遠慮なく批判しようと考えてます。

ヒラマツdot 2012.12.30 03:07 | 編集
管理者にだけ表示を許可する
 
back-to-top