2009-12-28(Mon)
そらのおとしもの #13 空の女王(オトシモノ)
エンジェロイドが見せた本当の笑顔。
感動の最終回でした。
これまでほとんどレビューは書いてこなかったけれど今週は年末年始編成の影響でフレッシュプリキュアがお休み、またせっかくの最終回なので臨時のそらおとレビューです。10月期作品がバタバタと最終回を迎える中、今作のラストはなかなか上出来だったような。
冒頭は前回引きにて現れたエンジェロイドタイプγ「ハーピー」。ニンフに甘言を囁き、イカロス捕獲のサポートに誘いますが…この期に及んでもマスターのことを思うと表情を緩めるニンフ、しかし当のマスターは残酷な仕打ちを考えていました。絶対的な力を持つマスターによる非道な扱い、かわいいかわいいニンフになぜそんな…と思うけれどマスターから見たらエンジェロイドもダウナーも玩具や虫と同じですからこれら一連の残酷劇すら座興の1つなのでしょう。マスターとエンジェロイドの関係性についてはいろいろ思うところがあるけれども、この辺をあまり語ると人○団体から粛正が来そうなので自重。
ニンフが戻らないことを気にかけつつクリスマス会の飾り付けに忙しいみなさん。ツリーは大きい方が良い、大きいことは良いことだ! そんな会長のセリフに被さるように映るそはらの胸…ニットを突き上げる大きな膨らみはある意味モロ出しよりもエロチックです。そはらの巨乳も今回で見納めかと思うと寂しいねえ。
その頃ニンフはハービーたちと作戦会議。プロメテウスを構えて殺る気まんまんのハーピーに警戒するニンフでしたが…相手の言葉を信じて協力を決意するニンフに対し、もちろんそんなの嘘八百のハーピーが黒すぎてどうにもこうにも。根屋さんの声がこれまた効きすぎ、こういうドス黒い役をやらせたら右に出る人いませんね。
パーティ準備を抜け出して一人どこかへ出掛けたイカロスは買い出し帰りの智樹の所へ。神妙な雰囲気を察したのか智樹はそれを振り払うように無理に明るく振る舞い、空回りする会話はサンタのお面=作られた笑顔をイカロスへ被せる流れへ。このシーンは信号を絡めた演出が目立っていましたが、この手法もかなり浸透しすぎちゃったため演出効果として目新しさを感じなくなってしまいましたね。慣れとは恐ろしいものです。
「お別れを…お別れを言いに来ました」
突然の別れの言葉に唖然とする智樹、表情をお面で隠したまま切々と別れの挨拶を続けるイカロス。肩を震わせて語るお面の下の表情を想像すると切なさMAXです。上手く笑顔を作れないイカロスをカバーするサンタの笑顔、しかし本心とかけ離れたニヤけサンタの表情はイカロスの悲しみを一層引き立てていましたね。
青信号でゆっくり動き出すクルマと反対方向へ振り返ってスローモーションで見せるイカロスの飛び立ち、パーカーを脱ぎ捨て、羽根を散らして空へ飛び立つ様子は果てしなく切ないです。手の届かないところへ飛び立ってしまったイカロスを呆然と見送る智樹、足元に散らかるパーティグッズがこれまた寂しさ・楽しい日々の終わりを演出しています。落ちてきた羽根がサンタの面の側に落ち、それはまるでイカロスの涙のようでした。
どこかへ飛び立ってしまったイカロスを必死に捜す智樹、心境を映すようにどんよりと曇った空、焦る智樹を煽るようなBGMも効果的でした。大きなツリーをゲットしてニヤマリの会長さんたちもイカロス失踪の知らせを聞いて目配せ、特異な行動パターンばかり目立ってきましたがこの人たちもイカロスを心配しているのです。
ステルスを解いたニンフに気付いたイカロスが降下、地上のニンフと体面して静かな会話を交わす背後でステルス状態のハービーが砲口を向け…有無を言わさずぶっ放してきました。直撃を受けたイカロスは吹っ飛び、「話が違う!」と叫ぶニンフへ突き刺すハーピーの冷たい言葉は見ていてココロが痛すぎます。根屋さんいい仕事しすぎです。
「やめて…智樹が悲しむ…」
絶体絶命のイカロスを前にニンフの悲しみは絶頂へ。イカロスの身を案じるのではなく智樹の気持ちを想像しての心の叫びはニンフがいかに智樹を意識しているかわかろうというもの。しかしこれも切ないセリフですよねえ。悲しみのニンフはイカロスを助けるためパラダイスソングを発動、これにて窮地を脱したかと思いきや本当の地獄はこれからでした。ああもう見ていてココロがささくれるよ…。
一方の捜索班。ツリーを切った斧を背負ったままの先輩と二ケツチャリで現場へ急ぐ二人、リムジンを呼び寄せる会長、そしてチョップを構えるそはら。四者四様アプローチは違えどイカロスたちを心配する気持ち、助けたい気持ちはみんな同じなのです。さあ急げ!
パラダイスソングで粉々になったはずのハーピーたちに背後を取られて凍り付くニンフ、髪を掴まれ地面へ叩き付けられ…綺麗な虹色の羽根を毟られる残虐なリンチシーンへ被るリムジン内の会話が効果的すぎてもう見てらんない。これ以上ニンフをいじめないで。
泣き叫ぶニンフを弄ぶように羽根を毟るハービー、その光景を光の失った瞳で見つめるイカロス。
「お前にしかできないことがあるはずだ。後悔したくないのなら」
凄惨な映像の背後で流れる先輩のこのセリフがトリガーとなるようにイカロスは瞳に光を戻して立ち上がりました。よろめきながらハーピーへ立ち向かうイカロスに「誕生日プレゼント何がいいですかね?」のセリフが被るのは、まさにこの時こそがイカロスの自我が生まれた瞬間、つまり本当の意味で「誕生日」だからなのでしょう。てなわけで智樹たちが現場へ到着、役者も揃ってクライマックスへ突入です。
イカロスは自分が戦闘用エンジェロイドであることを告白、しかし智樹は既にわかっていました。わかっていながら「兵器は嫌い」と言っていたのはイカロスの優しさを理解した上で「生まれつき人殺しの道具なんてあんまりだ」と思ったから。すれ違っていたお互いの思いが通じて涙を落としながら頷くイカロス…はい、これを見ている私もイカロスと同じ表情です。原作既読で会話の流れがわかっていても涙腺の決壊を止められません。
「タイプαイカロス、出撃します」
これまで声に感情を乗せてこなかったイカロスがついに叫んだ出撃コールは昂ぶる思いが溢れていました。この瞬間のために感情を抑えた演技を続けてきたのか!? と思えるほどイカロスの思いが伝わってきます。いっけー!
本気モードのイカロスは強い強い。最終回だけに動画も気合入りまくりでド派手な空戦アクションをこれでもかーと見せてきました。イージスの展開からウラヌスシステムの起動、キラキラのエフェクトとCGで大迫力のアクション、とはいえこれでもTV版では相当カットされているらしく…ううむ、完全版が収録されるというDVDを買ってしまおうか。未放映の14話も収録されるらしいしなあ。なんという購買意欲をそそる阿漕な商売だろう。
一方地上ではニンフの鎖を切ろうと試行錯誤中でした。爆弾が仕掛けられた首輪に繋がる鎖を切ったらどうなってしまうか…その被害を考えて必死に止めるニンフ、しかしみなさんは聞こえないふりで鎖を切る気まんまんです。
「友達が困っていたら助ける、あたりまえのことをしているだけだ」
ニンフとの強い絆を感じさせるこのセリフこの展開は確かにいい話なのですが…もし大爆発して町ごと吹っ飛んでしまったらどうするんだ? 好きで吹き飛ぶ君たちはいいけれど巻き込まれた町の人はシャレにならんだろう。この点だけはちょっと強引すぎた感があります。
空で戦うイカロス、地上で戦うみなさんの背後にニンフの語りが被って最終回の盛り上がりは絶頂へ。ニンフの鎖に斧が落とされた瞬間にウラヌスシステムの主砲が火を噴き、放たれた光束は空を突き抜けて宇宙へ。空に開いた黒い穴が消えていくのはシナプスの時空トンネル崩壊を意味しているのかな。どうでもよろしいが鎖切断シーンにてそはらの服が破れないのはいかがなものか? 最後の見せ場なのに(笑
「地上の空は広いわね」
ともあれハーピーたちは撤退し、ニンフの鎖は無事に切れて一段落です。空の雪に気付いて見上げると白く羽ばたくイカロスの後に広がる地上の空、マスターの呪縛から解き放たれたニンフが見上げる空は一際広く感じられたことでしょう。というわけでそらおと一巻のおしまい。
原作第4巻収録の第15話をベースに大幅な改変を加えた今回の最終回、アニメ版での時系列に合わせての再構成は原作よりも出来が良かった気がします。むしろこの最終回を見せるために時系列をいじったのだろうな、と想像させるほど。イカロスがニンフを助けるまでの流れも原作より説得力がありましたし、ハーピーvsニンフの駆け引き・やり取りもニンフの揺れる心境がよく見えてよかったです。そしてニンフの笑顔、すなわち「エンジェロイドの幸せ」を盛り上がりのピークに持ってきた憎い構成は涙無しでは見られません。いい最終回でした。前回予告で映ったアホの子の出番は無し、これはもう2期を期待するしか!
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感動の最終回でした。
これまでほとんどレビューは書いてこなかったけれど今週は年末年始編成の影響でフレッシュプリキュアがお休み、またせっかくの最終回なので臨時のそらおとレビューです。10月期作品がバタバタと最終回を迎える中、今作のラストはなかなか上出来だったような。
冒頭は前回引きにて現れたエンジェロイドタイプγ「ハーピー」。ニンフに甘言を囁き、イカロス捕獲のサポートに誘いますが…この期に及んでもマスターのことを思うと表情を緩めるニンフ、しかし当のマスターは残酷な仕打ちを考えていました。絶対的な力を持つマスターによる非道な扱い、かわいいかわいいニンフになぜそんな…と思うけれどマスターから見たらエンジェロイドもダウナーも玩具や虫と同じですからこれら一連の残酷劇すら座興の1つなのでしょう。マスターとエンジェロイドの関係性についてはいろいろ思うところがあるけれども、この辺をあまり語ると人○団体から粛正が来そうなので自重。
ニンフが戻らないことを気にかけつつクリスマス会の飾り付けに忙しいみなさん。ツリーは大きい方が良い、大きいことは良いことだ! そんな会長のセリフに被さるように映るそはらの胸…ニットを突き上げる大きな膨らみはある意味モロ出しよりもエロチックです。そはらの巨乳も今回で見納めかと思うと寂しいねえ。
その頃ニンフはハービーたちと作戦会議。プロメテウスを構えて殺る気まんまんのハーピーに警戒するニンフでしたが…相手の言葉を信じて協力を決意するニンフに対し、もちろんそんなの嘘八百のハーピーが黒すぎてどうにもこうにも。根屋さんの声がこれまた効きすぎ、こういうドス黒い役をやらせたら右に出る人いませんね。
パーティ準備を抜け出して一人どこかへ出掛けたイカロスは買い出し帰りの智樹の所へ。神妙な雰囲気を察したのか智樹はそれを振り払うように無理に明るく振る舞い、空回りする会話はサンタのお面=作られた笑顔をイカロスへ被せる流れへ。このシーンは信号を絡めた演出が目立っていましたが、この手法もかなり浸透しすぎちゃったため演出効果として目新しさを感じなくなってしまいましたね。慣れとは恐ろしいものです。
「お別れを…お別れを言いに来ました」
突然の別れの言葉に唖然とする智樹、表情をお面で隠したまま切々と別れの挨拶を続けるイカロス。肩を震わせて語るお面の下の表情を想像すると切なさMAXです。上手く笑顔を作れないイカロスをカバーするサンタの笑顔、しかし本心とかけ離れたニヤけサンタの表情はイカロスの悲しみを一層引き立てていましたね。
青信号でゆっくり動き出すクルマと反対方向へ振り返ってスローモーションで見せるイカロスの飛び立ち、パーカーを脱ぎ捨て、羽根を散らして空へ飛び立つ様子は果てしなく切ないです。手の届かないところへ飛び立ってしまったイカロスを呆然と見送る智樹、足元に散らかるパーティグッズがこれまた寂しさ・楽しい日々の終わりを演出しています。落ちてきた羽根がサンタの面の側に落ち、それはまるでイカロスの涙のようでした。
どこかへ飛び立ってしまったイカロスを必死に捜す智樹、心境を映すようにどんよりと曇った空、焦る智樹を煽るようなBGMも効果的でした。大きなツリーをゲットしてニヤマリの会長さんたちもイカロス失踪の知らせを聞いて目配せ、特異な行動パターンばかり目立ってきましたがこの人たちもイカロスを心配しているのです。
ステルスを解いたニンフに気付いたイカロスが降下、地上のニンフと体面して静かな会話を交わす背後でステルス状態のハービーが砲口を向け…有無を言わさずぶっ放してきました。直撃を受けたイカロスは吹っ飛び、「話が違う!」と叫ぶニンフへ突き刺すハーピーの冷たい言葉は見ていてココロが痛すぎます。根屋さんいい仕事しすぎです。
「やめて…智樹が悲しむ…」
絶体絶命のイカロスを前にニンフの悲しみは絶頂へ。イカロスの身を案じるのではなく智樹の気持ちを想像しての心の叫びはニンフがいかに智樹を意識しているかわかろうというもの。しかしこれも切ないセリフですよねえ。悲しみのニンフはイカロスを助けるためパラダイスソングを発動、これにて窮地を脱したかと思いきや本当の地獄はこれからでした。ああもう見ていてココロがささくれるよ…。
一方の捜索班。ツリーを切った斧を背負ったままの先輩と二ケツチャリで現場へ急ぐ二人、リムジンを呼び寄せる会長、そしてチョップを構えるそはら。四者四様アプローチは違えどイカロスたちを心配する気持ち、助けたい気持ちはみんな同じなのです。さあ急げ!
パラダイスソングで粉々になったはずのハーピーたちに背後を取られて凍り付くニンフ、髪を掴まれ地面へ叩き付けられ…綺麗な虹色の羽根を毟られる残虐なリンチシーンへ被るリムジン内の会話が効果的すぎてもう見てらんない。これ以上ニンフをいじめないで。
泣き叫ぶニンフを弄ぶように羽根を毟るハービー、その光景を光の失った瞳で見つめるイカロス。
「お前にしかできないことがあるはずだ。後悔したくないのなら」
凄惨な映像の背後で流れる先輩のこのセリフがトリガーとなるようにイカロスは瞳に光を戻して立ち上がりました。よろめきながらハーピーへ立ち向かうイカロスに「誕生日プレゼント何がいいですかね?」のセリフが被るのは、まさにこの時こそがイカロスの自我が生まれた瞬間、つまり本当の意味で「誕生日」だからなのでしょう。てなわけで智樹たちが現場へ到着、役者も揃ってクライマックスへ突入です。
イカロスは自分が戦闘用エンジェロイドであることを告白、しかし智樹は既にわかっていました。わかっていながら「兵器は嫌い」と言っていたのはイカロスの優しさを理解した上で「生まれつき人殺しの道具なんてあんまりだ」と思ったから。すれ違っていたお互いの思いが通じて涙を落としながら頷くイカロス…はい、これを見ている私もイカロスと同じ表情です。原作既読で会話の流れがわかっていても涙腺の決壊を止められません。
「タイプαイカロス、出撃します」
これまで声に感情を乗せてこなかったイカロスがついに叫んだ出撃コールは昂ぶる思いが溢れていました。この瞬間のために感情を抑えた演技を続けてきたのか!? と思えるほどイカロスの思いが伝わってきます。いっけー!
本気モードのイカロスは強い強い。最終回だけに動画も気合入りまくりでド派手な空戦アクションをこれでもかーと見せてきました。イージスの展開からウラヌスシステムの起動、キラキラのエフェクトとCGで大迫力のアクション、とはいえこれでもTV版では相当カットされているらしく…ううむ、完全版が収録されるというDVDを買ってしまおうか。未放映の14話も収録されるらしいしなあ。なんという購買意欲をそそる阿漕な商売だろう。
一方地上ではニンフの鎖を切ろうと試行錯誤中でした。爆弾が仕掛けられた首輪に繋がる鎖を切ったらどうなってしまうか…その被害を考えて必死に止めるニンフ、しかしみなさんは聞こえないふりで鎖を切る気まんまんです。
「友達が困っていたら助ける、あたりまえのことをしているだけだ」
ニンフとの強い絆を感じさせるこのセリフこの展開は確かにいい話なのですが…もし大爆発して町ごと吹っ飛んでしまったらどうするんだ? 好きで吹き飛ぶ君たちはいいけれど巻き込まれた町の人はシャレにならんだろう。この点だけはちょっと強引すぎた感があります。
空で戦うイカロス、地上で戦うみなさんの背後にニンフの語りが被って最終回の盛り上がりは絶頂へ。ニンフの鎖に斧が落とされた瞬間にウラヌスシステムの主砲が火を噴き、放たれた光束は空を突き抜けて宇宙へ。空に開いた黒い穴が消えていくのはシナプスの時空トンネル崩壊を意味しているのかな。どうでもよろしいが鎖切断シーンにてそはらの服が破れないのはいかがなものか? 最後の見せ場なのに(笑
「地上の空は広いわね」
ともあれハーピーたちは撤退し、ニンフの鎖は無事に切れて一段落です。空の雪に気付いて見上げると白く羽ばたくイカロスの後に広がる地上の空、マスターの呪縛から解き放たれたニンフが見上げる空は一際広く感じられたことでしょう。というわけでそらおと一巻のおしまい。
原作第4巻収録の第15話をベースに大幅な改変を加えた今回の最終回、アニメ版での時系列に合わせての再構成は原作よりも出来が良かった気がします。むしろこの最終回を見せるために時系列をいじったのだろうな、と想像させるほど。イカロスがニンフを助けるまでの流れも原作より説得力がありましたし、ハーピーvsニンフの駆け引き・やり取りもニンフの揺れる心境がよく見えてよかったです。そしてニンフの笑顔、すなわち「エンジェロイドの幸せ」を盛り上がりのピークに持ってきた憎い構成は涙無しでは見られません。いい最終回でした。前回予告で映ったアホの子の出番は無し、これはもう2期を期待するしか!
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