2014/04/20
いつもように朝市に行って1週間分の食料を仕入れていたら、お勘定をすませて別れを告げるとき、ことごとく「Joyeuses Pâques !(良い復活祭を!)」と笑顔で挨拶されるのが妙に気になりました。
相手は食べ物を売る人たち。つまり、現代のフランス人にとって、復活祭はご馳走を食べる日ということなのかな?...
そう思ったので、私も伝統的なフランスの復活祭のご馳走である子羊を食べることにしました。
復活祭の当日、子羊の料理を始めようとしていたら、近所の人がやってきました。川で釣ったばかりのマスを持ってきてくれたのです。ご親切に内臓は取り除かれていました。
こういう場合にする礼儀として、食前酒をふるまう。ちょっとしたオツマミも作って出す。
それにしても、この日に朝から釣りに行って、お昼前にお裾分けを呑気に持ってきてくれるということは、復活祭のご馳走を食べる日というわけではない、ということ?
おしゃべりをしながら、気になっていたことを聞いてみました。
◆ 今年は教会の鐘が鳴っていた...
数年前、復活祭の前の2日間は教会の鐘が鳴らないことに気がつきました。
そのときのことを書いた日記:
★ 復活祭の前日、教会の鐘が鳴らないのに気が付く 2009/04/12
聖なる木曜日(最後の晩餐の日)のミサの後、フランスの教会にある鐘はローマに行ってしまうので、キリストが復活する日曜日までの間は鐘を鳴らさない風習があるのです。
それを知ってから、本当に教会の鐘が鳴らないのかを確認しようと思ったのですが、毎年忘れていました。
確かめなきゃと思いたってのは、昨夜。つまり、復活祭の前日の夜。
ひっそりしていた土曜日だと思ったのですが、教会の鐘というのは、聞こえないはずはない距離にいても、意識しないと聞こえないことが多いのです。
それで、1時間近く、部屋の中をウロウロしたり、窓ガラスに耳をつけたりして教会の鐘がなるかどうかを確かめした。窓ガラスをあけておけばよく聞こえますが、寒いのでそんなことはできなかったのです。
なんとなく鐘の鳴り方、あるいは鐘の打つ回数が、いつもとは違うとは感じたのですが、鳴っていたことは確か。それでは伝統に外れるではないですか?!
でも、思えば、私が復活祭の直前には鐘が鳴らないと確認したのは、敬虔なクリスチャンが村長だった時代でした。村長になった人は、何かしら村に功績を残すことになっているそうで、その人の場合は、村の教会に暖房装置を付けたので、敬虔なクリスチャンなのだろうと思っただけなのですが。
紐をひっぱって鐘を鳴らす係の人がいた時代とは違って、今は電動時計で鐘の鳴り方を操作しています。復活祭の前の2日間だけは鐘を鳴らさないようにするなどというのは、村長さんが機械を操作しに行っていたからではないかと思いました。
マスを持ってきてくれた人は村で生まれ育った人なので、教会の鐘について聞いてみたいと思いました。でも、彼は鐘が鳴ったかどうかなんかは気にしていなかった様子。
でも、復活祭の前にする伝統として、面白い話しをしてくれました。
◆ 復活祭の前、教会の鐘がならない時期に子どもたちがしたこと
懐かしいな... という感じで話してくれました。
復活祭の前に教会の鐘がローマに行ってしまっている間に、子供たちがすることがあったのだそうです。
教会の鐘は、朝、昼、夜と1日3回のアンジェラスの鐘を鳴らすのですが、復活祭直前にはそれがない。そこで、本来なら聞こえるはずの鐘の音の代わりに、子供たちが音を出して家々を回るのだそうです。 鐘がならないのは3日間とのこと。そのお役目が終わると、まわった家々の人が卵とかお小遣いなどをプレゼントしてもらえる、という風習。
「アンジェラスの鐘ですよ~」という感じのことを言いながら村を回り、bruyanteというものをカラカラと鳴らしたのだそう。
節をつけてフレーズを言っていました。もう聞くことがない伝統なので、録音しておけば良かったな...。でも、この次に会ったときに、録音したから言ってと頼んだら、またやってくれると思う。
こんなフレーズだったと思います。
V'la c'est l'angélus qui sonne! V'la c'est l'angélus qui sonne!
アンジェラスにアクセントを置いていて、qui以下の部分が少し早口で、語尾が下がってポツリと音が消えます。日本の冬の伝統にあった「カチカチ、火のよ~じん!」という単調な言葉の響きによく似ていると思いました。
フランスにあった習慣なら、インターネットで調べたら出てくると思ったので探してみました。
失われた伝統を復活している地方があるようです。 まさに、こんな感じだったのだろうという動画が見つかりました。
Les crécelles de la semaine sainte à Ansart (Tintigny)
この動画は、ベルギーのフランス語圏の町のものです。お昼のアンジェラスの鐘のときのですね。「正午ですよ~。ポンナペティ~(美味しい食事を)!」と繰り返しながら歩いています。
マスを持ってきてくれた友人は、彼も一緒に行った、あの人も行った... と近所の人たちの名をあげたので、これをやるのは男の子たちだったように思いました。インターネットで調べたところ、主に「enfants de chœur」と呼ばれる、ミサのお手伝いをする子どもたちがしたと書いてありました。今では、そういう役割を持つ子どもたちは少ないと思いますが、信心深かった昔はどの村にもいたようです。
アンジェラスの鐘が鳴る時間にご近所回りしなければいけないわけですが、15分くらい遅れるのは大丈夫なんだ、なんてことまで覚えてしました。
もらい物をするには、お年寄りの家を狙ったと言います。
分かりますね...。普段は気にも止めない鐘の音でも、鳴らないと気がつくと、ひどく物足りないのです。それが気になってしまうと、耐えがたいくらいの沈黙だと感じてしまう。そんなときに、可愛い子どもたちが音を出しながらやってきてくれたら、私が一人住まいのお婆さんなんかだったら、プレゼントをはずんでしまいますよ~!
でも、時計が普及していない時代には、子どもたちが変わりに時を告げてくれるのは役にたったようす。教会の鐘が鳴らない間に子どもたちは時を告げる係を演じて、復活祭の前日にご褒美としてイースターの卵をもらって復活祭のお祝いにしたようです。
友人も語っていましたが、戦利品(?)は共同の籠に入れて、みんなで公平に分配したのだそう。
最近のフランスでは、この消えた風習を復活させているところもあるそうです。
下の動画は、そんなことをしたアルザスの村を紹介しているニュース。朝早く起きなければなりませんが、「みんなを起こしてしまうのは楽しい」なんて子どもたちは言っています。
プレゼントをもらえる楽しみがあるに加えて、いたずらっ子の気持ちもくすぐる楽しみもあるでしょうね~。
Les crécelles, une (bruyante) tradition de Pâques
この風習の話しが出たとき、自分の子ども時代にはそんな風習がなかったという人もいました。インターネット情報を見ても、フランスの北東部で風習を復活させる動きが見えました。
始めの動画(ベルギーの町)では、友人が語っていたのと同じように見えて、自然にやっているように見えました。ルクセンブルクでは、Klibberenという名でラチェットを鳴らす風習が今日でも残っているようです。
ふと不思議に思ったことがあります。
カトリックでは、カーニバルの時期に、子どもたちが仮装して家々を回ってお菓子などをもらう風習があります。復活祭の直前にもやったら、頻繁すぎてしまいはしないのでしょうか?
フランスでも、ラチェットを子どもたちが鳴らす風習がない地方もありそうなのは、そのどちらかにしているのではないかと思ったのですが、どうなのかな?... スペインでは、クリスマスよりは、エピファニー(公現祭)のときが子どもたちがプレゼントをもらう風習になっていると聞いたので、そんな風にどちらかになるのではないかな、と思ったのですけれど。
◆ ラチェット
子どもたちが鳴らすのは「bruyante(うるさい、という意味)」だと言っていたのですが、私がcrécelle(クレセル)という名で知っている道具だろうと思いました。 インターネットで確認すると、それに間違いありませんでした。
日本でもラチェットと呼ばれて、体鳴楽器と説明されていました。
実は、私も、アンティークショップだったか蚤の市だったかで見つけた持っているのです。 買ったのかと思ったのは勘違いで、買い物をしたときにオマケでいただいたのでした。
裏に「1879」という数字が書き込まれています。それが製造の年なのかな?... 数十年前には復活祭の前の聖週間に欠かせない道具だとしたら、こんなものがアンティークショップにあったのも納得できます。
かなり良い状態のもので、棒の部分を持って振り回すと遠くまで聞こえる音が出ます。写真の右側に映っているところがギザギザの歯車のようになっていて、そこにぶつかった木の部分が音を出すという単純な仕組みなのですが。
フランスでは中世からあったそうで、らい病患者が道を歩くときに、周りの人たちが感染しないように逃げるようにという警告にも使っていたと聞いていました。大きな音を出すので、ばか騒ぎするときに鳴らすのが楽しいのだとも...。
Wikipedia情報では、ケベックでは、畑で働いている人に、奥さんが「ご飯ですよ~!」という知らせとして使っていたとか。
子どもたちが聖週間に鳴らすラチェットには、いろいろな形があったようです。昔は、家で作ることも多かったのだそう。
棒を持ってグルグル回すタイプと、取っ手を回すタイプとがありました。
復活祭のラチェットとして、こんな立派なのもWikipediaの画像として入っていました。
Crécelle de Pâques
今でも売っていました。昔のに比べると味気ないですが。

Crécelle en bois
◆ 日本では楽器として知られている?
ラチェットは、「おもちゃの交響曲」にも登場しています。
私が持っているものは、音が出る部分の長さが24センチでした。かなり大きな音が出るので、幼児がこんなものを振り回して遊んだら、うるさくてたまらないと思いますよ...。
ラチェットは、日本では子どもの玩具にはなっていないのではないでしょうか?
でも、キーワードを少し変えて検索してみると、日本で手に入れるのは難しくなさそうです:
☆ サウンドキング ラチェットを楽天市場で検索
でも、演奏用の楽器として売られているように見えました。
「おもちゃの交響曲」以外にもこれを必要とする楽曲があるのだろうかと不思議になったのですが、Wikipediaの「ラチェット (楽器)」を見たら、使用例が幾つも並をんでいました。
チャイコフスキーのバレエ『くるみ割り人形』では、夜中に人形が動き出すときの音になっているのだそう。そう言われれば、ラチェットをゆっくり回せばそんな音がでそう...。
にほんブログ村
相手は食べ物を売る人たち。つまり、現代のフランス人にとって、復活祭はご馳走を食べる日ということなのかな?...
そう思ったので、私も伝統的なフランスの復活祭のご馳走である子羊を食べることにしました。
復活祭の当日、子羊の料理を始めようとしていたら、近所の人がやってきました。川で釣ったばかりのマスを持ってきてくれたのです。ご親切に内臓は取り除かれていました。
こういう場合にする礼儀として、食前酒をふるまう。ちょっとしたオツマミも作って出す。
それにしても、この日に朝から釣りに行って、お昼前にお裾分けを呑気に持ってきてくれるということは、復活祭のご馳走を食べる日というわけではない、ということ?
おしゃべりをしながら、気になっていたことを聞いてみました。
◆ 今年は教会の鐘が鳴っていた...
数年前、復活祭の前の2日間は教会の鐘が鳴らないことに気がつきました。
そのときのことを書いた日記:
★ 復活祭の前日、教会の鐘が鳴らないのに気が付く 2009/04/12
聖なる木曜日(最後の晩餐の日)のミサの後、フランスの教会にある鐘はローマに行ってしまうので、キリストが復活する日曜日までの間は鐘を鳴らさない風習があるのです。
それを知ってから、本当に教会の鐘が鳴らないのかを確認しようと思ったのですが、毎年忘れていました。
確かめなきゃと思いたってのは、昨夜。つまり、復活祭の前日の夜。
ひっそりしていた土曜日だと思ったのですが、教会の鐘というのは、聞こえないはずはない距離にいても、意識しないと聞こえないことが多いのです。
それで、1時間近く、部屋の中をウロウロしたり、窓ガラスに耳をつけたりして教会の鐘がなるかどうかを確かめした。窓ガラスをあけておけばよく聞こえますが、寒いのでそんなことはできなかったのです。
なんとなく鐘の鳴り方、あるいは鐘の打つ回数が、いつもとは違うとは感じたのですが、鳴っていたことは確か。それでは伝統に外れるではないですか?!
でも、思えば、私が復活祭の直前には鐘が鳴らないと確認したのは、敬虔なクリスチャンが村長だった時代でした。村長になった人は、何かしら村に功績を残すことになっているそうで、その人の場合は、村の教会に暖房装置を付けたので、敬虔なクリスチャンなのだろうと思っただけなのですが。
紐をひっぱって鐘を鳴らす係の人がいた時代とは違って、今は電動時計で鐘の鳴り方を操作しています。復活祭の前の2日間だけは鐘を鳴らさないようにするなどというのは、村長さんが機械を操作しに行っていたからではないかと思いました。
マスを持ってきてくれた人は村で生まれ育った人なので、教会の鐘について聞いてみたいと思いました。でも、彼は鐘が鳴ったかどうかなんかは気にしていなかった様子。
でも、復活祭の前にする伝統として、面白い話しをしてくれました。
◆ 復活祭の前、教会の鐘がならない時期に子どもたちがしたこと
懐かしいな... という感じで話してくれました。
復活祭の前に教会の鐘がローマに行ってしまっている間に、子供たちがすることがあったのだそうです。
教会の鐘は、朝、昼、夜と1日3回のアンジェラスの鐘を鳴らすのですが、復活祭直前にはそれがない。そこで、本来なら聞こえるはずの鐘の音の代わりに、子供たちが音を出して家々を回るのだそうです。 鐘がならないのは3日間とのこと。そのお役目が終わると、まわった家々の人が卵とかお小遣いなどをプレゼントしてもらえる、という風習。
「アンジェラスの鐘ですよ~」という感じのことを言いながら村を回り、bruyanteというものをカラカラと鳴らしたのだそう。
節をつけてフレーズを言っていました。もう聞くことがない伝統なので、録音しておけば良かったな...。でも、この次に会ったときに、録音したから言ってと頼んだら、またやってくれると思う。
こんなフレーズだったと思います。
V'la c'est l'angélus qui sonne! V'la c'est l'angélus qui sonne!
アンジェラスにアクセントを置いていて、qui以下の部分が少し早口で、語尾が下がってポツリと音が消えます。日本の冬の伝統にあった「カチカチ、火のよ~じん!」という単調な言葉の響きによく似ていると思いました。
フランスにあった習慣なら、インターネットで調べたら出てくると思ったので探してみました。
失われた伝統を復活している地方があるようです。 まさに、こんな感じだったのだろうという動画が見つかりました。
Les crécelles de la semaine sainte à Ansart (Tintigny)
この動画は、ベルギーのフランス語圏の町のものです。お昼のアンジェラスの鐘のときのですね。「正午ですよ~。ポンナペティ~(美味しい食事を)!」と繰り返しながら歩いています。
マスを持ってきてくれた友人は、彼も一緒に行った、あの人も行った... と近所の人たちの名をあげたので、これをやるのは男の子たちだったように思いました。インターネットで調べたところ、主に「enfants de chœur」と呼ばれる、ミサのお手伝いをする子どもたちがしたと書いてありました。今では、そういう役割を持つ子どもたちは少ないと思いますが、信心深かった昔はどの村にもいたようです。
アンジェラスの鐘が鳴る時間にご近所回りしなければいけないわけですが、15分くらい遅れるのは大丈夫なんだ、なんてことまで覚えてしました。
もらい物をするには、お年寄りの家を狙ったと言います。
分かりますね...。普段は気にも止めない鐘の音でも、鳴らないと気がつくと、ひどく物足りないのです。それが気になってしまうと、耐えがたいくらいの沈黙だと感じてしまう。そんなときに、可愛い子どもたちが音を出しながらやってきてくれたら、私が一人住まいのお婆さんなんかだったら、プレゼントをはずんでしまいますよ~!
でも、時計が普及していない時代には、子どもたちが変わりに時を告げてくれるのは役にたったようす。教会の鐘が鳴らない間に子どもたちは時を告げる係を演じて、復活祭の前日にご褒美としてイースターの卵をもらって復活祭のお祝いにしたようです。
友人も語っていましたが、戦利品(?)は共同の籠に入れて、みんなで公平に分配したのだそう。
最近のフランスでは、この消えた風習を復活させているところもあるそうです。
下の動画は、そんなことをしたアルザスの村を紹介しているニュース。朝早く起きなければなりませんが、「みんなを起こしてしまうのは楽しい」なんて子どもたちは言っています。
プレゼントをもらえる楽しみがあるに加えて、いたずらっ子の気持ちもくすぐる楽しみもあるでしょうね~。
Les crécelles, une (bruyante) tradition de Pâques
この風習の話しが出たとき、自分の子ども時代にはそんな風習がなかったという人もいました。インターネット情報を見ても、フランスの北東部で風習を復活させる動きが見えました。
始めの動画(ベルギーの町)では、友人が語っていたのと同じように見えて、自然にやっているように見えました。ルクセンブルクでは、Klibberenという名でラチェットを鳴らす風習が今日でも残っているようです。
ふと不思議に思ったことがあります。
カトリックでは、カーニバルの時期に、子どもたちが仮装して家々を回ってお菓子などをもらう風習があります。復活祭の直前にもやったら、頻繁すぎてしまいはしないのでしょうか?
フランスでも、ラチェットを子どもたちが鳴らす風習がない地方もありそうなのは、そのどちらかにしているのではないかと思ったのですが、どうなのかな?... スペインでは、クリスマスよりは、エピファニー(公現祭)のときが子どもたちがプレゼントをもらう風習になっていると聞いたので、そんな風にどちらかになるのではないかな、と思ったのですけれど。
◆ ラチェット
子どもたちが鳴らすのは「bruyante(うるさい、という意味)」だと言っていたのですが、私がcrécelle(クレセル)という名で知っている道具だろうと思いました。 インターネットで確認すると、それに間違いありませんでした。
日本でもラチェットと呼ばれて、体鳴楽器と説明されていました。
実は、私も、アンティークショップだったか蚤の市だったかで見つけた持っているのです。 買ったのかと思ったのは勘違いで、買い物をしたときにオマケでいただいたのでした。
裏に「1879」という数字が書き込まれています。それが製造の年なのかな?... 数十年前には復活祭の前の聖週間に欠かせない道具だとしたら、こんなものがアンティークショップにあったのも納得できます。
かなり良い状態のもので、棒の部分を持って振り回すと遠くまで聞こえる音が出ます。写真の右側に映っているところがギザギザの歯車のようになっていて、そこにぶつかった木の部分が音を出すという単純な仕組みなのですが。
フランスでは中世からあったそうで、らい病患者が道を歩くときに、周りの人たちが感染しないように逃げるようにという警告にも使っていたと聞いていました。大きな音を出すので、ばか騒ぎするときに鳴らすのが楽しいのだとも...。
Wikipedia情報では、ケベックでは、畑で働いている人に、奥さんが「ご飯ですよ~!」という知らせとして使っていたとか。
子どもたちが聖週間に鳴らすラチェットには、いろいろな形があったようです。昔は、家で作ることも多かったのだそう。
棒を持ってグルグル回すタイプと、取っ手を回すタイプとがありました。
復活祭のラチェットとして、こんな立派なのもWikipediaの画像として入っていました。
Crécelle de Pâques
今でも売っていました。昔のに比べると味気ないですが。
Crécelle en bois
◆ 日本では楽器として知られている?
ラチェットは、「おもちゃの交響曲」にも登場しています。
私が持っているものは、音が出る部分の長さが24センチでした。かなり大きな音が出るので、幼児がこんなものを振り回して遊んだら、うるさくてたまらないと思いますよ...。
|
でも、キーワードを少し変えて検索してみると、日本で手に入れるのは難しくなさそうです:
☆ サウンドキング ラチェットを楽天市場で検索
でも、演奏用の楽器として売られているように見えました。
「おもちゃの交響曲」以外にもこれを必要とする楽曲があるのだろうかと不思議になったのですが、Wikipediaの「ラチェット (楽器)」を見たら、使用例が幾つも並をんでいました。
チャイコフスキーのバレエ『くるみ割り人形』では、夜中に人形が動き出すときの音になっているのだそう。そう言われれば、ラチェットをゆっくり回せばそんな音がでそう...。
ブログ内リンク:
★ 目次: フランスで感じるキリスト教文化
★ 目次: フランスの祭日・年中行事について書いた日記
外部リンク:
☆ Crécelles à manivelles
☆ Les crécelles de Pâques...
☆ Traditions à Rarécourt: autour de Pâques
☆ La fête de Pâques - Kientzheim en Alsace
☆ 動画: Le retour des crécelles à Kientzheim
☆ Le Grand Voyage pascal des cloches
☆ Comment les Luxembourgeois célèbrent Pâques
☆ Au son des crécelles, les enfants de choeur parcouraient les rues du village
☆ おもちゃの交響曲
☆ Wikipédia: Servant d'autel - enfants de chœur
にほんブログ村
| HOME |




