彼の授業を受けての子どもたちの感想です。
「今までは、ほめられるといい子で、みんなと同じようにしていることがいいことだと思っていました。今回の学習で、自分らしく生きるというのは、自分のしたいことを選び、本当の自分を出して、自分なりの人生を送ることだと思いました。みんなとちがう所がいいところだと思うと、自信が持てるようになりました。」
「ぼくは、ブラウンさんの詩を読んで、受け取ったことがあります。それは、自分の考えを持てる人になろうということです。「こうしないといけない。」というとがあっても、自分には特ちょうや個性があるから、それをもとに自分で決めるということです。いろいろな違いは、個性なんだから、それが自分と思って人生を送りたいです。自然な自分でいることが大切なんだなと改めて感じました。」
よく、教育の現場では、「自己肯定感」という言葉が使われます。でも、それは具体的には、一体どうしたら育つものなのかがなかなか提示されません。彼の授業は、ずばりそれに答えるものでした。私はこの授業をうけながら、自分自身の思春期のとき、どうしてあんなに苦しかったのか、それを感じ続けていました。もし、私が思春期前にこのような授業を受けていたなら、どんなに生き易かったことでしょう。
私は、世間体を一番に大切にする母によって、がんじがらめにされていたと思うのです。
さて、これらの授業に入る一番初めに、彼は生徒にアンケートをとっています。
今の時点でかかえている体とその変化についての悩みや不安、これから起こる体とその変化について持っている思い、知りたいことを明らかにする。
それを通して、みんなも同じように、悩んだり、不安に思ったりしていることが感じられるようにします。
その二時間のあと、「自分の性器を知ろう」で、男女それぞれの外性器、内性器の名称と役割を明らかにします。
そして、男女の内性器を類比します。男女の形状とはたらきがよく似ています。性腺原基から分化していく仕組み→基は同じ性腺原基だったことに気付くようにします。そして、新しい生命を作り出す生殖器が、自分にも備わっていることから、自分や性について肯定的にとらえられるようにします。
そこまでの三時間のあと、「第二の誕生」に入ります。二次性徴、射精や月経開始などの二次性徴がいつ始まるかは、人によって違うことに気付くようにします。そして、二次性徴の意味を考えます。
それらの4時間の後、「ぼくのペニスって変?」に入ります。ペニスが化膿したというトラブルを提示します。そして、ペニスの皮と包茎について、明らかにします。その説明には、ジャージの袖口を使います。その上で、化膿した理由を考えます。そして、皮をむいて、汚れや垢を落とすことを伝えます。さらに、多くの大人が包茎はよくないと考えており、手術を勧める広告があることに触れます。
これこそ、本当にやってほしい授業でした。思春期に入る前にこそ、これらのことを教えてもらっていれば、多くの若者が大金を払って不必要な手術をうけなくともすむのです。
これについて、会場から、いろいろな意見も出ました。こどもが赤ちゃんのときに、小児科のドクターがプルンとむいて、包茎でなくしてくれたという人もいました。
私は、東京都の包茎の治療に膨大な治療費を契約させられた人への仲裁の報告集を提示しました。なんと、300万円以上も払わされた人もいるのですよ!!(ネットで、包茎・手術・被害者と入れて検索すれば出てきます)
これらの体の変化の学習をした上で、先述した「性別」や「自分らしく生きる」(国語)になるというわけです。
本当に見事な授業報告でした。多くの学校では、通り一遍の初経教育がされているだけという状況の中で、こんな授業を受けることができた生徒たちは、とてもシアワセだと、本当にそう思いました。
尚、彼のこれにの授業については、次の季刊「SECSUALITY」で報告されます。私のつたない報告よりも、授業計画などもきっちり記載されたそれを、読んでほしいと思います。
また、村瀬先生の講演などのお話もしますね。
セミナーのあと、みんなで打ち上げに行った福屋の裏の「永遠家」。それは新鮮でおいしいご馳走をたらふく頂きました。それなのに、とてもお安くて。でも、私の席が窓のすぐそばで、外からの冷気が寒くって震えました・・・。
「体の相談室」と「著書」の販売があります。
ぜひ、覗いてみてください。
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