debt:武富士もチキンレース
asahi.com:武富士、投資家に「債務減額」求める 資金繰り対策
(1)転換社債を額面の半額以上の現金に交換(2)額面の4分の1以上の現金と残額相当分の普通社債に交換——という二つの選択肢を投資家に示した。武富士が(1)(2)の双方で用意する現金の上限は180億円。うまくいけば、繰り上げ償還のかなりの部分を免れることになる。
転換社債とはいえ、株価がこんなでは全部返せという話になってしまうので、負けてくれろというわけである。
サラ金のかつての苛斂誅求な取立を記憶している人たちは、何を甘えているのかとか、お前がいうかとか、皮肉な思いにかられることだろう。
しかし、この条件を呑まないと法的整理になり、社債もほとんど紙くずになるというおそれが目の前にあれば、結局は応じざるを得ない。武富士には高額の年金受給者が多数いて、たとえ会社がつぶれても年金だけは払えと記者会見したりするという事情はないだろうし、またさすがの亀井金融行政も武富士を救う公的資金は出さないだろうから、債権者が泣かなければ結局紙くず債券だけつかむということになりかねない。
ただし、債券はさらに小口で売却しているから、泣くのは大口債権者だけでなく、小口の一般投資家かもしれない。そうなると、さらに証券不況への動因ということになって、直接の投資家だけでなくみんなが迷惑するかもしれない。
そういうわけで、サラ金でさえも、簡単にはつぶせないという現代社会の皮肉な状況だ。
ま、拓銀だの山一だのがつぶれたことやリーマンショックに比べれば、影響は微々たるものという評価も可能かもしれないが。
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