2012/12/29
良いお年をお迎えください。 +【写真】締めくくりのハッセルブラッド +【音楽】彼方へ続く海ーLa Mer
もう今年も後残りわずかになってきました。今年は年末になってから日本も激動する年になったし、わたしも骨折するなんていう激動の体験をする年末となってしまいました。
激動した日本に関しては、多少の政策の違いはあったとしても、結局は誰が政治やっても変わらないなんて訳知り顔で云っていたところがあったなら、そんなのがまるっきりの嘘っぱちだったことを嫌というほど体験させられた3年近くの体験のあとだったから、より良い選択ができるように柄にも無くいつもよりも真剣になったりしたひと月だったように思います。
わたし個人の出来事としては年末のひと月はやっぱり怪我したことが今一番頭を占めることになって、一年間のことが全部その背後に隠れてしまったような感じになりました。特に夏から現在にかけての後半部分がすっかりと印象から抜け落ちてしまった感じになってます。さらに今頃はいつもならクリスマスの記事でも書いているところを今年はどうもそんな気にならなかったし、それ以前にも去年書いたような紅葉やイルミネーションの記事も書けずじまいで終わってしまいました。
気分的にはやっぱりかなり低空飛行状態になっていたかも。
それほどこのひと月わたしの生活を占領してしまった骨折状況ではありますが、その一連の出来事の一つとして連休明けの25日に定期的な診察を受けに整形外科に行ってきました。最初にレントゲンを撮ってから約3週間ということで経過を確認するために2度目のレントゲンを撮ることになりました。
まだ骨折した指は腫れているし変色して黒くなっているのもとれていないという事で若干危惧していたんですが、レントゲンを撮った結果は順調に骨はくっつきつつあるということでした。ずれてもいないそうで、「これが最初に撮ったレントゲン」と、以前のものと比較して目の前に出されてもわたしには同じものとしか見えなかったけど、先生がそういうんだから順調に経過してるんでしょう。
ただ、未だに腫れはひいてないし変色もしてるというので、まだまだ治ったとはいいがたい状態でもあるらしく、添え木は取れたものの骨折した指を、隣の指を支えにするような形で一緒にぐるぐるとテーピングして固定するのは暫く続けるそうです。
添え木がとれたのは本当に楽になって、支えがないとちょっと不安なんですけど、多少は歩きやすくなりました。
添え木といっても大体指の幅よりわずかに広いくらいの金属の細長い板を足裏から指にかけて強力な絆創膏でくっつける形になったものでした。この金属板が直接足裏に当たらないように中綿のようなものを巻きつけてクッションにしてあるんですけど、このクッションの厚みが足裏で段差を作ってしまって、このままの状態で踏み込むと絶えず段の上に足を置いてるような形になって、日常生活も含めてすべてこの形で足元を踏みしめていたので結構痛くなってきてました。
添え木からは解放されたけど、お正月はこのテーピング状態で過ごすことになりそう。添え木に比べるとほとんど意識しないような補助処置にはなったけど、時折テーピングしているのがわずかな感覚として伝わってきます。歩いてもあまり痛さを感じなくなってきてるので、気にすること無しに早く出歩けるようになりたいです。
今年もまた写真が頭の中の大きな領域を占め続ける年でした。元々本読んだり映画見たりするインドア派の典型的な性格だったのに、アウトドア派の行動としかいいようのない生活スタイルになったこの数年の傾向が続行中といったところでしょうか。とはいっても運動嫌いというような性格はそのままで、アウトドアっぽいスタイルといっても室内であれやこれや考えていたようなことを屋外に場所を移してやっているだけのことなのかもしれません。
その余波として映画や小説などを見たり読んだりするのが激減した一年でもありました。見たい映画読んでみたい本はあるんだけど、その時間があったらカメラ持って歩き回ってるって云う感じ。来年はちょっとバランスのいい精神活動を目指そうかなとも思ってるんですけど、やっぱりカメラ持って飛び回ってるかな。
今よく使ってるニコンのF2フォトミックA、サラ・ムーンが使っていたらしいニコンF2と同型のカメラ(この辺結構ミーハー)ですが、これに紅葉前に男山で撮ったフィルムが入ったままになってます。
足の状態が気にならなくなったら、このフィルムを最後まで撮りきって現像に出すことから思わない形で中断してしまった写真をまた始めてみたいです。
今年も締めくくりはハッセルブラッドの写真で。

hasselblad 500c/m + Carl Zeiss Planar C 80mm F2.8 T* : FUJIFILM PRO400
最初の頃よりも手にした感覚にも馴染んできたし、多少は図太くなって馬鹿でかいシャッター音もそれほど気がひけるような感覚も無くなり、結構持ち出して使うカメラになってきました。
さて今年の最後の記事に似合いそうな写真はあるかなと、ハッセルで撮った写真を色々と眺め渡した後で選んだのがこの写真。ただ、上に手に馴染んできたと書いてるものの、今年撮ったハッセルの写真で年末っぽいものに結び付けられそうなものは結局一枚もなかったので、選んだのは去年に撮った写真だったりします。
なにかの店の飾り窓だったかはっきり覚えてないんですけど、頬杖をついて外の世界を眺めている天使にちょっと惹かれて撮ってみたもの。もうすぐやってくる新しい年に思いを馳せる姿という風にこじつけて、今年の締めくくりの記事にピックアップしてみました。
今のわたしの状況と重ねてみると奇しくも外に思うように出歩けなくてうんざりしてるわたしの精神状態をあらわしてでもいるような感じでもあります。
La Mer. Charles Trenet
歌手であり作曲家でもあるシャルル・トレネが作り自ら歌ったシャンソン、いかにもシャンソンっぽい優美で懐かしい響きの曲として、世界中でカバーが歌われました。
わたしの中では「Aquarela do Brasil(ブラジルの水彩画)」なんかと同系統のサウダージ感のある歌として好きな曲だったんですが、原題は単純に「海」とついているだけなのが、アメリカで「マック・ザ・ナイフ」を歌ってヒットを飛ばしたボビー・ダーリンが歌うこの曲のカバーのタイトルは「ビヨンド・ザ・シー」とちょっと意味が追加されたようなタイトルとなって、これが新年を前にした今の気分にぴったりなんじゃないかと選んでみました。
ボビー・ダーリンといえば、ケヴィン・スペイシーがボビー・ダーリン役となった伝記映画「ビヨンドtheシー~夢見るように歌えば~」でスペイシー本人が歌ったものがあります。これがまた歌手の役をやるというポイントで上手く歌を歌うというのも演じてしまう、俳優というのはたいしたものだと思うほど、見た目のそっくりさに劣らない堂々とした歌いっぷりで吃驚すること請け合いです。
シャルル・トレネの歌い方はいきなりテンションを上げて歌い上げたりと、演劇的なシャンソンの歌い方で、こういう大仰さはわたしには今ひとつピンとこないものがあるんですけど、いかにもシャンソンって言う雰囲気は濃厚に含んでいるように思えます。
このシャルル・トレネのYOU TUBEにあったPVは使ってる写真も洒落てます。わたしは今年の夏に大阪港の海に入り浸っていたけど、こういう抽象性を伴った海には出会わなかったし、おもうにやっぱり港ではなく海岸のある海に行かないと海の情緒のようなものには触れられないのかななんて思いました。
La Mer - Django Reinhardt
演奏としてはジプシー・スウィングのギタリスト、ジャンゴ・ラインハルトのものが、アメリカの演奏ではなかなかたち現れてこない香気のようなものにつつまれていて結構好き。
ちなみにジャンゴ・ラインハルト版の「ラ・メール」はこういうのです。最初のほうは盟友であったステファン・グラッペリのバイオリンがメインになっている印象が多少あるけど。
意図的に中心軸から足を踏み外しそうになりながらも何処かで軸と結びつくところは維持してそれほど逸脱しない印象で、適度なラフさを伴って渡り歩いているような演奏といった感じかな。ラストの収束に向かうギターの和音の積み重ねは見事フィニッシュが決まったフィギュアスケートのようなかっこいい響きになってます。
ギターを伴奏の楽器としてではなくメインの楽器として使った開拓者といった感じの側面もあるギタリスト。ラインハルトは左手の指が火事のやけどでの後遺症で3本しか使えなかったんですけど、それでもこんなに弾いてしまえるのは驚異的ではあります。
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今年一年我がブログへ遊びに来てくれた皆様、本当にありがとうございました。
ブログを始めた当初、どうやったら人が来てくれるんだろうと途方にくれていた状態がまるで嘘のように盛り上げてもらって感謝してます。
お正月はブログ活動は一時的にお休みにしようと思ってます。
来年再開の時には、よかったらまた彗星絵具箱と遊んでやってくださいませ。
皆様も良いお年をお迎えください!
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