2021/10/25
知覚の地図 XXⅥ 白い丘の上で、羅針儀が痙攣しながら示す、遠い石の街。
写真は以前ニコンのデジカメで撮ったもの。このカメラ今では壊れてしまって使えなくなってる。結構使い勝手のいいデジカメだったんだけど、中古で買い直すのも修理に出すのも想定外の出費になるから放置状態だ。
放置と云えば以前にも書いたあと6枚撮れば現像に出せるフィルムが装填されたままのFM3A、あれも結局あれから触りもせずに6枚残ったまま埃をかぶっている。結局潰瘍性大腸炎で動き回れる範囲が極端に狭くなってからの精神状況っていうようなのが、そのままになっているんだと思う。そうこうしているうちにフィルム事情もますます悪化してきてるに違いなく、このところフィルムも買いに行ってないから正確には分からないけど、おそらく種類はもっと少なく価格は常軌を逸したように高価になっているんだろうなぁ。何やかや、いろんな事情が水を差して、写真へのモチベーションが維持しにくくなりつつある。このところはもう手軽も手軽、アイフォンのカメラでかろうじてそのモチベーションを維持している状態なんだけど、それにしてもアイフォンをカメラとして使った時のあの持ちにくさは何だろう。ファインダーをのぞかないと気が済まない感覚の持ち主としてはあの持ちにくさも相まって、写真を撮っている気分には全然なれないまま、結果としては見るからに手軽な写真が手元に残り続けることとなっている。
入れっぱなしの残りの6枚をとにかく撮って現像に出せば、そして今やコードを外して別の機材を繋いでいるPCの差し込み口に再びスキャナーを繋ぎなおせば、多少はあの時の熱が戻ってくるだろうか。現像を頼んでいたところもご無沙汰だけど、今でもわたしのことを覚えてるかな。というか今も現像をやってるのかも不安だ。
Nikon CoolPix S9700
今回は最近お気に入りのコミックの話。
「SHIORI EXPERIENCE~ジミなわたしとヘンなおじさん~」っていう音楽コミック。音楽ものは画面から音が聞こえてきそうなよくできたものがいくつかあるけど、これもその一つじゃないかと思う。
ギターにあこがれて昔バンドを組んでいたものの、今は冴えない女教師となっている主人公が、手違いでクロスロードでの悪魔の契約をしたということになってしまい、その結果、またギターが弾けるという理由だけでそのクロスロードの番人になっていたジミ・ヘンドリックスが主人公の元へ下りてきて憑りついてしまうという話だ。契約に課された条件は27歳が終わるまでに音楽的伝説を作らなければ死ぬということ。でもこの物語を動かすための設定は、主人公本人がほとんど気にしている様子もなく物語の主軸にはなかなかなっていかない。むしろはぐれ者が集まってバンドを結成して、再び一緒に音を出す喜びを見いだす一方、目の前に次々と立ちはだかる様々な障壁に挑み、挫折を味わいながらも成長していくという王道派の熱い物語が、あくの強い悪役を絡めて展開していく。
強烈なのはこの憑依するジミヘンのキャラクターで、もっとも姿は主人公本人やバンドメンバーのオカルト少女にしか見えてはいないんだけど、これがまた音楽に関して無茶苦茶にシリアスでかっこいい言動を見せるかと思えば、タイトル通りアフロヘアのへんなおじさんとしかいいようのないオフビートのお笑いをまき散らすキャラクターへと変貌するような、強烈な個性を発揮している。読んでいてこのお笑いのセンスどこかで体験したことあるんだよなぁと、そのアフロの風貌と相まって記憶を刺激され続け、思い当たったのが、「探偵物語」の工藤ちゃんだった。工藤ちゃんを演じた松田優作があのノリでこのジミヘンを演じたら、おそらくコミックから受ける印象と寸分変わらなくなるんじゃないか。「探偵物語」のノリが好きなら、このコミックも絶対に気に入ると思う。
そして絵が上手い。登場人物の個性が際立ち、みんな同じ顔にしか見えない萌え絵なんて一つも出てこない。ギャグに走るジミヘンも主人公にジャックインしてソウルフルなギターを弾くジミヘンも、両方ともジミヘンそのものであると信じ込ませるほどにイメージ的に説得力がある。演奏シーンの決まったポーズもかっこいい。ギターをもってステージを駆け回り、様になる姿が満載で、それがコミックの中で演奏される音楽の躍動感を伝えてくる。音楽ものコミックとしてはそれほど有名でもないのかなぁ。あまり話題に上ってこないような印象なのがもったいない。
公式サイトの試読のコーナー、ここで第一話を丸ごと試読できる。
https://magazine.jp.square-enix.com/biggangan/tachiyomi/shiori_01/
☆ ☆ ☆
この前3COINSで買った眼鏡ストラップ。前からこういうのが欲しくて自作するつもりだったんだけど、長さがどのくらいだとジャストなのか決めかねてそのままになっていた。売り場で見つけてしまえば、なにせ300円だし、自分で作る時の参考にもなるし、と云うことで試しに一つ購入。つけてみると長さはこれで過不足無しだった。他にもパールビーズと色味の入ったパーツを組み合わせたものなど、三種類ほど売り場にはおいてあって、そのうち他のもまた追加で買ってくるつもりだ。
わたしの眼鏡は老眼鏡の遠近両用だから、頻繁に掛けたり外したりする必要もなくて、そういう用途ではわたしには意味のないアイテムなんだけど、純粋にアクセサリーとしてつけてみたかった。
もうずっとお気に入りのコックシューズ。コックシューズ普及委員会としては紹介する衝動を抑えきれない。以前はシェフメイトと云うのを履いていたけど、最近のこれはアキレスのもので、クッキングメイトと云う名前がついている。コロンとしたシンプルなサボ風のシルエットが、モード系の服だって思いのほか馴染んでしまう。
とにかく雨の日には最強になる靴で、厨房という水場で使うことを想定されているから、濡れた路面でもまるで滑らない。もちろん雨がしみ込むこともない。合皮だから汚れても水拭きで綺麗になる。気楽に履けるのも気に入って、結局雨降りじゃない日も履いて出かけている。
わたしは靴の本体の色と関係なくソールが白い板状になって底にくっついているようなスニーカー的色配分の繊細さの欠片もないセンスが嫌いでスニーカーはほとんど履かない。コックシューズにもこのスニーカー的配色のものが当たり前のようにあるなか、この靴は全体が単一色で統一されているから、そういうポイントでも好みの基準を満たしている。ただソールそのものは白っぽい色なのでそれが気にくわないと云えば気にくわないんだけど、接地しいている状態では見える範囲にはほとんど出てこないから、まぁ良いとしよう。
今年の冬はドクター・マーチンのブーツとクレマンのチロリアン・シューズとこれのローテーションでいってみよう。
ちなみに寒くなってからはこういう感じの上にGジャンという組み合わせが多い。