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09.03
Sat
ここまでの内容
1.原発再稼働〜避難計画「どこに向かう 日本の原子力政策」NHK解説スタジアム8/26(文字起こし)


https://youtu.be/pv3pH9e2RpU?t=18m35s
老朽原発 40年ルール

西川:
そこでそのようにコストとか色々問題はあるんですけど、
その延長上には老朽原発の運転延長という問題があると思うんですけど、この形骸化が指摘されているということ。
この辺はどういう見方でしょうか?


竹田:
基本的な数値、データとして考えますとね、
まず国はなんて言っているか?というと、まずエネルギー基本計画というのをちゃんと作っていて、そこで2030年レベルで電源構成として原発に大体20%から22%原発に持ってもらうという計画を立てているんです。
それを実際やってみようとすると、2030年時点って、大体原発って30基程度動いていることが必要なんですよね。
ところが、ところが、その40年ルール廃炉を厳格に適用しますと、多分2030年時点で動けるのは大体25基ぐらいだと言われているんです。
そうすると、その差の5基はどうなるのか?
新しく原発をね、最新鋭で大容量の原発を新しく造ったり、同じ敷地内で造り替える、これをリプレースと言いますけれども、そういうことが、ま、できればいいんですけれども、かなり、今の現状では難しいですよね。
そうするとその部分は、結局全部運転延長。
結局40年を超えても運転延長というのがその部分でてこないといけないということになるんですよね。


板垣:
この40年ルールというのはですね、発表された時点でマスコミ人は、霞が関の文学を知っている、どういう文章を作るかということを知っているマスコミの人たちはですね、「あ、ザル法だ」と思ったわけですよ。
それで一斉に批判したんですよね。
でも「これは厳しい基準だ、20年は延長させません」と「なかなか厳しですよ」と言って切り抜けてきたわけです。
ところが今回、条件をまだクリアしていないのに20年延長を認める方向になってしまった。
そこで結局何が起きたか?というと、
あ、結局あの時指摘したことは正しくて、みんなそれで騙されてしまったんだということなんですよ。


つまりこの40年ルールというのは、本当に当初から、あの、ま、騙すっていうことではないんですが、まやかしが入っていたということだと思いますね。


関口:
ただその、(経済カット?)までいうのは、ぼくはその言い過ぎだなと思っているんですよ。
というのは、高浜の1、2号とか、美浜とか、申請したところはあるけど、一方では5つの原発の6基がね、もう廃炉を決めましたよね。
これはある意味でいうと電力会社が合理的な判断をしつつ、ま、自ら決めていくっていうことですよね。
だからそういう意味からすると、40年ルールというものを国がそのまま押し付けるんだったら、もう「40年経ったら終わりです」って言えばいいだけの話で、少なくとも電力事業者にその判断をさせて、それによって、ま、ある種の選別をしていくという趣旨は生かされている面もある、というふうに思います。


西川:
電源構成から見るとですね、2030年に20%とか22%が原子力というんだけれども、その先やっぱりその、まずその時点で達成されていたとしても、どんどんどんどん老朽した原発は廃炉になっていくわけですよね。
当然足りなくなってくる。
そこのところをどうするかっていうことを。
ちょっと新設という話も出たんですけど、


水野:
だから今政府は原発の割合を維持するために老朽原発を活用しようとしていますけど、
新設やリプレイスをどうするんですか?っていうと、「現状では想定していない」という言い方なんですけれども、「やらない」とも言っていないんですよね。
「想定していない」というだけで。
じゃあ、来年とか再来年になってきたら、そういう話が出てくるのかどうか。
一方考え方によっては、古い原発を一生懸命お金をかけて新しくしたりして使うよりは、最新鋭の設計でもって新しく造ったほうが安全ではないか、という考え方もあるわけなんですよね。
そこら辺をどう考えているのかというのは、よく、ま、見えてこないんですよね。


西川:
そこは、まやかしというか、その前に将来設計の中に見えていない部分があって、そこは議論されていないという。

関口:
それはエネルギーミクスを議論する時からそれはみんながわかっていたことで、議論されていたことだけど、それを封印しちゃったんですから、それはやっぱりリプレイス新増設どうするか?っていう議論は、あの、賛否ありますよ。
もちろん賛否あるけれども議論としては、もう一度立ち上げてやらなければならない。

島田:
そうそう、その立ち上げということでいうとね、結局去年政府が決めた2030年度時点での原子力発電での割合、これが20%から22%。これが決まった金科玉条(きんかぎょくじょう:人が絶対的なよりどころとして守るべき規則や法律のこと)のように言われるけれども、そもそもこの数字自体が、「福島原発事故前の28%よりも低くしたからいいだろ」と、そういうつかみの数字なわけですよね。
だけど、仔細に見ていったら、もっともっとこれは、安倍総理でさえ言っている、原子力の割合を、依存していく割合を減らしていかざるを得ないという、この基本方針にどこまで沿ったものなんだ?と。
これはですね、一回決めたらそのまんまじゃなくて、数年おきにきちっと見直していく
と。
そういう話で今関口さんがご指摘になった点について、考え方の整理が進まないですよね。


板垣:
ですからね、経済産業省の中の審議会の中でもメンバーが入れ替えになったんですよ。
それで推進派の人たちが沢山入っちゃったので、それはこういう計画にならざるを得ないわけですよ。

で、実際、新設の原発を今造ろうとすると大変高価なものになりますよ。
安全基準をクリアしなければいけない。
それから資材も上がっている。
そういうことの中で果たして電力会社が「あ、新設できるんだ」と言って、喜び勇んで造るかどうか?
それはわからないと思いますよ。
リスクもありますから。


西川:
ということで、長期的な視野での議論が欠けている、その材料もない、という、そういうところに尽きてくるんだと思います。



ーーつづく





安倍デタラメ原発政策を一刀両断 NHK番組の波紋広がる
2016年8月29日バックナンバー
安倍政権の“御用メディア”NHKが原発政策を批判(C)日刊ゲンダイ

 ライブだったからか、NHKが26日(金)深夜に放送した討論番組「解説スタジアム」は衝撃だった。

 NHKの解説委員7人が、「どこに向かう 日本の原子力政策」というタイトルで議論したのだが、日本の原発政策のデタラメと行き詰まりを赤裸々に語っているのだ。

 番組を見た元外交官の天木直人氏は、翌日のブログにこう書いている。

〈たまたま途中からそれを見た私は、たちまちその議論に引き込まれ、あっという間に見終わってしまった〉〈この番組は国民必見の番組だ〉〈そして、この番組を見た国民は、もはや日本が原発を維持する事は不可能だと知るだろう〉〈NHKの解説委員たちに敬意を表したい〉〈このような番組を作って放映したNHKは捨てたものではない〉

 番組を見た視聴者は、天木氏と同じような感想を持ったのだろう。ネット上では、NHKに対する驚きと称賛の声が上がっている。

〈解説スタジアム、すごい。是非ゴールデンタイムにやってほしい〉〈国会議員は全員観てほしい〉〈これがNHKかと、わが目、わが耳を疑うこと請け合い〉〈各委員の現政権の原子力政策に対する強烈な批判内容に驚いた〉

 7人の解説委員が口にしたことは、当たり前といえば当たり前のことがほとんどだったが、安倍政権の“御用メディア”NHKの幹部が原発政策を批判したことに、視聴者は驚いたのだろう。

■日本の原発政策を完全否定

 実際、解説委員7人の批判は強烈だった。

 ある解説委員は、「アメリカは、地震の多い西海岸には設置しないようにしている。日本は地震、津波、火山の原発リスク3原則が揃っている。原発に依存するのは問題だ」と日本の国土は原発に適さないと指摘。


 再稼働が進んでいることについても、「規制委員会が慎重に審査しているとしているが、審査の基準が甘い。アメリカの基準には周辺住民の避難計画も入っているのに、日本は自治体に丸投げだ。こんな甘い基準はない。安易な再稼働は認めるべきじゃない」と正面から批判した。

 その規制委員会や政府に対しては、こんな言葉が飛び出した。

「規制委員会は(再稼働にお墨付きを与えておきながら)『安全性を保障するものではない』としている。だったら地元住民はどうすればいいのか」「政府は責任を取ると口にしているが、(事故が起きた時)どうやって責任を取るのか。カネを渡せば責任を取ったことになるのか。災害関連死も起きている。責任を取れないのに、責任を取ると強弁することが問題だ」

「もんじゅ」を中核とする核燃料サイクルについても、「破綻している」「やめるべきだ」とバッサリ斬り捨てた。

 そして、最後に解説委員長が「福島原発事故では、いまだに9万人近い方が避難生活を強いられている。安全神話は完全に否定され、事故を起こすと、いかに手に負えないかを知ることになった」と締めくくっている。

 要するに、日本の原発政策を完全に否定しているのだ。改めて天木直人氏はこう言う。

「政治、経済、国際、科学……とさまざまな専門分野を持つ解説委員が、原発の危険性、核燃料サイクルの破綻、原発の高コスト、最終処分場が決まらないこと、さらに政府と官僚の無責任さなど、問題点を次々に明らかにする議論に引き込まれた。日本の原発政策がいかに矛盾しているか浮き彫りにしてくれた。よくぞ、放送したと思いました」



安倍首相が方針転換する可能性

 確かに、よくぞNHKは、日本の原発政策を全面否定する内容を放送したものだ。

 深夜23時55分~午前0時49分という視聴者が少ない時間帯だったから、自由に討論ができたのだろうか。あるいは、上層部は腐っていても番組を作る現場はジャーナリズムを失っていないのかも知れない。

 いずにしろ、安倍政権にショックを与えたことは間違いない。本来なら参院選の前に放送すべきだったのだろうが、いったん再稼働した高浜原発が裁判によって止まり、鹿児島県知事が川内原発の停止を九州電力に要請したタイミングで放送した意味は大きい。

 この先、「解説スタジアム」の番組内容が広く行き渡っていけば、国民世論と安倍政権の原発政策に影響を与える可能性もあるのではないか。

「もし、多くの国民が番組を見て原発の実態を知り、“原発反対”の声が広がったら、政府の原発政策が変更される可能性もあると思います。安倍首相は、世論に弱いからです。ポイントは、それほど原発に対して思い入れがないことです。原発にストップをかけた方が支持率がアップすると判断したら、あっさり政策を変えると思う。小泉純一郎は、『なぜ、安倍さんが原発をやめないのか分からない』『やめたら国民は拍手喝采しますよ』と一貫して主張している。日本が原発を放棄することにアメリカが反対しているという声もあるようですが、アメリカが了解したら、安倍首相は決断すると思います」(天木直人氏=前出)

 この5年間、「原発即時ゼロ」をしつこく訴えている小泉元首相の運動も、安倍政権にはボディーブローのようになっているという。

■「即時ゼロ」でも困らない

 安倍首相さえ決断すれば、日本は簡単に「原発即時ゼロ」を実現できる。原発を全面的に廃止しても、まったく困らないからだ。

 この5年間、実質「原発ゼロ」でやってきたが、弊害はひとつもなかった。

「3.11の後、原子力ムラは『原発を稼働させないと電力が不足する』『突然、停電したら医療機器がストップして死者が続出する』と散々、国民を脅してきました。でも、原発を稼働させなくても電力は十分に足りた。国民の節電意識が進み、省電力家電が増えたからです。これから人口が減る日本は、さらに電力需要が減るでしょう。その後、原子力ムラは『原発を稼働させないと電力料金が上がる』と新たな理屈を持ち出したが、その主張も説得力を失っています。原油価格が下落したために、火力発電のコストが大幅に下がっているからです。それに、NHKの解説委員が指摘した通り、『原発はコストが安い』という電力会社の言い分にはマヤカシがある。確かに、短期的なランニングコストは安いですが、建設から廃炉までトータルで考えたら、原発のコストは高い。イギリスでは、原発の建設に対して金融機関が融資しなくなっているほどです」(原発問題に詳しいジャーナリスト・横田一氏)

 そもそも、いまだに福島原発事故の原因さえ解明されず、いつ廃炉できるのかメドさえ立っていないのに、危険な原発を再稼働させようという発想が間違っている。

 福島原発は100年後も廃炉できないのではないか。

 それでも、安倍政権と原子力ムラが世界を騙し、危険な原発ビジネスに血道を上げているのは、カネになるからだ。その正体がバクロされれば、安倍政権は窮地に陥り、さらに「原発即時ゼロ」に追い込まれていくだろう。

 NHKの解説委員長が番組の最後に語ったように、原発は人間の手に負えないモンスターである。NHKが正面切って批判したことで、原発という悪魔の退治が始まるのか。政府のデタラメがことごとく明らかになった以上、それを決めるのは世論の盛り上がりなのである。





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