【ペイフォワード環境情報教室】130122茂木透先生Vol.014
<本日のテーマ>
地下探査による防災をテーマに、活断層調査について
Sawda:
北海道大学大学院理学研究院教授であり、地震火山研究観測センターの茂木透先生をお迎えしております。
茂木先生は北海道を中心に地震予知の研究などをされています。
先生には「地下探査による防災」というテーマで、活断層調査についてお話しいただきます。
地下探査で見えない部分を見る
Sawada:
前回は地震予知という部分でお話を頂きましたが、
今回はご専門であります「地下探査による防災」というようなテーマでお話しいただこうと思います。
地下探査というところですけれども、
ちょっと素人には聞きなれない言葉ですけれども、
具体的にはどういうような内容で地下探査というのはされているんでしょうか?
茂木:
「地下探査」というのはですね、字のごとく地下を探査する、調べるという事ですけど、
私たちの目というのは1cmの深さにコインが埋まっていても見えない、地下が見えないんですね。
だから、大事なものを埋めておく時に埋蔵金なんていうものもありますけれども、
私たちの目が見えないので、なにか他の技術を使ってですね、
「地下を見よう」という技術の事を言います。
それで、どうやって見るか?という事ですが、
普通使われているのが、まず、
地震波を発生させる。
「地震を起こす」と言うと変に思われる方がいるかと思いますが、
たとえば、地面を叩くんですね。
そうすると振動が伝わります。
それはずーっと、強く叩けば地下深いところまで達します。
それで、地下に硬い岩、軟らかい岩があると、その境界で地震波が反射してくるんですね。
その反射してくる時間をはかる事によって、
地下のどのぐらいの深さにそういう硬い岩があるか?とか、
軟らかい岩との境界があるか?とか、そういう事が分かります。
それからもうひとつの方法は、地面から電気を流します。
そうすると、電気抵抗の低い場所ですね、
たとえば水が多い場所とか、そういう所があると、そこは抵抗が低いですから、電気が沢山流れます。
地表で電圧の分布みたいなものを測ると、
地下にどういう電気抵抗の低いものがあるのか?
そういうことが分かるという事が知られています。
Sawada:まさに破壊して中を見る訳じゃなくて、非破壊で見るというような調査なんですね。
茂木:
地表から地震波や電気を送って、地下の様子を知ると。
私たちの目で見えない地下の様子を知る。
こういう方法を我々は「地下探査」と言っています。
Sawada:
その「地下探査」の技術を使いました防災ということなんですけれど、
具体的にはどんな形なんですか?
茂木:
地下探査というのは元々、
石油資源であるとか、金属資源であるとか、そういうものを、
これも地下深くに埋まっていますが、そういう物を調べる技術として発達してきたんですが、
最近は非常に技術のレベルが上がってきまして、細かい事まで調べられるということで、
たとえば活断層によって生じる地層のズレですね、
こういう、1枚1枚の地層のズレというものが、
地下でのそういうズレというものが分かるようになってきました。
それからたとえば、我々人間が安全に暮らすためにですね、
たとえば川の横にある堤防ですね、それを我々はつくってきましたが、
堤防というのは、皆さん見ると一様に堤防ってつくられているように思いますが、
やはり老朽化が進むと、中には水が浸みていて、
堤防の中の土が崩れているとか、そういうところがあるんですね。
だからそういう所を、
地表から地震波を送ったり、電気を送ったりして調べる事が出来るようになってきています。
Sawada:
ワァ~
そうすると、堤防なんかは、表面はコンクリですけど、後は盛土になってて、その大多数が土になっていると。
見えない所ですね。
あの、震災の影響なんかでこういうような盛土も影響をされてるんですか?
茂木:
一昨年の東北太平洋沖地震の際には、
約、堤防、河川堤防が2000カ所位のところが被災したという話を聞いています。
Sawada:
ああ、そうですか。
それを具体的な何か次の防災に、災害が起きた時にやっぱり被害を大きくするような要因になる
茂木:
目で見て完全に壊れてしまったところはいいんですけども、
逆に、「表面上何も変わっていないのに地下だけ壊れている」という所の方がもっと問題ですね。
次の時にたとえば、台風がきたり、大雨が降って河川の水位が上がったときにですね、
そういう所が弱点となって、堤防が決壊して、
川の近くに住んでいる方とか、田畑や住宅を押し流すと、
そういった被害というのが生じる可能性というのがあるんですね、
Sawada:
そうしますと、大きな地震の後とかになりますと、
ある程度密集地であるとか、必要だと思われる所に、
こういう地震の災害を大きく防ぐ意味の減災という位置づけで、
こういう調査というのはやっぱり必要なんですね。
茂木:
あの、地震の後だけじゃなくてですね、
昨今問題になっていますけれど、日本は高度成長時代、今から50年ぐらい前から始まった高度成長時代に、
堤防だけじゃなくて、トンネルであるとか、道路の盛土であるとか、
そういう、いわゆる社会インフラが急速に発達したわけですね。
それがまさに50年を経て老朽化している訳ですね。
だから、地震とかが無くても、その老朽化によって痛んでいるところという事があるわけですね。
それも、「目で見えて痛んでいる」ならいいんですが、、
表面は何でもないのに中身が、地下の深いところで痛んでいると。
こういうものをいかに調べるかという事が、やはり重要になってくるんですね。
そういう潜在的なと言いますか、地下にある危機ですね。
こういうのを調べることが、非常にこれからの安心安全という意味では重要になってくるかと思います。
原発の活断層調査方法は片手落ち
Sawada:
そうですね。
それでお話を聞いていて活断層の部分ですけれども、
今福島第一原発を受けてですね、再稼動その他、
大飯の再稼働、東通等、調査等が始まっていますけれども、
この中でもちろん規制委員会の方で「活断層を調べる」というところでお話が出ていますが、
一方でですね「、活断層を調べるのに本当の専門家が入っていないんじゃないか?」
なんていう表現をされる時があるんですが、
この、今先生がおっしゃった地震波を使う、もしくは電磁波を使うといった、この非破壊検査による手法と、
今実際に取られている手法との違いって何かあるもんなんでしょうか?
茂木:
いま、「原発の敷地内に活断層があるかないか?」という調査が盛んに行われていますが、
その調査は地表に大きな溝を掘ってですね、実際に断層が活動しているかどうか?ですね。
40万年より以前にですか、活動しているかどうか?という事を
目で見て調べている訳ですね。
ところが、その…トレンチですからせいぜい深さ5m、どんなに行っても10m程度だと思うんですが、
そういう本当に地表近くの変異を調べている訳ですね。
もちろん地下で岩盤が地表近くまで達しているというそういう所は、
地表の変異と地下の変異が非常にそう関している場合が多いんですが、
そうじゃない、たとえば軟らかい地層が地表付近に存在するというような場合にはですね、
その地表付近で見える割れ目というのは、
地震によって動いた活断層のごく一部にすぎないこともあるわけですね。
活断層の本体と言いますか、本当に地震のもととなって動いている活断層っていうのは
少し違う場所にあるという事もあるんですね。
だから、必ずしも地表の露頭と言いますか、だけで判断するというのは、
場合によると片手落ちになるんじゃないかと私は思います。
実際にですね、主としてそういう地表の調査によって、
日本には100何10ヶ所活断層があると言われてきて、
1995年の兵庫県南部地震以来、調べられてきましたが、
残念ながらですね、兵庫県南部地震もそうですけれども、
その後に起こった2000年の鳥取地震、
2004年の中越地震、
2005年の能登半島地震、
それから2007年の中越沖
2008年の岩手宮城
どれをとっても調べていた活断層では起こっていないんですね。
つまり、そういう意味では地表兆候としては知られていない活断層がまだ沢山あるっていうことで、
実はそちらの中に現実に大きな地震を起こす活断層があるということですね。
Sawada:
そうなると、知られている所に今、原発が立地しているということでも危険ですけれども、
先ずは、その原発立地のところに本当にあるのか?どの程度なのか?っていうのは、
正直、今の調査方法だけでは十分甘いということなんでしょうね。
茂木:
はい。
だから、原発を調べる時に、周辺も含めて地下に本当に活断層が無いかどうか?
地表では見えないような活断層が無いかどうか?ですね。
そういう調査はするべきだと思います。
Sawada:
そうすると、全て今ある50数基の原発についての部分については、やっぱり至急に調べて
「科学の英知を」とよく言いますけれども、
まさにこの安全な部分を保障する所については、
この部分は最新の手法を持って、専門家をもってやるべきなんでしょうかね?
茂木:はい、そういう事をすべきだと思います。
Sawada:
そうですか。じゃ、是非これを…
私たちは単純にですね、素人が聞くと「調査したのかなぁ」と
「過去の事の歴史を調べているのかなぁ」という所にまでしか思いは至らないんですけど、
やはり、手法があるんですね。
茂木:
なかなか、地下を正確に把握するっていうのは、最初に申し上げたように難しい事なんですけど、
最近非常に技術的にも進んできて、精度も上がってきたし、分解度も上がってきたので、
活断層の活動性を評価するのに役立つレベルに「地下探査」というのはなってきたと思います。
Sawada:
そうですか。
それに費用もそんなに高いわけでもないんですよね?
茂木:
はい。
結局地表の調査ですから、掘ったりしませんから、
ある意味では、環境にも優しいし、
費用も、メチャクチャ高いというようなものではないと思います。
Sawada:期間的にも短くなる?
茂木:
別に掘ったりなんなりしなくて、地表を荒さないでですね、
あまり荒さないで、地表にこう、地震計を並べるとか、地表に電極を打つとか、そういう程度で出来ますから、
ある意味じゃ、地主の方が許可していただければ、すぐにでも出来ると。
Sawada:
そうですか。
震災から約2年経とうとしていますけれども、それ以降、安全かどうか?
先ず根本に「地盤がどうか?」という話が出ている中で、
「ずいぶん調査に時間がかかっているなぁ」というのもありますけれど、
これはある種、やっぱり社会の目で監視して、
「こういう新しい方法でしっかりやって欲しい」というところを
私たちが見ていかなければいけないというところなんでしょうかね。
茂木:はい、そう思います。
Sawada:
そうですか。
分かりました。ぜひこういう先生の研究の地下探査の分野で、
なるべく可能な限り防災が出来るというような所が実現できればいいですね。
今後ともよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
茂木:はい、どうもありがとうございました。
ーーー
前回の茂木先生のお話はこちら↓
【ペイフォワード環境情報教室】
「1週間後にM7が70%」と言われた時に、皆さんどういう行動をしますか?
12/28茂木透先生(文字おこし)
<本日のテーマ>
地下探査による防災をテーマに、活断層調査について
Sawda:
北海道大学大学院理学研究院教授であり、地震火山研究観測センターの茂木透先生をお迎えしております。
茂木先生は北海道を中心に地震予知の研究などをされています。
先生には「地下探査による防災」というテーマで、活断層調査についてお話しいただきます。
地下探査で見えない部分を見る
Sawada:
前回は地震予知という部分でお話を頂きましたが、
今回はご専門であります「地下探査による防災」というようなテーマでお話しいただこうと思います。
地下探査というところですけれども、
ちょっと素人には聞きなれない言葉ですけれども、
具体的にはどういうような内容で地下探査というのはされているんでしょうか?
茂木:
「地下探査」というのはですね、字のごとく地下を探査する、調べるという事ですけど、
私たちの目というのは1cmの深さにコインが埋まっていても見えない、地下が見えないんですね。
だから、大事なものを埋めておく時に埋蔵金なんていうものもありますけれども、
私たちの目が見えないので、なにか他の技術を使ってですね、
「地下を見よう」という技術の事を言います。
それで、どうやって見るか?という事ですが、
普通使われているのが、まず、
地震波を発生させる。
「地震を起こす」と言うと変に思われる方がいるかと思いますが、
たとえば、地面を叩くんですね。
そうすると振動が伝わります。
それはずーっと、強く叩けば地下深いところまで達します。
それで、地下に硬い岩、軟らかい岩があると、その境界で地震波が反射してくるんですね。
その反射してくる時間をはかる事によって、
地下のどのぐらいの深さにそういう硬い岩があるか?とか、
軟らかい岩との境界があるか?とか、そういう事が分かります。
それからもうひとつの方法は、地面から電気を流します。
そうすると、電気抵抗の低い場所ですね、
たとえば水が多い場所とか、そういう所があると、そこは抵抗が低いですから、電気が沢山流れます。
地表で電圧の分布みたいなものを測ると、
地下にどういう電気抵抗の低いものがあるのか?
そういうことが分かるという事が知られています。
Sawada:まさに破壊して中を見る訳じゃなくて、非破壊で見るというような調査なんですね。
茂木:
地表から地震波や電気を送って、地下の様子を知ると。
私たちの目で見えない地下の様子を知る。
こういう方法を我々は「地下探査」と言っています。
Sawada:
その「地下探査」の技術を使いました防災ということなんですけれど、
具体的にはどんな形なんですか?
茂木:
地下探査というのは元々、
石油資源であるとか、金属資源であるとか、そういうものを、
これも地下深くに埋まっていますが、そういう物を調べる技術として発達してきたんですが、
最近は非常に技術のレベルが上がってきまして、細かい事まで調べられるということで、
たとえば活断層によって生じる地層のズレですね、
こういう、1枚1枚の地層のズレというものが、
地下でのそういうズレというものが分かるようになってきました。
それからたとえば、我々人間が安全に暮らすためにですね、
たとえば川の横にある堤防ですね、それを我々はつくってきましたが、
堤防というのは、皆さん見ると一様に堤防ってつくられているように思いますが、
やはり老朽化が進むと、中には水が浸みていて、
堤防の中の土が崩れているとか、そういうところがあるんですね。
だからそういう所を、
地表から地震波を送ったり、電気を送ったりして調べる事が出来るようになってきています。
Sawada:
ワァ~
そうすると、堤防なんかは、表面はコンクリですけど、後は盛土になってて、その大多数が土になっていると。
見えない所ですね。
あの、震災の影響なんかでこういうような盛土も影響をされてるんですか?
茂木:
一昨年の東北太平洋沖地震の際には、
約、堤防、河川堤防が2000カ所位のところが被災したという話を聞いています。
Sawada:
ああ、そうですか。
それを具体的な何か次の防災に、災害が起きた時にやっぱり被害を大きくするような要因になる
茂木:
目で見て完全に壊れてしまったところはいいんですけども、
逆に、「表面上何も変わっていないのに地下だけ壊れている」という所の方がもっと問題ですね。
次の時にたとえば、台風がきたり、大雨が降って河川の水位が上がったときにですね、
そういう所が弱点となって、堤防が決壊して、
川の近くに住んでいる方とか、田畑や住宅を押し流すと、
そういった被害というのが生じる可能性というのがあるんですね、
Sawada:
そうしますと、大きな地震の後とかになりますと、
ある程度密集地であるとか、必要だと思われる所に、
こういう地震の災害を大きく防ぐ意味の減災という位置づけで、
こういう調査というのはやっぱり必要なんですね。
茂木:
あの、地震の後だけじゃなくてですね、
昨今問題になっていますけれど、日本は高度成長時代、今から50年ぐらい前から始まった高度成長時代に、
堤防だけじゃなくて、トンネルであるとか、道路の盛土であるとか、
そういう、いわゆる社会インフラが急速に発達したわけですね。
それがまさに50年を経て老朽化している訳ですね。
だから、地震とかが無くても、その老朽化によって痛んでいるところという事があるわけですね。
それも、「目で見えて痛んでいる」ならいいんですが、、
表面は何でもないのに中身が、地下の深いところで痛んでいると。
こういうものをいかに調べるかという事が、やはり重要になってくるんですね。
そういう潜在的なと言いますか、地下にある危機ですね。
こういうのを調べることが、非常にこれからの安心安全という意味では重要になってくるかと思います。
原発の活断層調査方法は片手落ち
Sawada:
そうですね。
それでお話を聞いていて活断層の部分ですけれども、
今福島第一原発を受けてですね、再稼動その他、
大飯の再稼働、東通等、調査等が始まっていますけれども、
この中でもちろん規制委員会の方で「活断層を調べる」というところでお話が出ていますが、
一方でですね「、活断層を調べるのに本当の専門家が入っていないんじゃないか?」
なんていう表現をされる時があるんですが、
この、今先生がおっしゃった地震波を使う、もしくは電磁波を使うといった、この非破壊検査による手法と、
今実際に取られている手法との違いって何かあるもんなんでしょうか?
茂木:
いま、「原発の敷地内に活断層があるかないか?」という調査が盛んに行われていますが、
その調査は地表に大きな溝を掘ってですね、実際に断層が活動しているかどうか?ですね。
40万年より以前にですか、活動しているかどうか?という事を
目で見て調べている訳ですね。
ところが、その…トレンチですからせいぜい深さ5m、どんなに行っても10m程度だと思うんですが、
そういう本当に地表近くの変異を調べている訳ですね。
もちろん地下で岩盤が地表近くまで達しているというそういう所は、
地表の変異と地下の変異が非常にそう関している場合が多いんですが、
そうじゃない、たとえば軟らかい地層が地表付近に存在するというような場合にはですね、
その地表付近で見える割れ目というのは、
地震によって動いた活断層のごく一部にすぎないこともあるわけですね。
活断層の本体と言いますか、本当に地震のもととなって動いている活断層っていうのは
少し違う場所にあるという事もあるんですね。
だから、必ずしも地表の露頭と言いますか、だけで判断するというのは、
場合によると片手落ちになるんじゃないかと私は思います。
実際にですね、主としてそういう地表の調査によって、
日本には100何10ヶ所活断層があると言われてきて、
1995年の兵庫県南部地震以来、調べられてきましたが、
残念ながらですね、兵庫県南部地震もそうですけれども、
その後に起こった2000年の鳥取地震、
2004年の中越地震、
2005年の能登半島地震、
それから2007年の中越沖
2008年の岩手宮城
どれをとっても調べていた活断層では起こっていないんですね。
つまり、そういう意味では地表兆候としては知られていない活断層がまだ沢山あるっていうことで、
実はそちらの中に現実に大きな地震を起こす活断層があるということですね。
Sawada:
そうなると、知られている所に今、原発が立地しているということでも危険ですけれども、
先ずは、その原発立地のところに本当にあるのか?どの程度なのか?っていうのは、
正直、今の調査方法だけでは十分甘いということなんでしょうね。
茂木:
はい。
だから、原発を調べる時に、周辺も含めて地下に本当に活断層が無いかどうか?
地表では見えないような活断層が無いかどうか?ですね。
そういう調査はするべきだと思います。
Sawada:
そうすると、全て今ある50数基の原発についての部分については、やっぱり至急に調べて
「科学の英知を」とよく言いますけれども、
まさにこの安全な部分を保障する所については、
この部分は最新の手法を持って、専門家をもってやるべきなんでしょうかね?
茂木:はい、そういう事をすべきだと思います。
Sawada:
そうですか。じゃ、是非これを…
私たちは単純にですね、素人が聞くと「調査したのかなぁ」と
「過去の事の歴史を調べているのかなぁ」という所にまでしか思いは至らないんですけど、
やはり、手法があるんですね。
茂木:
なかなか、地下を正確に把握するっていうのは、最初に申し上げたように難しい事なんですけど、
最近非常に技術的にも進んできて、精度も上がってきたし、分解度も上がってきたので、
活断層の活動性を評価するのに役立つレベルに「地下探査」というのはなってきたと思います。
Sawada:
そうですか。
それに費用もそんなに高いわけでもないんですよね?
茂木:
はい。
結局地表の調査ですから、掘ったりしませんから、
ある意味では、環境にも優しいし、
費用も、メチャクチャ高いというようなものではないと思います。
Sawada:期間的にも短くなる?
茂木:
別に掘ったりなんなりしなくて、地表を荒さないでですね、
あまり荒さないで、地表にこう、地震計を並べるとか、地表に電極を打つとか、そういう程度で出来ますから、
ある意味じゃ、地主の方が許可していただければ、すぐにでも出来ると。
Sawada:
そうですか。
震災から約2年経とうとしていますけれども、それ以降、安全かどうか?
先ず根本に「地盤がどうか?」という話が出ている中で、
「ずいぶん調査に時間がかかっているなぁ」というのもありますけれど、
これはある種、やっぱり社会の目で監視して、
「こういう新しい方法でしっかりやって欲しい」というところを
私たちが見ていかなければいけないというところなんでしょうかね。
茂木:はい、そう思います。
Sawada:
そうですか。
分かりました。ぜひこういう先生の研究の地下探査の分野で、
なるべく可能な限り防災が出来るというような所が実現できればいいですね。
今後ともよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
茂木:はい、どうもありがとうございました。
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前回の茂木先生のお話はこちら↓
【ペイフォワード環境情報教室】
「1週間後にM7が70%」と言われた時に、皆さんどういう行動をしますか?
12/28茂木透先生(文字おこし)
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