神戸大学2008年度前期文系第3問の図形と式と確率の無理やり融合した問題です。
[問題]

(1)xy平面において、円(x-a)^2+(y-b)^2=2c^2と直線y=xが共有点をもたないためのa,b,cの条件を求めよ。ただし,a,b,cは定数でc≠0とする。
(2)1個のサイコロを3回投げて出た目の数を、順にa,b,cとする。a,b,cが(1)で求めた条件をみたす確率を求めよ。
[解答と解説]
(1)

図形的にもやれますが、y=xを円の式に代入してxの二次方程式に判別式D<0って言うオーソドックスな解答でよいと思います。
(x-a)^2+(y-b)^2=2c^2
にy=xを代入して
(x-a)^2+(x-b)^2=2c^2
⇔
2x^2-2(a+b)x+a^2+b^2-2c^2=0
この判別式をDとすると、円と直線が共有点を持たないためにはD<0
D/4=(a+b)^2-2(a^2+b^2-2c^2)
D/4<0
⇔
-(a-b)^2+4c^2<0
⇔
2|c|<|a-b|
なぜ
(2c-a+b)(2c+a-b)<0
ではなく
2|c|<|a-b|
なのか言うと、(2)を解く時に便利だからです。
(2)

a,b,cは整数だから
2|c|<|a-b|
⇔
2|c|+1≦|a-b|
です。
これは例えばnを整数とすると
3<n
nが3より大きいは
4≦n
nが4以上と同じことって意味です。
当たり前なんですが、整数問題の難問ではこんなことをよく使います。
でもこの問題では単に、微妙にわかりやすくなりそうだからやっただけです。
それで
2|c|+1≦|a-b|
となるよう組み合わせを求めるわけですが、c=3を入れると
7≦|a-b|
で、|a-b|を出来るだけ大きくしても差は6-1=5だからc≧3以上では条件を満たさなくなります。
だからc=1,2って入れて(a,b)を全部組み合わせ求めて、c≧3以上は無理って解答にします。
まずはサイコロを3回投げて出る目の総数は6^3通りです。
(i)c=1の時
3≦|a-b|です。
a=bは無いから、a<bの時を求めてa>bはそれをひっくり返したらいいですね。
a<bは
(a,b)=(1,4),(1,5),(1,6)
,(2,5),(2,6)
,(3,6)
で6通り。
a>bは同じ数だけ出るから12通り。
(ii)c=2の時
5≦|a-b|です。
(a,b)=(1,6),(6,1)
の2通りだけですね。
(iii)c≧3の時
2c+1≧7
|a-b|≦6-1=5
よって条件は満たす、a,b,cは存在しない。
だから答えは
14/6^3=7/108
です。
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