ロシアの軍事介入が「侵略」だったとは思わない人も居る。これがその理由だ(要点)
マイク・ウィットニー氏の論説の要点。
Some of Us Don’t Think the Russian Invasion Was “Aggression.” Here’s Why.
相手の立場になって考えてみるには、現実とは逆のパターンを想像してみれば良い。例えば中国が米国を弱体化させる為にメキシコに傀儡政権を据え、軍を武装させて訓練を施し、メキシコ在住の米国人を何千人も砲撃で死傷させたとする。その時バイデン政権がどう反応するであろうかを考えれば、ロシア軍がウクライナ軍に対してやっていることは相当抑制的だと解るだろう(訳注:NATOによる様々な侵略行為を思い出してみれば良い。連中は最初に無差別爆撃を行なって大勢の民間人を巻き添えにして都市ひとつ丸ごと瓦礫に変えてから地上部隊を投入するが、ロシア軍は最初からわざわざ手間の掛かる地上部隊を投入し、それどろこかキエフ軍に戦わないよう勧告まで行なって、民間人だけでなく相手の軍の犠牲も最小限に抑えようとしている)。これとは逆の「ロシアの弱体化」をワシントンは狙っているのであり、これは別に秘密でも何でもない。バイデン政権は最早何をしようとしているのかを隠そうとさえしていない。
ロシア軍がやっているのは「謂れの無い侵略」などではなく、レスキュー・ミッションだ。ウクライナ在住のロシア人/ロシア語話者への砲撃は2014年以来殆ど休むこと無く続いてはいるが、2022年に限ったとしても、キエフ軍からの攻撃は急激にエスカレートしている。時系列で纏めるとこうだ:
02/15:キエフ軍がドンバスへの砲撃を開始した為、OSCE(欧州安全保障協力機構)は41回の停戦違反を記録。
02/16:76回の違反
02/17:316回
02/18:654回
02/19:1,413回
02/20〜21:2,026回
02/22:1,484 回
02/24:ロシア軍が介入
つまりロシア軍が介入を行わなければ、ロシア人/ロシア語話者に対する大量虐殺は止まらなかったと云うことだ。これが挑発でなかったら何なのだろうか。ロシア軍の軍事介入を「挑発されない攻撃」と呼ぶことは、この8年間に殺害された約14,000のロシア人/ロシア語話者の犠牲を無視すると云うことだ。ロシア軍の軍事介入は事前に計画されたものではなく、プーチン大統領の決定は2月になってから土壇場で下されたものであることは、CIAの機密報告書も認めている。
以下は2021/12/23に公開されたプーチン大統領のインタビュー。ロシアがウクライナの主権を脅かしているのではなく、西側/西洋がロシアの主権を脅かし続けて(そしてロシアからの訴えを一切無視して)来ているのだ。NATOに関しては冷戦後の30年以上、ソ連時代も含めると100年以上だ。この主張の一体何処に理不尽な点が含まれていると云うのだろうか、私にはさっぱり解らない。公平に見ればどちらが攻撃を仕掛けている側なのかは一目瞭然なのだと思うのだが、この構図が何故か全く見えない人の方が西側では圧倒的多数派らしい。相手に立場になって物事を考える能力が徹底的に欠落している(させられている)のだろう。「プーチンは侵略者!」と叫んでいる人は、ロシアが自らの安全を確保しようと思ったらウクライナへの軍事介入以外に一体どんな方法が有り得たと云うのか、具体的に提示すべきだ(それともロシアなんて滅んでも一向に構わないとでも?)。
Russia's Putin: The US is parking missiles "on the porch of our house"
Some of Us Don’t Think the Russian Invasion Was “Aggression.” Here’s Why.
相手の立場になって考えてみるには、現実とは逆のパターンを想像してみれば良い。例えば中国が米国を弱体化させる為にメキシコに傀儡政権を据え、軍を武装させて訓練を施し、メキシコ在住の米国人を何千人も砲撃で死傷させたとする。その時バイデン政権がどう反応するであろうかを考えれば、ロシア軍がウクライナ軍に対してやっていることは相当抑制的だと解るだろう(訳注:NATOによる様々な侵略行為を思い出してみれば良い。連中は最初に無差別爆撃を行なって大勢の民間人を巻き添えにして都市ひとつ丸ごと瓦礫に変えてから地上部隊を投入するが、ロシア軍は最初からわざわざ手間の掛かる地上部隊を投入し、それどろこかキエフ軍に戦わないよう勧告まで行なって、民間人だけでなく相手の軍の犠牲も最小限に抑えようとしている)。これとは逆の「ロシアの弱体化」をワシントンは狙っているのであり、これは別に秘密でも何でもない。バイデン政権は最早何をしようとしているのかを隠そうとさえしていない。
ロシア軍がやっているのは「謂れの無い侵略」などではなく、レスキュー・ミッションだ。ウクライナ在住のロシア人/ロシア語話者への砲撃は2014年以来殆ど休むこと無く続いてはいるが、2022年に限ったとしても、キエフ軍からの攻撃は急激にエスカレートしている。時系列で纏めるとこうだ:
02/15:キエフ軍がドンバスへの砲撃を開始した為、OSCE(欧州安全保障協力機構)は41回の停戦違反を記録。
02/16:76回の違反
02/17:316回
02/18:654回
02/19:1,413回
02/20〜21:2,026回
02/22:1,484 回
02/24:ロシア軍が介入
つまりロシア軍が介入を行わなければ、ロシア人/ロシア語話者に対する大量虐殺は止まらなかったと云うことだ。これが挑発でなかったら何なのだろうか。ロシア軍の軍事介入を「挑発されない攻撃」と呼ぶことは、この8年間に殺害された約14,000のロシア人/ロシア語話者の犠牲を無視すると云うことだ。ロシア軍の軍事介入は事前に計画されたものではなく、プーチン大統領の決定は2月になってから土壇場で下されたものであることは、CIAの機密報告書も認めている。
以下は2021/12/23に公開されたプーチン大統領のインタビュー。ロシアがウクライナの主権を脅かしているのではなく、西側/西洋がロシアの主権を脅かし続けて(そしてロシアからの訴えを一切無視して)来ているのだ。NATOに関しては冷戦後の30年以上、ソ連時代も含めると100年以上だ。この主張の一体何処に理不尽な点が含まれていると云うのだろうか、私にはさっぱり解らない。公平に見ればどちらが攻撃を仕掛けている側なのかは一目瞭然なのだと思うのだが、この構図が何故か全く見えない人の方が西側では圧倒的多数派らしい。相手に立場になって物事を考える能力が徹底的に欠落している(させられている)のだろう。「プーチンは侵略者!」と叫んでいる人は、ロシアが自らの安全を確保しようと思ったらウクライナへの軍事介入以外に一体どんな方法が有り得たと云うのか、具体的に提示すべきだ(それともロシアなんて滅んでも一向に構わないとでも?)。
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