[読書] ブラックペアン1988 新装版 (海堂 尊/著・講談社) 感想
医療サスペンスだが、ミステリー要素は全体的に薄め…
嵐の二宮和也さんが、2018年4月期放送の日曜劇場『ブラックペアン』の原作と言うことで読了。
1988年の東城大学医学部付属病院総合外科学教室を舞台に、派閥闘争や高い技術を持った医師らの見解の相違、様々な過去の因縁などが、新米外科医・世良雅志の目線で描かれる、「白い巨塔」のような医療サスペンスだが、ミステリー要素は全体的に薄め。
「バチスタシリーズ」の前日譚だが、初見でも全く問題なし
「バチスタシリーズ」の前日譚的な作品(と言っても数十年前)の物語。従って、小説やテレビドラマで知っている「バチスタ」に登場する登場人物たちの若い頃なども描かれているため、関連作品を知っているなら楽しさは増す。ただ、本作自体は独立した内容だから、初見でも全く問題なし。
新米外科医の成長、タイプが真逆の外科医同士の因縁ドラマ
新米外科医が一人前の外科医として成長する物語であり、タイプが真逆の外科医同士の佐伯と渡海の因縁が蠢く物語。形態は群像劇だが、個々の人間関係が刻々と変化するから、群像劇にありがちなごちゃごちゃ感は薄く、むしろパワーバランスの変化がテンポ良く進んでいくのが、面白かった。
あとがき
約30年前が舞台ですが、今でも通じる医師の心や医療の課題なども興味深く読みました。登場人物の関係が二転三転する展開も巧み。小説として面白いので、実写ドラマ化が楽しみです。
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