※画像出典:FNNプライムオンライン
斎藤元彦氏の再選で終った兵庫県知事選挙。日本テレビ系列「情報ライブ ミヤネ屋」の宮根誠司氏は「大手メディアの敗北」とコメントしました。オールドメディアVSインターネットの構図を浮き彫りにした「兵庫県知事選挙」「名古屋市長選挙」「米国大統領選挙」の余波で与野党は相次いで「SNS規制」に言及しました。非常に危険な流れです。
■石破首相、ネット偽情報の法規制に言及 政活費「衆院選で支出せず」―代表質問
https://www.jiji.com/jc/article?k=2024120300694&g=pol
時事通信 政治部 2024年12月03日 20時08分配信
衆院は3日の本会議で、石破茂首相の所信表明演説に対する2日目の各党代表質問を行った。首相はインターネット上の偽・誤情報対策として法規制の可能性に言及。「表現の自由に十分配慮しながら、必要に応じ、法規制も含めたさらなる対応を検討する」と述べた。立憲民主党の小川淳也幹事長への答弁。
■「公選法違反の恐れ」村上総務相 2馬力選挙、SNS虚偽情報に懸念
https://www.asahi.com/articles/ASSD320KWSD3PTIL007M.html
朝日新聞デジタル 鬼原民幸 2024年12月3日 15時13分
村上誠一郎総務相は3日、SNSでの虚偽情報の投稿や他候補の当選を目的とした選挙運動が公職選挙法違反になり得るとの認識を示した。参院の代表質問で、兵庫県知事選や名古屋市長選などを念頭にした立憲民主党の辻元清美氏の質問に答えた。
石破政権「SNS規制」を明言!
2024年12月03日(火)。衆議院本会議。石破茂首相は選挙でのSNSによるフェイクニュースや誹謗中傷に関して各党に対策の議論を委ねる考えを示しました。インターネット上のフェイクニュース全般については「表現の自由に十分配慮しながら必要に応じ、法規制も含めたさらなる対応を検討する」と明言しました。立憲民主党の小川淳也幹事長への答弁です。
参議院本会議。村上誠一郎総務相は「候補者が他の候補者の選挙運動を行う場合、その態様によっては公選法上の数量制限などに違反する恐れがある」と指摘しました。その上で「個別の事案が公選法の規定に該当するか否かは具体的事実に即して判断されるべき」と述べました。
兵庫県知事選挙の際に政治団体「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首は自身の当選ではなく再選を果たした斎藤元彦知事を応援する選挙活動を展開しました。いわゆる「2馬力選挙」です。
選挙では公平性を担保する為に各候補者の「ビラ」「ポスター」「スピーカー」の数を制限しています。特定の候補者を当選・落選させる目的である候補者(今回のケースでは立花孝志氏)もしくは複数人の候補者を立候補させるのは量的に制限のある選挙運動では公平性の点で問題を孕んでいます。
また、フェイクニュースや誹謗中傷については「公選法が定める虚偽事項公表罪の対象になる」と見解を示しました。SNSを含めてインターネット上の発信は公職選挙法違反の対象になる可能性を指摘しています。立憲民主党の辻元清美氏への答弁です。
これに先立って、村上誠一郎総務相は米国大統領選挙でSNS上に飛び交ったフェイクニュースに関して「これからの課題」「非常に奥の深い問題」と前置きした上で「表現の自由を十分に配慮しながら、丁寧に検討を進めてきたい」と述べて法規制を示唆しています。
与野党の執行部は法規制を示唆!
2024年11月19日(火)。時事通信の記事によれば、兵庫県知事選挙のSNSの影響に関して、自民党の小野寺五典政調会長は「真偽が分からないものが拡散し、それが世論をつくっていくのは危険だ」と警鐘を鳴らしています。
公明党の岡本三成政調会長は「正しい判断をしていただくために情報をどう提供していくか検証したい」とコメントしました。立憲民主党の小川淳也幹事長は「この時代ならではの新しい民主主義の課題だ」と述べた上で公職選挙法の改正議論の必要性に言及しています。
SNSの活用・規制の両面で喧々諤々!
2024年11月26日(火)。広沢一郎氏の勝利で終った名古屋市長選挙。自民党の福田達夫幹事長代行は「政策や政治姿勢を伝える手段として積極的に活用すべきだ」とSNSでの発信拡大に取り組む考えを示しました。
また、兵庫県知事選挙を巡って、公明党の斉藤鉄夫代表は記者団に「既成政党への不信もあると思う」「詳しく分析する必要がある」と述べました。一方で、同党の西田実仁幹事長は政府・与党連絡会議で「選挙を巡るインターネット上のフェイクニュースの悪影響が話題となっている」「深く議論する必要がある」と法規制の可能性を示唆しています。
左派政党は規制強化に積極的?
SNSの偽情報、フェイク対策、法律などの対応も講じないと、来年夏の参議院選挙は、大変なことになる。国会で議論すべき、重大テーマ。
— 吉田はるみ 🕊 衆議院議員 東京8区 杉並区 (@YoshidaHarumi) November 24, 2024
このところのSNS選挙の流れ、恐ろしいものを感じる。
広沢一郎氏、“反河村たかし氏包囲網”もSNS駆使 支持広げ(毎日新聞) https://t.co/BXxyy3v1Ki
立憲民主党の吉田はるみ氏は自身のX(旧Twitter)で名古屋市長選挙に関して上記のようにポストしました。これは言論統制を明言したに等しいです。引用を見れば好意的な意見はほぼ皆無でした。野党でSNS規制に積極的なのは立憲民主党です。同党の動向に要警戒です。
管理人後記!
兵庫県知事選挙の結果を受けてNHKの稲葉延雄会長は「どうすれば投票の判断材料を適切に提供していけるか。公共放送として果たすべき選挙報道の在り方を真剣に検討していく必要がある」とコメントしました。同選挙の出口調査で投票の際にSNSや動画サイトを参考にした有権者は多く若年層でその傾向は強かったようです。
再選を果たした斎藤元彦知事は、就任後初の記者会見でSNSの誹謗中傷について問われた際に「私自身はあくまで自分の政策や思いを訴えてきた」「SNSは冷静によく見ながら使っていくことが大事だ」と述べました。
その上でSNS上の誹謗中傷やフェイクニュースの拡散を防ぐ為に条例の制定を表明しました。これは1期目の在任中に示していた方針です。県議会の動向に要注目です。
国民民主党の玉木雄一郎代表は斎藤元彦知事の勝因について「SNSの影響」を指摘した上で「我々、国民民主の(衆院選での)躍進にもSNSが特に影響したと言われるが、これは一つの手段。言っている主張が一番大事」と強調しました。また「選挙になったからと言って急にSNSを始めてもうまくいかない。常日頃からの情報発信、『ネットどぶ板』は大事だと思う」と述べています。
左派政党支持の活動家やオールドメディアは数年前まで「旧Twitter社のキュレーションチームと組んでトレンドを操作」していたのは記憶に新しいです。
イーロン・マスク氏の同社買収でキュレーションチームは解体、フェミニズム、ポリティカル・コレクトネス、男性差別を煽るポストや記事(ハフポストなど)は激減、X(旧Twitter)はある意味で「自由な言論空間」になりました。結果的に左派政党は規制強化に乗り出したと思われます。
現時点でSNS規制に慎重なのは玉木雄一郎氏(党単位では不明)です。基本的に与野党とオールドメディアの利害は一致しています。規制強化の流れになれば一瞬で決るのでまずは「反対」の声を上げなければ危険です。