二級建築士 平成25年度 学科III(建築構造)解答解説③
平成25年度 学科III(建築構造)ー3/5
[ No.11 ]
木質構造の接合に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.同一の接合部に力学特性の異なる接合法を併用する場合の許容耐力は、一般に、 個々の接合法の許容耐力を加算して算出することはできない。
2.接合部の許容耐力は、一般に、木材の比重に影響される。
3.木材と木材の一面せん断接合において、有効主材厚は木ねじの呼び径の 6倍以上とし、側材厚は木ねじの呼び径の 4倍以上とする。
4.ボルト接合部において、せん断を受けるボルトの間隔は、木材の繊維に対する加力方向の違いに関係なく一定とする。
5.ドリフトピン接合において、施工時の木材の含水率が 20%以上である場合、接合部の許容せん断耐力を低減する。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
設問のとおりで、一般に個々の接合法の許容耐力を加算して算出することはできない。
2.◯
設問のとおりである。一般に、木材の比重に影響される。
3.◯
設問のとおりで、有効主材厚は木ねじの呼び径の 6倍以上で、側材厚は木ねじの呼び径の 4倍以上とする。
4.×
設問における、ボルトの間隔は、木材の繊維に対する加力方向の違いに関係する。(平13国交告1024号第3表7参考)
5.◯
設問のとおりで、ドリフトピン接合において、施工時に木材の含水率が20%以上である場合、接合部の許容せん断耐力を低減する。
[ No.12 ]
木造2階建の建築物の構造設計に関する次の記述のうち、最も不適当なもの はどれか。
1.2階の耐力壁の位置は、1階の耐力壁の位置の直上又は市松状の配置となるようにする。
2.風圧力に対して必要な耐力壁の有効長さ(必要壁量)を求める場合、2階建の建築物 の2階部分の見付面積に乗ずる数値は、平家建の建築物の見付面積に乗ずる数値と同じである。
3.構造用合板による真壁造の面材耐力壁の倍率は、貫タイプより受け材タイプのほうが小さい。
4.水平力が作用した場合に生じる柱の浮き上がり軸力は、柱の位置に応じて、水平力時の柱軸力を低減して算定する。
5.梁、桁等の横架材の材長中央部の引張側における切欠きは、応力集中による弱点となりやすいので、できるだけ避ける。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
設問のとおりで、2階の耐力壁の位置は、1階の耐力壁の直上、または市松状の配置となるようにする。
2.◯
設問のとおりである。見付面積に乗じる数値は、一般に50である。(建築基準法施行令第46条第4項表3)
3.×
設問の真壁蔵の面材耐力壁の倍率は、貫タイプより受け材タイプのほうが大きい。(昭56建告1100号第2第3号、第4号)
4.◯
設問のとおりである。
5.◯
設問のとおりである。(建築基準法施行令第44条)
[ No.13 ]
補強コンクリートブロック造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.B種コンクリートブロック造の建築物の軒の高さは、11m以下とする。
2.耐力壁の横筋が異形鉄筋の場合、耐力壁の端部以外の部分における横筋の末端は、かぎ状に折り曲げなくてもよい。
3.耐力壁の中心線により囲まれた部分の水平投影面積は、床及び屋根が鉄筋コンクリート造の場合、60m2以下とする。
4.日本工業規格(JIS)において、空洞ブロックの圧縮強さによって区分されるA種、B種、C種のうち、最も圧縮強さが大きいものはA種である。
5.耐力壁の縦筋は、溶接接合によれば、コンクリートブロックの空洞部内で継ぐことができる。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
設問のとおりである。B種、C種コンクリートブロック造の建築物の軒高は、11m以下とする。
2.◯
設問のとおりである。(建築基準法施行令第62条の4第6項)
3.◯
設問のとおりである。(建築基準法施行令第62条の4第1項)
4.×
設問におけるA種、B種、C種のうち、最も圧縮強さが大きいものは A種ではなく、C種である。(長期でAは 0.93、Bは1.40、Cは1.86 N/mm2)
5.◯
設問のとおりである。(建築基準法施行令第62条の6第2項)
[ No.14 ]
鉄筋コンクリート構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.梁とスラブを一体に打ち込む場合、梁の剛性については、一般に、スラブの有効幅を考慮したT形梁として計算する。
2.部材の曲げモーメントに対する断面算定においては、一般に、コンクリートの引張応力度を無視する。
3.柱は、一般に、負担している軸方向圧縮力が大きくなると、靱性が小さくなる。
4.梁のせいは、建築物に変形又は振動による使用上の支障が起こらないことを計算によって確かめた場合を除き、梁の有効長さの 1/10を超える値とする。
5.帯筋・あばら筋は、一般に、せん断ひび割れの発生を抑制することを主な目的として設ける。
答え
5
[ 解答解説 ]
1.◯
設問における剛性の場合、一般にスラブの有効幅を考慮したT形梁として計算する。
2.◯
設問における断面算定において、一般にコンクリートの引張応力度を無視する。
3.◯
設問のとおりで、柱の軸方向圧縮力が大きくなると靭性が小さくなる。
4.◯
設問における梁のせいは、梁の有効長さの1/10を超える値とする。(平12建告1459号)
5.×
帯筋・あばら筋の主な目的は、せん断破壊の発生を抑制することである。
[ No.15 ]
鉄筋コンクリート構造における配筋等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1.帯筋の末端部は、135°以上に折り曲げて定着させるか、又は相互に溶接する。
2.D35以上の異形鉄筋の継手には、原則として、重ね継手を用いない。
3.「鉄筋の径(呼び名の数値)」の差が 7mmを超える場合には、原則として、ガス圧接継手を設けてはならない。
4.柱梁接合部内の帯筋の間隔は、原則として、150mm以下、かつ、その接合部に隣接する柱の帯筋間隔の 1.5倍以下とする。
5.柱の出隅部分に設ける主筋は、異形鉄筋を用いる場合、直線定着としてもよい。
答え
5
[ 解答解説 ]
1.◯
設問のとおりで、135°以上に折り曲げるか、相互に溶接する。(学会RC構造計算基準第15条2-4)
2.◯
設問のとおりで、D35以上の異形鉄筋の継手には原則として重ね継手を用いない。(学会RC構造計算規準第16条2-2)
3.◯
設問のとおりで、径の差を7mm以下とする。(日本鉄筋継手協会標準仕様書)
4.◯
設問における帯筋の間隔は原則150mm以下とし、かつ隣接する柱の帯筋間隔の 1.5倍以下とする。(学会RC構造計算規準第15条3-4)
5.×
設問における主筋の異形鉄筋で、柱の出隅部分の場合は直線定着にしてはならない。(建築基準法施行令第73条第1項)